2022年9月期 第2四半期 決算サマリー

黒田武志氏:リネットジャパングループ代表の黒田です。本日はお忙しい中、当社の決算説明にご参加いただきまして誠にありがとうございます。それでは2022年9月期第2四半期の決算についてご説明させていただきます。

第2四半期の決算サマリーです。第2四半期も前期に引き続き国内Re事業の好調を背景に、売上高41億円、前年同期比108.5パーセント、経常利益3.6億円、前年同期比113.6パーセントということで、上期の過去最高益となっています。

マーケティングへの重点投資期間として投資を続けており、そのコスト増となっていますが、通期計画達成に向けて順調に進捗しています。国内Re事業では、上期で過去最高の売上高を達成しています。

また、カンボジア事業の金融関連はコロナ禍もあり保守的な計画で経営していますが、HR事業の外国人技能実習生の人材送り出しは、4月から入国再開となり、下期は業績を後押しする見通しです。今後、海外事業は金融事業とHR事業がありますが、特に成長が期待される外国人技能実習生・特定技能のHR事業に重点的に投資していくスタンスです。

今期は次年度以降、2年から3年以内に連結経常利益10億円を目指し、「打つべき手に、しかるべき投資」を行っていく期間と位置づけています。この2年、3年以内の連結経常利益10億円という目標は、会社として十分に道筋が見えていると思っており、達成できると考えています。

2022年9月期 第2四半期 決算ハイライト

決算ハイライトの数字です。先ほどお伝えしましたが、連結では売上高41億500万円、経常利益3億5,600万円、国内Re事業では売上高35億7,700万円、経常利益6億2,200万円、海外金融・HR事業では売上高5億2,700万円、経常利益マイナス7,300万円となっています。

2022年9月期 第2四半期(累計)売上高の増減要因

連結の売上高の増減要因として、国内Re事業の中でも特にリサイクルが大きく伸びており、プラス2億4,600万円となっています。

2022年9月期 第2四半期 経常利益の増減要因

経常利益の増減要因として、マーケティング投資が前期より約1億円増えていますが、為替によるプラス影響などがリカバリーするかたちで、過去最高の経常利益となっています。

2022年9月期 第2四半期 連結損益計算書

連結の損益計算書です。先ほどご説明したとおり、特に営業利益が3億5,000万円から1億6,700万円と、前期から減っているように見えますが、我々の通期計画の中では、経常利益はもちろんのこと、営業利益も期首の計画どおり順調に進捗しています。

したがって、我々としては営業利益・経常利益ともに通期計画が達成できる方向で、順調に進んでいると考えています。

事業ポートフォリオの再構築(貸借対照表)

貸借対照表です。事業ポートフォリオの再構築に取り組んでおり、特に有利子負債の圧縮に取り組んでいます。前期は有利子負債を16億6,000万円圧縮しましたが、今期も有利子負債を5億6,000万円圧縮しています。

連結貸借対照表

連結の貸借対照表です。総資産が88億4,300万円と、前期よりも3億8,500万円増えています。自己資本比率は22.1パーセントで、前期よりもプラス1.2パーセント改善しています。

国内Re事業:売上高

各事業の概要です。国内Re事業については巣ごもり需要も一巡しましたが、引き続き高水準の売上高を維持しています。売上高が35億7,700万円、前年同期比108.9パーセントとなっています。

国内Re事業:経常利益

国内Re事業の経常利益です。先ほどご説明したとおり、経常利益が6億2,200万円ということで、マーケティング投資が9,500万円ほど増えているのですが、それを打ち返して、引き続き高水準の利益を達成しています。

リユース:売上高

国内Re事業の中のリユース事業は売上高が23億5,500万円、前年同期比99.9パーセントと前年並みですが、前年は巣ごもり需要で大きく伸びたため、この追い風が一巡してからも、依然として高いレベルを維持しています。

リユース:会員数推移・在庫回転数

リユースの会員数です。創業22年目ですが今でも順調に拡大しており、「NETOFF」の会員数は現在400万人を突破しています。

また、年間の在庫回転数は金額ベースで30.4回転です。小売業で在庫の回転率が年間で30回転を超えるのは非常にハイレベルであり、キャッシュ・フローのよいビジネスとしてうまく在庫をコントロールできています。

内リサイクル:売上高

小型家電のリサイクル事業についてです。売上高が11億6,800万円、前年同期比で126.6パーセントとなりました。マーケティング投資はリサイクル事業を中心に行っていますが、認知度が向上し、四半期ベースでは過去最高の売上高を計上しています。

リサイクル:自治体との連携

リサイクル事業では自治体との提携を積極的に推進しています。連携自治体数は600近くまで到達しており、人口カバー率も60パーセントを超えました。引き続き連携自治体との協働を軸に、「宅配回収」の認知度向上を目指していきたいと考えています。

リサイクル:回収申込件数

回収申込件数も、グラフのとおり順調に伸びています。2019年の9月から3年で申込件数が3倍以上に増加し、順調に拡大しています。

リサイクル:CMの展開

また、リサイクルでは継続的にCMを展開しています。今年の4月、5月のゴールデンウィークは関西地区と九州の一部地区でCMを展開しました。引き続き認知度向上に向け、年末年始やゴールデンウィークといった需要期に関東・関西エリアでCMを継続的に出稿していきたいと思っています。

お客さまの認知度やマインドシェアを高め、部屋の片づけや引っ越しなどでパソコンを処分する時に、第一にリネットジャパンを想起してもらえるよう、今後も継続的にマーケティング投資を行っていきたいと考えています。

また、こちらのCMは認知度向上はもちろんですが、CMを打っている期間中の申込件数も大きく伸びています。その意味では、CMへの投資もすぐに回収できている状況です。

マーケティング投資

マーケティング投資はご覧のグラフのとおりです。このくらいの水準の投資を継続していきたいと考えています。

海外金融・HR事業:売上高

海外金融・HR事業の売上高は5億2,700万円、前年同期比で106.2パーセントとなっています。前々期に大きなマイナスが出た車両販売事業については、新規営業を凍結しています。マイクロファイナンスについても慎重に経営しているところですが、堅調に推移しており、前年同期を上回る売上高になっています。

海外金融・HR事業:経常利益

経常利益はマイナス7,300万円です。赤字が続いていますが、HR事業は入国が4月から再開されていますので、今後は下期にかけて大幅に収益が改善する見通しです。

内マイクロファイナンス:売上高

金融事業のうちマイクロファイナンスです。売上高が4億7,100万円、前年同期比で117.5パーセントとなっています。先ほどもお伝えしたとおり保守的に運営しているのですが、事業は着実に伸びています。

カンボジア車両販売事業

カンボジアの車両販売事業は新規営業を凍結しており、債権の圧縮に取り組んでいます。スライドの棒グラフの青色の部分が債権残高ですが、前年同期比で60パーセント超の減少と、順調に圧縮できています。債権のゼロに向けて引き続き圧縮に取り組んでいきたいと思っています。

HR事業

HR事業では1年4か月振りに技能実習生の入国が再開しました。スライドの写真は空港での入出国の風景です。なかなか入国できずカンボジアのメンバーがずっと待っていたのですが、ようやく入国が再開されるようになりました。受注はすでにたくさんあり、第3四半期以降に約120名が入国予定となっています。

HR事業

現在の入国済、そして面接済の人数の内訳です。青色の部分が入国済の人数を示しています。オレンジ色の部分が面接済の人数で、すでに企業から受注しており、入国待ちをしているメンバーが83名います。それ以外に、面接の前段階にあるカンボジア人が何名かいますので、合わせると120名ほどがすでに入国予定となっています。

HR事業を今後の成長事業として重点投資へ

冒頭にもお伝えしましたが、海外事業の中では技能実習生のHR事業を、今後の成長事業として重点投資していきたいと考えています。これまではコロナ禍による入国制限で厳しい状況でしたが、中期的には成長市場と考えています。

この領域は我々にとって新規参入であり、これまではカンボジアの自動車整備士という、非常に限定されたニッチトップ戦略でした。今後はこの事業をスケールアップさせていけるよう、多くの人数の受注を期待できる人口の多い国、また求人数の多い職種に事業領域を広げていき、そのための戦略的投資を行っていきたいと考えています。

スライド左下のイメージのとおり、カンボジアから周辺国への送り出し機関としても進出していきたいと考えています。スライド右下は職種別の統計データですが自動車整備関係は全体の1パーセントくらいしか市場規模がありません。ここから食品製造業や機械・金属業などの領域まで広げていきたいと考えています。

HR事業を今後の成長事業として重点投資へ

参考までに、今後日本では20年間で生産人口が約1,400万人減少するという見通しがあります。その対策として、外国人の労働者が約674万人必要だという試算がされているため、これから何百万人単位で外国人が日本に入ってくることを考えると、この領域は非常に成長指標だと思っています。そのため、我々は今後伸びる市場において、戦略的に投資していきたいと考えています。

HR事業

トピックスのご紹介です。リネットカンボジアHRが、「外国人技能実習機構」から送出機関による優良な取り組み事例として紹介されています。カンボジア現地の国立の職業訓練校と連携し、入国前講習においても、日本式の整備技術の研修を実施しています。

HR事業

また、コロナ禍においても、オンライン授業環境を構築して事業を継続しています。彼らが日本で技能を身に付けてから、帰国後も活躍できるよう取り組んでいるというところが、評価を受けています。

当社が目指す「環境・福祉連携モデル」

経営理念の実現に向けてのご説明です。我々は収益と社会性の両立という意味合いのビジネスを通じて、偉大な作品を作ります。

我々は収益と社会性を両立したビジネスモデルを作品と呼んでいます。今後は環境、リユース・リサイクル、また福祉、障がい者の雇用や自立支援をしていきます。最近では、環福連携モデルという言葉も使われています。この環境・福祉の連携モデルのような経営理念の実現に、今後より力を入れて取り組んでいきたいと考えています。

環福連携モデルの基本的な流れ(リサイクル)

環福連携モデルの基本的な流れのイメージについてご説明します。自治体などと連携して、全国の家庭から要らなくなったパソコンを宅配便で回収し、我々の名古屋の商品センター「スマイルファクトリー名古屋」でデータ消去や、仕分けなどの処理をします。

各地区の福祉系の作業所などと連携して、その中からパソコンの基板や電池、プラスチックといった分解作業を提供し、地元の障がい者の方の就労の場所や仕事を作っていくという取り組みを行っています。これからリサイクルの推進、また障がい者の雇用の拡大につながるようなモデルを、我々はしっかり構築していきたいと考えています。

環境と福祉の連携

パソコンの手解体作業は、知的障がいの方に、非常に向いている仕事だと考えています。知的障がいの方の中でも集中力が高い方は、現場で健常者以上に生産性の高い仕事を行い、活躍してくれています。

現在は一般就労を中心に雇用していますが、今後は就労継続B型でより多くの方に仕事を提供できるよう、裾野を拡大していきたいと考えています。スライド下部の写真は我々の現場で働いてくれている障がい者の方のものです。このような取り組みが、令和2年度の愛知県の障がい者雇用優良企業として表彰されています。

既存事業(住+職)× 就労継続支援B型事業の展開

リサイクル、リユースの仕事を通じて障がい者の方にお仕事を提供することに加えて、住むところとして、障がい者の方のグループホーム事業も手掛けるようになってきています。住むところと働くところを提供していきたいと考えています。

一部で就労B型の支援事業も行っていますが、現在B型の全国の平均工賃は、月に15,776円です。当社のB型支援事業では、工賃でいうと2倍超にあたる平均37,069円を実現しています。

知的障がいの方へ住まい(住)と仕事(職)を提供するモデルへ進化中

今お伝えしたように、障がい者の方のお仕事に加えて、住まいとなるグループホームを提供しています。スライド左下の写真のようなイメージでグループホームを展開します。さらに、リサイクル事業の分解作業、またリユース事業でも中古本の出品作業と連携することで、お仕事を提供していきたいと考えています。

「障がい者雇用創造」と「環・福連携」

全国の自治体とも連携して、将来的には全国の1,000拠点への展開を目標に掲げています。今は愛知県の大府市を中心に展開していますが、ここから加速してエリアを拡大していきたいと考えています。

質疑応答:東京のリサイクル事業の倉庫と関東の障がい者事業の準備状況について

「東京にリサイクル事業の倉庫を準備する様子だが、準備状況はどうなっていますか? また、あわせて障がい者事業も関東で準備を始めているのか、できる限り具体的に教えてください」というご質問です。

現在、名古屋のリサイクルセンターは、すでにキャパシティがいっぱいです。その中で、申込件数がどんどん伸びているため、同様のセンターを関東地区でも早期に立ち上げなくてはならないということで、具体的に立地の検討に入っています。夏から秋くらいには立ち上げたいということで、現在社内でもスケジュール調整に入り、着々と準備を進めているところです。

また、関東地区のリサイクルセンターでも、障がい者の方の雇用も積極的に進めていきたいと思っています。

質疑応答:リユース事業の投資のスケジュールと新サービスとの関係について

「求人ではリユース事業でも投資の構想があるようだが、具体的にスケジュールが決まっていますか? また、これは前回の説明会で言及された、新サービスと関係はありますか?」というご質問をいただいています。

リユース事業も、おかげさまで物量が順調に拡大しています。特に新サービスの検討もしています。まだいつとは言えないが、新サービスを投入する反響などを見極めた上で、新しい物流センターへの投資なども行っていきたいと計画しています。そのあたりの事業の成長度合いを見極めて、最終判断をしたいと思っています。

リサイクル事業については、我々はすでに新センターへの投資を意思決定して計画していますが、リユースについては、新しいサービスの状況などを見極めた上で、投資を判断したいと考えています。

質疑応答:株価についての考え

最近の2年間の株価について、「社内で真剣に話し合っているのか?」という、少し厳しいご意見をいただいています。また、「社長が600円で買っているのに、今の株価でどうなるのか?」というようなご意見です。

今、株価が下がっていることに対しては、我々もなんとかしなければいけないと考えています。一方で、マザーズ指数でも、地合いが半分以下になっているという状況の中で、我々ががんばれることは業績をしっかり上げることです。

また、このようなIRの場で、それをしっかりアピールをしていくことが大事だと思っていますので、まずは計画に掲げた業績をしっかり上げていき、その上でしっかりとアピールしていくことに取り組んでいきたいと思っています。そうすることで、地合いなどが戻ってきた際に、そのようなところも株価に反映されると思います。

本当に長期にわたって我々の株式のホルダーとして応援してくださっている方のご期待は、重々わかっていますので、我々もしっかりと応えていきたいという気持ちを持っています。そのために、これからなんとか業績を上げていきたいと思います。

質疑応答:カンボジアのHR事業は下期の通期予想に含まれているかについて

カンボジア事業に関するご質問です。「HR事業が開始され、今後収益化されるが、下期の通期予想に織り込まれていますか」といただいています。

こちらについてはまだ入っていません。そのため、上振れのプラス要因になると考えています。今後は入国がスムーズに進むとは思いますが、ビザ待ちや入国が我々の計画どおりのスピードで進むかについては、見極める必要があると思っています。

先ほどもお伝えしたように、120名近い受注をすでに受けていますので、すべてはタイミング次第になりますが、我々としては今期にすべて織り込まれるように取り組んでいます。いずれにしても120名分の受注は、これから売上や利益に効いてくるものとして、今の見通しの外に置いています。

質疑応答:デジタルローンのシステム開発について

カンボジアのマイクロファイナンス事業における、デジタルローンについて「インドでシステム開発されたのでしょうか?」というご質問をいただいています。

業務システム、バックエンドのシステムはインドで開発したものになっています。今回はデジタルローンのシステムではありませんが、インドでバックオフィスのシステムを開発しています。

質疑応答:デジタル通貨「バコン」の構想について

次に「今後の動きとしては『バコン』につながっていくのでしょうか?」というご質問です。

「バコン」につなげていく構想はあります。先ほどはご説明できなかったのですが、もちろん将来的には期待したところもあります。ただ、やはり世界的に金融情勢が不安定なため、海外の金融事業は慎重に展開していきたいと考えています。しばらくはあまりスケールさせずに見極めていきたいとも思っています。

「バコン」についても、JICAの事業で「バコン」を使えるリアル拠点を広げる構想があったのですが、新型コロナウイルスの影響もあり、展開ができませんでした。また「バコン」に対するカンボジアの中央政府のスタンスも、当初より若干変化が見られるということもあります。

構想としては持ちつつも、足元では金融事業に関してやや慎重であり、「バコン」についても今後どのようなスタンスにしていくかを見極めていかなければいけないと思っています。まだ何も決まってはいませんが、攻めではなく守りのスタンスでいる状況です。

質疑応答:マーケティング費用について

「売上に対してマーケティング費用が大きすぎるように感じます。先日、新株予約権行使の299円のトリガーにも近づく危機があったのではないでしょうか?」というご質問です。

現在は海外事業が赤字で足を引っ張っている一方で、国内Re事業の収益は非常に高収益で順調です。特にリサイクル事業は大きく利益を伸ばしているため、利益に対するマーケティング投資は適切だと考えています。むしろ、しっかりと継続的に投資することで、リサイクル事業に大きな花を咲かせていきたいと思っています。

全体の連結で見ると、海外事業がまだ少し足を引っ張っている状況ですので、マーケティング投資が重いように見えますが、特にリサイクル事業の利益の中では十分健全なかたちで投資し、しっかりとコントロールできていると考えています。

質疑応答:株価低迷とIR活動について

株価低迷に関するご意見で、「IRの努力をされているのでしょうか?」というご質問です。

今後は、今まで以上にIRにも力を入れていきたいと思っています。個人投資家向けの説明会は、6月にも計画しています。

また、個人投資家だけではなく機関投資家の方にも再度IRを強化していく方針です。2年ほど前は機関投資家向けにも非常に力を入れていましたが、最近はできていなかったところもありますので、あらためて個人投資家、それから機関投資家のみなさまにも積極的にアピールしていきます。

2年、3年後に連結経常利益10億円を目指すという道筋は、非常に手ごたえがあり自信を持っています。今後は目先の利益と、2年、3年での利益水準なども含めて、しっかりと説明を強化していきたいと考えています。ご意見のとおりだと思いますので、いっそうIRを強化していきたいと思います。

質疑応答:リサイクル事業について

リサイクルの工場に関して「販管費は上昇すると思いますが、いかがでしょうか?」というご質問です。

商品センターや物流センターは、いきなりキャパ100パーセントで動くわけではないため、その分固定費は若干重くなります。しかし、今非常に伸びているリサイクル事業に必要な先行投資だと考えています。

いきなり巨大なセンターを借りるような、そこまで重い投資というものではなく、ある程度のキャパの余裕は持ちつつ、追加の拡充というかたちで固定費をしっかりコントロールしていきたいと考えています。

質疑応答:リユース事業でのコロナ特需について

「リユース事業でのコロナ特需の剥離分はどのくらいの率でしょうか?」というご質問です。また、数字ではなく手応えとして「リユースが伸びていないように感じる」というご意見もいただいています。

上期の買取は横ばいで、前期、前々期の巣ごもり需要のレベルは維持しているものの、それ以上は伸ばしきれていない状況です。一方で、足元では買取に関する集客のマーケティング施策として、新たに渋谷オフィスを構えて積極的にネット人材の採用を進めており、こちらの新たなマーケティングチームがかなり成果を出しています。

直近のゴールデンウィークも、買取が計画よりもかなり上振れするかたちでした。下期に買取が増えれば、若干のタイムラグで売上・利益につながると思っています。リユースのほうも下期は上期よりも伸ばしていけると考えています。

質疑応答:HR事業の人材送り出しの利益構造について

「HR事業の人材送り出しの事業の利益構造について、具体的にどのくらいの利益貢献があるのですか?」というご質問です。受注は120名分ありますが、売上は入国して初めて計上されるため、利益貢献について具体的なコメントは差し控えたいと思います。

質疑応答:マーケティングに力を入れている事業について

「マーケティングでどの事業に力を入れているのでしょうか?」というご質問です。

今はパソコンのリサイクル事業に力を入れており、マーケティング投資の増加分はこの事業になります。

質疑応答:為替差益について

為替差益についてもご質問をいただきました。

前期、前々期は為替差損が発生しました。今の為替水準だと為替差益が相当発生するため、あまり上にも下にもいかないようにヘッジしています。これによって、為替差益は若干プラスで出る見通しになっています。

質疑応答:「バコン」の情報について

「『バコン』についての情報が何もない」というご指摘をいただいています。

先ほどもご説明しましたが、「バコン」については新型コロナウイルスの影響でリアル拠点の展開がなかなかできず、また中央銀行も当初とは若干異なったスタンスの発言が出ています。

もう1つ、我々の金融事業は、世界情勢を見ながら少し慎重なスタンスで経営をしています。そのようなことから、今後の金融事業や「バコン」については、将来的な構想は別として、足元では慎重に見極めていきたいと考えています。

質疑応答:カンボジアの車両販売事業の貸し倒れ率について

「カンボジアの車事業は貸し倒れ率が高い気がします」というご指摘です。2期前に特別損失16億円を計上しましたが、中古車の割賦販売事業の損失でした。損失が出て以降は、いわゆる不良債権化したものを圧縮しているところです。

車の販売事業は新規の営業を凍結し、不良債権化したものを回収するフェーズに入っています。貸し倒れ率はさほど高くありませんが、債権を回収して事業をやや縮小しているという状況になります。

質疑応答:リユース事業の広告戦略について

「リユース事業にかなりの広告を投入しているようですが、いかがですか?」というご質問です。

リユース事業とリサイクル事業を、国内Re事業という1つのセグメントとして数字を出しているため、そのように見えています。ただ、積極的にマーケティング投資をしているのはリサイクル事業になります。リユースは若干プラスではあるものの、ほぼ従来どおりの広告宣伝費になります。リユース事業は創業からの事業で、キャッシュをしっかり生み出す事業と位置づけています。

我々としては、成長性も踏まえつつも利益を第一に考えているため、利益を棄損するかたちの投資は考えていません。リユース事業は収益、利益、キャッシュをしっかり稼いでいきたいと考えています。

質疑応答:時価総額低下と買収について

「時価総額が低くなっているが、買収される危機か?」というご質問です。

ご心配をおかけしていますが、この会社は私が創業し、今でも30パーセント超の株主です。まだまだ会社を大きくしていきたいという強い気持ちを持っていますので、買収や株式売却はまったく考えていません。

創業から今年で22年目ですが、私自身はまだまだ元気で、22年目という年数も折り返しといった気持ちで捉えています。何倍も大きな会社にして株主の方の期待にしっかり応えていけるような成長を、中長期の視点で取り組んでいきたいと考えています。引き続き、ぜひ応援いただけたらと考えています。

黒田氏からのご挨拶

今日は本当にお忙しい中、たくさんの方にご出席いただき、また質問もたくさんいただきましてありがとうございます。株価の低迷については真摯に受け止め、我々は利益をしっかり上げつつ、投資家のみなさまにご説明やアピールを行い、株価対策も含めて検討していきます。

これからも株主のみなさまに応えて、ご期待に添えるよう取り組んでいきますので、今後ともよろしくお願いいたします。本日はどうもありがとうございました。