2018年3月期 第3四半期決算 サマリー
岡田稔明氏:初めに、2018年3月期第3四半期決算のサマリーです。
第3四半期累計の営業利益は、前年同期実績に対し5億円の減益と、ほぼ昨年と同じレベルとなりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、エアバッグ関連損失引当金として813億円の特別損失を計上したことなどにより、前年同期比547億円の減益となりました。
通期業績連結計画につきましては、2017年11月6日に公表いたしました前回計画から、営業利益と親会社株主に帰属する当期純利益は変更ございません。
第3四半期累計 連結完成車販売台数
3ページをご覧ください。2018年3月期第3四半期累計の実績についてご報告いたします。
連結販売台数は、第3四半期累計期間として過去最高となる80万1,900台となり、前年同期比で1万6,100台の増加となりました。
国内では、軽自動車は前年同期比で1,200台の減少となる2万1,100台となりましたが、登録車は「インプレッサ」および「SUBARU XV」の販売が好調に推移したことにより、前年同期比で1万4,600台の増加となる9万7,700台となり、国内合計では前年同期比で1万3,300台の増加となる11万8,800台となりました。
海外では、当社の重点市場であります北米を中心に、「クロストレック」および「インプレッサ」の販売が好調に推移したことにより、前年同期比で2,800台の増加となる68万3,100台となりました。
第3四半期累計 連結業績
次に、連結業績です。
連結売上高は為替レート差のプラス876億円、売上構成差の改善のプラス446億円、航空宇宙カンパニー等のプラス45億円により、前年同期比で1,367億円の増収となる、2兆5,646億円となりました。
営業利益につきましては、為替変動および売上構成の改善などがあったものの、米国の金利上昇に伴う販売費を中心とした諸経費等ならびに、試験研究費の増加などにより、前年同期比5億円の減益となる3,063億円。経常利益は、59億円の増益で3,031億円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、エアバッグ関連損失引当金として813億円の特別損失を計上したことなどにより、547億円の減益となる1,528億円となりました。
第3四半期累計 営業利益増減要因
続きまして、第3四半期累計の営業利益増減要因についてです。
増益要因は為替レート差でプラス345億円です。米ドルは約5円の円安でプラス444億円、ユーロは約10円の円安でプラス23億円、カナダドルは約5円の円安でプラス26億円です。そのほか、SUBARUと海外子会社の仕入れ為替調整でマイナス4億円、未実現利益分でマイナス144億円となりました。
売上構成差等でプラス82億円です。要因は次の3つです。新車国内がプラス135億円、新車海外でマイナス198億円、在庫調整などその他でプラス145億円です。
一方、減益要因では、諸経費等の増でマイナス289億円です。要因は次の3つです。
1番目に、製造固定費の増加によりマイナス127億円です。そのうち、SUBARUは外製型費の増によりマイナス32億円、固定加工費の増によりマイナス2億円で、トータルマイナス34億円。SIAは、外製型費の増によりマイナス47億円、固定加工費の増によりマイナス46億円で、トータルマイナス93億円となりました。
2番目に、販売管理費の増加によりマイナス388億円です。SUBARUはマイナス49億円、国内ディーラーでマイナス20億円、SOAはマイナス346億円、カナダ子会社はマイナス2億円、そのほかでプラス29億円となりました。
SOAにつきましては、広告宣伝費などの増加によりマイナス38億円、インセンティブは当年度は台当たり1,900ドルと、前年同期の1,350ドルから550ドル増加したことに加え、台数も増加したことから、マイナス308億円となりました。
3番目に、クレーム費の減でプラス226億円です。
次に、試験研究費の増加ですけれども、マイナス85億円です。
そして、原価低減でマイナス58億円です。そのうち、SUBARUでは原価低減によりプラス81億円、原材料・市況等によりマイナス147億円で、トータルマイナス66億円。SIAでは原価低減によりプラス37億円、原材料等によりマイナス29億円で、トータルプラス8億円となりました。
以上で、2018年3月期第3四半期の営業利益は、前年同期実績に対し5億円の減益となる3,063億円となりました。
連結貸借対照表
続きまして、バランスシートです。
総資産につきましては2兆7,932億円と、前期末に比べ309億円の増加となりました。主な要因は、投資有価証券の増加186億円、有形固定資産の増加150億円、商品および製品の増加105億円、現金および預金と有価証券を合わせた手許資金の減少159億円などです。
負債につきましては1兆2,724億円と、前期末に比べて250億円の減少となりました。主な要因は、支払手形および買掛金と電子記録債務を合わせた仕入債務の減少669億円、1年内返済予定を含めた長期借入金の減少401億円、エアバッグ関連損失引当金の増加686億円などです。
純資産につきましては1兆5,207億円と、前期末に比べ559億円の増加となりました。主な要因は、利益剰余金の増加429億円などです。
自己資本比率は、54.2パーセントとなりました。
第3四半期累計 連結キャッシュフロー
続きまして、連結キャッシュフローです。
営業活動による資金の増加は、2,546億円となりました。主な要因は、税金等調整前四半期純利益の計上2,176億円、エアバッグ関連損失引当金の計上686億円などです。
投資活動による資金の減少は、1,320億円となりました。主な要因は、固定資産の取得による支出984億円、定期預金の増加365億円などです。
その結果、フリーキャッシュフローは1,226億円です。
財務活動による資金の減少は、1,650億円となりました。主な要因は、配当金の支払い1,101億円、長期借入金の返済による支出401億円などです。
また、現金及び現金同等物は6,928億円となりました。
第3四半期累計 海外子会社業績
次に、米国子会社の業績についてです。
SOAの小売販売台数は、インプレッサ、クロストレックの販売が好調に推移したことにより、前年同期比1万9,500台増の50万1,200台となりました。
売上高は、前年同期比447ミリオンドルの増収となる1万3,901ミリオンドル、営業利益は数量・構成差プラス51ミリオンドル、販売費の増マイナス324ミリオンドルにより、前年同期比273ミリオンドルの減益となる、336ミリオンドルとなりました。
SIAの売上高は、前年同期比プラス413ミリオンドルの5,706ミリオンドルとなりました。
営業損益は、数量・価格構成差プラス63ミリオンドル、原価低減活動プラス8ミリオンドル、固定費増マイナス87ミリオンドルにより、前年同期比マイナス16ミリオンドルとなる116ミリオンドルとなりました。
第3四半期累計 設備投資・減価償却費・試験研究費・有利子負債
次に、第3四半期累計の設備投資につきましては、前年同期比295億円減の780億円です。
減価償却費は、前年同期比112億円増の653億円です。
試験研究費につきましては、前年同期比85億円増の889億円となりました。
通期計画 連結完成車販売台数
続きまして、2018年3月期通期計画です。
連結販売台数につきましては、国内・海外合計で106万7,100台を計画しています。 前年同期比で2,500台の増、前回計画に対しては900台の減となります。
市場別では、国内は前年同期比6,200台の増、前回計画に対して1,400台の減となる16万5,200台です。
海外は、主に北米・豪州で台数が増えたものの、中国で大きく台数を減らし、前年同期比3,700台の減となる90万1,900台を計画しています。
前回計画に対しては、500台の増となります。
通期計画 連結業績
次に、連結業績計画です。
今回、為替変動や品質関連費用を中心とした諸経費等の増加、売上構成差の改善などを織り込み、前回の計画を一部修正させていただきます。
売上高は、為替レート差プラス791億円、売上構成差プラス92億円、カンパニー等マイナス43億円により、前年同期比840億円の増収、前回計画に対し300億円の増収となる3兆4,100億円を見込みます。
営業利益につきましては、前回計画から変更はなく、前年同期比308億円の減益となる3,800億円。経常利益は、前年同期比193億円の減益、前回計画に対し70億円の減益で、3,750億円。親会社株主に帰属する当期純利益は、前回計画から変更はなく、前年同期比754億円減益となる2,070億円を見込みます。
前年実績対比 通期計画 営業利益増減要因
続きまして、前期実績からの営業利益増減要因についてです。
増益要因は、為替レート差でプラス398億円です。
米ドルは約3円の円安を見込みプラス371億円、ユーロは約11円の円安でプラス34億円、カナダドルは約4円の円安でプラス30億円。その他、中国元でプラス1億円、SUBARUと海外子会社の仕入れ為替調整でマイナス22億円、在庫未実現利益分としてマイナス16億円を計画しています。
一方で、減益要因ですけれども、諸経費等の増加でマイナス456億円です。要因には3つあります。
1つ目が、製造固定費の増加により、マイナス177億円です。
そのうち、SUBARUは外製型費の増によりマイナス44億円、固定加工費の増によりマイナス29億円で、トータルマイナス73億円。SIAは、外製型費の増によりマイナス51億円、固定加工費の増によりマイナス53億円で、トータルマイナス104億円を見込みます。
2番目に、販売管理費の増加でマイナス418億円です。
SUBARUでマイナス84億円、国内ディーラーはマイナス23億円、SOAはマイナス370億円、カナダ子会社はマイナス6億円、その他でプラス66億円です。SOAにつきましては、広告宣伝費等はプラス13億円となり、インセンティブは、当年度は台当たり2,000ドルと、前年同期の1,450ドルから550ドル増える計画としています。トータルで383億円のマイナスを計画しています。
次に、クレーム費の減でプラス139億円です。
また、試験研究費の増加でマイナス118億円です。
そして、原価低減はマイナス94億円です。そのうち、SUBARUでは原価低減によりプラス96億円、原材料・市況等によりマイナス183億円で、トータルマイナス87億円。SIAでは、原価低減によりプラス47億円、原材料等によりマイナス54億円で、トータルマイナス7億円を見込みます。
次に、売上構成差等でマイナス38億円です。要因は次の3つです。新車国内はプラス113億円、2番目に新車海外はマイナス287億円、3番目に在庫調整他その他でプラス136億円です。
以上で、2018年3月期の通気営業利益は、前年実績4,108億円から308億円の減益となる、3,800億円を計画しています。
前回計画(2Q発表値)対比 通期 営業利益増減要因
次は、前回計画からの増減の要因となります。
増益要因は、為替レート差でプラス81億円です。米ドルは約1円の円安を見込みプラス102億円、ユーロは約2円の円安でプラス9億円、カナダドルは約1円の円高でマイナス2億円、その他在庫未実現利益分として、マイナス27億円を計画しています。
2番目に、売上構成差等でプラス53億円です。要因は次の3つです。初めに、新車国内はマイナス12億円。2番目に、新車海外はマイナス8億円。3番目に、在庫調整その他でプラス72億円です。
増益要因の3番目として、試験研究費の減少でプラス40億円です。
そして、増益要因の4番目として、原価低減はプラス31億円です。そのうち、SUBARUでは原価低減によりプラス3億円、原材料・市況等によりプラス19億円で、トータルプラス22億円。SIAでは、原価低減によりプラス5億円、原材料等によりプラス4億円で、トータルプラス9億円を見込みます。
一方、減益要因は諸経費等の増加で、マイナス205億円です。要因は、次の3つです。
1つ目に、製造固定費の減少によりプラス4億円です。そのうち、SUBARUでは固定加工費の増によりマイナス15億円、SIAでは外製型費の減によりプラス12億円、固定加工費の減によりプラス7億円で、プラス19億円を見込みます。
減益要因の2番目として、販売管理費の増加でマイナス13億円です。SUBARUでプラス52億円、国内ディーラーでプラス4億円、SOAはマイナス91億円、カナダ子会社はプラス6億円、その他でプラス16億円です。
SOAにつきましては、広告宣伝費等はプラス5億円となり、インセンティブは今回計画は1台あたり2,000ドルということで、前回計画の1,850ドルから150ドル増え、総額96億円のマイナスを計画しております。
減益要因の3番目として、諸経費の3番目として、クレーム費の増です。これがマイナス196億円です。
以上で、2018年3月期の通期営業利益は前回計画から変更なく、3,800億円を計画しております。
通期計画 海外子会社業績
次に、米国子会社の業績計画です。
SOAの通期小売販売は、インプレッサ、クロストレックの販売好調により、前年対比2万7,800台増の65万2,800台を目指します。
売上高は、前年同期比プラス446ミリオンドルの1万8,393ミリオンドルを見込みます。
営業損益につきましては、数量構成差プラス33ミリオンドル、販管費の増マイナス345ミリオンドルにより、前年同期比312ミリオンドルの減益となる359ミリオンドルを計画しております。
SIAの売上高は、前年に対しプラス137ミリオンドルの7,662ミリオンドルを見込みます。
営業損益は数量構成差プラス37ミリオンドル、原価低減および市況マイナス6ミリオンドル、固定費増マイナス96ミリオンドルにより、前年同期比マイナス65ミリオンドルとなる171ミリオンドルを見込みます。
通期計画 設備投資・減価償却費・試験研究費・有利子負債
続きまして、設備投資・減価償却費・試験研究費・有利子負債の数値比較です。
設備投資・減価償却費につきましては、前回計画と変わらず、それぞれ(設備投資で)1,500億円・(減価償却費で)920億円を予定しています。
試験研究費につきましては、前回計画より40億円減となる1,260億円を計画しています。
最後になりますけれども、当社の不適切な完成検査に関連するリコールについて、補足をさせていただきます。
前回の第2四半期の決算発表時点では、対象台数約25万台・費用総額約100億円と見積もっておりました。
本日新たに、追加リコール2.7万台分を届け出いたしました。これを含めて、対象台数は約42万台・費用総額約250億円として、第3四半期決算実績に織り込んでおります。
以上で、説明を終わります。ありがとうございました。