2018年5月期通期 決算ハイライト
菊地徹氏:本日はお暑い中、弊社の決算説明会にご来場いただきまして、ありがとうございます。それでは、さっそく始めたいと思います。よろしくお願いいたします。
まずは、決算ハイライトです。ここ(のスライド)に、細かいことをいろいろ書いてあるんですけど、2018年5月期は、弊社としては当初「復活の期」と見込んでおりました。実際には2017年5月期までは、ご存じのとおり「ゴシックは魔法乙女」の、一本足打法ではないですけど(主力タイトルが)1本しかない中で、業績を作ってきました。
ただ、2018年5月期は新しいタイトルのリリースも控えておりましたので、その中で復活をさせていくというところでもあったんですけど。大きな誤算といたしましては、3つありました。
1つ目は、2017年5月期において「ゴシックは魔法乙女」の大きな広告宣伝をして、2018年5月期にはこれをベースアップさせるというところで、大型アップデート等を実施をしたんですけど、そこが見込んでいた(業績の)かたちにはならなかった。
2つ目といたしましては、海外の輸入タイトル……海外案件の国内配信です。こちらを収益のもう1つの柱にするということで、(2017年)11月末に「LOD(ロード・オブ・ダンジョン)」というタイトルをリリースしました。ただこちらも、非常に初動としては調子良くいっていたんですけども、その後が、ちょっと見込んでいたところには至らずと。
もう1つ、最後に3つ目といたしましては、弊社の新規オリジナルタイトルを期中にリリースする予定ということで、「三極ジャスティス」というタイトルを予定しておりました。ただこれが、開発遅延で期中にはリリースできず、結果としましては、営業利益も赤字というかたちになってしまったと。このあたりが一番大きな誤算というか、弊社の至らぬところではあるかなと。
その中で、ここに記載しているところでいくと、第1四半期は「ゴシックは魔法乙女」をさらに拡大させていくということで、(版権)コラボ案件で収益を作っていくと。第2四半期に関しましては、さらに「ゴシックは魔法乙女」を広げていく。また、海外に輸入タイトルをリリースするかたちで実績を作ってきました。
第3四半期においては、その2つの軸をさらに伸ばしていくはずが、ここで失速してしまったと。第4四半期で、新規オリジナルタイトルをリリースする予定が、開発遅延というようなところでした。このあたりが、ここ(2018年5月期通期決算)の結果になっているかたちになります。
2018年5月期 第4四半期までの業績推移
細かいところをご説明させていただきます。四半期ごとの業績推移で見ますと、(2017年5月期第4四半期時点で)右肩下がりだったもの……最後のところ(2017年5月期第4四半期)でマイナスが大きくなってきたところを(2018年5月期第1四半期で)戻しつつあるような中で推移していくつもりが、グラフにあるようなかたち……第2四半期で、落ち込みが大きくなっていったと。
第3四半期に関しましては、「LOD(ロード・オブ・ダンジョン)」のリリースがありましたので、回復基調になり、四半期での黒字に戻したと。第4四半期は、これをさらに拡大していくはずが、先ほどご説明させていただきましたように、新規タイトルがリリースができず……というところで、マイナスになってしまったという推移になっております。
売上構成比率の推移
続きまして、(売上)構成比率ですね。構成比率はご存じのように、スマホタイトルが中心になっているんですけど、第4四半期に関しましては、毎年弊社がリアルなところ(のイベント)で「ケイブ祭り」というかたちで(具体的には)物販をイメージしたイベントを実施しております。そこの部分が入りまして、若干(「その他」の売上が伸びるかたちで)推移して、スマホの部分が少し変わっていると、ご理解いただければと思います。
2018年5月期 第4四半期決算概況
実際の数字の部分になってくるんですけど、第4四半期に関しましては、売上高が6億2,300万円。営業損失が2,600万円というかたちになっております。
2018年5月期 第4四半期損益計算書の概要
PLの中身でいきますと、売上高はご説明させていただきましたので(割愛します)。売上原価の部分が、QonQでいきますと2,700万円の減少の、2億2,600万円と。減少要因でいきますと、第3四半期は先ほどご説明した「LOD(ロード・オブ・ダンジョン)」が、売上としては好調に推移しておりましたので、こちらのロイヤリティ部分が(ありましたが)、第4四半期では売上が減少してしまいましたので、結果として売上原価が下がったというかたちになっております。
販管費に関しましては、この後のページで内訳をご説明させていただきます。売上は下がっているんですけど、販管費が増えてしまっているということで、結果として、営業利益としてはマイナス2,600万円となっております。
2018年5月期 第4四半期販管費の概要
販管費です。回収費というのが、プラットフォーム手数料ですね。売上が減少することによって、プラットフォーム手数料も減るというようなところで、QonQではマイナス1,300万円で、結果として1億7,700万円を計上していると。
広告宣伝費の部分が、前四半期と比較しますと4,000万円増えていると。この中身といたしましては、先ほどちょっとご説明したイベント「ケイブ祭り」で、約2,000万円。新規タイトルの「三極ジャスティス」の事前プロモーションで約2,000万円が、こちらの増加要因になっているとご理解していただければと思います。
2018年5月期までの業績推移
続きまして、通期決算概況です。推移といたしましては、このようなグラフになっています。本来は、この右肩上がりが継続して、今期のところでも右に上がっている予定ではあったんですけど。
冒頭でご説明させていただきましたように、ちょっと予定どおりにいかなかったことで、結果としては、マイナスになってしまった状況でございます。
2018年5月期通期 決算概況
具体的な数字でいきますと、売上高としては23億6,600万円。営業損失としては6,900万円のマイナスです。
2018年5月期 損益計算書の概要
細かいPLのところになってくるんですけど、売上原価の部分が、一応800万円増えていると。こちらは、売上が減少した中でも売上原価が上がっている(ということです)。1つの要因としては、先ほどご説明させていただいたロイヤリティが、2017年5月期にはなかったんですが、2018年5月期では増えていると。
2017年5月期は「ゴシックは魔法乙女」の減価償却費等が計上されておりましたが、それが2018年5月期はなくなっているというかたちではあるんですけど、結果としては(売上原価が)増えているというかたちになっております。
販管費の部分で一番大きく占めているのは、やはり広告宣伝費ですね。2017年5月期でいきますと、先ほどもご説明させていただいた「ゴシックは魔法乙女」のテレビCM費用がありましたので、(2018年5月期においては)そこがなくなっているということで、広告宣伝費の抑制において、成長しているかたちになります。
この中で、数値としてお伝えしておくべきところは、経常利益と税引前利益になってくるんですけど。こちらの中身は、弊社が展開していた公式サイトの部分の、着メロといったサービスですね。こちらを2,000万円計上していると。最終的な当期純損失としては、7,000万円というかたちになっていると、ご理解いただければと思います。
2018年5月期 販管費の概要
販管費は、先ほどご説明させていただいた、広告宣伝費の部分を大きく計上しているかたちになります。
2018年5月期 貸借対照表の概要
貸借対照表の部分になりますけど、こちらで特筆すべきところといたしましては、現預金の部分です。こちらは、2017年12月にSAMURAI&J PARTNERSさまを引き受け先とする第三者割当増資および、2018年に同じSAMURAI&J PARTNERSさまと、後でちょっとご説明いたしますけど資本業務(提携)ということで、FORSIDE(フォーサイド)さまと(資本業務提携)いたしましたので、その部分が増えている予定になります。
固定資産ですと、無形固定資産の部分ですね。こちらが増えている要因といたしましては、新タイトルの開発費とご理解いただければと思います。結果としては、このような記載の内容になっているところでございます。
2018年5月期 キャッシュフローの状況
キャッシュフローは、投資キャッシュフローは開発コストというところで、このような結果となっております。
フォーサイド社との資本業務提携について
先ほど申しました、FORSIDEさまとの資本業務提携というところで、簡単にご説明させていただければと思います。弊社は、変なことを言ってしまいますけれども、モノを作ることがすべてではありません。ただモノを作っても、いくら良いモノだとしても、そこにはなにかしらのスパイスが加わらないと、なかなかユーザーさまに響かないという課題を持っている。
かたやFORSIDEさまとしては、コンテンツ事業も拡大していきたいというような(課題があります)。(弊社にとって)スパイスになるような部分を、FORSIDEさまのグループの中にはいろいろと持っていらっしゃいます。これをかけ合わせることによって、お互いにプラス展開ができるのではないかというかたちで、今回資本業務提携を結ばせていただいて。
具体的にはどういうことを考えているかというと、クレーンゲームですね。オンラインクレーンゲームを、各社さまがやっていると思うんですけど。こちらの部分で、FORSIDEさまのグループの中で、プライズ商品および景品を製造・導入している会社さまがあります。
あと、ここ(スライドの左側)にちょっと書いているような、タレントさんを抱えているところを有効活用するかたちで、新しいかたちのソーシャルクレーンゲームが展開できるんじゃないかと、まずは1つ、考えております。
もう1つは、弊社が昨年(2017年)から実施している、海外の有名タイトル。この国内配信というところで、FORSIDEさまも新しくそういうサービスをしていきたいというところもありましたので、この部分で、お互いに協力することができるんじゃないかというところです。まだ、具体的なタイトルには至ってないんですけど、2019年5月期でリリースができるようなかたちに持っていくと。
この中で、昨今よくキーワードとして出てきますけど、e-スポーツの部分が、やはり今後の展開では必要になってくるところです。弊社が得意としているゲーム性およびビジュアルというか……やはり「見てると楽しい」というコンテンツじゃないと、なかなかe-スポーツって、盛り上がらない部分がありますので。
そういう中で、弊社が持っている開発力と話題性を、両社がお互いで共有することによって(新規事業として)実現できるのではないかというかたちで、現在は実際のタイトルというか、今後の開発を煮詰めて進めていると、ご理解いただければと思います。
ここからは事業の部分になりますので、弊社の池田からご説明をさせていただければと思います。ありがとうございました。
『ゴシックは魔法乙女』のシューティング原点回帰
池田恒基氏:それではここから、私から説明をさせていただきます。まず、「ゴシックは魔法乙女」のシューティング原点回帰のところでございます。
今回「ゴシックは魔法乙女」は、2018年2月・4月・6月に、3回にわたって、この原点回帰のアップデートを行いました。この3回のアップデートの大きな内容といたしましては、このスライドに記載のとおりでございますけれども。第1弾は「全国スコア大会」の盛り上げ、第2弾は「シューティング要素のパワーアップ」、第3弾は「スコアを競う楽しさのパワーアップ」。
これはどういうことかと申し上げますと、第1弾は、本来「ゴシックは魔法乙女」は、ランキングを競うという基本方針があります。その部分を「全国スコア大会」と改めて、ここを中心に盛り上げていこうといったところを、このアップデートに盛り込みました。第2弾では、そのスコア大会に向かうための、本編の強化を行ってまいりました。
第3弾の「スコアを競う楽しさのパワーアップ」は、その本編の強化に加えて、スコア大会にバリエーションを持たせることで、より多くの人に競う楽しみを味わってもらおうというところでございます。
『ゴシックは魔法乙女』シューティング原点回帰の効果
この原点回帰の効果でございます。今回は「基本の明確化」……先ほどの「全国スコア大会」のランキングを競うところの明確化にフォーカスしつつ、かつユーザーさまにも、非常にここの部分をわかりやすく可視化することで、自分が今どういう順位にいるのか(をわかりやすくする)。
しかも、それが「負けて悔しい」「勝って楽しい」といったところを非常にわかりやすく伝えることで、この目標の明確化を図りつつ、この「手段の提供」というところで、新ショット(投入)、また(ガチャ)更新を行ったんですけれども。
これは、ただ単に商材を追加することではなくて、いわゆるミドルユーザー層以下のユーザーさんが、よりモチベーションが上がるように、スコア大会の順位を引き上げられるような商材をあえて投入する。これにより、ミドルユーザーのモチベーションアップ、かつミドルユーザーが順位を脅かすことで、上位陣がさらに商材を手に入れようといったところで、実際にスコア大会が大きな盛り上がりを見せたという結果がございました。
台湾版『ゴシックは魔法乙女』リリース
続きまして、台湾版の「ゴシックは魔法乙女」をリリースいたしました。これはガンホー・ガマニアさんから(2018年)4月にリリースいたしました。4月中は、本編のテスト的なところを行った上で、5月にメディア向けに、ちゃんとリリースの発表会と野外イベントを実施して、リリースしております。
ケイブ祭り2018開催
「ケイブ祭り2018」です。「ケイブ祭り」は毎年恒例となっておりまして、今回も秋葉原にて実施したんですけれども。今回のけっこう大きなポイントとしましては、もちろん「ゴシックは魔法乙女」以外の、「LOD(ロード・オブ・ダンジョン)」「三極ジャスティス」といったコンテンツも入れての開催ではあったんですけれども。
実は、この「ゴシックは魔法乙女」のスコア大会を、今回は改めて大々的に行いまして、今までの「ケイブ祭り」では見られないような、非常に大きな盛り上がりを見せました。
『ロード・オブ・ダンジョン』の状況
「LOD(ロード・オブ・ダンジョン)」です。(2018年)2月に実装した「降臨」ですね。これによって、定期的にイベントを開催できるようになったんです。これ(により、ゲーム)の継続率自体は改善されたんですけれども、やはりマネタイズにまだ弱い部分がございます。
その部分については、7月から8月の(経営)シミュレーション要素の追加(開発)を実施いたしまして、これを8月から9月に大型アップデートというかたちで、今後リリースしてまいります。
三極ジャスティスリリース
2018年6月に、弊社の新規タイトルとして「三極ジャスティス」をリリースいたしました。こちらは、事前登録では50万人を集めて、スタート自体は大変順調だったんですけれども、正直に言うと、プレイ継続率が低迷しておりまして、ここの部分の大幅な改修を行っております。この大幅アップデート版を、8月にリリース予定というかたちです。
『三極ジャスティス』の大幅アップデート
この「三極ジャスティス」の大幅アップデートのポイントといたしましては、プレイ継続率の改善になるのですけれども。ここの部分においては、ここに書いてある3つの要素が大きな改修ポイントになっています。
まず、今回の「三極ジャスティス」は集団戦でございますので、集団の中でのコミュニケーションの部分……自分の立ち位置とか。さらに成長していくための、さまざまな育成要素の部分のわかりやすさ。これらの要素を大きく改修していくことにより、ユーザーさん自身の個々のモチベーションを大きく向上して、継続率の改善につなげていこうと考えております。
今後の取組み①
今後の取組みです。パブリッシングタイトルの第2弾といたしまして、「けもみみメロメロれしぴ~愛の汗だくレストラン~」の(2018年)7月リリースを予定しております。いわゆるレストラン経営シミュレーションゲームなんですけれども、通常のお店(の経営)シミュレーションの要素だけではなくて。
当然ながら、お店をカスタマイズして、お店自体の経営を良くしていくといったところは、よくあるパターンのゲームではあるんですけれども。このゲームに関しましては、お店の中に出てくる店員のキャラクターたちとコミュニケーションを図ることによって、この店員の子たちがさらに活躍して、かつ経営につながっていくといった、キャラクターとのコミュニケーション部分を軸としている、新しいかたちのものでございます。
今後の取組み②
次にケイブとして考えているのが、e-スポーツ的なゲームです。昨今さまざまなメディアでも紹介されていますけれども、現状の、いわゆる一般的なテレビゲーム・ビデオゲームの競技という枠組みだけで、ケイブは捉えているわけではございません。
いわゆる「スポーツ」と呼ばれるものに関しましては、実際はもっと幅広いかたちの遊びの場であり、かつその人たちが技術を磨いていくことによって、すごい世界が存在しているわけですけれども。ケイブといたしましては、そういった、もっと広義な意味でのスポーツ・ゲームのスポーツ化を考えております。
単純明快で誰でも参加できる土壌を作り、それによって対戦を盛り上げていき、最終的にその上位層の、いわゆるプロと呼ばれる人たちを観戦して楽しむと。野球においてキャッチボールをやったり、草野球から始まり、少年野球・甲子園があって、最終的にはプロ野球・メジャーリーグにつながっていく。この(ような)一連の流れを踏まえた上で、構想を考えております。
今後の取組み③
この構想の具体的なものの1つとして、「Cスポーツプロジェクト」。いわゆるケイブの「C」をとったスポーツプロジェクトを始動します。これは、弊社が今まで長年培ってきたシューティングゲームというジャンルがございます。先ほどの「ケイブ祭り」のところでもお話をさせていただきましたけれども、シューティングゲームの対戦が盛り上がる理由として、仕組みが非常にシンプルだということ。対戦の素養として、十分な可能性を秘めているといったところを踏まえています。
「ゴシックは魔法乙女」は、あくまで個人がやっているものを見る……個人のユーザーさんが磨いていくタイトルですけれども、今回の「Cスポーツプロジェクト」は、ちゃんと対戦と協力というものもきちんと盛り上げていきます。かつ、いわゆるコアゲームだけではなくて、ライトな人たちから、徐々に盛り上げていけるようなプロジェクトとして、新しい対戦要素を意識したプラットフォームというかたちで見ております。
基本方針
最後になりますけれども、弊社の基本方針ですね。コンシューマーゲームで培った操作性・爽快感、オンラインゲームで培った継続性、ソーシャルゲームで培ったソーシャル性の3要素を最大限に活かした、「楽しさ」を追求したゲームを、今後もリリースしてまいりたいと思っております。
2019年5月期 業績予想の考え方
2019年5月期の業績予想の考え方です。今まで、「ゴシックは魔法乙女」の1タイトルが、売上高の70パーセント以上を占めてございました。「LOD(ロード・オブ・ダンジョン)」「三極ジャスティス」をリリースいたしましたし、「けもみみメロメロれしぴ」(のリリース)も(2018年)7月に予定しておりますけれども。
それぞれのタイトルの推移が、現状では非常に読みづらいので、こちらの業績予想につきましては、合理的な見通しの算定が可能になった段階で、速やかに開示させていただこうと思っております。ありがとうございました。