2020年11月期第2四半期決算説明会
辻庸介氏:みなさま、こんにちは。マネーフォワードの辻でございます。本日はお忙しいところ、当社の第2四半期決算説明会にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。今回も前回に続いてWebでの決算説明会とさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。本日は、事業内容、ハイライト、第2四半期業績、各4ドメインについてご説明します。
新型コロナウイルス感染症に関する当社の対応
はじめに、新型コロナウイルス感染症に関する当社の対応についてお話しします。当社の対応としては、お客さま、お取引先さま、および全役職員の健康を最優先するということで3月から対応を開始しています。
お客さまやお取引先さま向けに関しては、イベントやセミナーの中止、延期、オンラインへの切り替えを行ない、また当社のサービスでもあるバックオフィスのデジタライゼーションを目的としたSaaS導入の提案などを行なっています。
後ほどお話ししますが、6月にはオンライン展示会「BOXIL EXPO 2020」を開催させていただき、5,000名以上の方にエントリーいただきました。7月には「士業サミット2020」を開催します。毎年オフラインで実施していますが、今回は完全オンラインでの開催を予定しています。
社内、従業員向けに関しては、不要不急の国内、海外出張の制限、そして3月26日からは原則としてテレワークでリモートでも働ける環境を作り、6月の全社総会もオンラインで開催しています。また今週からですが、チーム単位で「週1日」出社しています。中途入社の方や新卒社員の方はオンボーディングでも苦労する点がありますので、週1日だけは出社して対面で会うことでチームの信頼関係を作っていこうということでチャレンジしています。
新型コロナウイルス感染症の状況も日に日に変わっていますので、迅速に対応しながら、よいかたちを探っていきたいと思っています。
ESGとして、社会のDX推進への取り組み(1/2)
このコロナ禍で、ESGとして社会のDX推進の取り組みも加速しています。みなさまの努力によって、補助金や助成金などさまざまなものがリリースされていますが、なかなか正しい情報に行き着くのが難しいところもあります。そこで、「新型コロナウイルス支援情報まとめ」ということで、法人向けと個人向けのサイトをリリースさせていただきました。非常に多くのアクセスがあり、少しでもお役に立ったのではないかと思っています。
また、「ペーパーレス・はんこレスの社会を目指した提言書」を発表しました。「紙をなくそう、はんこをなくそう」と言うのは簡単なのですが、長い慣習の中で、具体的にどのようにすれば変えることができるのかということで、かなりハードルがあり、難しいのが現状です。そこを丁寧に読み解き、どういったかたちで進めていけばペーパーレス、はんこレスの社会が実現できるのかを調べて提言書を発表しました。自民党のIT関連の会議でも説明の機会をいただいています。
直接関係があるかはわからないのですが、6月19日に内閣府が「押印についてのQ&A」を公開しており、政府のDXも着実に進んでいると思っています。
ESGとして、社会のDX推進への取り組み(2/2)
経理部門のテレワーク状況調査を実施したのですが、円グラフのとおり、テレワークを実施していない会社が半分くらいあり、毎日テレワークを行なっている会社は17パーセントとなっています。我々のようなIT企業は比較的テレワークに移行しやすいのですが、製造業など、なかなかテレワークに移行できない業種も多々あると思います。
とくに経理部門は、緊急事態宣言後も出社する方が多くいらっしゃいましたので、感染拡大の状況下では、そのうちの一部でもテレワークに移行していくことが必要ではないかと思っています。
おそらく上場企業で初めてだと思いますが、我々は今回の四半期決算を完全にテレワークで乗り切りましたので、オペレーション改善のノウハウを資料にして無料配布しています。
我々はクラウドサービスを提供していますが、オペレーションコストの改善、IT知識を付けるなど、実際の業務に落とすとサービス提供だけでは乗り越えられない課題がたくさんあります。そのような解決していくべき課題がありますので、社内の経理の人間の知識、ノウハウ、工夫といったものをオープンにして、少しでもお役に立てればと思っています。以上が、コロナ禍での当社の対応です。
Mission
事業内容についてご説明します。マネーフォワードは「お金を前へ。人生をもっと前へ。」ということで、お金の課題をテクノロジーで解決したいと考えて2012年に創業した会社です。
本日の決算発表前にも取締役会が開催されたのですが、社外取締役の方から「このような状況下だからこそ、いろいろな社会課題が出てきている。マネーフォワードという会社が、その社会課題を少しでも解決することが企業の存在価値であり、マネーフォワードとしてやるべきことである」というご指摘もいただきましたので、お金の課題をテクノロジーで解決するサービスを通して、少しでも世の中のお役に立ちたいと思っています。
Mission / Vision / Value / Culture
我々は「Mission」「Vision」「Value」「Culture」を大事にしている会社であり、スライドにある「Value」「Culture」をもとに、いろいろな活動を行なっています。
全国に広がるパートナーシップ
また、志を同じにする全国のパートナーの方とも協業しており、現在は士業の方で公認メンバーが4,200名以上、提携商工会議所が100ヶ所以上となっています。
さらに、36の金融機関にもサービスを提供しており、スクレイピング・API接続済みあるいは予定の金融機関数は990です。全国のさまざまなパートナーの方と一緒に仕事に取り組んでいます。
提供サービス一覧
創業から8年が経ち、提供するサービスも広がってきました。ご存知の方も多いと思いますが、我々は主に4つの部門でビジネスを展開しています。
「ビジネスの成長を加速させる。」というミッションを掲げているのがMoney Forward Businessで、主にクラウドサービスを中心に提供しています。また、個人向けのサービスを提供しているのがMoney Forward Homeで、金融機関をお客さまとしているのがMoney Forward Xです。そして「お金をいい方向へと動かす。」というミッションを掲げているのがMoney Forward Financeとなります。
2020年11月期第2四半期 ハイライト
決算のハイライトについてご説明しますが、第2四半期のハイライトは6点あります。第2四半期の累計連結売上高は、前年同期比プラス70パーセントの52億1,000万円で、引き続き高成長を継続しています。業績予想に対しては45.5パーセントから47パーセントで、昨年度の第2四半期の進捗率は43パーセントだったため、順調に進捗しています。新型コロナウイルス感染症は拡大していますが、現状では通期の業績見通しは変更ありません。
なお、前期においては、第3四半期にクラウドビジネスのプラン変更があり、前期は下期が売上に占める比率が最終的に大きくなりました。そのため、現状では上期の進捗率は前期を上回っていますが、通期業績見通しの範囲内で着地するのではないかと思っています。
累計の売上総利益は、前年同期比プラス98パーセントの35億円で、広告宣伝費を除くEBITDAは黒字で着地しています。グループ年間経常収益は、前年同期比プラス64パーセントの80億7,000万円で順調に伸びています。
当社もいろいろと懸念していましたが、新型コロナウイルス感染症拡大による業績への影響は、現在のところ限定的と考えています。引き続き、不可逆的な構造変化が起こっていくことは間違いないと思いますので、あらゆるサービスのDX化を捉えた事業展開を加速していきたいと思います。
そして、契約締結期限が9月末日の改正銀行法に伴う銀行とのAPI連携についてですが、125行の銀行すべてと契約締結に向かっています。以上が、この四半期のハイライトです。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響
新型コロナウイルス感染症拡大について、当社への影響はあまりないとお伝えしましたが、第1四半期の想定内に収まっていると思います。一方、クラウド化やリモート化、DX化が進むという背景もありますので、足元では新規顧客獲得が加速する傾向も見て取れます。
Money Forward Businessにおいても、ウェビナー等を利用したオンラインでの法人顧客獲得が順調に進んでおり、またコロナ禍でSaaS導入ニーズが高まっているため、日本のSaaSマーケティングナンバーワンプラットフォームである「BOXIL」の利用者数が大きく増加しています。
個人向けの「マネーフォワード ME」は、新規利用者獲得ペースが加速しています。一方、オフラインイベントの延期やキャンセル等が発生したため、その部分の売上減少が発生しています。
Money Forward Xに関してはとくに大きな影響はなく、第2四半期の売上高は過去最大です。また、銀行に提供している通帳アプリの新規利用者数の増加ペースが加速しています。
Money Forward Financeでは、「MF KESSAI」においてファクタリングの申込数が増加しているのですが、慎重に審査していることもあり貸倒率は上昇していません。また、成長企業の資金調達を支援する「マネーフォワードシンカ」への問い合わせは増加しています。
With/Afterコロナ時代において当社が目指す方向性
社内では、「With/Afterコロナ時代において、当社が目指すべき方向をどうしていくべきか」を議論しています。企業活動のクラウド化、個人向けPFM、金融機関向けソリューションの提供など、従来からいろいろとDX推進を行なっているのですが、あらためてこの不可逆的な構造変化を踏まえ、ユーザーさまに価値を提供できるサービスをしっかり作って届けていこう、ということで取り組んでいます。
2Q連結売上高は前年同期比+70%、過去最大に
ここから、2020年11月期第2四半期の業績についてご説明します。先ほどもお伝えしたとおり、売上高は前年同期比プラス70パーセントということでしっかり成長しており、過去最大となっています。とくに成長率が高いのがMoney Forward Financeで、前年同期比プラス206パーセントです。その他、Money Forward Businessがプラス82パーセント、Money Forward Xがプラス68パーセントとなっています。
積み上げ型収益を示すグループARRは高成長を継続
積み上げ型収益についてですが、前年同期比プラス64パーセントと伸びています。「BOXIL」等を提供するスマートキャンプがグループ化されたため、第1四半期がぐっと伸びています。
2Q累計BtoB売上高は、前年同期比+88%
BtoBの売上高ですが、Money Forward Business、Money Forward X、Money Forward Financeが前年同期比プラス88パーセント成長ということで伸びています。一方、Money Forward Homeの成長率ですが、プラス20パーセントではあるものの他部門と比べてまだ成長率が低いところがあるため、そこが課題であると認識して引き続き新しい取り組みを進めていきたいと思っています。
売上総利益 / EBITDA(四半期推移)
売上総利益は過去最大で、広告宣伝費を除くEBITDAは黒字で着地となっています。
費用内訳(売上原価・販売費及び一般管理費)
費用の内訳ですが、コロナ禍で全費用の見直しと削減を実行しており、具体的にはマーケティング費用の見直しを行ないました。社外に出していた一部の作業をインハウス化して効率をよくしたり、また社内で使っているさまざまなSaaSサービスについて、本当に必要なのかを全部見直して削減を行なうなどしてコスト削減を実行しています。
一方で、成長投資としてMoney Forward Businessドメインを中心に、積極的な投資を実行しています。
正社員数の推移
正社員数は増えていますが、大半が4月の新卒入社になります。またエンジニアやデザイナーの割合は引き続き約40パーセントを維持しています。
バランスシートの状況
バランスシートの状況ですが、現金および預金と純資産は100億円以上ということで、引き続き高い財務健全性を堅持しています。なお、「MF KESSAI」の買取債権が22億1,200万円となっており、短期借入金のところも「MF KESSAI」に関連するものが多くなっています。以上が、全体のご説明となります。
Money Forward Business 20/11期 第2四半期ハイライト
それぞれの部門についてご説明します。まず、Money Forward Businessですが、ストック収入は既存事業の成長およびスマートキャンプのグループジョインによって、前年同期比プラス76パーセントと高成長しています。
課金顧客あたりの売上高(ARPA)ですが、会計事務所の顧問先企業における利用が拡大しており、6万2,297円と増加しています。また顧客数ベースの解約率は2.2パーセントとなっています。当社の第2四半期が確定申告シーズンのため、季節要因として申込が増える分、どうしても解約が増えてしまい、第1四半期の1.4パーセントという数値からは上昇しています。しかし、前年同期が2.4パーセントのため、それに比べると低下しているということで想定の範囲内だと思っています。
なお、月間経常収益(MRR)ベースの解約率はマイナス1.4パーセントで、ネガティブチャーンを実現しています。
また、昨年にクラウドサービスの新プランを導入してから1年が経過しています。後ほど詳しくご説明しますが、年額プランのユーザー比率ならびにスモール ビジネスプランのユーザー比率が緩やかに上昇しています。
Money Forward Business 20/11期 第2四半期 経営指標
経営指標についてです。先ほどお伝えしたとおり、課金顧客あたりの売上高が順調に成長しています。顧客数ベースの解約率が若干上昇していますが、想定の範囲内となっています。
Money Forward Business 売上高
Money Forward Businessのストック収入は順調に伸びており、第2四半期は16億7,500万円となっています。また第1四半期にスマートキャンプがグループジョインしました。
ARPAは引き続き順調に増加
ARPAもこの四半期も順調に増加しています。
2019年5月開始の法人向けサービスプランの概要
昨年の5月に開始した法人向けサービスのプランですが、「ビジネスプラン」と「スモール ビジネスプラン」があり、それぞれ年額と月額のプランを提供しており、合計で4プランあります。
「ビジネスプラン」は、年額が6万円弱で1ヶ月あたり5,000円弱ですが、月額で契約いただくと6,000円弱です。「スモール ビジネスプラン」は、年額が3万6,000円弱で1ヶ月あたり3,000円弱ですが、月額で契約いただくと4,000円弱といった料金体系になっています。
『マネーフォワード クラウド』法人顧客のプラン内訳
法人顧客のプランの内訳ですが、一番左側の円グラフが2018年11月末時点のプラン移行前の数字です。ARPAが3万9,078円で、年額契約の割合は63パーセントでした。新プランを開始した後、2020年2月末では平均基本料金が5万9,348円で、2018年11月末と比べて52パーセント増えており、年額契約の割合は43パーセントになりました。
直近の2020年5月末では、平均基本料金が5万7,505円で、2018年11月末と比べてプラス47パーセントとなっており、年額契約の割合が50パーセントに上がっています。年額契約になると当然ながら解約率が低下することが想定されるため、我々としてはできるだけ長くお使いいただきたいということで、お得な年額契約をおすすめしており、順調に増えています。
またユーザー数も非常に増えており、新規顧客が増加しています。それに伴い、「スモール ビジネスプラン」のユーザー比率が緩やかに上昇しており、2月末で20パーセントだったものが23パーセントとなっています。
年額契約が増えて「スモール ビジネスプラン」のユーザーの割合が増えると、どうしてもARPAが若干減少しますが、ユーザー数と売上は着実に成長しており、特に問題はないと考えています。
クラウド会計APIを提供開始
トピックのご説明になります。クラウド会計のAPI「マネーフォワード クラウド会計」ならびに「マネーフォワード クラウド会計Plus」において、多くの方からAPI提供のご要望をいただいており、ようやく対応することができました。
企業経営におけるさまざまなすばらしいサービスがありますので、そことAPI連携しながら、経営数値の迅速な見える化、経営改善、業務効率化を実現したいと思っています。
給与計算、会計処理業務の自動化ポテンシャルは大きい
McKinsey & Companyの「The future of work in Japan」という資料から引用させていただいていますが、どういった業務の自動化ポテンシャルが高いのかが調査されたものです。やはりデータ処理のところで給与および会計処理の自動化のポテンシャルは非常に高く、その自動化をしっかり進めていき、ユーザーのみなさまの生産性を上げていきたいと思っています。
法人向けSaaS比較・検索サイト『BOXIL』が好調
冒頭でもお話ししましたが、法人向けのSaaS比較・検索サイト「BOXIL」が非常に好調で、資料請求数が前年同期比プラス52パーセントと大きく増加しています。ご存知のとおり、Web会議や電子契約などのリモートワーク、オンライン化のサービスにおける発生リード数の伸びが堅調で、多くの方にご利用いただいています。
国内最大級のオンライン展示会「BOXIL EXPO 2020」
6月に開催した「営業・マーケティング展」では、5,000名以上の方にエントリーいただき、無事にオンラインで開催できました。オンラインであれば手軽に参加いただくことができますし、「出会い」の面ではオフラインより難しい点があると言われていますが、商談もオンライン上でできる仕組みを使っており、費用対効果も非常によかったため、多くのクライアントに喜んでいただきました。第2回は「IT・SaaS・テレワーク展」ということで、9月に開催予定です。
「士業サミット2020」開催決定
7月27日に「士業サミット」を開催します。全国の会計事務所、税理士事務所、社労士事務所とともに中小企業のDXを推進していこうというイベントで、自民党でIT化を推進されている小林史明先生にも登壇いただく予定です。
テレワーク補助金キャンペーンを開始
「テレワーク補助金キャンペーン」も開始しており、当社のクラウドサービスを使っていただくと5万円分のAmazonギフト券がもらえるキャンペーンになります。こうしたキャンペーンでテレワークを推進していきたいと思っています。以上が、Money Forward Businessに関するご説明となります。
プレミアム課金収入(売上高推移)
Money Forward Homeについてご説明します。プレミアム課金収入についてですが、1ヶ月あたり約500円をお支払いいただいているプレミアム課金ユーザーは右肩上がりで順調に伸びており、前年同期比プラス26パーセントで25万人を突破しました。
メディア / 広告収入(売上高推移)
メディア、広告収入についてです。オフラインイベントの中止等により、売上高は想定どおり第1四半期から微減しています。また毎年、第4四半期で「お金のEXPO」を開催していますが、今回はオフラインでの開催は難しいということで「Money Forward Week」と銘打ち、オンラインで開催したいと考えています。
『マネーフォワード ME』の利用者が1,050万人を突破
「マネーフォワード ME」の利用者が1,050万人を突破して、利用者の獲得ペースが加速しています。直近の四半期で70万人ほどの方に登録いただいたのですが、1年前が約50万人ということで、キャッシュレスの拡大などもあり、多くの方にご利用いただいています。
統計データ公表による社会貢献への取り組み
「マネーフォワード ME」の統計データを生かして、世の中に役立てていこうということで、コロナ禍でどういった動きがあるのかといった分析結果を公表しました。
やはり「衣服・美容」が半分くらいに減り、「交際費」も70パーセント強のマイナスです。一方で「ステイホーム」の影響が大きく、リフォームを含む「家にかけるお金」がプラス58パーセントとなるなど、非常に興味深いデータが出てきています。
『マネーフォワード ME』、個人年金保険の連携開始
「マネーフォワード ME」で、生命保険各社との連携が加速しています。個人年金保険を含む資産の把握が可能になり、日本生命、明治安田生命とは連携済みで、今後は第一生命、住友生命とも連携予定です。「マネーフォワード ME」で資産の全容を把握いただき、資産運用によって将来のお金の不安をなくしていくという流れを実現していきたいと思っています。
PFMユーザー基盤を活かした提供サービスの拡大
Money Forward Homeの成長率が課題だとお伝えしましたが、新しい取り組みとして、PFMユーザーの方で収入を上げたいという要望が多くありますので、そのようなユーザーの方に対して「マネーフォワード キャリア」というサービスの提供を開始します。
給料が下がってしまうなど、転職の際のお金の心配は切っても切り離せないものですので、ライフプランニングを提供します。また「FFS診断」というAI人事的なものがあり、人の特性をカテゴリに分けて、データに基づいてよりマッチしやすい仕組みを提案していきます。
社内でも使っており、マッチングが非常に素晴らしいサービスなのですが、そのようなものを使いながら、新しく企業のDXに携わる方に転職キャリアを提供するといったことを考えています。
また今回の資料にはないのですが、「マネーフォワード ME」のWebページのリニューアルを実行したところ、ユーザーのみなさまから「使いづらい」「以前の機能がなくなってしまった」等のご批判をいただきました。社内で議論した結果、このまま改善を進めても当初狙ったかたちにならないということで、リリースしたものを取り下げて以前のものに巻き戻しをさせていただきました。
この件に関しては、たくさんのユーザーの方、関係者の方にご迷惑おかけしまして、誠に申し訳ございませんでした。
当初の目的としていたものが、実際にリリースしてみるとなかなか難しかったところがありました。またWebに関しては創業以来、あまりリソースをかけることができていなかった中で、今回大きく変化させてしまい、驚かせてしまったユーザーの方も多くいらっしゃったと反省しています。
今後は、今回いただいたご意見をもとにリニューアルの方法やターゲットカスタマーの考え方といったところを再度作り直して、リニューアルに関しては仕切り直したいと考えています。以上がMoney Forward Homeのご説明となります。
Money Forward X 売上高推移
Money Forward Xについてのご説明です。金融機関のDXの取り組みが非常に増加し、ストック、フロー収入ともに過去最大となり、前年同期比プラス68パーセントの成長で売上高は4億4,100万円となりました。
野村證券の資産管理アプリ『OneStock』を共同開発
今回、野村證券と一緒に資産管理アプリ「OneStock」を共同開発させていただきました。資産寿命の見える化、資産の一元管理、資産の診断機能等、将来の資産形成をサポートするサービスとなっています。みなさまも、ぜひお使いいただければ幸いです。
伊予銀行のカードローンアプリに資産管理機能を提供
伊予銀行向けに資産管理機能を提供しています。金融機関のカードローンアプリで、入金残高や入出金額などから予測不足額を算出することが可能になっており、足りない分を早めに意識していただくといったものになります。
金融機関との連携(アプリ・機能提供)
このような取り組みを通して、スライドに記載の金融機関、事業会社にサービスを提供させていただいています。我々はものづくりに特化して、引き続き金融機関、事業会社を通してユーザーのみなさまに新しい価値を提供し、DXを推進していきたいと思います。
Money Forward Finance 売上高推移
Money Forward Finance部門のご説明です。こちらは引き続き成長が加速しており、売上高は前年同期比でプラス206パーセントと伸びています。
MF KESSAI、累計取扱高200億円を突破
「MF KESSAI」の請求業務代行とOEMが堅調です。また、累計取扱高が100億円突破からわずか半年で200億円を突破するなど、成長しています。なお、売掛金の早期資金化サービスである「MF KESSAI アーリーペイメント」が非常に好評いただいており、申し込み件数は昨年末の2倍に増加しています。コロナ禍においても売掛金の即資金化というニーズが非常に強いため、そのニーズにしっかり対応していきたいと思っています。
MF KESSAI、金融機関とビジネスマッチング契約締結
「MF KESSAI」は金融機関とビジネスマッチング契約も締結しており、静岡銀行、広島銀行の法人のお客さま向けに「MF KESSAI」の提供を開始しています。今後、さまざまな金融機関との提携を拡大していきたいと思っていますので、ご興味をお持ちの金融機関の方は、ぜひお声掛けいただければと思います。
MF KESSAI、サブスク提供企業向けプランを開始
BtoBのサブスクリプションサービスのマーケットが非常に広がっていますが、サブスクリプションでは毎月いただく金額がどうしても小さくなります。そこで企業向けに、支払期限前に一括で受領が可能になるプランをスタートしました。請求代行と早期資金化ということで、サブスクリプションサービスを提供している企業の成長をサポートしていきたいと考えています。
マネーフォワードシンカ、サービス領域を拡大
「マネーフォワードシンカ」は、スタートアップ企業の成長支援を目的にさまざまな取り組みを行なっていますが、未上場株式の売却アドバイザリーとキャリア支援という2つのサービスの提供を新たに開始しています。新しいニーズに対応できるよう、これらのサービスをしっかり伸ばしていきたいと思っています。
なお、今回「Money Forward BizAccel」を終了させていただきました。順調に成長していたのですが、オンライン融資市場の成長率が想定より弱かったこと、またコロナ禍でも金融機関が非常に積極的に融資を拡大していますので、我々の想定の成長率には届かないと考えました。さまざまなサービスを展開していますので、選択と集中ということで判断して、サービスを停止させていただきました。
また、オンライン融資に関してはさまざまな学びがありましたので、この学びを生かしてサービス作りを進めていきたいと思っています。
金融機関とのAPI契約状況について
その他の戦略的な取り組みについてですが、API契約に関しては、連携している125行すべての銀行と契約を合意予定です。国内最大のアカウントアグリゲーション・プラットフォームを構築していると考えており、プラットフォームをしっかりと提供していきたいと思っています。
経営陣の体制強化について
経営陣の体制強化ですが、7日1日付で金坂がCFOに再就任しました。2014年からマネーフォワードの成長を牽引している1人ですが、あらためて、CFOとして今後の展開を牽引してもらおうと思っています。
また、菅藤は2017年にグループにジョインしたクラビスの創業者、CEOですが、当社のCSOとしてグループ全体の戦略立案、実行を推進していくということで、経営陣の体制強化を行なっています。金坂、菅藤の活躍がすばらしく、マネーフォワードの成長に寄与してくれています。
機関投資家比率が継続的に増加
株主さまの割合ですが、機関投資家の比率が継続的に増加しています。昨年の11月末時点では、海外機関投資家が36パーセント、国内機関投資家が16パーセントでした。直近の5月末時点では、海外募集の新株式発行後は海外機関投資家が41パーセント、国内機関投資家が18パーセントということで、株主の60パーセント弱が機関投資家となっています。
個人投資家が10パーセントで若干少ないと思っていますので、今後は個人投資家向けの施策をしっかり展開していきたいと思っています。
成長投資並びに黒字化の方針
成長投資並びに黒字化の方針ですが、とくに変更はありません。今後の成長投資方針に関しては、サブスクリプションモデルのため、中長期的なキャッシュフローの最大化を重視して、成長投資をしっかり着実に実行していきます。ただし、成長投資を実行していくと言いながらも、経営指標の健全性を見ながら投資効果が見合うかどうかもしっかりと見ていきます。
上場後はM&Aも進めていますが、大きな戦略があり、その戦略に則っているかという点と、財務的にオーバーバリューではないかを見ながら、戦略的かつ財務的な規律に沿った案件を厳選して取り組むかたちで進めています。M&A案件のお話をいただくことが多くなってきましたが、しっかりと進めていきたいと思っています。
また、黒字化に関する方針も変更はありません。来期に関してはEBITDAの黒字化を達成したいと思っており、早期の東証一部、プライム上場を目指して進めていきたいと思っています。
グループ成長戦略
グループの成長戦略についてです。銀行や証券会社との連携サービス、またアカウントアグリゲーションやAPIのデータ基盤、連携技術を用いて集めてきた情報を活用して、我々のUI、UX、サービス作りのテクノロジーも使いながらサービスを提供していきます。
「Money Forward Business」「Money Forward Home」「Money Forward X」「Money Forward Finance」という4つのドメインでサービスを提供していくのが我々のビジネスモデルであり、強みだと思っています。
そして、スライドの右側に記載しているさまざまなユーザーのみなさまに対する提供価値がありますので、ドメイン間の事業シナジーを生みながら、また新規サービスも継続的に創出して、しっかりと成長していきたいと考えています。
巨大な潜在市場で事業展開。さらなる成長を目指す
非常に幸運なことに、我々は巨大な潜在市場で事業展開できていると思っています。「Money Forward Business」「Money Forward Home」「Money Forward X」「Money Forward Finance」のそれぞれに、非常に大きなビジネスマーケットが存在します。
いろいろな試算がありますが、「TAM」に関しては3兆6,000億円くらいのマーケットであると認識していますので、このマーケットのニーズをしっかり汲み取りながら成長していこうと考えています。
不安の向こうに、あるものを。
今回のコロナ禍において、我々のクリエイティブディレクターである渡辺潤平さんにこのようなコピーを書いていただきました。
「不安の向こうに、あるものを。」ということで、日々、いろいろな不安がある状況で、個人も企業も未曾有の危機に面しているわけです。このような危機的な状況下でも、サービスを通して我々ができることをしっかり実現していこうということで、日々のビジネス活動に取り組んでいます。
私からの説明は以上となります。ご清聴、どうもありがとうございました。