2021年度第2四半期決算サマリー①
田島哲康氏(以下、田島):社長の田島でございます。本日はお忙しい中、当社決算説明会にご出席いただき誠にありがとうございます。私からは、概要と数字についてお伝えします。施策については、常務取締役の山野からご説明します。
はじめに、第2四半期の概要をお伝えします。需要回復に伴い売上・件数ともに増加したものの、傭車費増加が利益面に影響しています。
傭車費増加の背景をご説明します。3月末の緊急事態宣言解除後、法人需要が一時的に急回復し、供給力を見極めながら受注の取込みを進めていました。しかし、繁忙期の最中、一部傭車先においてキャパシティオーバーが発生したことにより、自社作業に切り替え、従業員へ過度な負担がかかることとなりました。
よって、第1四半期は勤務調整を目的に急遽傭車の再手配を行ったため傭車件数が増加し、傭車費用は前年比51パーセント増となり、利益を圧迫する結果となりました。
新型コロナウイルス感染症の影響としては、弊社では感染防止策を徹底していましたが、新型コロナウイルスへの感染および濃厚接触による休業者が増加したことや、職域接種のワクチン副反応などによる安静を要したことで予期せぬ稼働減少が起こり、作業効率に影響が生じました。
オリンピック・パラリンピックによる影響については、関東圏の問い合わせ件数が4.3パーセント減少し、全国的にも関東圏への引越が減少しました。また、期間中の交通規制も同エリアの営業活動や引越作業に一時的な影響を及ぼしました。
2021年度第2四半期決算サマリー②
下期の見通しとしては、傭車費抑制の対策として、一部の業者に偏っていた傭車手配について、運用交渉を実施するとともに、新規取引先を増やすことで単価の是正を行っています。また、突発的な発注増加による混乱回避のため、傭車先との情報連携策を講じています。
新型コロナウイルス感染症については、職域接種休暇の付与・ワクチン接種の推奨などにより、正社員のワクチン接種率は10月末現在で70パーセントを超えています。新型コロナウイルスの猛威は今後も不透明ではありますが、現在の小康状態が継続する場合は業績への影響は限定的であると見込んでいます。
事業法人需要の動向については、前期に大幅減少した事業法人の需要は緊急事態宣言の解除に合わせて戻る傾向が出ています。下期、特に3月の繁忙期の需要は現時点ではまったく不透明ですが、多くの顧客では移動転勤ニーズがなくなっていないことを確認しています。
単価の動向については、付加価値をつけた営業で低価格帯単価の比率が低下した分、高価格帯単価の比率が上昇しました。
1. 連結決算概要
決算概要についてご説明します。まずはじめに、連結決算の概要です。2021年9月期の売上高は前年同期比4.9パーセント増の504億9,200万円、営業利益は前年同期比17.5パーセント減の48億5,900万円、経常利益は前年同期比14.8パーセント減の51億9,400万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比20.6パーセント減の32億3,100万円となりました。
2. セグメント別売上高
セグメント別売上高をご説明します。引越事業は前年同期比5.1パーセント増の445億3,700万円、電気工事事業は前年同期比1.9パーセント増の19億6,400万円、クリーンサービス事業は前年同期比1.4パーセント増の21億1,000万円、リユース事業は前年同期比8.6パーセント増の16億3,600万円、その他の事業は前年同期比2.0パーセント減の2億4,500万円となっています。
3. 個別決算概要
個別決算の概要となります。2021年9月期の売上高は、新型コロナウイルス感染症の影響により、法人の転勤需要が落ち込みましたが、引越事業全体としては単価・件数ともに増加させることができました。その結果、前年同期比5.0パーセント増の448億5,800万円となりました。
一方で、利益については3月の繁忙期に従業員に負荷をかけたため、4月以降の労働時間と新型コロナウイルスのクラスター発生防止に配慮して外注費が増加したこともあり、営業利益は前年同期比19.9パーセント減の43億6,700万円、経常利益は前年同期比10.6パーセント減の49億8,800万円、当期純利益は前年同期比7.5パーセント減の34億3,900万円となりました。
4. チャネル別売上高(個別)
チャネル別売上高は、新型コロナウイルス感染症の影響により転勤需要が落ち込みましたが、インターネットによる受注が増加しました。
法人は前年同期比2.9パーセント増の210億9,200万円、インターネットは前年同期比10.3パーセント増の168億6,700万円、一般は前年同期並みの65億7,800万円、その他は前年同期比5.0パーセント減の3億2,100万円となりました。
5. 個別経常利益の要因分析
個別の経常利益の要因についてご説明します。プラス要因は、作業件数の増加および単価上昇によるものです。一方でマイナス要因は、外注費による売上原価の増加および人件費による販管費の増加となっています。
6. 件数・単価の動向
件数・単価の動向です。2021年9月期は低価格の件数比率が微減し、商品販売などにより全体的に単価が上昇しました。今後は現在の単価水準を保っていく見通しです。
7. 連結貸借対照表
連結貸借対照表です。現金及び預金が200億4,800万円となりました。有形固定資産は14億9,000万円増加しましたが、主な内容としては浦和支社の建物構築物と富山支社の建物構築物などです。有利子負債の残高は、前期末と比較して2億8,000万円増加し、39億2,900万円となりました。
8. 連結キャッシュフロー計算書
今期は営業キャッシュフローが前年同期と比べてマイナスです。投資キャッシュフローは、M&Aもありマイナスとなりました。財務キャッシュフローはプラスで、現金及び現金同等物は24億1,500万円の増加となりました。
9. 傭車費増加の要因(第1Q)
山野幹夫氏:常務取締役の山野でございます。第2四半期の売上利益変動要因についてお話しします。
最初に、傭車件数の増加についてご説明します。サマリーでご説明したとおり、一部傭車先がキャパシティオーバーとなったことにより、前期の3月に従業員への負担が増えました。そのため、第1四半期は従業員の健康管理を最優先に勤務調整を行ったため、傭車件数が増加しました。
10. 傭車費増加の要因(第2Q)
第2四半期においては、本社を拠点に実施したワクチンの職域接種や、希望者への接種予約代行などの予防対策に努めてきましたが、国内の新型コロナウイルス感染者数の増加に比例して、社内でも感染者が増加しました。ワクチン休暇を含めた新型コロナウイルス関連の休業が、正社員に限っても229名、日数にして2,780日発生しました。そのため、緊急的な傭車対応を行わざるを得ず、急な発注により傭車単価も増加しました。
11. 傭車費増加の要因(パートナー傭車費除く)
まとめると、第1四半期は従業員の労働環境に配慮したため、傭車依頼件数及び傭車費用が増加しました。第2四半期は、新型コロナウイルスの影響により、傭車の臨時手配を行ったため、傭車単価が上昇し、傭車費が増加しました。
12. 人件費増加の要因
人件費については、コロナ禍での負担が大きかった社員に特別手当を支給しました。また、前期は賞与繰入取り崩しによる経費の減少があり、前期と比較して約6億5,000万円の利益押し下げの要因となりました。どちらも一過性の要因です。
13. 東京オリンピック・パラリンピックの影響
関東圏においては、東京オリンピック・パラリンピック開催期間中の交通規制などによる作業への影響を考慮し、受注調整を実施しました。また、開催期間中には関東圏での受付件数が減少し、8月と9月の売上高に影響が出ました。
14. 業界を取り巻く環境 ~業界の業績~
続いて、中長期戦略と進捗状況についてです。スライドの折れ線グラフは、引越業界の売上高の推移を示しています。おかげさまで、サカイ引越センターは8年連続で売上高ナンバー1を獲得することができました。当社は唯一、右肩上がりでの成長を続けており、今期は引越業界では初となる、売上高900億円の突破を見込んでいます。そして、その先にある前人未踏の1,000億円達成に向けて邁進しています。
15. サカイの成長戦略1 ~共創の経営~
当社の成長戦略の1つ目である、パートナー戦略についてご説明します。シェアを拡大していく上で、「家族・単身引越のベストミックス」での受注がもっとも大切になってきます。引越業界では、M&Aを実施することでこの取り組みを進めている企業もありますが、サカイ引越センターでは、パートナー企業を増やすことでこのベストミックスを目指しています。
また、サカイ引越センターの品質を保証するために、パートナー企業のドライバーへの教育や毎月のアンケート評価の確認とフィードバックを行い、お客さまに安心して任せていただけるように取り組みを進めています。
16. サカイの成長戦略1 ~共創の経営~
パートナー企業の台数は、今期目標の約7割を達成しています。順調に推移しているため、繁忙期に向けて作業件数とのバランスを考えながら進めていきます。また、当社のまごころ品質を低下させることのないように、パートナー企業への教育にも注力し、2年連続オリコン顧客満足度ナンバー1を目指していきます。
17. サカイの成長戦略2 ~人材活用~
次に成長戦略の2つ目である、人材活用についてです。2021年6月に全従業員に対して、エンゲージメント評価を実施しました。スコアの可視化により現状把握した上で、管理者と各改善項目について面談とフィードバックを重ねています。エンゲージメント結果を真摯に受け止めて、自部署の強みや弱みを理解し、2023年度にはエンゲージメントスコアA評価に向けて、引き続き取り組んでいきます。
18. グループ戦略
3つ目のグループ戦略については、引越事業を土台に3本の柱として、リユース事業・電気工事事業・クリーンサービス事業により新生活応援グループを目指しています。
リユース事業においては、2021年9月に埼玉県春日部市に「リユースのサカイ 春日部店」を出店しました。また、電気工事事業においては、2021年度に東北地方への出店を予定しており、現在準備を進めています。クリーンサービス事業においては、今期グループ会社に迎え入れたクリーン・システムが2021年9月に大阪支店を出店しました。サカイグループだからこその引越とのシナジーを発揮し、新生活応援企業として着実に進めていきます。
19. 連結業績予想
田島:続いて、業績予想についてです。2021年度の予想については、変更はありません。連結業績予想については、売上高は3.1パーセント増の1,034億8,000万円、経常利益は1.8パーセント増の119億4,400万円、当期純利益は3.4パーセント増の79億6,200万円を見込んでいます。
20. 個別業績予想
個別業績予算についても変更はなく、売上高は前期比3.0パーセント増の921億8,100万円、経常利益は1.8パーセント増の109億6,100万円、当期純利益は4.6パーセント増の74億5,300万円を見込んでいます。
21. 財務戦略と投資方針
財務戦略と投資方針については、変わらずゆるやかな増配と投資政策を進めていきます。
22. トピックス
最後はトピックスについてです。まず、8月3日に実施した取締役会決議を受け、9月6日付で東証新市場区分プライム市場の選択申請を行いました。
また、10月29日に株主還元の充実及び資本効率の向上を図るとともに、機動的な資本政策を遂行するため、自己株買いを発表しました。
23. トピックス
10月に和歌山県で発生した水管橋落下による断水への支援のため、協定を結んでいる近畿地方整備局より要望を受けて、支援物資輸送に協力しました。
また、神戸市やダイエーと共同で実施している「フードドライブ」による食品ロス削減について、環境大臣より表彰状をいただきました。今後も社会貢献活動を進めていきます。
24. トピックス
11月5日に行われた近畿地方整備局と堺市との合同の総合防災訓練に本年も参加しました。今回で7回目になります。緊急事態にすぐ対応できるように取り組みを進めていきます。
また、品質向上を目指し、引越サービスと引越技術を競う引越サービスコンテスト「専務杯」を11月6日に開催しました。大会で優勝することだけが目的ではなく、他チームのよかった点を吸収し、それぞれのエリアに持ち帰り展開することで、全支社の品質向上に努めていきます。
そして、売上高ナンバー1を8年連続で達成できましたので、9年連続・日本一を目指したいと思います。また、オリコン顧客満足度2年連続ナンバー1を目指して取り組んでいきたいと考えています。
以上でございます。ご清聴ありがとうございました。