2023年3月期 第2四半期決算説明会
成田隆志氏:ニフティライフスタイル株式会社代表取締役社長の成田でございます。10月31日発表の当社2023年3月期第2四半期決算について、補足説明をいたします。
今回の資料の表紙には、先月発表した当社イメージキャラクターの王林さんを掲載しました。後ほどご説明しますが、本年度から成長投資としてブランディング強化を行っており、その一環として「ニフティ不動産」のCMを制作しました。「YouTube」でも先行公開していますので、ぜひみなさま、ご覧いただければ幸いです。
当社のコーポレート・メッセージ
はじめに、当社のコーポレート・メッセージについてご説明します。「想像以上を、みつけよう。」というメッセージを掲げています。私たちは、「一人ひとり」のライフスタイルをテクノロジーを活用することで、便利で豊かな世の中にしたいと思っています。利用ユーザーの困りごとや企業の課題に対して、私たちがそっと背中を押すお手伝いをして、次の行動のきっかけを作っていきたいと考えています。
当社のサービスをユーザーやお取引先のみなさまにご利用いただき、「想像以上にどのようなことができるのだろう」とワクワクしながらサービスを触っていただきたいと思っていますし、また当社で働く社員には、「どんな機能があったらお客さまが喜ぶのだろうか」とワクワクしながら仕事をしてほしいと考えています。
事業概要
当社の事業概要と今期の方針についてご説明します。事業概要ですが、当社は行動支援サービス事業として2つのサービスを手掛けています。行動支援プラットフォームサービスについては、ユーザーの情報検討と企業の集客支援をアプリとWebで展開しており、情報量の多さと情報の探しやすさが、当社の特長になっています。
主要サービスである大手不動産サイトを束ねた「ニフティ不動産」や、全国の日帰り温浴施設に関する情報やお得なクーポン、口コミ情報などを掲載する独自メディア「ニフティ温泉」を展開しています。
行動支援ソリューションサービスについてです。営業接客やWebマーケティングの業務支援を行うSaaS型のツールを提供しています。インターネット広告を出稿する際のデータフィード最適化ツール「DFO」や、不動産事業者向けにオンライン接客や電子契約の業務をサポートする支援ツール「オンライン内見」を提供しています。
行動支援サービス事業の提供価値
行動支援サービス事業の提供価値をご説明します。当社のプラットフォームサービスは、生活者に対しては、世の中にある大量の情報を集約し、一人ひとりに最適な情報を提供しています。また企業に対しては、見込み客となる、ニーズの高いユーザーを効率的に送客しています。
また、ソリューションサービスについては、企業の業務効率や生産性を上げるDXツールを提供しています。企業が生活者にツールを提供することにより、世の中をより便利にすることを支援しています。
ビジネスモデルについてご説明します。行動支援プラットフォームサービスは、送客や来店促進による成果報酬型のビジネスモデルとなっており、BtoBtoC向けになるため、企業からの課金となっています。行動支援ソリューションサービスは、ツール提供によるSaaS型の月額課金のビジネスモデルとなっています。
業績推移
これまでの業績推移です。当社は2018年設立で、昨年12月に東証マザーズ市場、現グロース市場に上場しました。業績は設立以降、順調に推移しており、昨年度までの実績で見ると、年平均成長率は売上高が17.6パーセント、営業利益は23.0パーセント、当期純利益は19.1パーセントとなっています。
2023年3月期の方針
2023年3月期の方針をご説明します。当社は今期、成長投資に注力する方針を掲げています。
2023年3月期の方針:成長戦略
当社は今年度から、また新たな成長に向けてアクセルを踏むことにしました。設立からの第1成長フェーズでは、「ニフティ不動産」を中核事業とし、各サービスの確立に注力してきました。今年度からは、第2成長フェーズと位置付け、事業全体の底上げにつながるような施策に取り組んでいます。
第2成長フェーズでは、サービス認知に向けたブランディング、事業領域の拡大に向けたサービス拡充とマーケット開拓、主に事業開発・M&A等を戦略的に実行することを予定しています。
第2成長フェーズにおける重点投資
具体的には、スライドに記載した3点に対して重点的に投資したいと考えています。まずは、広告宣伝です。当社のサービスは、まだまだ世の中で知られていません。そこで今期は、主力サービスである「ニフティ不動産」を中心に、ブランディングの強化を図り、サービスの認知拡大を推進していきます。
2点目は、開発/人材です。新たな価値提供を行っていくためには、プロダクトの強化が必須です。そのために、開発投資および人材採用・育成に注力していきます。
最後は、事業開発です。既存事業の成長と同じぐらい重要視しているのが、周辺領域の開拓による事業開発です。自社開発はもちろん、資本業務提携やM&Aを活用し、より強固な事業基盤を構築していきたいと考えています。以上の成長戦略を基に今期は事業活動を行っていきますので、こちらをベースに次のページからはお話をさせていただきます。
2023年3月期第2四半期(累計) 決算ハイライト
第2四半期決算の概要についてです。第2四半期決算のハイライトは3点挙げました。1点目は売上高です。13億3,000万円でYoYプラス7.6パーセントとなりました。主力サービスの「ニフティ不動産」において、第2四半期に顧客企業が販売促進費予算を下期へシフトした影響がありましたが、YoYでのプラス成長は引き続き維持しています。
2点目は営業利益です。冒頭にお伝えしたとおり、今期は成長投資に注力しています。当第2四半期の減益については、中期成長に向けた開発や人材採用の先行投資によるもので、繁忙期の第4四半期での回収を計画しています。
3点目は当社サービスの利用実績についてです。「ニフティ不動産」アプリのダウンロード数は、9月末時点で900万ダウンロードを突破し、また「ニフティ温泉」の月間利用ユーザーはコロナ禍になる前を含め、過去最高の400万を超えました。
2023年3月期第2四半期(累計) 決算概要:連結損益計算書
連結損益計算書です。売上高はYoYでプラス7.6パーセントの増収となりました。売上総利益も、微増ではあるもののYoYプラスで着地しました。中期成長のための先行投資の実行により、営業利益、経常利益、四半期純利益ともに減益となっています。
2023年3月期第2四半期 YoY営業利益差異分析
営業利益の前年同期比での増減理由についてご説明します。第2四半期の営業利益は、2億5,000万円となっています。中期成長に向けた先行投資の影響を除く営業利益は、4億1,500万円となっており、おおむね前年並みの水準となっています。
2023年3月期第2四半期 費用(売上原価・販売費及び一般管理費)内訳
費用の内訳についてご説明します。売上原価・販管費のうち、成長投資に関する項目をピックアップしています。項目としては、開発投資はYoYでプラス6,000万円、人材投資はYoYでプラス4,100万円、広告宣伝はYoYでプラス3,000万円、M&A関連費用はYoYでプラス3,100万円となっています。
新たな価値創造のための人員獲得進捗
上期に投資を行った中で、特に人材への投資は当社の将来に向けた成長、そして新たな価値を創造するために重要であると考えています。上期は事業部門において企画・マーケティング関連のスキルを持つ人材を採用し、ブランディング強化や事業領域の拡大に向けた基礎を築きました。さらなる開発投資に向けて、引き続きエンジニアの積極採用・育成を推進するとともに、営業強化のための人材も確保していきます。
2023年3月期第2四半期(累計) 行動支援プラットフォームサービス売上高
主力サービスの決算概要についてご説明します。まず、行動支援プラットフォームサービスの売上高です。「ニフティ不動産」「ニフティ温泉」「ニフティ求人」の3つのサービスを手掛けており、売上高はYoYでプラス9.5パーセントの11億6,600万円の増収となりました。
売上高推移(上期/下期累計):ニフティ不動産
行動支援プラットフォームサービスの主力サービスである「ニフティ不動産」と「ニフティ温泉」について、詳しくご説明します。
「ニフティ不動産」の第2四半期の売上高実績です。第2四半期の売上高については、一部顧客企業による販売促進費の下期シフトの影響があり、第1四半期に比べると伸び悩みました。しかし、第3四半期以降での顧客との交渉は順調に進んでいますので、影響は一時的なものだと認識しています。
また、「ニフティ不動産」は、賃貸市場の繁忙期が1月から3月となっており、売上、利益共に下期に偏重していくと考えています。加えて、昨年以上に利用者拡大に向けた施策も取り組んでおり、下期積み増しができるよう、引き続き事業活動に注力していきます。
ニフティ不動産概況:上期の投資に対する考え方
主力サービスである「ニフティ不動産」の上期投資概況についてです。成長投資に関しては繁忙期の1月から3月に施策の効果最大化を図ることができるように、プロダクトとマーケティングの2軸を強化しています。
ニフティ不動産概況:UI/UX向上のための開発強化を推進
当社はアプリでのサービス提供に注力しており、特にUI/UX改善に向けた開発強化に力を注いでいます。機能改善・新規機能リリースは上期で約40件あり、地図機能や検索機能など、使い勝手がよくなるように改善を進めることで、送客率の向上につながっています。
ニフティ不動産概況:アプリダウンロード数は堅調
主力のアプリサービスの状況です。アプリダウンロード数は順調に伸びています。直近では、9月末時点で900万ダウンロードを突破することができました。これまではオーガニック集客で伸びている部分が多かったのですが、今期からは現状の集客にプラスしてブランディング強化による認知拡大、ユーザー数増加を目指しています。
また、上期ではSNSや動画を使った訴求検証や、マーケティングテストを行いました。繁忙期に向け、これらの施策を踏まえて取り組みを行うことで、さらなる成長を見込んでいます。後ほど詳しくご説明します。
売上高推移(上期/下期累計):ニフティ温泉
「ニフティ温泉」の売上高です。2021年3月期より新型コロナウイルスの影響を直接受けていますが、今期に入って回復の兆しが見え始めています。
7月、8月の夏休みシーズンにおいては、新型コロナウイルス感染拡大の第7波と重なり、一部で影響がありましたが、サウナ人気などもあり、利用者は順調に拡大しました。その結果、売上高はYoYでプラス24.3パーセントの1億5,500万円で着地しています。
ニフティ温泉サービス概況
スライドのグラフは「ニフティ温泉」の月間利用ユーザー数の推移です。グラフのとおり、新型コロナウイルス発生後はユーザー数が落ち込んでいましたが、少しずつ右肩上がりになってきています。
新型コロナウイルス以前には及ばない状況が続いていたものの、時流に乗ったサウナ関連の記事やスーパー銭湯ランキングなど、新たなユーザー層獲得に向けてさまざまなコンテンツを提供した結果、今年8月に過去最高の400万ユーザーを超えています。アフターコロナの追い風も含め、さらなる利用者の拡大を目指しています。
2023年3月期第2四半期(累計) 行動支援ソリューションサービス売上高
当社事業のもう1つのサービスである、行動支援ソリューションサービスについてです。インターネット広告の出稿最適化ツール「DFO」と、不動産事業者向けのオンライン接客や電子契約を支援するツール「オンライン内見」を提供しています。これらはSaaS型のビジネスモデルのため、安定的な売上を保つことができます。
売上高はYoYでマイナス3.9パーセントの1億6,300万円となりましたが、クライアント数も伸び始めているため、下期増収に向けて営業強化を図っていきたいと考えています。
第2四半期時点の通期業績予想進捗(売上高)
第2四半期時点での通期業績予想に対する進捗はスライドのとおりです。第2四半期の影響もあり、上期の進捗率は39.8パーセントと、前期の数値を下回っていますが、「ニフティ不動産」の季節偏重や、この後ご説明する下期の取り組みもありますので、この時点での通期業績予想の修正は行わない方針です。
通期業績予想達成に向けた取り組み
通期業績予想達成に向けた取り組みについてご説明します。まずは主力サービスである行動支援プラットフォームサービスを中心に注力していきます。
「ニフティ不動産」については、下期の繁忙期に向け、TV CMの放映やWeb CM、SNS広告の強化を計画しています。これに合わせた施策を展開することで、ユーザー数の増加やアプリダウンロード数1,000万の達成を目指していきます。
また、プロダクト開発を引き続き推進し、使い勝手を向上させます。送客率を上げ、ユーザー数の増加に合わせた送客数の最大化を目指していきます。
「ニフティ温泉」については、ユーザー数の拡大に向けて、年間で最大のイベントである「年間ランキング」による集客準備およびクーポン掲載企業の掘り起こしを進めていきます。
行動支援ソリューションサービスは主力の直販に加えて、販売パートナーの開拓および連携強化により、販売能力を2倍、3倍と広げていきたいと考えています。
これらの施策により、下期での売上高と利益の積み上げを目指していきたいと考えています。
新CM放映!春の繁忙期に向け、ニフティ不動産の認知度拡大を目指す
ここからは、具体的な取り組みについてご説明します。冒頭にもお伝えしましたが、「ニフティ不動産」の認知度拡大を目指して、タレントの王林さんを起用したTV CMを放映します。
部屋探しに対する「楽しい」「ワクワク」といったイメージを「ニフティ不動産」のブランドイメージとしてお伝えすることで、サービス認知拡大を図り、これまでオーガニック集客ではリーチできなかった新規ユーザーの獲得につなげていきたいと考えています。TV CMの映像は10月28日から「YouTube」にて先行公開していますので、よろしければご覧ください。
プロダクト開発推進:「使いやすい」から「使いたくなる」アプリへ
プロダクト開発についてです。「使いやすい」から、もっと「使いたくなる」アプリへの進化を目指し、引き続き開発に注力していきます。当社の開発の源は、アプリをダウンロードしていただいた、のべ900万ユーザーの声です。
実際にユーザーの声から誕生した機能も多く、また、改善要望に応えることでユーザー満足度につながり、ファンになってくださるユーザーが増えるという、よい循環が生まれていると認識しています。ファンユーザーを増やすことで当社の収益機会にもつながると考えています。
ニフティ不動産概況:プロダクト開発/新機能アップデートご紹介
先日、上期に仕込んできた開発案件2件をリリースしました。スライド左側は、賃貸用アプリの新機能としてアップデートした「すべての写真機能」、スライド右側は、購入版アプリの新機能としてアップデートした、エリア相場がひと目でわかる「相場まるわかり地図機能」です。
どちらもユーザーの声から開発を進めたもので、ただ単に部屋を探すのではなく、楽しみながら手間なく部屋を探すという付加価値のあるユニークな機能です。ぜひ使っていただき、新たな体験をしていただければと思います。
独自機能の開発は、他社との差別化につながりますので、引き続きプロダクトの強化を図り、ユーザーから選ばれるサービスを開発していきます。
周辺領域開拓強化: 住宅ローンの選び方支援サービス開始
周辺領域の開拓強化についてです。ここ最近、賃貸ユーザーに加えて購入ユーザーの利用が増えています。物件を購入する際に多くの方が利用する住宅ローンですが、その多くが購入先の不動産会社の提携ローンを利用しています。当社は物件購入時に「ユーザー自身が『住宅ローンを選ぶ』という行動を支援する」というコンセプトで需要拡大を目指しています。
「ニフティ不動産」の購入版には、不動産会社を訪問する前に「現在の年収でどのくらいの金額を借りられるのか」「返済は月々どのくらいなのか」といった住宅ローンに関するシミュレーション機能があります。このローンシミュレーターの利用者は月間4万人で、かなり多くの方に利用されています。
ローンシミュレーターのユーザーを住宅ローン見込みユーザーと捉え、ユーザーとクライアント双方に訴求できるスキームを強化しています。こちらは、ユーザーにもメリットの高い低金利のパートナーとの取り組みをすでに開始しており、足元は順調に推移しています。今後はさらなる導線強化や利用促進を行い、成長を目指していきたいと考えています。
ニフティ温泉:「年間ランキング」ユーザー投票開始
「ニフティ温泉」についてです。毎年12月に行っている「年間ランキング」について、今年も先月から投票を開始しています。例年、年末年始に向けて、「年間ランキング」の情報がメディアでも取り上げられることが多くなりますが、今年は新たな試みとして、各種メディアと連携し、より多くの人に知っていただけるようにPRを強化していきたいと考えています。
ニフティ温泉:クーポンビジネス強化により、売上収益の最大化を目指す
アフターコロナを見据えた営業戦略にも着手していきたいと考えています。コロナ禍のこの2年間で利用客が落ち込み、クーポン掲載から離脱してしまったクライアントに対して、掘り起こしの施策を強化していきます。また、既存のクライアントに対しても、クーポン種類の拡大や、ユーザーメリットの高い内容への変更など、提案活動にも注力していきます。
さらに、サウナ施設などのクーポン未掲載の施設に対する営業活動も強化し、クーポン送客ビジネス強化による成長につなげていきます。今後のレジャー需要の高まりや、昨今のサウナブームも活用しながら、売上収益の最大化を目指していきます。
第2成長フェーズにおける注力項目
ここまでは下期の戦略についてお話ししてきましたが、ここからは中期的な目線での成長戦略について触れます。冒頭でもお伝えしたとおり、今年度以降を第2成長フェーズと考えており、「周辺領域の開拓」「CRM活用の強化」「事業ポートフォリオの強化」の3点を注力項目としています。
①周辺領域の開拓
まず、周辺領域の開拓についてです。こちらは今ある行動支援サービス事業の各サービスを充実させるとともに、既存サービスと親和性の高い領域を中心に開拓を進めていきます。
①周辺領域の開拓:ニフティ不動産→お部屋探しから住まい全般の支援へ
「ニフティ不動産」の周辺領域では、現在手掛けている賃貸と購入に加えて、売却領域でのサービスを早急に構築したいと考えています。また、借りる、買う、売るといった住み替えの際には、付随するアクションやライフイベントの発生が想定されるため、今までのお部屋探し支援から住まい全般の支援へ、より幅広いサービス展開を考えています。
当社には、これまで「ニフティ不動産」を利用して物件を探したお客さまの行動データが蓄積されています。このようなデータを活用することで、既存のお客さまや新規のお客さまに、さまざまな当社のサービス提案をすることが可能だと考えています。また、周辺領域でのサービス展開にあたっては、業務提携やM&Aを積極的に推進し、効率的に事業を拡大していきたいと考えています。
①周辺領域の開拓:ニフティ温泉→ウェルネス領域の開拓を検討・推進へ
「ニフティ温泉」についてです。温泉の周辺領域への展開としてウェルネス市場を想定しています。ウェルネスとは広い視野で捉えた健康観で、「よりよく生きる」とか「自分に適したライフスタイルの確立」といった概念のことです。
当社は全国の温浴施設との長年のリレーションを持ち、温泉やサウナ、スパといった健康や美容に興味のあるユーザーを抱えているため、このウェルネス分野と非常に親和性が高いと考えています。
体験型広告等、温浴施設を活用した当社独自のネットワークサービスや、当社のプラットフォームサービスの知見を活かした情報比較や検討のための新たなサイトの立ち上げ、心身ともに健康であるためのコンテンツの提供など、ウェルネス領域での支援サービスを展開できないか検討を始めています。
①周辺領域の開拓:ニフティ温泉の世界観をウェルネス領域へ
「ニフティ温泉」の周辺領域として、現在手掛けている日帰り旅行に加え、宿泊を伴う旅行領域でのサービスを展開し、温泉ファンのさらなる拡大を目指します。また、前述のウェルネス市場では、健康に関する食や体験型の旅行、フィットネス、そしてリラクゼーションやボディケアなどの美容に関する領域等、幅広いサービス展開が可能であると考えています。
「ニフティ温泉」のユーザー訴求はもちろん、当社が蓄積している温泉ユーザーのライフスタイルデータを収集・分析し、ウェルネス市場参入への足がかりにするとともに、データの活用によって既存のお客さまや新規のお客さまに、さまざまな当社サービスの提案をしていきたいと考えています。
②CRM活用の強化
CRM活用の強化についてです。各サービスをご利用いただいているファンをしっかりと顧客管理して、コミュニケーション強化を推進していきます。周辺領域の開拓に関する項目でもデータの有効活用についてお話ししましたが、一過性のサービス利用ではなく、リピートして何度もご利用いただき、当社のファンになっていただくための施策に注力していきたいと考えています。
顧客情報をもとにニーズを把握し、適切なタイミングで最適なサービスをご提案することで、ファンユーザーの拡大に努めていきます。
③事業ポートフォリオの強化
3点目が事業ポートフォリオの強化です。現在の当社のビジネスは、「ニフティ不動産」が大きな割合を占めています。主力以外のサービスについても存在感を示せるように、また、持続的な成長が可能なサービスになるように、てこ入れを進めていきたいと考えています。
「オンライン内見」は子会社の株式会社Tryell(トライエル)が運営する事業で、不動産DXの加速に伴って伸びしろが大きい事業であると認識しています。また、Tryellは不動産会社とダイレクトな取引を手掛けているため、提供サービスを広げることで、収益の拡大を図っていきたいと考えています。
「DFO」についてです。デジタル広告に関しては今後ますます伸びる市場であると考えています。現在のツールに限らず、さらなるデジタルマーケティング事業の拡大を目指していきたいと考えています。
「ニフティ求人」について、求人事業はレッドオーシャン状態であるため、現在は苦戦しています。そのため、アフターコロナのアルバイト需要に向けた取り組みを深耕しつつ、働き方の多様化により注目を集めているフリーランス分野などの新たな領域展開についても進めていきたいと考えています。
最後に新規サービスについてです。M&Aは当社が今後成長していくために欠かせないファクターです。事業領域の拡大を目指し、M&Aや資本業務提携、新規事業開発を積極的に進めることで、より強固な事業基盤を構築したいと考えています。
中長期の成長に向けて
ご説明した成長戦略を基に、各サービスの事業基盤を強固なものとし、成長を加速していきます。また、中期経営計画は年度末までには作成し、適切なタイミングにてみなさまにお示しできるよう、引き続き取り組んでいきます。
企業価値向上に向けた取り組みをすすめてまいります
この他、当社では事業の理解と認知度の向上を目指して、IR活動を強化する方針を掲げています。また、サステナビリティを巡る課題認識の取り組みの一環として、基本方針を策定し、ホームページで公開しています。IR活動の強化並びに積極的な情報開示、内容の充実に努め、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に取り組んでいきます。
以上、2023年3月期第2四半期の決算説明とさせていただきます。来月で上場1周年となりますが、今後とも全社一丸となって、事業の成長に向けて尽力していく所存です。引き続き変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。
みなさま、ご清聴ありがとうございました。