決算のポイント
森中哉也氏:T&Dホールディングスの森中でございます。本日はお忙しい中、電話会議にご参加いただき誠にありがとうございます。2021年3月期第1四半期決算についてご説明します。3ページをご覧ください。
ポイントは記載のとおりです。利益指標の経常利益・四半期純利益・グループ修正利益はいずれも通期業績予想に沿って進捗しています。新契約業績は、太陽生命、大同生命とも当初想定を上回るものの、新型コロナウイルス感染症にともなう営業自粛の影響により、前年同期から減少しました。また、T&Dフィナンシャル生命は、外貨連動型一時払終身保険の販売増加により、前年同期から増加しました。
新契約価値は、主に販売量の減少により前年同期から減少しました。Group MCEVは、国内長期金利の上昇や内外株価の上昇により、前期末から増加しました。また、6月3日に関連会社化したフォーティテュード社については、2021年3月期第1四半期決算から持分法投資損益を計上しています。
連結主要収支①
連結主要収支の状況は、グラフのとおりです。6月3日に米国再保険持株会社フォーティテュード社の持分取得完了を反映した通期業績予想を発表していますが、おおむね業績予想に沿った進捗です。
【参考】フォーティテュード社の関連会社化
フォーティテュード社の持分法による投資利益の発生についてご説明します。当第1四半期決算において、投資時点の同社純資産と取得価格の差額である615億円を、持分法による投資利益として計上しています。なお、フォーティテュード社の2020年4-6月期決算に係る持分法投資利益として、当社の2021年3月期第2四半期決算において310億円程度を計上する見込みです。そのうち、還元対象となるグループ修正利益への影響額は20億円程度を見込んでいます。
連結主要収支②
2021年3月期から導入したグループ修正利益と四半期純利益との差異について説明します。グループ修正利益は、当期純利益に含まれるT&Dフィナンシャル生命のMVA関係損益と、フォーティテュード社の再保険資産に係る評価性損益の影響を調整した数値です。
2021年3月期第1四半期のグループ修正利益は146億円となりました。修正対象となるMVA関係損益がマイナス28億円、フォーティテュード社に係る一時的な評価性損益がプラス567億円となっています。生保3社およびT&Dユナイテッドキャピタルの主要収支の状況は7ページに掲載していますので、後ほどご覧ください。
連結損益計算書(要約)
8ページで連結主要収支についてご説明します。経常利益は839億円となり、前年同期から539億円の増益となりました。これは主に、フォーティテュード社の持分取得完了にともない、持分法による投資利益が計上されたことによります。四半期純利益は684億円となり、527億円の増益となりました。9ページでは、連結貸借対照表を記載していますので、後ほどご確認ください。
基礎利益・順ざや
次に10ページで、基礎利益および順ざやについてご説明します。基礎利益は339億円となり、前年同期から29億円減少しました。そのうち、順ざや額は62億円となり、前年同期から58億円減少しました。これは、主に利息および配当金等収入が減少したことによります。
スライドの右側の、太陽生命と大同生命の基礎利益の増減要因についてご説明します。太陽生命では、事業費が減少したこと等により、前年同期から27億円増加しました。大同生命では、利息および配当金等収入の減少を主因に、前期から55億円減少しました。
MCEV計算結果(四半期)
11ページでは、EVについてご説明します。Group MCEVは、国内長期金利の上昇や内外株価の上昇により、前期末より3,601億円増加し、2兆9,483億円となりました。Group MCEVの増減には、今回の決算より、6月3日に関連会社化したフォーティテュード社の一時的な評価損益等を含みます。
新契約価値は227億円となりました。これは、主に新型コロナウイルス感染症の影響により販売が減少したことによるものです。ROEVおよびコアROEVは、それぞれ13.5パーセント、1.0パーセントとなりました。また、新契約マージンは9.0パーセントとなりました。
Group MCEVの変動要因
12ページは、EVの変動要因です。Group MCEVは、スライド右側の経済変動および経済的前提変更の影響における、国内長期金利の上昇や内外株価の上昇等により、前年度末より大幅に増加しました。
ESRの状況
続いて、ESRの状況についてご説明します。13ページをご覧ください。2020年6月末のESRは、前期末から10ポイント上昇し、208パーセントとなりました。上昇は、国内金利の上昇や内外株価の上昇等によってサープラスが増加したことによります。また、フォーティテュード社の関連会社化によるESRへの影響は約11ポイントの低下です。2020年1月の劣後債調達による上昇分の約5ポイントを考慮すると、約6ポイントの低下となります。ソルベンシー・マージン比率および実質純資産については、14ページに記載していますので、後ほどご確認ください。
中計(2019−2021年度)のマーケティング戦略|太陽生命
15ページページ以降では、中核生保3社が中期経営計画で注力している、各社の契約業績指標およびEVの状況についてご説明します。15ページは、太陽生命の中期経営計画におけるマーケティング戦略です。
契約業績|太陽生命
16ページをご覧ください。太陽生命の契約業績は表のとおりです。第1四半期の保障性新契約年換算保険料は、保障ニーズの高まり等から計画を上回る進捗となっているものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響による4月以降の訪問活動自粛などにより、前年同期比26.9パーセント減少の29億円となりました。
中計(2019−2021年度)のマーケティング戦略|大同生命
続いて、大同生命について説明します。17ページは、大同生命の中期経営計画におけるマーケティング戦略です。
契約業績|大同生命
18ページをご覧ください。大同生命の契約業績は表のとおりです。新契約高は、昨年7月に発売した「Lタイプα」の好調等により、計画どおり進捗したものの、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言発令期間中の対面による営業活動の自粛の影響等により、前年を下回りました。
解約失効率は6.46パーセントと、前期から0.26ポイント上昇しましたが、金融危機時並とした当初の想定を現時点では大きく下回って推移しています。保有契約高は、新契約高の減少もあって前期末から3,246億円減少し、46兆6,225億円となりました。
中計(2019−2021年度)のマーケティング戦略|T&Dフィナンシャル生命
続いて、T&Dフィナンシャル生命について説明します。T&Dフィナンシャル生命の中期経営計画におけるマーケティング戦略は記載のとおりです。
契約業績|T&Dフィナンシャル生命
20ページをご覧ください。新契約年換算保険料は38億円となり、前年同期から16億円、プラス72.7パーセントの増加となりました。これは、昨年7月に発売した「生涯プレミアムワールド5」の販売の影響によるものです。四半期で見るとコロナウイルス等の影響もあり販売量がやや鈍っていますが、引き続きご好評いただいています。
フォーティテュード社の損益状況
21ページをご覧ください。フォーティテュード社の状況です。当社の2021年3月期第1四半期決算には、フォーティテュード社の2020年1-3月期までの損益を反映しています。なお、6月3日に発表した修正業績予想にはフォーティテュード社の1-3月期の損益の状況も反映しています。
フォーティテュード社の2020年4-6月期の米国会計基準の純利益は、主に金利低下にともなう再保険貸資産評価損益の改善により、9億9,600万ドルと1-3月期のマイナスからプラスに転じました。再保険貸資産の時価変動等に起因する未実現損益を調整した純利益は、7,700万ドルとなりました。この結果、当社の第2四半期決算では、持分法投資利益として310億円程度を計上する見込みです。そのうち、グループ修正利益への影響額は20億円程度を見込んでいます。
各社別MCEV(四半期)
22ページをご覧ください。生命保険3社のMCEVおよび新契約価値です。まず、太陽生命について説明します。新契約価値は、新型コロナウイルス感染症の影響にともなう営業自粛による新契約の減少を要因に、前年同期から62億円減少し、74億円となりました。MCEVは、国内長期金利の上昇や内外株価の上昇等により、前期末から641億円増加し、9,599億円となりました。
次に、大同生命です。新契約価値について、新契約高は減少したものの、主に昨年7月発売の「Lタイプα」の販売好調等により前年同期から32億円増加し、156億円となりました。MCEVは、国内長期金利の上昇や内外株価の上昇等により、前期末から1,815億円増加し、1兆8,076億円となりました。
T&Dフィナンシャル生命の新契約価値はマイナス3億円となりました。これは、主に米国社債を組み入れている「生涯プレミアムワールド」の販売好調によるものです。MCEVは社債スプレットの縮小等により264億円増加し、929億円となりました。なお、今回より計算に使用する外貨参照金利をスワップレートから国債へ変更しています。
なお、23ページから25ページまでは、太陽生命および大同生命の資産運用状況ですので、ご確認いただければと思います。
2021年3月期 通期業績予想
26ページをご覧ください。T&Dホールディングス連結の2021年3月期の通期業績予想および第1四半期の進捗です。経常利益、当期純利益の進捗率が高いのは、フォーティテュード社の関連会社化にともない、当第1四半期に負ののれん相当額の持分法投資利益を計上したことによりますが、6月3日発表の業績予想で見込んでいたとおりです。その他の指標も想定どおりの進捗となっています。
2021年3月期の業績予想、配当予想については、現時点ではいずれも変更はありません。今後については、新型コロナウイルスの感染状況等、不透明な要素が依然として多い状況ですが、上半期の状況を踏まえて業績予想を精査する予定です。また、2020年3月期にかかる自己株式取得についても、保険業績収支への影響を確認した上で判断します。
【参考】新型コロナウイルス感染症の影響
27ページをご覧ください。新型コロナウイルス感染症の第1四半期の影響についてまとめています。新型コロナウイルスによるマイナスの影響は、現時点では当初想定した範囲内に収まっています。ただし、足もとの国内の感染状況については、再拡大がみられるなど予断を許さない状況です。
当初は下期から正常化すると想定した営業活動についても、従来どおりの営業活動ではなく、コロナウイルスとの共存が前提となるとの認識であり、通期の業績についても一定の影響が続くと考えられます。一方で、お客さまの保障ニーズの高まりや生活スタイルの変化による在宅率の上昇など、当グループの保険販売にはポジティブな変化も見られており、すでに開始している新しい営業スタイルのさらなる進化に向けて検討を深めていきます。
(参考)通期業績予想
28ページをご覧ください。参考として、生保3社の通期業績見通しと進捗状況を掲載していますので、後ほどご確認ください。
最後になりますが、新型コロナウイルスの感染拡大により世界的に不透明な状況の中でも、当第1四半期にフォーティテュード社の持分取得が完了するなど、中期経営計画の成長戦略は着実に進捗しています。新型コロナウイルスの契約業績への影響は想定の範囲内に収まっており、四半期純利益グループ修正利益についても、おおむね業績予想に沿った推移となっています。
今後も不透明な環境が続くことが予想されますが、適切なリスク管理を行なった上で、状況の変化に応じてタイムリーに情報を発信していきます。以上で説明を終わります。ありがとうございました。