2022年3月期決算説明会

須崎裕明氏:ご視聴いただき、誠にありがとうございます。株式会社あらたの代表取締役、社長執行役員の須崎裕明でございます。2022年3月期の決算についてご説明いたします。初めに2022年3月期の業績についてです。

連結損益計算書

連結損益計算書については、ご覧のような結果となっています。売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のすべてにおいて、前年を上回る結果となりました。売上高の伸び率に対して利益の伸び率が大きく、引き続き収益性が高まっています。

2022年3月期 ハイライト

2022年3月期は、売上高・経常利益ともに過去最高となりました。売上については7期連続の最高更新で、経常利益も3期連続の最高益更新となっており、環境変化が激しい状況においても成⻑を続けています。

売上高の増加は、営業活動の積み上げによるインストアシェアの拡大、ペットカテゴリーの伸⻑などが主な要因です。

利益については、季節要因などにより売上総利益率が前年に比べ微減していますが、プラス要因であるヘルス&ビューティーの伸⻑は、今後も継続して見込まれます。また、商品の高機能化により単価が上昇傾向にあることも、要因の1つです。

販管費は、業務改善による人員減、物流効率化などにより、前年に比べ0.13ポイント抑えており、利益に貢献しています。

カテゴリー別売上高 (前年比較)

カテゴリー別売上高の前年比較はご覧のとおりです。ヘルス&ビューティーは、マスクやハンドソープなどの衛生関連品が前年特需の反動減となる一方、ヘアケアや化粧品が好調となっており、前年を超えています。

ホームケアは、天候要因により殺虫剤などの季節品が伸び悩み、94.3パーセントとなっています。

ペットについては、グループ会社であるジャペルの専門性の高い提案や、犬、猫の新規飼育頭数が増加していること、在宅時間が増えることによるペット用おやつなどの伸長により、拡大しています。

業態別売上高 (前年比較)

業態別の前年比較はご覧のとおりです。ホームセンターの新型コロナウイルス特需の反動減以外は、着実な営業活動によりインストアシェアを拡大しており、前年を上回っています。その他の伸長については、Eコマースやバラエティ業態が要因となっています。

連結貸借対照表

連結貸借対照表はご覧のとおりです。総資産は2,713億円となり、前期末に比べ158億円増加しました。純資産は961億円となり、前期末に比べ51億円増加となりました。

自己資本比率とROE

こちらのスライドは、過去5年の自己資本比率とROEの推移グラフです。自己資本比率については順調に向上し、35パーセント台を維持しています。ROEについても9パーセントの水準を保ち、財務健全性の向上と収益性の確保を実現しています。

業績予想

以上の業績を踏まえ、2023年3月期の業績予想は、売上高8,700億円、営業利益133億円、経常利益140億円としました。ウィズコロナ・アフターコロナの状況においても、継続的に戦略を推進して成長を続けていきます。

株主還元

株主還元についてご説明します。当社は安定配当を考慮しながらも、2022年3月期より配当性向を意識した方針に変更し、30パーセントを目標として段階的に向上させることとしています。

その方針を受けて、2022年3月期については、設立20周年記念配当5円を含む、通期121円を実施し、配当性向は22.9パーセントとなりました。

2023年3月期の配当は、中間68円、期末68円の通期136円を予想し、配当性向は24.4パーセントとなっており、30パーセントに向けて向上させています。

成長戦略 : カテゴリー強化

次に、成長戦略・生産性向上施策についてご説明します。成長戦略として、ニーズが高まるヘルス&ビューティーやペットのカテゴリーを引き続き強化しています。

ヘルス&ビューティーにおいては、専売・優先流通品やアジアンコスメなど、新しい商品やブランドを積極的に取り扱っており、当社ならではの商品ラインナップで差別化を図っています。

ペットについて、業界No.1のシェアを誇るジャペルは、ペット関連のフルラインナップが強みです。卸事業を強化し、さらに商品開発やEC事業など幅広く展開することで拡大を続けています。カテゴリーごとの戦略的強化により、当社独自の強みを発揮していきます。

生産性向上 : 物流効率化

生産性向上としては、物流効率化を進めています。当社は11の大型センター、22の中小規模センターと100件を超える契約倉庫により、需要の移り変わりや数多くの小売業さまの要望に柔軟に応える体制を確立しています。

規模や物量が異なる各センターに対して、一律の効率化策を講じるだけでなく、現場からの改善提案に対し、ロジスティクス本部にて投資対効果などを検討し、改善へつなげています。

各センターに合わせた効率化によって、人件費や物流費が上昇している状況下においても物流費率を抑えています。今後は、省人・省力化につながる最新技術の活用により、さらなる効率化を推進します。

生産性向上 : DX推進

また、DX推進の一環として、AIを活用した生産性向上の実証実験を開始しました。物流センター内の物量・作業量の予測から適正なパート人員の配置につなげることで、業務省力化となる取り組みです。今後も、現場が活用し、効果を実感できる「肌で感じるDX」により、強い企業体質を構築していきます。

ESGへの取り組み①

ここからは、ESGへの取り組みについてご説明します。環境への取り組みとして、2030年のCO2排出量を2013年比で50パーセント削減する目標を設定しました。今後は、TCFDに沿った情報開示を実施する中で、グループ連結でのCO2排出量算定やスコープ3の特定を進め、排出量削減に向けた施策を推進・開示していきます。

ESGへの取り組み②

長期経営ビジョン2030の達成に向け、重要な資産である「人財」への投資として、社員のモチベーション向上策を実施していきます。企業の持続的な成長のためには、社員の働き甲斐やモチベーションの向上が重要であると捉え、2023年3月期には報酬や待遇面の改善を行い、次期中計では人事制度の見直しも予定しています。2020年からは、社員意識調査を年1回実施し、制度拡充につなげています。

また、女性が活躍できる環境であることは、結果として、男女を問わず多様な人材が働きやすい環境となることにつながるという考えから、女性管理職比率の目標も設定しました。

ESGへの取り組み③

地域社会への貢献としては、「地域密着型卸」として20年間の発展を支えていただいた当社拠点が所在する地域に対して、支社および本社から地方自治体などへ寄付を行いました。 具体的には、新型コロナウイルス感染症対策として、マスクや除菌剤、子ども・女性支援としてのおむつ・生理用品などの寄付、金銭の寄付を実施しました。これからも地域とともに発展する企業として、さまざまな貢献活動を行っていきます。

ESGへの取り組み④

ガバナンスについては、新市場区分におけるプライム市場へ上場し、求められるより高いガバナンス水準への対応を積極的に行っていきます。取締役会・監査等委員会・任意の指名報酬委員会での議論を活性化し、持続的な成長を支える、より強固なガバナンス体制を構築していきます。

長期経営ビジョン2030

以上の取り組みをはじめとして、コア事業である国内卸事業を着実に伸長させていきます。また、これに加えて、海外事業や新規事業を成長ドライバーとして、来期からスタートとなる中期経営計画2026以降も、2030年へ向けた大きな成長を遂げていきます。

以上をもちまして、私からのご説明とします。ご視聴いただき、誠にありがとうございました。