2019年2⽉期:連結決算ハイライト
太田昌景氏:では、さっそくですが、2019年2月期の決算の概況からご説明させていただきます。
まずはハイライトと記載させていただいていますが、前期2019年の2月実績については、連結売上高は31億700万円、連結営業利益は3億8,500万円ということでして、売上高は前期比で5.1パーセントのプラス、営業利益につきましては、前期比では45.6パーセントのマイナスという結果になってしまいました。
売上高なのですが、住宅ローンの借換案件の減少ですとか、一昨年については不動産オークションの大型案件が期初に入っておりましたので、その影響で減少の部分はあったんですけれども、一昨年から連結子会社が2社増えているという影響がありまして、グループ全体としては増収で終えることができました。
営業利益については、こちらも事業拡大に向けた人件費。管理部門を中心として人材の登用等を行った結果、その人件費の増加。あと、後ほど各社ごとの損益もご覧になっていただきますけれども、新規の連結子会社が増えたことにより利益率の若干利益構成の変化が見られますので、利益率の低下により、利益については前期比でマイナスになっております。
一方、予想比ですが、期初の予想に対して売上は達成率が83パーセント、利益については46パーセントという結果になりました。
こちらは、2019年2月期に一定程度入ってくると見込んでおりました新規の金融機関のお客さま、新規のサービスのお客さまについて、やはり稼働遅れが少し見られたということで、期初予想に対しては未達で終えております。
一方、今期2020年2月期の予想ですが、売上高予想は38億2,000万円、前期比で22パーセントのプラス。営業利益については5億8,900万円でして、前期比で53パーセントのプラスを見込んでおります。
こちらは、先ほど申し上げました金融機関のお客さま、新しい不動産事業のお客さまに向けて提供する新サービスの本格稼働が今期から見込まれておりますので、それを見込んで、売上高・営業利益は記載させていただいておりますとおりのプラスを見込んでおります。
2019年2⽉期:連結決算概要
具体的な数字をご覧になっていただければと思うのですが、先ほど申し上げましたとおり、まず実績ですが、2019年2月期は売上高が31億700万円と、営業利益は3億8,500万円という結果になっております。
売上高については、先ほども申し上げたとおり5ポイントのプラスですが、こちらは新規の連結子会社が増えたことによる増収。一昨年から比べますと2社子会社が増えておりますので、それによる影響となります。
あと利益面については、先ほど申し上げたとおり、住宅ローンの借換案件が2年前に比べて3分の1ほどの当社の取り扱いの件数に減ってきておりますので、その減少による影響と、不動産オークションによる減収の影響。あと、そこに記載しておりますとおり、人件費の増加。管理部門、本社の間接部門を中心に人員数にして2割ほど人員が増えておりますので、そういった固定費の増加というところで、減益という結果になっております。
予想比については、先ほどの繰り返しになりますけれども、金融機関・不動産・建設事業者向けの新規顧客の本格稼働が遅れたことにより、未達という結果になっております。
2019年2⽉期:グループ会社別決算概要
個社別の数字をご覧になっていただきたいんですけれども、Pointの上段に記載しておりますとおり、中央グループ・ネグプランという2社が連結子会社になったことによって、連結・単体の構成比が変化してきております。
参考までに連単倍率を記載させていただいておりますけれども、2018年2月期、一昨年度であれば1.35倍であったものが、昨年2019年2月期については1.7倍ということで拡大してきております。
ネグプランの数字をご覧になっていただきますと、4月から連結のグループに入っておりまして、2月1日で中央グループと合併しておりますので、数字は実際は10ヶ月のネグプランの実績を記載しておりますけれども。
ご覧になっていただけますとおり、売上高で4億1,000万円、売上総利益で1億6,500万円に対して、営業利益は400万円ということで、現状においてはグループの中でも比較的利益率の低い構成になっておりますので。
こちらの販管費の1億6,000万円の内容ですと、旅費交通費ですとか、支店の維持費用ですとか。いくつか支店を持っておりまして。あと、業務上、車等を使って近隣を動く移動交通費が比較的多額に計上されておったので、営業利益については比較的低いものになっております。
あと、EAJ単体をご覧になっていただきましても、こちらは短信でご覧になっていただけるかと思いますが、営業利益は10.4パーセントということで、一昨年度に比べて少し低い数字になっておりますが。
こちらも、先ほど申し上げたとおり、借り換えの減少により弊社のオペレーションシステムをご利用いただいている利用料金等が少し減っておりますので、それによって利益率が少し下がっているという結果になっております。
2019年2⽉期:セグメント別売上⾼と営業利益
次にその実績をセグメント別にご覧になっていただきたいんですけれども。当社の開示セグメントでは、「エスクローサービス」と「BPO」と「不動産オークション」という3つで開示させていただいております。
エスクローサービスの売上高は8億1,500万円。下をご覧になっていただきまして、営業利益については6億6,400万円。BPOの売上高は18億5,100万円、利益については3億5,100万円。不動産オークションは、売上が4億4,000万円、営業利益は1億1,400万円と、こういった結果になっております。
エスクローサービスの前期比のところをご覧になっていただきますと、前期比で1億2,600万円減収になっておりますが、こちらも借り換えの業務量の減少によって当社のオペレーションシステムの利用料が減っておりますので、それによる影響ということになっております。
エスクローサービスの予想比をご覧になっていただきますと、こちらはマイナス6億1,200万円ということになっております。こちらも、冒頭に申し上げましたネット系の銀行様を中心とする新規のお客さまの稼働遅れということと、エスクローサービスに不動産事業本部で展開しております「H’OURS」の売上も予想として見込んでおりましたので、そちらの新規のお客さま・新規サービスの少し稼働遅れということで取っていただければと思います。
BPOの売上をご覧になっていただきますと、3億8,000万円の増加ということになっております。先ほど申し上げた子会社2社の売上はこのBPOセグメントに計上しておりますので、借り換えニーズの減少によりEAJ単体では少し売上の減少はあったものの、子会社が増えたことによって、グループ全体としては引き続き成長過程にあるということで、売上は3億8,000万円増えていると認識しております。
BPOの予想比の利益をご覧になっていただきますと、マイナス1億500万円になっております。先ほど申し上げたように、子会社のネグプラン……こちらはBPOセグメントに区分しておりますが、ネグプランで期初予想に対して少し未達があったことが、この数字に出てきております。
ネグプランで既存のサービスの自社ブランド化を、グループに入ったことを契機に進めておったのですが、その自社ブランド化の移行が少し遅れているということで、BPOの予想比も少し予想に届かなかった結果になっております。
不動産オークションは、ご覧になっていただけますとおり、予想に対して予想達成ということで、引き続き堅調に推移していると。ただ、前期比という意味では、先ほど申し上げた大型案件の影響がありまして、前期比ではマイナスになっております。
2019年2⽉期:連結営業利益 増減分析
少し販管費の内容についても触れたいと思っているのですが、左側が予想との比較、右側は前期実績との比較、2018年2月の実績との比較ということで記載させていただいております。
まず左側の「予想との比較」をご覧になっていただきますと、売上総利益については5億5,800万円減少ということになったのですが、販管人件費は5,200万円、一般経費については6,200万円、ともに予算に対して節減を図ったことによって、結果的には予想比で4億4,200万円に留めることができました。
販管人件費については、当初予想段階で見込んでおりました本社の管理部門等の増強が少しまだでききれていない部分がありまして、それによって販管人件費が予想よりも少し減っているということと。
一般経費については、先ほどネグプランの話も出ましたけれども、当初予想で立てていたネグプランの経費を実績では少し圧縮できたことと、期首当初に予定を立てておりましたPCのリプレイスであるとか当社入れ替えを行っております基幹システムの入れ替えを、少し2020年2月期にずらしたこともありまして、一般経費の節減を図っております。
「前期実績との比較」というところですが、前期比では営業利益は3億2,300万円減少ということになっております。売上総利益は4,800万円減少したんですが、販管人件費について、前期対比では1億7,100万円、一般経費では1億300万円増加したことによって、結果的には前期比で3億2,300万円のマイナスとなっております。
販管人件費の増加ですけれども、先ほど申し上げております子会社2社が増加したことによって、1億円強の人件費がグループ全体としては増加しているということがあります。あとはEAJ単体でも、先ほど申し上げた本社の管理部門の増強ということで、10名ほど増加しておりますので、そういったものが販管人件費の増加として出てきているということです。
一般経費ですが、こちらもやはりグループ2社が増えたことによって、経費は一昨年に比べると8,000万円ほど増加しております。その他、管理システム等を含めたセキュリティの強化の先行で補修費が計上されているということもありまして、経費として3,000万円ほどEAJ単体でも支払手数料を中心に増えているということがありまして、合計では1億300万円、一般経費の増加ということになっております。
連結売上⾼および営業利益 四半期推移
四半期ごとの推移もご覧になっていただければと思いますけれども、2018年2月期の第1四半期のところに、先ほど来申し上げております不動産オークションの大型案件の影響というのを記載させていただいております。この影響を度外視していただければ、その他の業務のところでは引き続き上昇トレンドにあると、売上高を中心に上昇しているということが見て取っていただけると思います。
ただ、営業利益は先ほどから管理部門の増強等申し上げていますとおり、将来の需要拡大に向けて、子会社の取得・人件費の増加等、成長に向けての投資を含めておりますので、少し減益の基調にあるという状況になっています。
2020年2⽉期:連結業績予想
今までは、2019年2月期の実績を中心にお話しさせていただきましたが、ここから2020年2月期の見通しについてご説明させていただきたいと思います。
2020年2月期の連結業績予想ですが、売上高は上期で17億6,100万円、下期で20億5,800万円、通期ですと38億2,000万円ということで予想を立てております。
営業利益は上期で1億6,300万円、下期で4億2,600万円、通期で5億8,900万円ということで予算を立てております。
先ほど申し上げた新規の金融機関のお客さまですとか新規サービスが、徐々にトライアル等も含めてこの上期から入ってくることを見込んでおりますけれども、下期になってそれがより一層本格化してくるということで、2019年2月期の下期の実績から見ていただけると、半期ごとに上昇トレンドにあるということをご覧になっていただけると思います。
売上総利益も49パーセントということで、前期の実績に比べると、新サービスの拡大のわりには少し下がっているじゃないかととられるかもしれないんですけれども、こちらは子会社で組織変更等に伴って、一部販管費に計上していた経費を原価に計上したりですとか、そういったことが来期は見込まれておりますので、全体として利益が下がると考えておりませんで、そのへんは組織変更に伴う原価構成の変化ととっていただければと思います。
販管費をご覧になっていただきますと、12億8,100万円ということで、前期に比べるとやはりコストが1億3,000万円ほど増加しているんですが、こちらについては来期、2019年2月期中にできなかった本社管理部門の人員の増強ですとか、先ほど申し上げたPCのリプレイス、これも先ほど申し上げた弊社の入替を考えているERPシステムが、2020年2月期の期首から償却等がスタートしてまいりますので、販管費が増えていくということです。
ですが、新規のお客さまが、「H’OURS(アワーズ)」を中心に利益を計上していきますので、2020年2月期の営業利益については5億8,900万円ということで、前期よりも53パーセント増えると見込んでいます。
2020年2⽉期:セグメント別業績予想
次にその予想を、セグメント別にご説明させていただきたいと思います。
まず右下に顧客セグメント別動向というところがありますが、こちらから先にご説明させていただければと思いますが、当社の開示セグメントとは別に、顧客のセグメントをそこに記載しているとおり、4つに分類して考えております。
1つ目は金融機関向け、次に不動産事業者向け、建設事業者向け、専門家支援と4つに分類しておりますが、金融機関向けとしてサービスを提供しようと考えているのは大きく2つ、非対面ローンサポートサービスと、「ZOOK(ゾック)」と当社で名付けております相続手続きのサービスになります。
非対面ローンサポートサービスについては、当社のオペレーションシステムを利用したサービス提供を、システム利用料というかたちで収益をいただいているというものになりますが、こちらは昨年開示させていただきましたイオン銀行さまをはじめとした、大手のネット系銀行さまへのサービスが本格的に稼働してくると考えています。
2点目の不動産事業者向けに含まれるのは、おもに非対面決済サービスの「H’OURS(アワーズ)」となりますが、こちらも春からトライアル等を含めて大手の仲介事業者さまを中心にスタートしてまいりますので、来期の収益に寄与してくると考えています。
3つ目は、建設事業者向けサービスになりますが、中身としてはそこに記載しておりますとおり、3つのサービスを新しく導入しようと考えています。
1つ目は、当社の専門家のネットワークとパッケージでサービスを提供しようと考えております「NEGONE」と言われるもので、こちらは従来のEAJのビジネスととても親和性の高いシナジーを組めるサービスと考えて、2020年2月期は新規に展開していくと考えているものです。
2つ目は「Connectors(コネクターズ)」ですが、建設事業者さまと施主さまの進捗管理を一元的に管理できるシステムでありまして、こちらもシステムの利用料というかたちでお客さまから収益をいただいていくというものです。
3つ目は「NEGロック」と当社で呼んでいるものですが、こちらは設計事業者さま、設計の仕様をからめて品質管理を一元的に行えるようにするソフトでして、こちらも旧ネグプランで新しく展開していく、売り込んでいくサービスと考えているものです。
これらはネグプランで既存の役務を提供していたお客さまと、新しくシステム・ソフトウェアを使っていただくという意味で、クロスセルによる相乗効果が見込めると考えておりますので、積極的に推進していきたいと考えています。
4つ目は専門家支援と呼んでいますが、こちらにはオークションと旧中央グループの収益が含まれてくるというものであります。こちらについては引き続き税理士さん・司法書士さんをはじめとして、ネットワークの加入事務所数を拡大することによって、当社の収益に繋げていきたいと考えています。
全体の売上の構成ですが、そこに比率を書かせていただいていますとおり、グループ全体の売上に対して、だいたい金融機関向けの売上が50パーセント、不動産事業者さま向けの売上は10パーセント、建設事業者さま向けの売上高は15パーセント、専門家さま向けの売上であれば全体の25パーセントといった構成になっております。
左側の、じゃあ具体的に金額はどうなっているかということですが、セグメント別に2020年2月期の予想を書かせていただいております。
エスクローサービスについては、売上高が12億7,700万円、BPOについては売上高20億6,200万円、不動産オークションは4億8,000万円。下の段の営業利益につきましては、エスクローサービスで9億9,200万円、BPOで3億6,700万円、不動産オークションで1億800万円と考えております。
少しご覧になっていただくと、エスクローサービスとBPOをご覧になっていただきますと、全体の売上高に対する構成が、前期に比べて少しエスクローサービスが多くなっているということがご覧になっていただけると思います。
こちらについては、先日来申し上げておりますとおり、当社のビジネスとして、まずBPOから入ってエスクローサービスに売上をシフトしていくということがあります。あと、先ほど来申し上げております金融機関向けの非対面決済サービスについても、エスクローサービスに来期以降計上されてくることが見込まれておりますので、そういった意味で、エスクローサービスの売上の比率がだんだん高くなってくるということが、数字として出てまいります。
営業利益をご覧になっていただきますと、利益率は前期に比べると少し各セグメントごとに少し利益率が下がっているかのように見て取れるかもしれないんですけれども、例えばエスクローサービスであれば、「H’OURS(アワーズ)」の売上が引き続き2020年2月期に計上されてまいります。
これはもともと金融機関向けに提供していたオペレーションシステムの利用料とは、少し利益率が変わってまいりますので、その影響で利益率が少し下がっているように見えることですとか、BPOはネグプランで先ほど申し上げた「Connectors(コネクターズ)」のシステムの償却が来期以降始まってまいりますので、それによって一時的に原価率が少し上がり、利益率が少し下がるという来期の見立てになっております。
不動産オークションについては、引き続き税理士さんを中心とした提携数を増やすことによって、引き続き堅調な推移をすると見込んでおります。
以上、私から数字全体のことについてご説明させていただきました。