ハイマックスのポイント

エミンユルマズ氏(以下、エミン):最新の四季報で、特色の部分を読むと「独立系SI。金融、保険、流通、クレジットカードが主体。野村総研、IBM、富士通向けが多い」とあります。

まず、私たちが見ているのは、右から2つ目にあるコメント欄で、前半には、今の状況を表して「【最高益】流通、運輸など非金融顧客の案件が牽引」と、非常にポジティブなことが書いてあります。そして後半には、「配当性向40パーセントで増配幅拡大も」と書いてあるのです。コメントの前半は今の状況、後半は今後の動きです。そのような意味で、どちらも実はかなりポジティブなことが書いてあります。

特に、重点政策として「アジャイル開発、AIなど次世代型技術の開発投資やDX系技術者育成に注力」とあります。今、おそらく日本で一番必要な、DXの技術者育成に注力していくと書いてあるのです。

そして、次に私が見るのはバランスシートです。こちらを見ると、自己資本比率が77.6パーセントと非常に高く、借金ゼロです。

三井智映子氏(以下、三井):無借金経営、すばらしいですね。

エミン:そうです。そして現金同等物が62億円あります。この時点の時価総額は161億円ですので、実はエンタープライズバリューはおおよそ100億円なのです。つまり、この時価総額のうちの3分の1くらいが現金です。

続いて業績欄です。こちらを見ると、2018年に134億円であったところ、今期予想では180億円と、売上高・利益ともに、長らく増収増益で進んでいます。プロジェクションも同様です。

予想配当利回りが3.2パーセントと配当も十分にあって、そして業績も非常に好調と、これは私たちの感覚で言うと、かなり順張りの銘柄ですね。

三井:フォローを心より感謝します。ありがとうございました。

エミン:ありがとうございます。

三井:大変わかりやすかったです。後で私のホームページを見ながら、それぞれの企業を見ていただくのは、みなさまにとって非常に有意義だと思いますので、簡単にいきたいと思います。

エミン:お願いします。

三井:先ほどエミンさんからお話があったように、岸田首相の主要政策としても今注目されている「人」への投資に積極的に取り組まれており、人材投資の戦略に強みがある企業でもあります。

独立系システムインテグレーターは、実は普段の生活を便利にしてくれている企業なので、みなさまにも身近に感じていただければよいのではないかと思います。ソリューションの分野は、銀行、証券、保険、クレジット、公共、流通など多岐にわたりますが、実は身近な企業です。

カンパニー・ステートメントは「Your best partner.」、コーポレート・スローガンは「価値創造-たえざる自己革新-」となっています。サステナブルへの取り組みをしっかり行っている企業であり、中期経営計画目標を見ると、このような右肩上がりの推移を目標とされています。

エミンさんが詳しくお話ししてくださいましたが、みなさまにもコメント欄で「無借金経営」とご指摘いただいたように、財務的にも非常に見どころのある企業です。

またIR情報も、講演が終わった後にホームページをあらためてご覧いただければと思いますが、業績も足元の数字を見るとかなりよいですよね、エミンさん。

エミン:そうですね。業績は堅調だと思いますし、加えてSI業界、DX関連は、実はコロナ禍でも株価がさほど下がらなかったのです。例えばハイマックスも、コロナ禍が始まって高値からおおよそ29パーセント安から30パーセント安程度です。その時期、新興企業は7割から8割ほど株価が下がっていた局面です。そこで3割程度しか下がってないのは、いわゆる景気悪化にも強いのだと言えます。

三井:なるほど、ご指摘のようにこれからの景気悪化、リセッションを意識するのであれば、見どころのある企業だと思います。さらに、システム投資に対するニーズが継続していることや、それが成長性につながっていることはポイントとして押さえつつ、ハイマックスがどのような企業で、どのような部分に成長性があるのか、この後の中島社長のご講演で詳しくうかがっていければと思いますので、よろしくお願いします。

それでは、駆け足でしたが中島社長のご講演に移ります。エミンさん、本当にありがとうございました。

エミン:どうもありがとうございました。

第79回 イベントスウェブ IRセミナー ハイマックスの会社説明

三井:それでは、株式会社ハイマックスのご講演です。株式会社ハイマックスは東証プライム市場に上場しており、証券コードは4299、本日の終値は1,375円となっています。登壇者をご紹介します。株式会社ハイマックスの代表取締役、中島太社長です。中島社長、どうぞよろしくお願いします。

中島太氏(以下、中島):こんばんは。マイクを預からせていただきます。これからよろしくお願いします。

三井:こんばんは。よろしくお願いします。

中島:みなさま、はじめまして。株式会社ハイマックス代表取締役社長の中島と申します。本日はお忙しい中、当社の説明会にご参加いただき誠にありがとうございます。限られた時間ではありますが、当社の事業内容や事業戦略などをご説明しますので、よろしくお願い申し上げます。

目次

中島:本日の目次です。この内容に沿ってご説明します。

ハイマックスについて〔会社概要〕

中島:当社の会社概要です。設立は1976年であり、設立以来、本社は横浜にあります。今年度で47期目を迎えています。事業内容はソフトウェアの企画、設計・開発およびそのメンテナンスのサービスを提供しています。事業規模は、2022年3月期の実績で売上高が166億円、営業利益が17億円、従業員数が932名です。

ハイマックスについて〔経営指標〕

中島:直近の主な経営指標の推移です。特に、収益性の指標である売上高営業利益率およびROEがともに2桁成長となりました。また、安全性を示す自己資本比率は約8割の水準となっています。

ハイマックスについて〔沿革・業界動向〕

中島:当社が属する情報サービス産業の歩みと社会情勢についてです。スライド中央の水色の棒グラフは、当社グループの売上高の推移を表しています。まだ売上高が10億円にも満たなかった1986年に、先端技術の研究開発の専門部署を新設しています。また、1988年には人材開発の専門部署を新設し、技術力の向上と人材の育成に継続して注力してきました。

2001年にJASDAQへ上場し、2015年に東証1部銘柄に指定され、同年には売上高が100億円を超えました。現在はさらなる飛躍を目指した中長期経営計画の実現に取り組んでいます。

当社の強み・特長〔人材育成〕

中島:当社の強み・特長についてご説明します。はじめに、昨今の技術者不足への対応として、新卒の採用者数を従前の30名程度から直近では60名程度まで増やし、来年4月入社予定の採用者数は連結で85名以上とする計画です。

そして、新入社員の導入教育を3ヶ月間しっかり行います。その他にも、技術面や階層別に社内外の教育カリキュラムを整備します。また、技術を確実に身につけ、着実に成長できるよう、スキルと経験を軸とした「キャリアパス制度」を整備しています。

当社の強み・特長〔技術力向上〕

中島:スライド左側の表は、情報処理技術者試験制度などの資格取得者数の一覧です。資格取得者は社内表彰するなど、積極的に試験へチャレンジしてもらう仕組みを設け、資格取得を推奨しています。この実績は当社のホームページでも継続して掲載しており、業界でも誇れる水準であると自負しています。

特にデータ分析などのDX系技術者の育成と、プロジェクトの現場責任者であるプロジェクトリーダーの育成を重点教育に位置づけて、注力しています。また、全社員にeラーニング必須講座を導入し、スキルのさらなる向上に取り組んでいます。

当社の強み・特長〔サービス分野〕

中島:システムのライフサイクルにおける全領域にサービスを提供できることも、当社の強みです。

まず、システムを構築するにはどのような業務を処理すればよいのか、といった企画から始まります。次に、システムを設計し、開発します。開発が終わり、システムが稼働してお客さまが利用を開始して以降も、保守・メンテナンスが必要となります。そして、一定期間システムが利用されると、次のシステム再構築の計画が検討されるライフスタイルになっています。

特にメンテナンスサービスは、長期間安定的な取引が確保できるとともに、お客さまの業務ノウハウを蓄積することができます。その業務ノウハウを活かすことで、次期システムへの参入で優位な立場を得られます。企画、設計・開発の工程で領域を拡大し、稼動後のメンテナンスで継続受注することにより、安定した売上高の拡大につなげています。

当社の強み・特長〔ユーザー業種〕

中島:当社が開発したシステムをご利用いただいている、ユーザーの業種についてご説明します。銀行・証券・保険・クレジットといった金融業界向けが約7割、公共・流通・その他のサービスや製造業など非金融業界向けが約3割の構成となっています。

各業種のシステムは重要な社会インフラとなっており、いったんシステム障害が発生すると社会に大きな影響を与えます。そのため、開発する側の我々も、高い技術力と業務ノウハウを求められます。当社は創業以来、特に高い信頼性が求められる金融業界向けを主軸に売上を拡大してきました。

当社の強み・特長〔主要顧客〕

中島:主要なお客さまについてご説明します。大手システムインテグレーターとの代表的な取引先は、当社にとって最大の取引先である野村総合研究所などです。また、システムの利用企業から直接受注しているエンドユーザー企業として、代表的なのはジェーシービーや綜合警備保障などです。

30年以上にわたって継続取引しているお客さまが売上高の約5割を占めており、20年以上継続取引しているお客さまは約7割となります。

開発事例

中島:ここからは、一般消費者のみなさまの生活の中で、当社が開発に携わったシステムが活用されている事例をいくつかご紹介します。

開発事例〔保険業界向け〕

中島:生命保険業界向けでは、営業職員がタブレット端末を活用して、お客さまと対面しているその場で保険商品がご提案できる、「保険加入審査システム」の開発に携わっています。スピーディーにオーダーメイドの提案ができることで、保険会社の業務効率化および競争力向上を支援しています。

開発事例〔クレジット業界向け〕

中島:クレジットカードの偽造などによる不正利用は年間300億円以上も発生しており、クレジットカード会社にとってその対策は重要な経営課題となっています。クレジット業界向けでは、クレジットカードの「不正利用検知システム」の開発に携わっています。これは数十億件の膨大な利用履歴から不正パターンを解析し、不正利用の可能性を検知するシステムで、安全で安心なキャッシュレス社会に貢献しています。

開発事例〔流通業界向け〕

中島:流通業界のコンビニ向けでは、近隣のイベント開催情報や天気予報などをもとに、今後の売れ筋商品を分析し、その品揃えの充実を図る店舗システムの開発に携わり、暮らしに便利なコンビニの店舗運営を支援しています。

開発事例

中島:このように、当社が提供するサービスはユーザー企業の経営戦略を実現するとともに、便利で快適な暮らしを望む消費者の社会的インフラになっていると考えています。

開発事例〔DX案件〕

中島:昨今、DXという言葉をよく耳にすると思いますが、当社もこのDX案件を積極的に受注することに取り組んでいます。

あらためてご説明すると、DXとは「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、蓄積したデータとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義されています。

開発事例〔DX案件〕

中島:当社が受注しているDX案件の事例として、現在構築中のものですが、生命保険会社向けのデータ分析および機械学習モデル構築案件をご紹介します。

これは、効率的に保険の契約を獲得することを目的としたシステムの開発です。具体的には、例えば過去の営業記録などから契約に至ったプロセスを抜き出し、膨大なビッグデータから機械学習モデルというAIを活用して契約に至った法則性を導き出し、契約獲得につながるよう営業職員にアドバイスするシステムです。

このように、当社はビッグデータやAIなどのデジタル技術を活用したシステムの開発を通じ、お客さまの業務を変革し、かつ競争上の優位性を確立する支援を行っています。

開発事例〔DX案件〕

中島:他にも、スライドに記載したようなデジタル技術を活用した多くの案件を受注しています。

開発事例〔DX系の事業〕

中島:その他のDX系の事業としては、RPAの導入により、働き方改革を支援しています。RPAとは、いわゆるロボットによる業務の自動化のことで、人工知能技術を用いてオフィスの業務代行をすることです。例えば、これまで5人必要だった業務が、RPAを導入することで2人で行うことが可能になります。

当社は、国内大手企業の大規模な作業時間削減プロジェクトに参画し、RPAを活用することで、年間数万時間の作業時間削減に寄与しました。

開発事例〔DX系の事業〕

中島:当社は、業務の生産性をさらに向上させるため、AI-OCRを活用したソリューションを提供しています。OCRは、紙の書類をスキャンした画像データなどから文字を読み取り、コンピューターで扱える文字データに変換する技術のことです。

このAI-OCRと複数の業務システムを連携させるEAIツールを連動させることにより、例えば紙の請求書をスキャンで読み取るだけで、会計システムへのデータ登録を自動で行うことも可能となります。

このソリューションを導入いただいた企業では、請求書の会計処理業務が1ヶ月あたり約60パーセント削減できた実績があります。

業績動向〔売上高・営業利益の推移〕

中島:業績動向についてご説明します。スライドのグラフは、リーマンショック以降の推移を記載しています。2010年3月期は売上高・営業利益ともに影響を受けましたが、それ以降は回復基調をたどり、2015年3月期に売上高は100億円を超えました。直近の実績では、12期連続の増収、営業利益は9期連続の増益となっています。

業績動向〔2022年3月期実績〕

中島:2022年3月期の業績実績についてです。流通および運輸業界向け新規案件への参入、またカードの不正利用検知システムやDX案件の拡大により、売上高は166億8,100万円と、前期比8.1パーセントの増収となりました。利益面ではプロジェクト管理の向上に伴い、特に非金融向けの案件を中心に採算性が向上し、営業利益・経常利益ともに17億円強と、それぞれ前期比約25パーセントの増益となりました。

業績動向〔2023年3月期第1四半期決算概要〕

中島:足元の業績動向として、2023年3月期第1四半期の業績を記載しています。ネット系の銀行やクレジットおよびDX案件が引き続き拡大し、売上高は44億3,700万円と、前期比17.4パーセントの増収となりました。利益面では、技術者不足に伴い外注単価がアップし、利益を圧迫しましたが、生産性向上と増収効果で営業利益は4億200万円と、前期比37.1パーセントの増益となりました。

業績動向〔売上高・営業利益の四半期推移〕

中島:スライドのグラフは、売上高と営業利益の四半期推移です。前年の2022年3月期第1四半期はコロナ禍2年目で、売上高・営業利益ともに前期比で横ばい、スライドの赤の矢印は横を向いています。

しかし、第2四半期から回復傾向が現れ、赤の矢印は右上がりとなり、緑の棒グラフで示した2023年3月期第1四半期も、その傾向は継続しています。

業績動向〔2023年3月期通期予想〕

中島:2023年3月期通期の業績見通しについてです。売上高は177億5,000万円、営業利益および経常利益は、ともに17億7,000万円と、引き続き増収・増益を計画しています。

株主還元・株式〔配当推移〕

中島:当社の株主還元策について、ご説明します。まず、安定的かつ適正な利益還元を継続実施することを配当政策の基本方針としており、連結配当性向は40パーセントを目安としています。

この方針により、2023年3月期の配当は通期で2円増配し、42円とする計画です。配当性向は40.2パーセントとなる見込みです。

株主還元・株式〔株主優待制度〕

中島:当社の株主優待制度は、毎年3月末に当社株式を100株以上保有する株主さまに対し、記載している保有株式数に応じて社会貢献型のQUOカードを贈呈する制度です。当社株式への投資魅力を高め、より多くのみなさまに株式を保有していただきたいと考えています。

株主還元・株式〔株価推移〕

中島:当社の株価の動向です。スライドのグラフは、直近3年間の推移です。上段のグラフは当社の株価、下段のグラフは当社と「情報通信」および「TOPIX」とのパフォーマンスを比較したものです。

2022年9月8日の当社株価の終値は1,375円、配当利回りは3.05パーセントとなります。PERは13.2倍、PBRは1.68倍、また時価総額は171億円となっています。

サステナビリティへの取り組み

中島:当社のサステナビリティへの取り組みです。持続可能で真に豊かな社会の実現に向け、スライドに記載したとおり、SDGsで特に重要な課題を定め、本業を通じ、微力ですが貢献していきたいと考えています。

サステナビリティへの取り組み

中島:社会への貢献活動としては、創業の地である横浜への貢献をテーマに活動しています。具体的には、水源林を保全する活動を支援したり、横浜市内の小学生が環境をテーマに描いた絵日記の優秀作品に対し、「ハイマックス賞」を授与しています。

当社ホームページのご紹介

中島:当社のホームページをご紹介します。当社のホームページでは、企業情報や財務情報を積極的に情報開示しています。その他、サステナビリティへの取り組みも掲載していますので、当社をよりご理解いただくためにも、ぜひアクセスしてください。

カンパニー・ステートメント

中島:最後になりますが、当社のカンパニー・ステートメントは、「Your best partner.」です。お客さまから信頼され、選ばれる存在であり続けることが当社の存在意義であると考えています。お客さまに加え、大切な株主さまや投資家のみなさまからも信頼され選ばれる企業となり、そうあり続けたいと考えています。

以上で、私からのご説明を終了します。本日はお忙しい中、当社の説明会にご参加いただきまして誠にありがとうございました。

質疑応答:システムを利用している業種について

三井:質疑応答に移らせていただきます。たくさんのご質問をいただきまして、ありがとうございます。

「SDGsはトレンドですものね」という言葉や、「自己資本比率が高そう」「財務がよいのは、投資家として魅力的です」という言葉、また「この解説のように、会社の内容もきっとまとまっているのだと思います」という言葉もいただいています。

最初のご質問は「御社のシステムを利用している業種について、詳しく教えてほしいです」というものです。いかがでしょうか?

中島:業種については、金融分野が約7割、公共や流通などの非金融業界向けが約3割という状況です。金融分野の中でも、特に保険業界に向けたシステムが強いと自負しています。

三井:金融や保険と言えば、信用が大事な業種のイメージがあります。その信用を任せてもらえるようなシステムを作っている企業だと考えればよいでしょうか?

中島:おっしゃるとおりです。特に保険業界においては、システムの中でも基幹系と言われるような、お客さまの主たる業務を、当社で全面的に受けられる体制が整っているのが強みかと思います。

質疑応答:高付加価値ソリューションについて

三井:業績に関するご質問です。「『12期連続増収』『9期連続営業増益』は、確かにすごくインパクトがあるし安心感のある数字だと思うのですが、高付加価値ソリューションが業績にも影響していると思います。この高付加価値ソリューションについて、詳しく知りたいです」とのことです。

中島:私どもの会社名の由来にも関係するのですが、「High-quality」「Solution for Maximum」「Customers Satisfaction」ということで、High-qualityの「HI」、Maximumの「MA」、Customersの「C」、Satisfactionの「S」を取って、「HIMACS」という社名をつけています。つまり、「顧客満足度を最大化し、その中で品質の高いソリューションを提供する」ことを目標に掲げています。

したがって、「12期連続増収」になる前までは、どのようにすれば、品質の高いシステムをお客さまに納められるだろうかと一生懸命に試行錯誤しており、そのようにした現在までたどり着いたと感じています。

質疑応答:今後の伸びしろについて

三井:「伸びしろは、新規顧客開拓というより、現在の顧客のさらなる契約料金の増加でしょうか?」というご質問です。

中島:伸びしろに関してはおっしゃるとおりです。実は新しいお客さまの開拓はあまりしておらず、例えば、現在お取引いただいているお客さまの隣の部署の業務といった、これまで取引がなかったような別の部署に入り込ませていただいているかたちです。

質疑応答:継続取引の企業が多い要因について

三井:「20年以上継続して長く取引のある企業が多いというのは、どのような要因があるとお考えでしょうか?」というご質問をいただいています。

中島:直接の大きな理由としては、当社の社員と一緒に働くビジネスパートナーさまが非常に切磋琢磨して、それぞれのプロジェクトで品質のよい仕事をしていることが、自然とリピートオーダーにつながっているのではないかと考えています。

質疑応答:金融機関のシステムトラブルの原因と解決について

三井:「金融機関でシステムトラブルが度々起こっています。社長は原因と解決法について、どのように思われますか?」とのご質問です。

中島:非常に難しいご質問ですね。

三井:深いですよね。お答えいただける範囲でお願いいたします。

中島:私自身も何十年か前に担当したシステムが、銀行のATMが止まってしまうという、まさにそのような状況になったことがありました。やはり大きな企業では、お互いがどれだけ細かくコミュニケーションをとって、しっかりと仕様を確認し合っているかが重要と考えます。

そこを少しでも手を抜いてしまうと、ATMが止まるような大変な事態に陥るのかなと思います。そこは当社の社員にもすごくがんばってもらっている部分で、できる限りいろいろな部署の方の生の声を聞いて、仕様を詰めていくようにしています。

質疑応答:ハイマックスが求める人物像について

三井:人材についてのご質問で「人材確保や人材育成を大事にされたのですね」という言葉と、「御社が求める人物像といったものはどのようなものですか?」というご質問をいただいています。

中島:私が常日頃、社員に伝えているのは、「仕事は強要されるものではなく、自ら行動してポジティブに仕事してほしい」ということです。そのような、自分から動ける感覚を持つ方にぜひお越しいただければと考えていますが、なかなか難しいところですね。

質疑応答:女性社員の割合について

三井:「周りの方たちを大切にされている、社長のお人柄が伝わるご回答でした」というお声もいただいています。「女性の社員の割合はどうなってますか」というご質問についてはいかがでしょうか?

中島:現状、女性社員は30パーセントくらいです。私どもの業界は昔から、結婚されるとそのまま退職するというのが通常でしたが、最近はさまざまな方面でいろいろなお声がある中で、ようやく少し変わってきました。

来年の春は85名くらいの新入社員を迎え入れる予定で、そのうちの40数パーセントが女性社員となっています。この割合については、日本の人口も男性と女性が半分半分ですから、採用も半分半分でよいのではないかというところもあります。

質疑応答:SEの残業時間について

三井:もう少し深堀りして「SEは労働時間が長いイメージがあります。御社の残業時間は月平均どれぐらいですか?」というご質問が来ています。残業時間は今すぐには出てこないかもしれませんが、どのような働き方なのかというところをお伝えいただければと思います。

中島:おっしゃるとおり、新しいシステムをリリースする時には、夜中にシステムが動きますので、この業界は徹夜で朝まで働く場合があります。しかし、山谷はありつつ、平均にすると年間30時間弱が残業時間となります。

休める時はどんどん休んでもらうというかたちで、山や谷がある中でコントロールしてもらっているような状況であり、社員には頭が下がる思いです。

質疑応答:社長自身について

三井:社長ご自身についても、複数のご質問が寄せられています。「1986年に新卒でハイマックスに入られ、SEやプログラマーとして業務に従事されてきたとのことですが、入社したきっかけなどを教えていただけるとうれしい」というご質問をいただいています。これまでハイマックス一筋ということですよね?

中島:そのとおりです。学生の頃に、情報処理の勉強をしていました。なぜ情報処理を学んだかというと、40年近く前は、銀行に訪れて窓口で現金を引き出したり預け入れをしたりするときは待たされたものでした。その後ATMが登場してとても便利になりましたが、その裏はコンピューターが支えていると気づいて、情報処理の勉強をして、当社に入社しました。

三井:「どのような新入社員だったのですか?」というご質問もあります。やはり最初からピカピカだったのですか?

中島:いいえ、あまり優秀ではなく、会社の中で上級管理職に昇進するのも「後ろから数えて何番目」くらいでした。ただし、「任された仕事は絶対に間違いなく実行する」という自負はありました。あまり出世欲がなかったのですね。

三井:出世欲がない方が社長になられたということですね。他の方からもいただいているのですが「中島社長はどのように社長になられたのですか?」という質問について、ご自身はどのようにお考えですか?

中島:私はまったく社長になる予定はございませんでした。先輩方をはじめ、周りの人たちにいつの間にか外堀を埋められて、いつしか社長になってしまいました。

三井:中島社長から見たハイマックスの強みや、ハイマックスそのものはどのようなものでしょうか?

中島:まず、第一に挙げられるのは優秀な社員です。ここは間違いなく、自慢できるところだと思います。日々の仕事の中で、さらにスキルを向上させるための勉強にもどんどん前向きにトライして、勉強したことを実際に現場で試すといったことの繰り返しができることが強みかなと思います。

質疑応答:株主還元について

三井:株主還元についてもうかがっていきたいと思います。増配したことが響いている方もいれば、利回り3パーセント超えの高配当に魅力を感じている方、また、クオカードの優待がよいという方もいらっしゃいます。配当の考え方について、あらためて教えてください。

中島:まず配当政策のところでお話ししたとおり、株主のみなさまには適正な還元をしていきたいと思っています。実は、これまでは配当性向も30パーセントとしていましたが、やはり時代の流れとともに当社の業績も上がってきましたので、しっかり配当性向40パーセントを水準としてがんばっています。

クオカードについては、実は数年前に株式分割をしたため、当時の100株が200株になりました。そのため、100株で1,000円のクオカード、200株では2,000円というように、段階を多少つけながら、保有していただいている株主さまにぜひメリット感を得ていただきたいと考えています。

三井:気になる方は、あらためてホームページで株主還元のところを見ていただければと思います。

質疑応答:現在の株価や出来高について

三井:こちらは少し答えにくいかもしれないのですが、「業績もよいし、配当性向も4割、優待もクオカードと、けっこうよいと思うのだけど、株価1,375円は率直な感想でどのように思われますか?」というご質問や、「出来高が少し心配なのではないか」というご質問もあります。社長ご本人としてはいかがお考えでしょうか。

中島:株価は我々が決められるお話ではないことはみなさまご承知だと思いますが、私個人としての見解としては、やはりまずはお約束した公表値まで業績をしっかり上げることで、株価をもう少し上げていきたいと思っています。金額はなかなか言いづらいのですが、そのような水準に持っていけたらと考えています。

三井:今のご回答で、誠実にお答えいただいたと、みなさまに感じていただけたと思います。出来高を増やすために、例えばこのようなことに取り組むというようなことはありますか?

中島:まず、当社の知名度が低いものですので、本日のような個人投資家さま向けのセミナーなどを積極的に開いて、少しでも当社のことをご理解いただく機会をつくっていかなければいけないというのが1点です。

あとは、業績をしっかり上げて、株価がついてくると、投資家のみなさまにご評価いただくことで、おそらく出来高も増えてくるのではないだろうかと思っています。

質疑応答:他社にはないハイマックスの魅力について

三井:最後に2つだけご回答をお願いします。みなさまも気になるところかと思いますが、他社と比べてハイマックスの魅力はどういうところだとお考えでしょうか?

中島:先ほど申し上げたとおり、技術を伴った社員がしっかりマネージメントもできることで、非常にお客さまに気に入っていただけます。お客さまからご指名いただけるところが、他社とは特に大きく違うと感じています。

それに加えてもう1点は、昔から金融畑の仕事をしてきていますので、品質に相当のこだわりを持ってシステムを作り上げるところかと考えています。

三井:人だけではなく、長い経験で得た知見もあるというところにも、優位性があるということでしょうか?

中島:おっしゃるとおりです。例えばシステムを作り上げるのに、なかなかお金が出せないということで安く仕上げたいというお客さまもいらっしゃいます。そのシステムが本当に手軽に作ってよいものかどうかを、しっかりジャッジできるということかと思います。必要な場合には、これだけのお金が必要ということをしっかりお伝えして、検討いただいている状況です。

三井:必要なところには、そのようなアドバイスもされているということですね。

質疑応答:プライム維持への取り組みについて

三井:最後に、プライム市場維持のための取り組みに注目している方がいらっしゃいました。こちらを詳しくうかがえますでしょうか。

中島:まず、プライム市場を選択したところからご説明します。プライム市場を選択した理由としては、やはり一番高度で、厳しい外部の目にさらされながら、経営の高度化であったり効率化といったところを実現することで、中長期的に企業価値の向上も図れるという考えがありました。また、実はこれまで、当社は一度もM&Aをしていません。

三井:ハイマックスだけの力でここまできたということですね?

中島:そのとおりです。これから先を考えると、やはりM&Aなども視野に入れながら、もう少し業績や業容を拡大していきたいと考えています。

中島氏からのご挨拶

三井:ご視聴者の方からは、社長の人柄を含めて「きっと個人の投資家はついて来てくれますよ」というお声や、「社員を自慢できる会社、すばらしいですね」というお声をいただいています。

中島:ありがとうございます。

三井:最後にご視聴のみなさまに、熱いメッセージをお願いします。

中島:私、中島はこのような性格です。その中で社員みんながついて来てくれています。上場している企業の中に、このような企業もあるのだとご理解いただけたらと思っています。DXというキーワードもありますし、明るい材料が多い業界でもあります。ぜひ当社の魅力を感じていただき、ご投資いただければ幸いです。よろしくお願いします。