業績ハイライト

稲葉雄一氏(以下、稲葉):ナレッジスイート株式会社、代表取締役社長の稲葉でございます。2022年9月期第2四半期の決算説明を始めさせていただきます。本日は2022年9月期第2四半期の業績と業績予想についてお話ししたいと思います。よろしくお願いいたします。

業績のハイライトです。連結売上収益は、通期計画31億5,700万円に対して約50パーセントの達成率となりました。SaaSは下期に向かって売上が積み上がるサブスクリプションモデルであり、非常に好調に推移していることがわかると思います。

連結売上収益は15億8,000万円、前年同期比プラス36.2パーセントとなりました。営業利益は9,200万円、営業利益率は5.8パーセントです。2年連続赤字でしたが、利益をしっかりと残せるような体質に変化しています。

DXセグメントの売上収益は7億400万円、前年同期比プラス70.5パーセントです。SaaS ARRは8億1,300万円、前年同期比プラス37.6パーセントです。

先日プレスリリースを出しましたが、SaaS ARRの8億1,300万円は、グループ会社が提供するサービス「InCircle」「B Suite」などは一切含まれておらず、ナレッジスイート単体の数字です。グループ会社の提供サービスをすべて合わせたグループSaaS ARRに関しては、12億円を突破しました。

連結決算 概要 2022年9月期第2四半期

連結決算の概要です。DX事業の大幅な伸長により、連結売上収益は前年同期比プラス36.2パーセント成長しました。営業利益は計画どおり着実に推移しています。

先ほどもお伝えしたとおり、売上収益は第2四半期実績で15億8,000万円、前年同期比プラス36.2パーセントです。そのうち、DX事業は7億400万円、前年同期比プラス70.5パーセント、BPO事業は8億7,600万円、前年同期比プラス17.2パーセントです。

売上総利益は6億7,500万円、前年同期比プラス53.6パーセント、利益率は42.7パーセントです。営業利益は9,200万円、税引前利益は8,500万円、当期純利益は7,800万円で着地しました。

連結売上収益 推移 2022年9月期第2四半期

DX事業の主力SaaSである「Knowledge Suite」をはじめとしたサブスクリプションの売上の伸長が貢献し、第2四半期単体で前年同期比プラス32.5パーセントと順調に推移しています。

連結販売管理費 推移 2022年9月期第2四半期

連結販売管理費の推移です。広告宣伝費の抑止策の継続および効果的なプロモーション活動の実施により、見込み顧客の単価の削減を進めつつ、リード獲得数は増加しました。

以前からお伝えしていますが、昨年も含めて2年連続赤字となった要因は、テレビCM、タクシー広告などを含む大規模な広告展開によるものです。

それを反省し、プロモーション活動における広告宣伝費の見直しをもう一度行い、1から施策を作り直したことで、広告費削減とともに見込み顧客の獲得数を増加させることに成功しています。

営業利益 増減分析 2022年9月期第2四半期

営業利益の増減分析です。営業利益は前年同期比プラス1億7,200万円で、計画どおり9,200万円と、引き続き黒字で着地しました。また、営業育成強化により、DX事業の売上収益は計画どおりに増加しました。

次世代「Knowledge Suite」の開発により開発原価が増加しており、人員採用による人件費も増加しています。マーケティング施策の選択と集中によるコストの効率化で、広告宣伝費は減少しました。

連結貸借対照表 2022年9月期第2四半期

連結貸借対照表です。流動資産は13億9,000万円、前年同期比プラス2億5,600万円です。非流動資産は21億3,100万円、前年同期比マイナス600万円となりました。資産合計は35億2,100万円、前年同期比プラス2億5,000万円です。

流動負債は13億1,700万円、前年同期比プラス5,400万円、非流動負債は12億1,700万円、前年同期比プラス1億1,100万円となりました。負債および資本合計は35億2,100万円です。

資本の部の利益剰余金は、前年に株主総会で承認を得たとおり、資本剰余金を減少させ、利益剰余金をプラスに転じています。

トピックス

トピックスです。以前からお伝えしているとおり、機関投資家と個人投資家との情報格差をなくすべく、Twitterやnoteを通じて、私からみなさまに向けて情報配信を行っています。ぜひこちらを登録していただき、ご覧いただければと思います。

トピックス

本日もDX事業のSaaS主要KPI、月次進捗のレポートを配信しました。今期に入ってからマンスリーレポートとして、New MRR(新規の積み上がり)と契約件数、受注額残高の進捗レポートを副社長の飯岡が月次で配信しています。

受注額残高は聞き慣れない言葉かと思います。すでに契約を結んで受注しているお客さまについては、導入支援などを行っている関係上、課金開始が1ヶ月から6ヶ月先になっています。レポートでは、その課金開始を控えている受注額残高を記載しており、積み上がりがわかるようになっています。

DX事業売上収益 推移 2022年9月期第2四半期

DX事業の売上収益の推移です。引き続き、「Knowledge Suite」は順調に数字が積み上がっており、第2四半期単体で前年同期比プラス70.9パーセントと大幅に伸長しました。

M&Aにより、昨年の第3四半期の一部および第4四半期からその売上が入っている関係上、こちらの数字は大きく見えると思います。

DX事業SaaSビジネス 四半期KPI推移

DX事業のSaaSビジネスです。スライドの棒グラフは四半期のKPIの推移です。「Knowledge Suite」のARRは前年同期比プラス37.6パーセントと、大幅に増加しました。

先ほどご説明したとおり、こちらはグループSaaSのARRは12億円を突破しており、MRRも1億円を突破しています。

DX事業SaaSビジネス 四半期KPI推移

「Knowledge Suite」の契約件数は、前年同期比プラス20.6パーセントと順調に増加しました。第2四半期の3月末時点で2,515社に契約していただいています。前回の3月末にも発表しましたが、グループ全体での契約社数は3,500社を突破しています。

DX事業SaaSビジネス 四半期KPI推移

ARPA(1社あたりの単価)についても増加しています。単価を下げて受注することについて不安に思う投資家のみなさまもいらっしゃるかと思いますが、スライドのグラフでは、単価を上げながらしっかりと受注できていることを示すことができていると思います。

ChurnRate(解約率)は凸凹がありますが、1パーセント台に乗ったり、0.9パーセント台に戻ったりを繰り返しながらも、最終的には0.6パーセントから0.7パーセント前後まで落ちるように取り組んでいます。しばらくはこの凸凹が続くと思いますが、できるだけ早いタイミングで下げていければと考えています。

DX事業SaaSビジネス 月次KPI推移(2022年4月)

本日発表したKPIです。過去1年間のNew MRRを振り返ると、直近では最大の売上となっています。今年4月のNew MRRは253万6,000円と、前年同期比マイナス7.7パーセントですが、スライドのグラフで過去1年間を見ると、直近で大きく増えていることがおわかりいただけると思います。

特殊な要因もあるかと思いますが、前月が少し低めだったため、前回もお伝えしたとおり、グループのサービスを一緒に販売し、そちらも底上げする取り組みを実施した関係で、「Knowledge Suite」のNew MRRは若干落ちています。

しかし、4月からまた「Knowledge Suite」の販売に注力していく中で、しっかりとNew MRRが立っていることがグラフから見て取れるかと思います。こちらはOEMおよびグループ会社の「InCircle」「B Suite」などは含まれておらず、「Knowledge Suite」単体の数字となっています。

DX事業SaaSビジネス 月次KPI推移(2022年4月)

受注額残高です。すでに受注して課金を待っているお客さまの分の金額が約480万円あります。SaaS ARRで計算すると、年間約5,800万円が課金待ちの状態です。どこかのタイミングで課金が再開されるため、非常に期待できる数字になっていると思います。こちらもOEMおよびグループ会社のサービスは含まれていません。

DX事業SaaSビジネス 月次KPI推移(2022年4月)

契約企業件数は、月30社から40社ほど伸びています。こちらも「Knowledge Suite」単体の数字です。

グループ会社が持つサービスとのシナジーを考えながら、抱き合わせと言ったらおかしいのですが、当社が持っている他のサービスとのクロスセルも積極的に行っていきます。それにより、サブスクリプションの売上と契約件数を増加させていこうと考えています。

DX事業SaaSビジネス 月次KPI推移(2022年4月)

本日発表した主要KPIの流れです。今年に入ってから過去最大のNew MRRとなっています。スライド下段の表は昨年の実績ですが、ご覧のとおり昨年は100万円台を中心に動いていました。後半になるにつれて200万円に乗っかってくる月もあるのですが、今後300万円まで積み上げていけるように積極的に営業活動を行っています。ぜひご期待いただければと思います。

DX事業営業人員数 推移

DX事業の営業人員数の推移についてです。2024年9月期までにDX事業の営業人員を100名体制にすることを中期経営計画の中で掲げています。現在、順調に推移しており、連結従業員数は229名です。

現時点のDX事業の営業人員数は、稼働している人員で29名としっかりいます。さらに、今年4月には新卒および中途採用で40名入社しています。営業人員の比率については、ナレッジスイート単体で27.5パーセントにまで増加しています。

DX事業トピックス

今年3月末の時点で、ナレッジスイートグループSaaSのMRRが1億円を突破し、ARRでは12億円を突破しています。

SaaS事業会社がSaaS事業の安定性と市場における成長性を見る1つの基準として、SaaS MRRは1億円、SaaS ARRは10億円という指標があります。「売れている製品なのか」「お客さまに支持されている製品なのか」を判断する時に、このどちらかの指標を突破できるかどうかが日本のSaaS業界内での大きな基準となっています。

そのような中で、ようやく1億円を突破することができました。1億円を突破するところから3億円くらいまでのレンジに、多くの上場会社が詰まっている状況です。

売上の前年比の成長率とチャーンレートの掛け合わせにより、ここが非常に混み合っており、1年、2年で簡単に順位が入れ替わってしまいます。私どもとしては、実績を積み上げていきながら、上場会社におけるSaaS事業がしっかり成長できるようにがんばっていきたいと思います。

余談ですが、日本の上場会社でSaaSを提供している会社は約50社です。そのうち、すべてのSaaSのMRRを開示している会社の中で、私どもは28位と中間より下です。上位5社から7社くらいが圧倒的な数字を持っており、それ以下が混み合っている状況です。

ここ数年で成長率を伸ばし、解約率を抑えていきながら、上位に食い込めるように取り組んでいきます。上位を目指していけるサービスに成長できると確信していますので、ご支援のほどよろしくお願いします。

DX事業トピックス

「Knowledge Suite」を中心としたプロダクトが「ITreview Grid Award 2022 SPRING」を受賞しました。また、「ITトレンド Good Product」「BOXIL SaaS AWARD 2022」も受賞しています。

これらの賞は、みなさまの満足度や認知度が高いサービスのみが受賞できるものですので、中小・中堅企業マーケットにおける私どもの認知も少しずつ広がってきているのではないかと思っています。

DX事業トピックス

昨年のM&Aでナレッジスイートグループにジョインした国内初のビジネスチャットアプリ「InCircle」の導入実績についてです。教育サービス・保育・介護事業を展開する京進に導入しました。約3,000名の職員に利用していただいています。

「InCircle」のよいところは、メガバンクをはじめとする多くの金融機関に導入していただいており、国内の閉ざされたセキュアな環境でも運用できるところです。こちらも少しずつ成長していますので、ゆっくり育てていきながら、サービスの導入についてもしっかりサポートしていければと考えています。

DX事業トピックス

大阪大学医学部附属病院にも「InCircle」を導入しました。勤務時間がさまざまで多忙な病院職員が2,800名以上在籍する中、閉ざされたセキュアな環境で確実なコミュニケーションを図るためにビジネスチャットを利用していただいています。

非常に満足していただいていると聞いていますので、しっかりサポートしていきながら、今後は導入企業数を増やしていければと考えています。

BPO事業売上収益 推移 2022年9月期第2四半期

BPO事業の売上収益の推移です。SESは前年同期比プラス23.5パーセントと非常に順調に伸長しています。BPO事業の売上収益は、四半期単体で前年同期比プラス12.1パーセントとなりました。

2020年9月期第3四半期にはコロナ禍で売上が大きく落ちましたが、そこから成長基調に戻り、前年同期比プラス23.5パーセントとエンジニアのニーズがしっかり回復しているのが見て取れると思います。

ただし、以前から行っているマーケティング事業が景気の影響などで少し落ち込んでいるため、BPO事業全体では前年同期比プラス12.1パーセントとなっています。

エンジニアは100名弱まで増えてきており、新卒の教育も行っていきます。また、BPO事業で持っているSESの社員を「Knowledge Suite」の開発に送り込み、開発が終わったら外で研修を重ねていくことで、いろいろな開発に取り組んでもらえるようにBPO事業を拡大していければと考えています。

2022年9月期計画における進捗

2022年の業績予想についてです。DX事業のSaaS(サブスク)の売上収益・営業利益は、第1四半期と第2四半期の実績が第4四半期まで継続して積み上がっていくモデルになっています。後ろにいくほど、前期で獲得したサブスクリプションの収益がしっかり積み上がっていくのが特徴です。

先ほどお伝えしたとおり、売上収益は通期予想31億5,700万円に対して、第2四半期は15億8,000万円で着地しました。そのうち、DX事業は通期予想15億1,800万円に対して7億400万円、BPO事業は通期予想16億3,800万円に対して8億7,600万円の着地です。

営業利益の通期予想は1億1,700万円から1億3,600万円のレンジであるのに対して、9,200万円で着地しています。

中期経営計画における進捗

中期経営計画における進捗についてです。私どもは2つの軸で事業を進めています。1つ目は、事業収益(シェア)の拡大です。

契約件数の拡大と契約あたりの売上単価の拡大に関しては、計画どおりにDX営業人員の採用を実施し、売上平均値の獲得へ向け教育・育成を進めました。その結果、「Knowledge Suite」の契約件数は前年同期比プラス20.6パーセントで着地しています。

また、カスタマーサクセス体制の強化を進め、既存ユーザー企業へのCS活動を開始しました。「Knowledge Suite」のARPAも増加基調で推移しています。

2つ目はプロダクト・サービスの強化です。契約継続率の向上を目指し、新規プロダクトの開発およびM&Aによるサービスの拡充を行います。以前からお伝えしていますが、本年は「Knowledge Suite」のサブスクリプションでのパフォーマンスをどこまで向上できるかをみなさまに見ていただこうと考えているため、M&Aは実施しません。

さらに、AIを実装したいくつかの新規サービスを今期中にリリースすべく、開発を進めています。リリースしたものも徐々に出始めていますので、期待していただければと思います。

最後に、「GRIDY AIリード」についてです。こちらは、受注している顧客の状態を把握し、資本金・売上規模・利益・クライアントの社員規模などをAIが分析することで、類似企業をリードとして顧客に提供し、受注率の確度がどれくらいあるのかをスコアリングして付与するサービスで、好評いただいています。

以上をもちまして、2022年9月期第2四半期の決算説明を終わります。

質疑応答:NewMRR減少の理由について

司会者:「本日のKPI発表の内容について、NewMRRは順調に推移しているようですが、昨年と比べて減少しているのには理由がありますか?」というご質問です。

稲葉:私どもは展示会のリードが入ってくると、だいたい2ヶ月から4ヶ月で受注していくのですが、展示会の開催時期や、去年、一昨年のコロナ禍での緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の解除によって人の流れが大きく変わり、数字が若干集まっている傾向がありました。

来月発表させていただくKPIですが、昨年の実績では5月は4月と比べて大きく下振れています。そのような関係で、先に受注できるものや、翌月の展示会の影響で少し落ちていくところもあると思います。

去年は若干多めに受注できたことで、前倒しもあったのではないかと見受けられます。そのため、5月も凹凸が少ない状況で受注できる動きになると思っています。

質疑応答:営業利益の積み上がりと人件費の負担増について

司会者:「営業利益が順調に積み上がっているようですが、計画どおりの実績という認識でしょうか? また、4月から入社した新卒の人件費は、第3四半期以降に負担になりますか?」というご質問です。

稲葉:営業利益が順調に積み上がっているのは計画どおりです。ご指摘のとおり、4月から新卒を含め40名が採用され、若干負担になることは想定していたため、第2四半期までに利益をしっかり積み上げるのも、私どものやり方かと思います。

通年で、第4四半期は利益がしっかり出ている時期でもあります。第4四半期に向けてまた利益が積み上がってくるため、このレンジ幅の中でしっかり収められると予想しています。

質疑応答:新卒の立ち上がりとAI insideのOCRのポテンシャルについて

司会者:「新卒の立ち上がりについて教えてください。また、AI insideのOCRを利用したサービスについてもポテンシャルを教えてください」というご質問です。

稲葉:新卒の立ち上がりについては、予定より少し遅れているのは事実です。我々の教育の仕方による残念な部分でもありますが、テレワークにより研修が混乱している部分が見受けられ、正直なところ、しっかり立ち上がるのにはもう少し時間がかかるだろうと思います。

ただし、新卒の立ち上がりを1日でも早められるように、育てていくためのPDCAをしっかり回していきながら教育しているため、今後に期待していただければと思います。

AI insideのOCRについては、昨日発表させていただきましたが、「Knowledge Suite」上におけるRPAの活用も、複合的な提案の中でいくつかのお客さまに利用していただいています。

OCRの利用についての新しい取り組みとして、お客さまから何件かお問い合わせをいただいている中で、クロスセルの視点も含めて、こちらのサービスがしっかり売れていくような動きを進めていければと思っています。

我々のお客さまが人手不足を解消するためのRPAを活用した動きからニーズが生まれ、私どもから何件か導入していただいている手前、代理店として売っていければと考え、今回取り組みを開始しました。

質疑応答:計画達成への懸念点について

司会者:「計画達成に向けて順調に推移しているかと思いますが、懸念点などはありますか?」というご質問です。

稲葉:計画達成に向けて順調に推移しており、お客さまからの強いニーズも現場で肌で感じていますが、懸念点は2つあります。

先ほどもお伝えしたとおり、1つは人の教育です。テレワークでは、研修や営業的な側面の教育はまだ難しいと感じています。まん延防止等重点措置の解除後からリアルで研修を進められるような環境を少しずつ増やしているため、かたちにはなってくると思っています。

もう1つは、2020年9月期第3四半期でBPO事業で大きな落ち込みがありました。今後、新型コロナウイルス感染症が再び拡大して緊急事態宣言が発令されたり、何かしらの環境変化により、BPO事業が落ち込む可能性は少なからずあると思います。

このまま順調に推移していけば、BPO事業、特にSESのIT人材のニーズは今後も大きく成長していく分野であるため、そちらは懸念というよりも期待していただける部分かと思っています。

質疑応答:DX事業の成長要因について

司会者:「DX事業が大きく成長しているかと思いますが、最大の要因は何であると考えていますか?」というご質問です。

稲葉:世の中の新しい動きはだいたい大手企業から始まって浸透していき、そこから落ちてくるものもありますが、特にコロナ禍でテレワークが中心になり始めた時に、大企業だけでなく中小企業、中堅企業でも、DX化の必然性が確実に生まれたと思っています。

自宅からテレワークで営業活動を行っていく中で、多くの中小企業、中堅企業で営業の進捗管理や商談の管理、動きの管理をどのように行えばよいかという懸念が生まれました。

このセールスDXの領域も、テレワークを推進する上で必要不可欠なサービスとしてさらに注目されたと思っています。

そのため、私どもがこの1年間で中小企業のDX化を大きく伸ばしている要因には、環境の変化ももちろんありますが、お客さまの営業活動に直結し、売上をダイレクトに見ていく上で非常に重要なサービスであると認識されてきているからだと実感しています。

質疑応答:次世代「Knowledge Suite」の開発進捗状況について

司会者:「開発中の次世代『Knowledge Suite』の進捗を教えてください」というご質問です。

稲葉:こちらは順調に開発を進めています。借入が増加しているのも、次世代「Knowledge Suite」への開発投資のためです。非常に期待できる部分で、ARPAも徐々に増加していますが、次世代「Knowledge Suite」を通じてさらに上昇していくと考えています。

また、お客さまのニーズに応えるため、人手不足を解消するための次世代「Knowledge Suite」として、私どもが唱える「意志を持ったデジタルレイバー」、AIがロボットを動かす世界をソフトウェアで実現できるように開発を進めています。

近い将来、機能、パーツごとに徐々にリリースしていきますが、1つずつのサービスにどのような特徴があり、どのような変化があるのかを見ていきながら、みなさまにご説明できる機会が都度あるかと思います。ぜひ期待していただければと思います。

質疑応答:新規顧客のサービス利用実態について

司会者:「顧客の利用実態について、新規顧客は他社サービスからの置き換えとExcelからの置き換えのどちらが多いのでしょうか? Excelユーザーでも御社のサービスは簡単に利用できるのでしょうか?」というご質問です。

稲葉:私どもの中小・中堅企業向けセールスDXはまだ新しい領域です。SFA、CRMの領域は昔からありましたが、中小企業ではなく大企業を中心に、「使う・使わない」ということが起こってきました。

そのため、中小・中堅企業に関してはほぼExcelからの置き換えです。さらにはExcelも使っていない属人的な中小企業も非常に多く、管理という意味では紙で回していた文化がオンラインに変わってきています。

簡単に利用できるのかという点については、使い方のルールがきちんとあるため、そのルールを私どものカスタマーサクセスチームがお客さまにしっかり教え、利用していただくことにより、非常に便利な部分が出てきます。

今の進捗状況や会社全体の売上、誰がどのくらい動いているのか、受注できるのか、将来の売上見込みはどのくらいかなども把握できるようになるため、「使わないと」という意思があれば利用できると思っています。