2017年度第3四半期 決算説明会
矢部延弘氏:では、みなさん、今日はよろしくお願いいたします。
2017年度の第3四半期連結決算について、私から説明をさせていただきます。
お手元の資料、「2017年度第3四半期連結累計期間 連結決算及び業績予想(IFRS)」をご参照ください。
損益の状況
まず、純利益ですけれども、こちらは(前年同期比)571億円、率にして53パーセント増益の1,648億円となりました。
増益の内訳としては、非資源分野で航空機をはじめとした輸送機関連、あるいは紙パルプ、畜産等々が牽引して、225億円の増益、資源分野では商品市況の上昇を主要因といたしまして、346億円の増益ということになっております。
また、この中には米国税制改正の影響ということで、全社で60億円程度のプラス要因が入っております。
なお、この1,648億円という数字は、第3四半期までの累計額としては過去最高、当社として史上最高益ということになります。
ちなみに、今までの史上最高は2013年度の1,602億円ということでございます。
なお、実際の純利益につきましては、IRの補足資料の方に記載しておりますけれども、第3四半期までの累計の一過性損益はマイナス30億円ということで分析しておりますので、それを除いた実際の純利益というのは1,680億円ということになります。
前年同期の実際純利益が1,300億円でしたので、実際純利益ベースで380億円の増益ということです。
この380億円の内訳ですけれども、非資源で110億円、資源で270億円ということです。
このうち、資源の方の270億円のうち、約190億円程度が価格に関係するもの、残りの80億円程度が価格以外のものと分析をしております。
従いまして、(増益)380億円のうち、資源の価格要因が半分、非資源、その他価格に関係ない資源のところが半分というところでございます。
続いて、純利益の通期見通しについて、説明します。
第3四半期まで(の純利益)が1,648億円ということを踏まえまして、あらためて通期の見通しを精査した結果、通期見通しは2,000億円ということで、上方修正をいたしました。
現在推進しております中期経営計画の最終年度が2018年でございますが、この利益目標の2,000億円を1年前倒しで達成するということです。
純利益の上方修正に伴いまして、配当についても、従来の連結配当性向25パーセント以上という方針に基づきまして、1株あたり25円の予想を、29円、4円引き上げることといたしました。
すでに中間で12円50銭、支払っておりますので、期末配当金は16円50銭という予定でございます。
ちなみに、この29円という配当金額も過去最高の水準ということで、過去は2014年に払いました26円が最高でございました。
続きまして、段階損益について説明をさせていただきます。
まず、売上総利益ですけれども、(前年同期比)384億円の増益の5,003億円ということでございます。エネルギー、金属、素材、輸送機の3セグメントで増益をいたしました。
次に、営業外のうち、主なものについて、説明をさせていただきます。
まず、受取配当ですけれども、こちらはエネルギー関連の配当金の増加によりまして、19億円増加の141億円。
有価証券損益は情報関連の株式売却益の計上等によりまして、91億円増益の110億円。
固定資産損益は、昨年石油ガス関連の減損が多額にございましたので、その反動もあって、466億円改善の36億円。
その他損益については、海外インフラ案件の損失引当等によりまして、136億円のマイナス、損失ということになっております。
次に、持分方投資損益でございますが、こちらはチリの銅事業、欧州の石炭等々の増益を主因といたしまして、261億円増益の1,134億円となりました。
冒頭、米国の税制改正の影響が60億円と言いましたけれども、このうち、30億円はこちらの増益に含まれているものでございます。
以上より、税引前利益は(前年同期比)589億円増益の2,083億円、純利益は571億円増益の1,648億円ということでございます。
なお、残りの米国税制の(影響による)30億円については、税金のところに入っているということでございます。
オペレーティング・セグメントの状況
次に、セグメントについて説明いたします。
まず、生活産業ですけれども、情報関連の株式の売却益、あるいは、その他畜産等々も含めた改善がございまして、これに加えて、米国税制の改定の影響が約180億円ありました。合計しますと、(純利益は前年同期比)158億円増益の611億円ということでございます。
次に、素材ですけれども、パルプ市況の上昇に伴いまして、紙パルプが増益となったほか、米国税制の影響がプラス50億円ありまして、合計で純利益は69億円増益の338億円でございます。
エネルギー・金属は、昨年石油ガス開発の減損がありまして、その反動があったこと、並びに、チリの銅、欧州の石炭の持分益が改善したこと等々があり、前年同期比で366億円改善し、82億円の黒字となっております。ただ、ここには米国税制に伴う悪化が250億円ほど入っております。
次に、電力・プラントは海洋事業の持分利益の増加、米国税制の改正の影響40億円のプラスがあったものの、海外インフラ案件による損失の引当等もありまして、昨年との比較では102億円減益の336億円でございます。
最後に、輸送機は前年は北米の自動車関連の売却益がありまして、その反動があったものの、航空機、船舶、自動車建機、産機等々それぞれの実際純利益が増益になりました。加えて、米国税改正が40億円のプラスということで、前年同期比で34億円増益の340億円となっております。
キャッシュ・フローの状況
次に、キャッシュ・フローですけれども、営業活動によるキャッシュ・フローは、営業資金の負担等の増加があったものの、堅調な純利益の拡大を背景に、基礎営業キャッシュフローが伸張し、881億円のプラスとなっております。
投資活動キャッシュ・フローについては、海外事業における資本的支出等々があり、714億円の支出、マイナスということでございます。
結果、フリーキャッシュ・フローは167億円の黒字、今年度は配当後(フリーキャッシュ・フローを)1,000億円という目標にしておりますが、第4四半期で確実にキャッシュ・フローを創出して、目標は十分達成できると思っております。
資産、負債及び資本の状況
次に、バランスシートですけれども、非支配持分を含む資本合計は、利益の積み上げを主因として、(前年度期末比)1,944億円増加の1兆9,371億円、(ネット)有利子負債については837億円増加の2兆1,837億円。
結果、(ネット)D/Eレシオは1.13倍ということになっております。昨年度末、3月との対比で言いますと、0.07ポイントの改善、(第2四半期末)9月との対比で言いますと、0.05ポイントの改善ということでございます。
なお、今年の3月末の予定につきましては、当初の目標の1.1倍程度ということで、変えておりません。
以上が第3四半期の決算の概要になります
2017年度第3四半期 トピックス
加えて、2つほどトピックス的に申し上げておきます。
まず、(主要連結子会社)Gavilonですけれども、第3四半期までの数字という意味においては、米国の税制改定の影響を除外いたしまして、Gavilonの穀物事業は拡大し、純利益ベースでは、(前年同期比で)ほぼイコールという結果となっております。
昨年、アグリトレーディングが大きな赤字を出しまして、今年はプラスに転じている部分においては改善しましたが、残念ながら、グローバルのところでブラジルの収益が悪化して、ほとんど打ち消しあっているという状況でございます。
主力の米国内の(穀物)集荷のところは前年比ほぼ横ばいということでございます。
通期の見通しにつきましては、若干、前年より落ちるかなという程度の予想を、今のところはしています。
それから、もう1つは、第2四半期の決算説明会でもいろいろと言及させていただきました石油・ガス関連の減損リスクについてでございますが、第3四半期を終わって、すべての案件をCPAと協議をいたしました。
結果として、一部を除いて、減損の必要はないという結論に至りましたので、今回指摘を受けた必要なものは、すべて処理を行ったということでございます。
従って、第4四半期において、この石油・ガス関連の減損が出ることはないと、経営としては考えております。
以上でございまして、引き続き、財務基盤の強化と事業戦略の進化を推し進めていく所存ではございますが、とりあえず、この第3四半期の決算という意味においては、非常に順調であり、いい感じできているのではないかと評価している次第でございます。