2018年3月期決算説明会
野原勇氏:本日はお忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。先ほどご紹介にあずかりました、代表取締役社長の野原です。よろしくお願い申し上げます。
本日ご説明する内容です。まず最初に、会社説明をさせていただきます。(弊社の決算説明会が)初めての方もおられると思いますので、各事業の特徴のご紹介をさせていただきます。
それから、昨年度(2018年3月期)の決算・セグメント別業績・連結財務諸表。それから、今期2019年3月期の業績予想・セグメント別業績予想・経営方針をご説明させていただければと思います。
会社概要
それではまず最初に、会社の概要です。弊社の商号が、綿半ホールディングス。設立が1949年ですが、創業が1598年になります。代表取締役が私、野原勇。昨年(2018年3月期)の連結売上高が1,023億円になります。
グループといたしましては、綿半ホールディングスの中核として仕入れを行う綿半パートナーズ。それから、スーパーセンター事業・建設事業・貿易事業という3つの事業領域を運営しております。
綿半グループの沿革
まず、弊社グループの歴史です。先ほど申し上げた通り、1,598年の創業ですので、ちょうど今年(2018年)が420年になります。
基本的な考え方としては、「暮らしの変革」ということです。歴史的には、1,500年代に織田の家臣をしていたものが、本能寺の変(の後)で長野県の飯田で寺子屋を始めて、それから綿商いを開始しました。
江戸時代は綿商いをしていたんですけれども、江戸時代末期……ちょうど明治の頃から、綿商いから金物商へ事業転換を行いまして、そのあと1949年に綿半銅鉄金物店という株式会社を設立しました。
金物商から、今度は小売・建設・貿易というかたちで、3つの事業領域で地域の「暮らしの変革」を促していこうという考え方のもとに(設立して)、今年420年を迎えました。
ミッション
ミッションとしては「地域の暮らしを変革していこう」という考え方のもとで、「Green Life」を主軸に環境、それから自然の彩りを楽しむとか、自然の恵みを取り込もうというような、自然とリンクしたかたちで、事業領域の転換をしております。
スーパーセンター事業の沿革
各事業の特徴です。まず最初が(弊社の事業の中で)いちばん大きいスーパーセンター事業になります。
スーパーセンター事業は、(1949年の)綿半銅鉄金物店というものから、1964年に綿半ストアー飯田店を開店しました。そのあと、1977年に「ホームエイド長池店」を開店してから、今の中核になっているホームセンターが始まっております。
そのあと2005年に日配品の導入、それから2007年には生鮮の導入を果たして、現在のスーパーセンターというかたちを構築しております。
スーパーセンター事業の推移①
そのあと、2015年に食品スーパーもM&Aしました。2016年には、ホームセンターを取得しております。なぜこういう推移をしたかと言いますと、実はホームセンターの業界動向と、弊社の変革はリンクしております。
もともと1972年に、日本で最初のホームセンターと言われる「ドイト」の1号店を開いています。そのあと、ホームセンターは店舗数を増やしながら、売上高も2000年近くまでずっと伸ばしてきていました。しかし、そのあとにカテゴリーキラーの台頭がありまして、結果として店舗数は増えていきながら、ホームセンター事業としての売上は伸びない状態になりました。
スーパーセンター事業の推移②
その中で、弊社グループもちょうど2005年から、スーパーセンター化を始めました。最初のうちは、食品以外の綿半ライフ部門は、それほどの伸びを示してはいませんでした。しかし、その食品(綿半フーズ部門)を導入したことで、食品の部門が牽引しながら、全体の売上を伸ばしていくという体制を取ってまいりました。
スーパーセンター事業の推移③
ちょうど2014年で16店舗なのですが、そこから今度は食品スーパーの買収を行いました。共同仕入れ等をする中で、今までの事業を伸ばしながら、さらに食品スーパーを取り込むことにより、生鮮のノウハウを吸収しました。
なにをしたかと言うと、この図のとおり、もともと食品はほとんど利益を出さずに、お客さまに(店へ)来てもらうための手段としてやっていたのですけれども、ここに食品スーパーを入れることで、生鮮でも収益性を上げられる体制に切り替えていきました。そのあと、今度はホームセンターの買収を行いました。
スーパーセンター事業の推移④
(2017年度に業界売上高が)ポンと伸びています。買収した「Jマート」が、もともとグリーンに強みを持っていたのですけれども、ここでまた食品店を融合して、成長を加速させるということで、M&Aを推進しました。
スーパーセンター事業の特徴①
スーパーセンター事業の特徴です。いちばん特徴的なのは「EDLP(エブリデー・ロー・プライス)」とよく言われるんですが、弊社が推進しているのは、「エブリデー・ロー・プライス」を実現するための「EDLC(エブリデー・ロー・コスト)」です。
「エブリデー・ロー・プライス」は特売期間を設けずに、年間を通していつでも同じ低価格で商品をお客さまに提供するもので、いろいろな会社がやられているんですけれども、弊社の場合は「エブリデー・ロー・コスト」ということで、機能が重複した商品を絞り込むということでやっています。
よく事例で使うのは、髭剃りです。男性の髭剃りで、よく「Schick」と「Gillette」があると思うんですけれども。だいたいみなさん、二枚刃か三枚刃を持たれています。これがベーシックなので、我々は「Schick」だろうが「Gillette」だろうが、別に髭剃りの用途機能さえ満たせばいいという考え方をします。
「今は1社で毎日100個ずつ売れてますけど、『Schick』『Gillette』のどちらか1社に絞りますよ」と言うと、両社が金額を出してくださいます。その場合、「『Schick』じゃなきゃ絶対に嫌だ」という方は、(弊社で取り扱うものが)もう「Gillette」が選ばれたら、弊社にはこなくなるんですけれども。それでも「Schick」にとっては、だいたい170パーセントの売上があるというかたちになります。
それに合わせて物流のオペレーションコストを下げたりします。あと、今までは「Schick」と「Gillette」の両方を棚の上に並べているので、どうしても(それぞれのスペースが)棚の半分ずつになりますけれども、より多くの商品を1ヶ所に並べられるということで、店舗のオペレーションコストも下がります。
それともう1つは、特売期間を設けずにやるということです。基本的には、チラシを減らしていくという考え方になります。そういうことで原価低減・オペレーション効率化の両方を果たして、それによって地域一番の安さを実現しています。
スーパーセンター事業の特徴②
それ以外のものでは、先ほど説明させていただきましたが、スーパーセンター事業の2番目の目標として、産地直接仕入の拡大をしております。
これは一般のスーパーでもやっておりますが、弊社も同じように始めています。鮮魚はバイヤーで市場に買付けをして、青果も生産者と開発した商品の販売ができる体制をとっております。
スーパーセンター事業の特徴③
そして、付加価値の高いグリーン・園芸用品の提供で、差別化を図っております。これはとくに、Jマートが行っていた戦略なんですけれども。教室の開催や花のアレンジメント等を行っています。基本的には、この(スライドの写真の)ようなものです。
同じものが2つとないものを店に並べることによって、お客さまに定期的に来てもらうという、来店動機を作っております。
スーパーセンター事業の店舗網
これによって、今まで当社はずっと長野県を主体にやっていたんですけれども、これを愛知県に広げ、さらに山梨県から東京都、埼玉県にまで店舗網を広げるというかたちを、一昨年(2016年)からとっております。
建設事業の沿革
続きまして、建設事業の説明をさせていただきます。
建設事業は、綿半銅鉄金物店を1949年に設立しました。そこで売っていた鉄板や鉄骨や鉄筋を、一緒に施工してくださいという要望が高くて、その中で鉄構事業を開始いたしました。
それから屋根工事に進出しまして、内装の仕上げや造園にまで入っていくというかたちをとって、成長してまいりました。
建設事業の推移
ただ、これもリーマンショックのときに、大変厳しい状態になりました。下請け事業として、(例えば)ゼネコンの下請けで、屋根工事・鉄骨工事・内装工事・土木工事・外装工事・造園・植栽と、いろいろな工事をやっていたんですけれども。下請けでやっていたら生き残れないということで、自社商品の開発をしていこうと(考えました)。それが、今の建設事業のコアになっています。
下請け型からメーカーへ①
鉄構事業は、もともとビルの鉄骨だけを作っている会社だったんですけども、それに(加えて)自走式の立体駐車場を自社で組み立てて、販売(しました)。
そこに特徴を持たせましょうということで(考えました)。トップシェアの理由としては、大型の駐車場です。6層7段(7階建)の許認可取得により、商業施設向けの大型立体駐車場の建設に強い(会社となりました)。それから、柱が少なくて(車を)停めやすい駐車場とかを開発していることも、今の特徴です。
下請け型からメーカーへ②
次に、屋根の外装(改修)は、もともとは単純に建物の屋根や外壁をつけていました。これを、自動車メーカー向けに、古くなった工場の操業を止めないでリニューアルできる方法(WKカバー工法)を開発しました。これによって、今日本国内ではトップシェアを持っております。
建設事業 再編前・再編後売上粗利率推移
この2つの戦略……要は、下請けを脱出して元請けにいこうというかたちを取ったことで、1つ問題点がありました。当社の元請けは、ゼネコンから仕事をいただけるので、営業効率がすごく高いという意味では、売上を当てやすいんですけれども。(もともとの)利益が出ないという状態から、逆に「売上は伸ばさない」という戦略の中で、着実に利益を出していくというかたちをとって、(売上高が)300億円でも5パーセント近い利益が出せる体制になりました。
会社も、4社あったものを、今は1社にまとめました。それぞれの会社が自社製品や販売網をもっていたところから、販売網を一元化することによって、結果的により効率的な販売ができるような状態になっています。
今後:新たなステージへ
下請けがメインでやっていた事業から、どちらかというと、自社製品を販売する事業に切り替わっています。これが、ここ5年の周期で行われております。
貿易事業の沿革と取扱商品
最後に、貿易事業です。
貿易事業とは、メキシコオパール(の取り扱いから始まったもの)です。あと、ダイヤモンドをインドから輸入していたんですけども。この上で、現地のつてでワックスや製薬などの天然原料を輸入したことが、今の流れになっております。
最初の流れとしては、メキシコや中国やドイツと取引(を始めました。それは、)ほとんど宝石関係でした。
現在:貿易事業
今では、世界各国の天然原料を輸入する商社になっております。これは、ただの商社ではないのが弊社の特徴です。実は弊社は、研究所(を保有し)、それから製薬の製造も行っています。メキシコには、ワックスの精製工場も持っています。
貿易事業の特徴
「貿易事業」とは呼んでいるんですけれども、実は貿易を行っているのは、ごく一部の製品です。ほとんどの商品は、自社内あるいは協力工場で精製を行って、取引先に原料として納めることが特徴です。この貿易事業は、高い収益性を誇っております。
ここまでが、事業の内容です。
2018年3月期の振り返り
続いて、2018年3月期の決算の概要をお話しさせていただきます。
一言で言うと、まず昨年度(2018年3月期)は、「流通改革により、利益率の向上を果たそう」ということを目標に掲げていたのですけれども、上期が終了した時点で、順調に構造改革が進んで収益性が上がりました。そのため、下期はさらに構造改革の前倒しを一気にやりました。
これによって、物流拠点の集約や、仕入れを共有化することによる原価低減。最後に、下期で不採算店舗の整理を一気に進めました。
2018年3月期 実績①
一昨年(2017年3月期の売上高)は927億円だったのですが、前期(2018年3月期)は1,023億円ということで、10.3パーセント(増)。初めて、1,000億円を超えました。
2018年3月期 実績②
経常利益は、19.9億円だったものが25.0億円になりました。25.4パーセント増で、過去最高をクリアしました。
売上高 増減要因推移
セグメント別で見ると、売上高では買収の効果が多くなっています。(増加幅が)一番大きいスーパーセンターが81億9,200万円、建設が6億円、貿易が7億9,900万円となっています。
セグメント利益 増減要因推移
セグメント利益では、スーパーセンターが3億2,400万円、建設が1億2,400万円プラスされていまして、トータルで35億3,700万円になっております。
スーパーセンター事業①
細かいことはセグメント別(業績)のところでお話しさせていただければと思います。まず最初に、スーパーセンター事業です。
売上高が588億円から669億円で、13.9パーセント増。
スーパーセンター事業②
セグメント利益は、(2017年3月期の)10億1,000万円が(2018年3月期は)13億3,000万円で、32.0パーセント増になりました。
スーパーセンター事業③
スーパーセンター事業のハイライトなんですけれども、3つあります。共同仕入による仕入原価の低減、物流拠点の集約、不採算店舗の整理という3つが、ハイライトとして挙げられます。
共同仕入による仕入原価の低減・物流拠点の集約
セグメント利益は先ほど説明したとおり、(共同仕入による)仕入原価の低減と物流拠点の集約で、だいたい3億2,000万円増えました。
不採算店の整理
とくに、買収したJマートの都内3店舗が(もともと)すごく業績が悪い店舗でした。まず、国分寺店を(2017年)9月に改装しまして、それが今は前期比でだいたい112パーセントで推移しております。
東村山店は、スーパーセンターとして改装しまして、これが前期比でだいたい141パーセントで推移しております。(一方で)残念ながら、どうしても採算性がないだろうということで、三鷹店は閉店させていただきました。
建設事業①
続きまして、建設事業です。
建設事業は、先ほど申し上げたとおり、売上はそれほど伸ばさないという戦略です。(2017年3月期の)296億円が(2018年3月期は)302億円になったので、2.0パーセント増です。
建設事業②
セグメント利益は安定的に伸びておりまして、9.0パーセント増の14億9,000万円となりました。
建設事業③
ハイライトとしましては、大型案件の受注は相変わらず、好調に推移しております。それから、ストックビジネスの受注も拡大しております。あと、労働生産性の向上も大きく利益に寄与しております。
大型案件の受注が好調
大型案件の受注としては、「6層7段自走式立体駐車場」です。昨年(2017年)の7月には、沖縄の大きな商業施設の「サンエーパルコ」を受注して、今施工しております。
8月には、同じく商業施設の「ららぽーと名古屋港明」の駐車場にも、「6層7段自走式立体駐車場」を導入させていただいております。
建設事業 受注残高推移
この結果、大型案件の受注を行ったため、受注残高は前年同期(2017年3月期末)で126億円だったものを、(2018年3月期第2四半期の)140億円(時点で)も好調なのですけれど、(2018年3月期末は)172億円に積み上がっています。前年同期比で36.8パーセント増で、順調に(推移しており)また来期(2019年3月期)も、多分順調に物件を積み上げているのが現状です。
ストックビジネスの受注拡大
それとは別に、維持管理業務に力を入れております。これも5年前(2013年3月期)と比較すると、だいたい受注件数は2.5倍、粗利益が36.1パーセント(増)です。大型案件だけではなく、安定的な収益が得られる事業にも力を入れております。
労働生産性の向上
また、建設事業でも、とくに働き方改革に力を入れています。時間外労働の平均を2年前(2015年度)と比較すると、100パーセントだったものが(2017年度には)80パーセントということで、20パーセント削減しております。
貿易事業 業績予想①
最後は、貿易事業です。貿易事業は、昨年度(2017年3月期)40億円だったものが(2018年3月期には)48億円。グループ内の貿易事業も再編しましたので、上がっています。
貿易事業 業績予想②
もともとは増収減益の計画を立てていましたが、セグメント利益は(2017年3月期の)5億9,000万円が(2018年3月期は)6億1,000万円ということで、3.4パーセント増です。
貿易事業 業績予想③
ハイライトとしては、貿易事業の再編をしました。あと、それによって、海外仕入先の拡大をしたのですけれども。
貿易事業の再編
まず、貿易事業の再編としては、グループ内で(貿易事業の統合を)行っています。農業・園芸用原料の輸入をやっていたんですが、これをトレーディングに一元化することで、取扱商品を増加させるとともに、取引する国も増やしていく戦略をとったので、この結果になっております。
連結損益計算書
連結財務諸表でございます。
(まず、連結損益計算書は)売上高が約927億円から約1,023億円に増えたのは、一昨年(2017年3月期)に対して「綿半Jマート」の通年寄与で約76億円の増加、それから既存店も伸長して約10億円増加したという内容になります。
それから、営業利益について、約19億円だったものが約23億円になったのは、「綿半パートナーズ」との共同仕入……物流を統合したというのが、大きな要因になっております。
よって、配当も6円増配するということです。創業420周年の記念配当5円、あとは当初の計画を上回ったので、1株当たり1円の増配を実現しております。
連結貸借対照表
連結貸借対照表です。
流動資産はプラス50.7億円でございます。金融機関休業日の影響が出ています。あとは、固定資産減が9.4億円で、減価償却による減少です。
負債合計も(要因は)同じです。支払手形及び買掛金の増加も、ほとんどは金融機関休業日の影響です。純資産は、当期純利益の増加で12.8億円増えているということで、自己資本比率も順調に改善している状態です。
連結キャッシュフロー計算書
最後に、連結キャッシュフロー計算書です。
営業キャッシュフローが63.8億円増えております。これも(税金等調整前)当期純利益と金融機関休業日の影響が、半分の約30億円ほどあるんじゃないかなと見ていますが、それでも営業キャッシュフローが30億円ほどプラスと(なりました)。
投資キャッシュフローは、小売基幹システムの入れ替えを今進めておりまして、この費用と、工場自動化を進めはじめましたので、そのあたりの投資があって、5.9億円のマイナスと(なりました)。
財務キャッシュフローは、借入金の減少と配当金の支払いで、マイナス39.7億円となっております。
中期経営計画①
今年度(2019年3月期)の業績予想に入ってまいります。
(こちらのスライドに記載しているとおり)「中期経営計画を1年前倒しで達成」ということです。もともと「今年度の2019年3月期に売上高で1,000億円、経常利益で22億円を目指しましょう」とやっていました。
その時の説明としては、「2016年3月期に経常利益率が1.9パーセントだったのですが、これを安定的に0.1ポイントずつ伸ばしていって、かつトップラインの売上も伸ばしていきますよ」ということで(2019年3月期の経常利益率の目標値を)2.2パーセントというかたちをとりました。
今期の着地としては(売上高の)1,023億円に(経常利益の)25億円で、経常利益率も2.4パーセントという、大変満足のいく結果を得られました。
2019年3月期 予想①
(中期経営計画を)1年前倒しで達成したので、「じゃあ、今期は何をするか」と考えたのですけれども。今期の1年間をかけて、中期経営計画ももちろん練り直したいと思っていますが、それとともにしっかり「筋肉質な経営体制を整備する年」として、今年はやっていきたいと思っております。
とくに注力したいのは、働き方変革です。どんどんみなさんに休みをとっていただいて、労働時間を減らしていかなければいけないということと、今から将来の人手不足にどんどん対応していかなければいけないということです。とくに今期は、この2つに注力したいと考えています。
筋肉質な体制整備
そのための準備として、さまざまな設備投資を実施しようと思っております。
まず、物流を整備したいなと思っています。それから、買収した店舗、既存店舗もそうですが、改装と新店を進めていきたいと。
それから、工場自動化や研究施設の刷新ということで、総投資額で35億円ぐらいをつぎ込みたいと考えております。
2019年3月期 予想②
投資をするということも含めて、売上高はそれほど伸ばさない方針でいます。(2018年3月期の)1,023億円から(2019年3月期は)1,028億円と。
2019年3月期 予想②
ただ、「経常利益率だけは、しっかり上げていきましょう」という戦略をとっていますから、(2018年3月期から)また0.1ポイント上げて、2.5パーセントにもっていきます。(経常利益は)25億円が26億円の4.1パーセント増ということで、順調に利益は伸ばしていくというのが、現在の戦略です。
スーパーセンター事業 業績予想
それでは、セグメント別の業績予想に入らせていただきます。
まずスーパーセンター事業ですけれども、今期の施策としてやることが3つあります。
まず1つ目が、先ほどEDLPの説明をさせていただいたんですけれども、これをさらに深めていきたいと考えております。
2つ目が、物流(の改革です。物流)拠点を昨年(2017年)集約したんですけれども、今度はエリアが広がってきているので、増設・増床したいと思っています。
それから3つ目が、既存店の改装も推進していきたいということです。
さらなるEDLP戦略の推進①
まず、EDLPの推進です。これは(既存店売上推移の)月次(動向)です。ちょうど2年前(2017年3月期)に、弊社は月間特売を廃止しました。その当時グループにあった「綿半ホームエイド」でやったんですけれども。客数はその当時(2017年3月期4月を100パーセントとしたときに)「2パーセント落ちる」……だいたい2年ぐらいは98パーセントになると予測していたんですが、思いのほか順調に客数が伸びてきていたという流れがあります。
EDLPがお客さまに浸透してきたんだなと考えていますけれども、今期(2019年3月期)はさらなるEDLPの開始をしようと思っています。
さらなるEDLP戦略の推進②
まずは(2018年)4月から、買収2社の特売を廃止しました。それとともに、商品も共有化するので、商品の絞り込みも今進めてきております。
(さらなるEDLP戦略の推進で)一番大きいのは、グループ全社でやっているんですけれども、4月からチラシの削減を実施しはじめました。4月から通年で、30パーセントチラシを削減しようと思っています。これが、一番大きなEDLP戦略です。
物流の改革
次に、物流の改革です。まず既存の物流センター(の整備・増床です)。これからPBの開発をもっと進めていこうと思っていますので、増床しようという流れです。これと同時に、生鮮でも今は長野に物流センターを持っているんですけれども、南のほうにももう1つ整備して、拡張していこうと考えております。
既存店の改装
これの整備と同時に、老朽化した店舗の改装を加速したいんですけれども。加速させるためには、生鮮などの物流がないと、店舗の改装だけを加速させても物流センター自体がパンクしてしまいます。順番に、まずは「富士河口湖店」を来月(2018年7月)全面改装いたします。
それによって、新しい体制……食品を取り入れた店舗に切り替えていくと同時に、順次年間で5、6店舗は改装できるかなと考えております。
スーパーセンター事業 業績予想①
スーパーセンター事業は、昨年(2017年)大型店舗の「三鷹店」が閉店したので、ここ(2018年3月期のグラフの「28」の部分)のへこみの影響が大きいです。さらにEDLPの戦略をとることで、既存店の売上は減りますが、それでも改装することで(2019年3月期の売上高は)だいたい649億円、3.1パーセント減の予測をしております。
スーパーセンター事業 業績予想②
それに対して、セグメントの利益は逆に(EDLPの)戦略を進めることによって、(2018年3月期の)13.3億円から(2019年3月期は)15.8億円ということで18.5パーセント(増)と、さらに2桁以上の成長をしていこうという計画を立てております。
建設事業 業績予想①
次に、建設事業では、3つの施策があります。
(1つ目の)提案力向上と技術開発(の継続)は、メーカーとしていろいろ製品開発をしていく中で(進めていきます)。2つ目が少し大きなもので、工場の自動化(による生産性の向上)を、人手不足に対してしていこうと思います。それから3つ目が、CADセンターの整備と、これも人手不足対応に近いと思います。
提案力向上と技術開発の継続
一応技術開発としては、今もドローン自動飛行で、図面の自動化はどんどん進めております。今まで人が全部屋根に登ってやっていたような図面の作成なども、自動でやるような体制です。それから、駐車場のひび割れ防止の実験とか、屋根の工事をやる時の運搬とかを全部ロボットがやるような開発も、岐阜技術センターで行っています。
工場の自動化による生産性の向上
それからもう1つが、これも働き方改革に近いのですが、工場の生産性を上げながら、みんなが休める体制をどうやってつくるかを考えています。今度は2交代制にして、その場合はロボットで生産性を上げてしまおうということで、今年(2018年)の末に導入する予定です。今は順次、細かいものは入っているんですけれども、本格的な稼働は来年(2019年)になります。
CADセンターの整備
それと別に、CADの図面を書く人員が日本国内で不足していて、工期が遅れているという問題があるのですが、ミャンマーでCAD図面の作成の受託を、全部やり始めました。
現在、20名を超える現地の人にCADの図面を書いてもらうということをやっています。この一元化で作業効率も向上して、コストも下がるという流れをとっております。
建設事業 業績予想②
結果として、建設事業は売上高が(2018年3月期の)302億円から(2019年3月期は)327億円ということで、8.1パーセント増と。
建設事業 業績予想③
先ほどの(ご説明にあった)工場の閉鎖とかが一時期からむので、セグメント利益は(2018年3月期の)14.9億円から(2019年3月期は)15.3億円ということで、受注残に対してはけっこう控えめな数字になっておりますが、2.9パーセント増となっております。
貿易事業 業績予想①
最後に、貿易事業です。貿易事業は、やっている施策としては、昨年(2017年)ととくに変えておりません。(取り扱い)原薬数を倍にする体制を整備しましょうというので、人員を増強しております。それから、自然派・オーガニック商品の拡販、海外仕入先の拡大です。
取り扱い原薬数を倍にする体制整備
(取り扱い原薬数を倍にする体制整備として)まずは人を増強するのと、新製品の開発を行うので(製薬研究所では)施設の刷新をやります。
海外仕入先の拡大
それと同時に、もともとの先ほどの(ご説明にもあった)宝石で始まった2拠点、(インドの)ダイヤと(メキシコの)オパール。この2拠点について、もともとメキシコには人員を置いていて工場もあるのですが、ここの人員を増強して、南米系の商品開発を推進しましょうと。
それから、医薬品に関しては、とくにインドがジェネリック系に強いので、インドに拠点を設置して、こちらの開発をさらに推進していこうと考えております。
貿易事業 業績予想②
これによって貿易事業は、売上高は(2018年3月期の)48.1億円が(2019年3月期の)48.9億円で、1.6パーセントの微増です。
貿易事業 業績予想③
セグメント利益は(2018年3月期の)6.1億円が(2019年3月期は)6.3億円で、2.7パーセント増と計画しています。このあたりも、為替の読み方によって利益の見方も変わってまいりますが、増収増益の計画を立てております。
経営方針
最後に、経営方針ですけれども、経営方針自体は2011年度から変えておりません。「時代の変化に対応し、景気に左右されない安定・成長性のある事業構造を創り上げる」というものを(方針として)とっております。
そのために、働き方改革と人財の育成に力を入れております。また、IT化の推進により事業価値を向上させていきます。それから、上場企業としてグループ経営管理体制の整備・強化(の継続)も、注力してやってまいります。
時代の先をゆく働き方改革と人財の育成
ハイライトとしましては、今年度(2019年3月期)はスーパーセンター事業で、4月からフレックス制度の試験導入を開始しました。とくに、マネージャークラスのフレックス制度の導入を開始します。
それから、建設事業は、先ほど申し上げましたが工場の2交代制を検討しています。みんなが2交代制によって休む量を多くとれるような体制にして、かつ生産量を上げられると考えております。
IT化の更なる推進
IT化においては、新システムの導入ということで、先ほどご説明したドローンの自動化や工場の自動化もございます。
スーパーセンター事業では、新決済システムのいろいろな検証を始めております。このあたりが、数年でキャッシュレスになるだろうかというものを、研究していこうと思います。
グループ経営管理体制の整備 「合」マークの歴史
最後に、グループ経営管理体制の整備です。弊社は(創業から)420年を迎えたのですが、会社のロゴマークはずっと「合」というのを使っております。
ですが、実は上場の手前で、一時期「W」のマークを使っている時期がありました。
グループ経営管理体制の整備
「W」のマークを使っている時期に、グループ各社も自分たちでロゴマークをつくるということをやってきたんですが、今後はグループのブランドを統一するということで、我々は「〇合」という「合」のマークに、店も建設も貿易も含めて、統合していこうと考えております。
中期経営計画②
最後になりますが、今期の数字でも(経常)利益率も安定的に伸ばし、売上高も安定的に伸ばし、(経常)利益も安定的に伸ばすという部分は変えずに、逆に言えば、1年をかけてさらに筋肉質な経営体制の整備をしていって、次の中期経営計画の準備をしていきたいと考えております。
以上で、綿半ホールディングスの経営方針のご説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。