2018年3月期第3四半期決算説明会

丸山卓氏:商船三井常務の丸山です。本日はお集まりいただきましてありがとうございます。

では早速、決算説明をさせていただきます。

その前に、お手元の資料は決算説明資料、決算短信、それからONEの資料(OCEAN NETWORK EXPRESS)の3種類があるかと思いますので、ご確認ください。

2017年度 第3四半期 連結決算概要

では、まず今回の決算を一言で言いますと、第3四半期はコンテナ部門が健闘しました。それから、本来第4四半期で見込んでいたものが第3四半期にズレるという状況がありました。

それから、為替が若干有利に動いて、為替差益がちょっとよく出るという状況により、第3四半期は、想定よりもかなり良かったということが事実です。

一方で、第4四半期につきましては、主として先ほどお話しした、いわゆる期ズレの逆効果や、それから今為替がちょっと悪くなっていること、また、第3四半期には配当があったものの、第4四半期にはないという事情がございます。

それから、コンテナ部門がちょっと控え目であることです。かなり、もともと第4四半期のコンテナ部門は良くないのですが、それに加えて今続々と要員をONEにシフトしています。

そのようなことで、営業力が低下していくのではないかと若干勘案しております。

2017年度 第3四半期 連結決算の要点(Ⅰ)

ONE市場に基づいて説明していきます。

セグメント別にご説明します。ドライバルクにつきましては、スポット市況はみなさまご承知の通り、前年同期に比べて大幅に改善しています。(2017年)10、11、12月の3ヶ月についても、堅調に推移しています。

中国国慶節前に落ちるのではないか(と想定していて)、実際少し落ちたのですが、その後もすぐに反発するということもあり、ケープサイズについては久方ぶりに、1日あたり3万ドルというマーケットになっています。

パナマックス以下の小型船につきましても、中国が予想に反して石炭輸入を大きく増やしたということもございまして、マーケットは心配したほど崩れずに、基本的には良かったということでございます。

ただ、前回もご説明しましたが、我々のドライバルク部門につきましては、構造改革により、あまり市況に大きく左右されない体制をすでに作っております。そのため、だいたい3ヶ月前に予想したものと、同じぐらいの落差になっているということでございます。

エネルギー部門は、大きく分けて油送船とガスと分かれます。油送船のマーケットは、基本的にはよくありませんでした。ただ、3ヶ月前から良くないだろうなということを織り込んでいたこともあり、損益的には3ヶ月前の予想と、大きくは変わっていないということです。

ちょっと細かいことを言いますと、例えば、(2017年)10月ぐらいには、アジアでの台風が重なりました。その結果、上げ地で船が混み、マーケットが上がるというようなこともありました。

それからプロダクト船も、例のハリケーンの直後に急騰するという、一時的な上昇はありました。ただ、第3四半期を通じてみれば、あまり良くなく終わったということになります。

ただし、当社の輸送船部門は、別に原油船とプロダクト船だけではございません。ほかにもシャトルタンカー・メタノール・ケミカルというものもございますので、想定どおり利益を上げているという状況にあります。

2017年度 第3四半期 連結決算の要点(Ⅱ)

LNG船・海洋については、毎回同じことを言ってしまうのですけれど、基本的にはそれほど、大きくブレるものではございません。

ただし、本来は第3四半期に費用が大きく出ることを想定していたのですが、それが第4四半期にズレています。そのような意味で、第3四半期だけ見れば、3ヶ月前に我々が考えていたものに比べれば、よく出ているということになります。その分、第4四半期については悪く出るというかたちになります。

続きまして、製品輸送事業関係について説明します。まず、コンテナ船です。コンテナについては、環境としては非常に堅調です。アジアから北米向け・欧州向けの、どちらも堅調です。

この(2017年)10-12月だけを見れば、アジアから北米向けは前年同期比で3.4パーセント、荷動きが増えています。

(2017年の)12ヶ月でも5.4パーセントということで、過去最高の荷動きになっています。

欧州航路については、まだ市場が11月までしかないのですが、10-11月の2ヶ月だけを見れば、前年同期比でちょっと減っています。ただ、11月までの累計であれば4.3パーセント増ということで、北米と同様に過去最高です。

12月に入ってからは荷動きも戻しておりまして、需給も改善しつつある状況ということになります。

それから、3ヶ月前にあるいは6ヶ月前に、私がここ(決算説明会の場)で説明したかもしれませんが、「復航の荷動きも意外に良いんだ」というお話をしました。

これにつきましては、北米などは1-3月にものすごく増え、それからなだらかに落ちていたのですが、10-11月には久しぶりに前年同期比で、また伸びが戻ったというかたちになっております。

中国がスクラップの規制をしたというような影響があるのだと思うのですが、徐々に落ち着いている状況にあります。

ヨーロッパからの復航についても、10-11月の2ヶ月だけをとっても、2.2パーセント増えています。歴年の1-11月だと5パーセントということで、やはり復航は増えています。

そのようなこともあり、ONEに関する費用が第3四半期に出てくるであろうと思ったものよりは、小さくなったことがございます。

それから、ターミナルからリベートをもらったことがございます。量が増えると、ターミナルからリベートをもらうということがあります。これらにより、コンテナ船の事業全体での第3四半期での損益は、3ヶ月前に思ったよりもかなり良くなっています。

第3四半期だけを見れば、経常ベースで37億円のプラスということで、第2四半期に続いての黒字ということになっております。

それから、自動車船事業です。自動車については、相変わらず中東向け・西アフリカ向けは良くないということについては、変わっておりません。

当社はコア船隊の数をどんどん減らしていっておりますので、なんとか廃船の効率化を上げて、そこそこの黒字を達成しているという状況にあります。

フェリーや関連事業については、ちょっと入り繰りはあるのですが、合計すればほぼ想定した通りに落着しているという状況にあるので、細かい説明は省略させていただきます。

2017年度 通期 連結業績予想

続いて、ページをめくっていただきまして、通期の業績予想です。

経常ベースでいきますと、前回ご案内の通り、250億円を維持しております。当期利益につきましては、前年(にお伝えした)120億円といったものを100億円に、20億円下げております。これは、税金関係の費用が増えたということで、120億円から100億円にしているということです。

先ほども言いましたように、第3四半期のコンテナが良かった反動と、もともと第4四半期のコンテナは、季節的にも良くない時期であることがございます。

それから、とくに2月以降はONEが営業を開始しますから、人員がかなりONEのほうに出ていっています。そのため、商船三井プロパーの営業マンパワーも、かなり落ちている状態にあるわけです。

そうした中で、「第3四半期と同じようなパフォーマンスができるかな」と、若干懸念がございます。そのあたりを織り込みまして、(業績予想が)大幅悪化ということで、このような数字を出しているわけです。

為替の前提の110円は、変わっておりません。当社のいわゆる社定レートは、実はもう2月まで出ており、いずれも110円より上で決まっているということです。ですから、3月の当社の社定レートがどうなるか……3月末がいくらで仕上がるかということで、ぶれが出てきます。ただ、為替の前提110円は据え置いています。

燃料価格については、前回は350ドルだったのですが、380ドルに修正しています。

2017年度 業績予想の要点(Ⅰ)

セグメント別にお話しします。まず、ドライバルクは、ご案内のとおりだと思いますが、そもそも1-3月期は閑散期で、年間を通じては一番マーケットが悪化する時期であります。ただ、去年(2017年)に比べれば、足元はそこそこいいという状況は変わっておりません。現在ですと、例えば「Capesize(ケープサイズ)」は、1万4,000ドルぐらいまで回復しております。

中小型バルカーについても、足元で「Panamax(パナマックス)」が1万ドル・「Handymax(ハンディマックス)」で8,500ドルというように、そこそこのマーケットになっているのですが、そのあたりは織り込んでおります。かつ、もう(2018年)3月まで残り2ヶ月しかございませんので、ドライバルクの損益が大きくぶれるということはないと思います。

これらを含めまして、ドライバルクに関しては、通期では140億円の経常利益を見込んでいるということです。前回の見通しも135億円ですから、それほど変わらないのですが、そのような状況にございます。

エネルギー輸送事業について、ご説明します。まず、油送船です。これも、足元もそれほどよくない状況は、変わっておりません。ただ、よくないということは、すでに十分に織り込んだ上で通期予想を見ておりますので、これがまた、この2ヶ月間で大きくぶれることはないものと思います。

ガス・海洋事業については、先ほどちらっと話しましたが、ドック費用の計上等が、最初は第3四半期と思っていたものの、(期ズレして)第4四半期になります。比較すると悪く見えるかもしれませんが、そのような期ズレの逆効果みたいなものがあるということです。

結果として、エネルギー輸送事業は、前回105億円と発表したのですが、110億円の経常利益を見込んでいるということです。

少しくどいですが、ドライバルク部門についてもエネルギー部門についても、市況の上下動について、今は心配していないというのが当社の状況です。

ですから、例えばバルチック海運指数が上がったから当社の株が買われるとか、その逆もよくあるのですが。それは、私のIR活動の不足かなと思うのですが、すでにかつての当社と違って、市況には大きくぶれない体制になっているということを、改めて申し上げたいと思います。

2017年度 業績予想の要点(Ⅱ)

次に、製品輸送事業です。コンテナについては、一般概況としてはアジア出し・北米向けが、基本的には環境としては好調です。

今年の旧正月は2月16日で、去年よりも後ろにあることも受けて、(環境としては)去年よりいいかなとは思います。それでも、やはり季節性はありますので、旧正月後の落ち込みなどを心配すると、楽観的にはなれないということになります。

加えまして、ONEに関わる費用が、当初見込んでいたものとの比較においては、第3四半期が意外に少なく、第4四半期にどっと出るということもございます。そのため、経常ベースではぐっと落ちるということになります。

ちなみに、ONEの持分法損益を取り込んだものは、当然営業外に出るわけですから、経常で大きく落ちるという状態にあるわけです。

最後に、自動車船につきましては、実は悪化しております。もしかしたら当社だけかもしれませんが、日本出しの完成車が、当初我々が見込んでいたよりも落ちているということがございます。(2017年)12月末までは当初の予定を上回って、けっこういい成績だったのですが、第4四半期は一転、赤字になるものと思われます。

もちろん通期では黒字なのですが、そのようなことで自動車船関係は減益になるということを織り込んでおります。製品輸送事業のトータルでは、前回はマイナス75億円といったものを、今回は10億円下方修正して、マイナス85億円です。

コンテナ船事業だけを取り出すと、前回マイナス145億円とお伝えしていたものが、10億円変動して、マイナス135億円ということになります。

第3四半期と第4四半期を見ると、今申し上げたような理由がありまして、大変いびつな格好になっているということでございます。

配当につきましては、当期利益は20億円ほど下方修正ですけれど、このペースであれば、株式併合後ベースで10円を予定しております。

2017年度 通期 連結業績予想

全体的な話なのですが、2017年度の通期見通しについて、お話しします。

営業損益が250億円で、経常損益も250億円です。当社は、今まで営業損益と経常損益にかなり差のある会社だったのですが、(今回の通期見通しに)あまり差がなくなった理由が、2つあります。

1つは、繰り返しになりますが、ONEの損益を取り込むと営業外損失になります。その部分が大きく効いているということです。

それから、一部の科目では今まで営業外収益と織り込んでいたものを、営業収益に科目替えしたということがあります。

その2つの効果があり、営業損益がえらく上がっているのに経常利益は上がっていないと見えてしまうかもしれませんが、それは、そのような状況があるからです。

最後に、もう日本郵船さんが(直前の決算説明の場で)説明されたかもしれませんが、ONEの状況です。唯一独禁法関連で残っていた南アフリカ当局の認可は、(2018年)1月に無事取得されました。それに従いまして、新サービス開始に必要な承認手続きは、すべて終わっています。

それから、新会社は2月から、いよいよブッキングを受け付ける体制になっております。実際に、新会社がBL(船荷証券)を発行するタイミングといいますか、お客さんから貨物を引き受けるタイミングは、3月の中旬ぐらいになるかなと思います。

これは、4月以降に積地のファーストポートに入ってくる船に乗せる荷物から、ONEが引き受けるというふうになっておりますので、3月の中・下旬あたりからお客さんにお渡しするということです。このあたりから、ONEのBLが発行されるという状況にあります。

以上です。