2018年2月期第2四半期決算説明会
二村勝彦氏:おはようございます。社長の二村でございます。本日は大変お忙しい中、またあいにくの雨の中をお越しいただきまして、誠にありがとうございます。
本日は、2018年2月期第2四半期の決算概要、それから2018年2月期の通期見通し。最後に中期経営計画の進捗状況についてご説明を申し上げます。
2018年2月期第2四半期決算の要旨
まず初めに、2018年2月期第2四半期決算の要旨でございます。業績につきましては、前期比では増収・減益。計画比では減収・増益となりました。
航空機エンジン部品事業の低圧タービンブレードは、量産が着実に推移し、黒字化いたしました。圧縮機・燃焼器部品につきましては、遅れていた認証取得を無事に完了いたしました。
成田事業所の爆発火災事故の復旧状況と業績への影響につきましては、後ほどご説明申し上げます。
前期比・計画比による決算概要
こちらの表は、前期比・計画比による実績をグラフで表したものでございます。
損益計算書
損益計算書をここで表しております。内容につきましては、順次ご説明申し上げます。
利益の変動要因
こちらは第2四半期の利益の変動要因を示したものでございます。緑色が利益を押し上げる要因、赤色が押し下げる要因を表しております。
前期比では、売上の増加要因は金型が好調に推移したこと、並びに航空機エンジン部品事業の低圧タービンブレードが計画どおりに推移したことによるものでございます。
原価高の要因でございますが、売上の増加に伴うものと成田事業所の爆発火災事故による代替生産によるものでございます。
販管費の減少要因は、航空機エンジン部品事業が立ち上がったことにより、研究開発費が減少したことによるものでございます。
計画費では、売上高の減少要因は金型が増収となりましたが、その他のセグメントが減収となったためでございます。
原価高の要因でございますが、主に代替生産に伴う原価高でございます。販管費の減少要因は、先ほど申し上げたように研究開発費が減少したことによるものでございます。
前期比・計画比ともに経常利益の変動要因は、持分法適用会社の投資利益が増加し、営業外収益が増加したことによるものでございます。
セグメント別概要
セグメントごとの売上高と営業利益はご覧のとおりでございます。
セグメント別詳細:放電加工・表面処理
これよりセグメント別の詳細についてご説明をいたします。まず放電加工、表面処理でございます。前期比で増収・減益。計画比で減収・減益となりました。
売上高のグラフでございますが、下から航空・宇宙、交通・輸送、環境・エネルギーの順に表しております。
業績の要旨でございますが、航空・宇宙関連の前期比では、航空機エンジン部品事業の低圧タービンブレードが本格的に量産を開始したことにより増収となりました。
計画比では、圧縮機・燃焼器部品の工程認証取得は完了いたしましたけれども、生産要求アイテムの優先順位が一部変更になったことで、計画には届かず減収となりました。
交通・輸送関連では、現在代替生産を行っている、自動車関連部品の表面処理が前期比、計画比ともに増収となりました。
環境・エネルギー関連では、ガスタービン関連部品と遠心圧縮機関連部品の減少により、前期比、計画比ともに減収となりました。
これらの結果、全体では前期比で増収、計画比で減収となりました。営業利益につきましては、代替生産の原価高の影響により、前期比、計画比ともに減益となりました。
セグメント別詳細:金型
次に金型でございます。前期比、計画比ともに増収・増益となりました。売上高のグラフでございますが、下から住宅関連、交通・輸送の関連の順に表示しております。
業績の要旨でございますが、住宅関連の前期比では、樹脂押出用金型が好調のため、増収となりました。計画比では、アルミ押出用金型の産業品向け金型が好調であったことから増収となりました。
交通・輸送関連では、セラミックスハニカム押出用金型が前期比、計画比ともに順調に推移いたしました。これらの結果、金型全体では前期比、計画比ともに増収となりました。
営業利益につきましては、増収により増益となりました。
セグメント別詳細:機械装置等
次に機械装置等でございます。前期比、計画比ともに減収・減益となりました。売上高のグラフでございますが、下から機械設備関係、交通・輸送関係の順に表示しております。
業績の要旨でございますが、機械設備関連では、引き合いは増えてきておりますけども、前期比・計画比ともに販売目標に届かず未達となりました。
交通・輸送関連では、量産アイテムの自動車向けプレス部品加工の一部が減産となった影響と開発案件の未達により、前期比・計画比ともに減収となりました。
その結果、機械装置全体では、前期比・計画比ともに減収となりました。営業利益につきましては、減収により減益となりました。
連結貸借対照とCFの状況
こちらは貸借対照表とキャッシュ・フローを表示したものであります。詳細は補足資料を添付しておりますので、そちらをご覧いただければ幸いでございます。
設備投資・償却費・研究開発費
主な設備投資の実績と見通しは、ご覧のとおりでございます。上期では全社安全対策の投資とセラミックスハニカム押出用金型のさらなる増産に対応する投資を行いました。
下期では、成田事業所の復興投資と、引き続きセラミックスハニカム押出用金型の増産に対応する投資を予定しております。
また研究開発案件につきましては、炭素繊維(CFRTP)成形技術の開発などを中心に行っております。
なお今期は航空機エンジン部品事業の圧縮機、燃料費部品の生産開始にともない、大幅に減少いたしております。
今後は、航空機エンジン部品の生産性向上や新素材の成形方法などの開発を積極的に行っていく予定としております。
成田事業所 爆発火災事故の復旧状況と業績への影響①
成田事業所における爆発火災事故の、その後の状況でございます。
現時点では関係当局による事故原因の見解はまだ出ておりません。当社といたしましては、事故調査委員会による調査を行っておりますけれども、まだ原因の究明にはいたっておりません。
しかし、想定されるあらゆる原因をもとに、再発防止策を実施して進めておるところでございます。
また、安全管理体制の再構築のため、安全体制強化委員会を設立して、二度とこのような事故を起こさないよう、全社をあげて安全第一への意識改革と風土作りを行っているところでございます。
成田事業所 爆発火災事故の復旧状況と業績への影響②
事故のあった成田事業所の状況でございます。2棟ございまして、そのうちの1棟は放電加工棟でございます。ここは3月から操業を開始し、表面処理棟は事故エリアを除き、5月から操業いたしております。事故エリアの自動車部品の塗装ラインは、9月操業再開を目標としております。
設備の設置等は完了しておりますけれども、工程の認証や関係当局の確認などに、若干の遅れが発生したことにより、10月中の操業再開に変更して進めているところでございます。
現在この部品は代替生産を行っておりますけれども、当初は原価高の予想を1億1,000万円と見ておりました。
しかし、部品1個あたりの製品原価が増加したことに加えて、生産数量も増加しましたので、合計では2億1,700万円に増加いたしました。
下期の影響額でございますが、新ラインが立ち上がるまでの2ヶ月間で、約5,000万円の影響が出ると見込んでいるところでございます。
2018年2月期通期見通し
2018年2月期の通期見通しにつきまして、ご説明申し上げます。
2017年4月6日に公表した通期業績予想に対して、セグメント間の入り繰りはございますけれども、合計は変えておりません。
セグメント別詳細:放電加工・表面処理
これより、セグメント別にご説明を申し上げます。グラフの濃い青色は上期の実績。薄い青色は下期の見通しを表しております。
放電加工・表面処理につきまして、ご説明いたします。通期見通しでは減収・減益を見込んでおります。上期に対しまして、下期が大幅な増収・増益となることから、下期の見通しを上期対比でご説明申し上げます。
航空宇宙関連におきましては、航空機エンジン部品事業の低圧タービンブレードが堅調に推移し、圧縮機・燃焼器部品は本格生産開始により、増収となると見込んでおります。
しかしながら、単一工程のいわゆる受託加工につきましては、主要アイテムの減少により減収となると見込んでいます。交通・輸送関連におきましては、引き続き堅調に推移すると見込んでおります。
環境・エネルギー関連におきましては、ガスタービン部品が、顧客の生産体制の再構築にともない、当社アイテムの増加が見込まれ、増収となる見込みでございます。
営業利益全体では、代替生産の終了によるものとガスタービン部品の増収により、増益となると見込んでおります。
セグメント別詳細:金型
次に、金型でございます。通期見通しでは、増収・増益を見込んでおります。同様に、下期の見通しを上期対比でご説明申し上げます。
住宅関連のアルミ押出用金型は、住宅向け産業品向けともに堅調に推移すると見込んでいるところですが、樹脂押出用金型は新型モデルシフトも一段落し、減収するのではないかと見込んでおります。
交通・輸送関連は、セラミックスハニカム押出用金型が排ガス規制の強化に伴い、順調に推移すると見込んでおります。
営業利益はセラミックスハニカム押出用金型の増収に伴い、増益を見込んでいるところでございます。
セグメント別詳細:機械装置等
次に、機械装置等でございます。通期見通しでは減収・減益を見込んでおります。同様に、下期の見通しを上期対比でご説明申し上げます。
交通・輸送関連は、自動車向けの量産部品が主力アイテムの減産影響により、若干減収を見込んでおります。
機械設備関連は、機械販売台数の納入数が増えてくる見込みですので、上期に対しては増収となる見込みでございます。
営業利益につきましては、増収により増益を見込んでいるところでございます。
中期経営計画2017
次に、中期経営計画の進捗につきまして、ご説明申し上げます。2017年4月6日公表の中期経営計画の業績目標はご覧のとおりでございます。
重点施策は着実に進んでおりまして、計画どおりに進捗しているという状況でございます。 これより主な重点施策の進捗についてご説明申し上げます。
航空機エンジン部品事業の拡大
航空機エンジン部品事業の進捗につきましてご説明いたします。低圧タービンブレードは前期の下期より本格生産に入り、今期上期で黒字化し、計画どおりに進捗いたしております。
圧縮機・燃焼器部品につきましては、今期下期より本格生産に入る予定としております。このことから、航空機エンジン部品事業は計画どおり、2019年2月期には黒字化を見込んでおり、長期に渡って事業の柱になると見込んでいるところでございます。
今後はこの2つのアイテムを長期に渡って安定供給を行うと同時に、これを足がかりに海外OEMも含めまして、部品メーカーを目指して進んでまいります。
既存事業をより強化①
次に、既存事業の強化についてでございます。
初めにガスタービン関連部品でございます。中期経営計画にそって顧客の海外グループへの部品供給やメンテナンスサービス事業などの新たな展開を始めており、早い段階で顧客をよりサポートできる体制の構築を進めているところでございます。
この目的は今まで培った当社の技術を国内に留まらず、グローバルな土俵で活躍できることを目指しているものでございます。
既存事業をより強化②
次に金型でございます。シェア拡大のための生産体制強化を計画に沿って推進しているところでございます。
現在アルミ押出用金型は産業品向けの撹拌を行うため、三次元解析を駆使した設計技術の構築を図っております。
また、成長が見込まれる樹脂押出用金型は設計を含めたトータルサポートができる体制を目指して進めているところでございます。
セラミックスハニカム押出用金型は、世界の環境規制強化を背景とした排ガス浄化用部品の需要増大を受け、更なる増産要求に常に応えられるよう、生産体制の強化を図っております。更に顧客の新たなニーズに貢献できるような技術開発を行っているところでございます。
既存事業をより強化③
機械装置等につきましては、既存の市場である金属プレス加工業界に加え、金属と新素材を組み合わせた、いわゆるマルチマテリアル化の成形技術と成形用サーボプレスの開発を加速させております。
当社のプレス機は、他社には類のない精度のプレス機として、主に金属プレス加工業界を市場として参りました。
現在高機能フィルム、炭素繊維、高機能樹脂などを用いて新製品を検討しておられるさまざまな企業から新たなニーズが出てまいりました。
これを実現するために材料メーカーや設備メーカー、更には商社など他社との協業で強力に現在進めているところでございます。
新規事業・新規アイテムの開拓
新たな取り組みといたしまして、IoT技術を駆使したリアルタイム監視から高性能加工を行えるプレス機械データと金型データの融合に成功いたしました。
これはプレスの成形中の変化を金型からの情報として取り込み、サーボプレスがリアルタイムに条件を変更する高性能加工の成形を維持できる環境を実現いたしました。
当社のプレス機はデジタルサーボ機構でございまして、高い制御機能を持っているからこそ実現できる技術でございます。
今後は更にAI技術などを駆使することで、最適成形条件を導き出せるような技術を開発し、無人化を可能とするプレス機を目指してまいります。
以上でご説明を終了させていただきます。ご清聴ありがとうございました。