期初に行った機構改革

江草康二氏:みなさま、こんにちは。江草でございます。今日はちょっと天候があやしいところ、おいでいただきまして、ありがとうございます。それでは平成30年6月期の決算説明を行わせていただきたいと思います。

総括といたしまして、お話しします。その前に期初に行いました機構改革を確認させてください。TOWの傘下でありました関西と名古屋の支社が、期初に子会社のT2(Creative)のほうに統合されました。

ですので、これからご説明をいたします数字に関しまして、前期ならびに前々期のエリアの業績はT2Cとして再計算して、みなさんに見ていただきたいと思っております。

連結業績の総括

それでは連結業績の総括ということで、3期連続で過去最高売上・利益を更新いたしました。前年比は売上102.7パーセント、営業利益100.8パーセント、経常利益102.7パーセント、当期純利益100.1パーセントとなりました。

粗利率に関しましては、前年(2017年)オーバーはしておりますが、計画比ではマイナス0.3ポイントでありました。

T2Cに関しまして、移管しましたエリアの業績は、ほぼ達成できました。一方で、東京が不調に終わりました。全体の粗利率に関しましてもマイナス1.7ポイントで、粗利率に課題が残った期でございました。

計画比で言いますと、売上は105.3パーセントでありますが、経常利益は97.3パーセントということで、粗利率のポイントが響きました。

平成30年6月期 決算の概要(連結)

決算概要です。

売上高166億8,800万円。前年比で102.7パーセント。計画比で100.1パーセント。売上総利益26億9,100万円。前年比で102.9パーセント。計画比で100.3パーセント。

営業利益18億2,500万円。前年比100.8パーセント。計画比で98.6パーセント。経常利益18億7,300万円。前年比102.7パーセント。計画比101.2パーセント。

当期純利益が12億700万円ということで、前年比100.1パーセント。計画比102.7パーセントでございました。

平成30年6月期 決算の概要(個別)

個別に関しましては、ご覧のようになります。

前年比に関しましては、先ほど申し上げた名古屋と大阪のエリアを除いた金額との比較です。売上高が105.3パーセント。売上総利益が106.6パーセント。営業利益が97.0パーセント。経常利益が107.3パーセントになっております。

売上高

直近3期の連結業績を比較して見ていただきます。

売上高は3期連続で過去最高売上になりました。ただし子会社の外部売上がマイナスになり、合わせて連結でプラス2.7パーセント。

営業利益

TOWの販管費の伸びを吸収できずに営業利益はマイナスになりました。

経常利益

ただし、経常利益は営業外利益がプラスになりました結果、TOWでも、連結でもプラスで、18億7,300万円。プラス2.7パーセントです。計画比におきましてもプラス1.2パーセントになりました。

当期純利益

当期純利益に関しましては、ご覧のようになりました。

3期連続の過去最高売上・最高利益

ここ数年を見ますと、業績はこのような結果になっております。

財政状態・経営成績(連結)

財政状況と経営成績ということで、純資産と総資産はこのように増えております。そして1株当たりの当期純利益、自己資金比率、ROEはご覧のようになっています。

キャッシュ・フロー計算書(連結)

キャッシュ・フローもこのようになっております。

事業内容の総括

それでは事業内容のご説明にまいります。

事業内容の総括ということで、まず一番目です。今、申し上げたようなデータ活用を含めました「体験デザイン力」は徐々に向上しているのではないかと思っております。

お客さまからの評価も高まりつつある中、体験デザイン型の中・大型案件の受注を進捗させることができました。

また複数の1億円超の大型案件が、今期(2018年6月期)多数受注することができました。受注額が大きければ良いということではないかもしれませんが、お客さまからすると、大きい仕事を任せられる信頼感を持っているという証だと思っております。またそれは、イベントに関わらず、デジタルを絡め、PRを絡め、映像を絡めという、いわゆる体験デザインによって、案件の希望が大きくなっているということだと思います。

また、受注拡大した大手顧客があった一方、一部の大手顧客に関しましては、組織としてのイベント・プロモーション領域の度重なる組織変革があり、商流も大変細分化・複雑化したことにより、当社の営業的対応が追い付かず、受注が低調に終わったところもありました。

こちらは今後の大きな課題になってまいりますし、半年前にこの場で「ここがポイントです」と言ったところに関して、まだ結果が出せてないということであります。

また「2020案件」の出現が想定より少ない、もしくは遅いということで、これからもちろん増えてくるとは思いますが、今期に関しましては、想定よりも少なかったという印象でございます。

カテゴリー別売上高(連結)

中身でございます。カテゴリー別ということで、販促領域です。

相変わらず、こちらのほうが伸びております。去年(2017年)、いわゆる制作物、グッズ類が大きく伸びました。その分の反動で、制作物が若干マイナスになっていますが、全体としての構成は大きく変わっておりません。

業績別売上高(連結)

業種別です。

上の2つがもっとも大きい項目「情報・通信」です。情報・通信に関しましては、携帯の実際の販売というよりは、いわゆる「タッチアンドトライ」に加えまして、スマホのポイントサービスやスマホの決済サービス、スマホのゲームのように、サービスアプリケーションに関しての販促の仕事が非常に多くありました。またゲームも大きく受注を伸ばしました。

ということで、この情報・通信というのは非常に大きく伸びました。また自動車のほうは堅調でしたけども、とくにエリアで、名古屋のほうでの車の会社さんの大型の試乗会が複数案件受注することができたことで、自動車も大きく伸びております。

一方、食品とか飲料。それから化粧品・トイレタリーは前期大変大きく伸びたんですが、その反動がございまして、下がっております。全体としてはこのようなバランスで通信、自動車が大きく伸びたということであります。

価格帯別案件数の推移(個別)

価格帯別です。

とくに、1億円を超えるような大型案件が、前期(平成29年6月期)は8件でしたが、(平成30年6月期は)15件です。このように大幅に増えたことが案件の単価も伸ばしたということで、5年ぐらい前は単価が800万円台でしたから、ここ数年でずいぶん伸ばすことができています。

企画力について・勝率(個別)

企画力・勝率に関しましては、相変わらず30パーセント以上の高いレベルを維持しております。

平成31年6月期 業績予想(連結)

平成31年6月期の予想と進捗であります。

売上高は154億3,600万円。前年比で92.5パーセントです。売上総利益は25億2,300万円。前年比93.8パーセントです。営業利益は17億円。前年比93.2パーセントです。経常利益は17億1,400万円。前年比91.5パーセントです。そして当期純利益は11億2,900万円で、前年比93.5パーセントということです。

前期(平成30年6月期に)ありました複数の大型案件が今期(平成31年6月期に)は見込めないこと、また一部大手顧客の受注も、より慎重に見込んでいます。利益率もアップしますし、販管費も抑制いたしますが、減収減益での予想とさせていただいております。

平成31年6月期 業績予想(個別)

個別もご覧の通りでございます。

平成31年6月期の進捗(個別)

受注ペースのご説明ですけれども、これまで受注した金額がこちらです。去年(2017年)の同じ時期と比べると、ほぼ同じ受注ペースであります。

直近で新たに、かなり大きい、数億円単位の大型規模の案件を受注できました。また、複数年に渡る、数億円にのぼる仕事を受注することもでき、受注に関しては数ヶ月前に見込んだものよりも良いペースで進んでいるのが実情でございます。

このペースを見ますと、継続して良いかたちで上期を折り返すというのが当面の目標であります。

配当方針及び配当金について

配当でございます。

当期に関しましては、予定どおり期末14円の配当で年間27円。43期に関しましては、純利益に合わせたかたちでの配当で26円にさせていただきたいと考えております。配当方針については、変更はござません。

当期における中期方針のレビュー

当期を含めた中期方針のレビューと対策でございます。

整理しますと、まず一番にあげられるのが、一部大手顧客の変革への対応です。まだまだ不十分なところに手を入れていきます。

2番目が高い収益力。高粗利を維持しながら、戦力である社員を増やし、若い人を育てていきます。規模の拡大を図りながら、若手の育成・成長は順調に進んでいると思っております。

また、(3番目が)ずっと申し上げている「体験デザイン・プロダクション」の深化。これをどんどん進めていきたいと考えています。

4番目、「2020案件」の取込みです。先ほど申し上げたように、まだ若干遅いですが、これからどんどん増えてくるであろうものを取り込んでいくことだと思います。

(5番目が)さらに踏み込んだアライアンス戦略も、継続していきたいと思っております。

中期方針の進捗課題と対策①

1番目の課題と対策です。

全社の営業を統括できるような役員体制として、当社が持つ営業・管理ナレッジの均質化を図り、中期的な視点で部署の受注力を高めていきます。

つまり、社内のリソース、それからエネルギーを、この部門に少しシフトするということになります。そして立て直していきたいと考えております。

中期方針の進捗課題と対策②

続きまして、2番目です。

ご覧のように、グループ社員数は2年前から約40名ぐらい増えました。この若い力を育成というかたちで育てながら、これからの規模の拡大……良い仕事をしていきたいと思っております。

中期方針の進捗課題と対策③

「体験デザイン・プロダクション」。何度も何度も申し上げておりますが、今、進化中だと考えています。今後はデータをさらに活用することを社内でも推進したり、お客さまに売り込んでいったり、他社さんとのアライアンスを進めていきます。そして、このデザイン力の向上、深化を全社的に推進していきたいと思っております。

“非マス領域”が年々拡大(プロモーション・デジタルほか)

これはいつも見ていただいている表です。

また今年、マスと非マスのメディアの格差が大きく開いています。非マスが56.3パーセントで、マスが43.7パーセントということで、この傾向はまだまだ続いています。

やはりプロモーション・デジタルの領域での勝負というのがポイントになってくると思います。

バイリンガルからマルチリンガルへ

当社は今まで、PRを中心に、しかしデジタル領域も対応するということで、「1ヶ国語から2ヶ国語」のように、バイリンガルになろうと考えて進めてきました。しかし「映像もPRも、そしてデータも」ということで、(もはや)マルチリンガルです。

そうしたプロデューサー、プランナーを育てていくということに変わりなく進めていきたいと思っております。

「課題に合わせたデータ活用・メニューを開発し、体験デザインの精度と成果を追求する」

詳細はご説明できませんが、いくつかの社内のメニュー(のご紹介)です。データ活用のメニューを作って、課題に合わせたデータ活用ができるようなメニューを開発するということを、今社内で進めています。

第4回 体験デザイン大賞

また体験デザイン対象という、社内の(アワードで)全社員の体験デザインに対する理解(を深めるものです)。今年(2018年)は4回目になります。ここから、実際に良いデザイン案件を生み出してもらうという社内の仕組みづくりの1つとして、この社内アワードも引き続きやっております。

M&A・出資などを活用したさらなる成長の方向性と領域

最後ですが、アライアンスです。

このような表を前回もお見せしています。いろいろ当たっているところで、この中のいくつかが近いうちに提携、出資、M&A(のいずれかの形)で進めばと考え、鋭意進めている次第であります。

以上、説明はこれで終わらせていただきます。ありがとうございました。