2017年7月期決算説明会
大倉忠司氏(以下、大倉):みなさま、こんにちは。株式会社鳥貴族代表の大倉でございます。本日はお忙しい中、弊社の決算説明会にご参加いただきありがとうございます。それではさっそくでございますが、説明会を始めさせていただきます。
業績ハイライト(前期比)
最初に業績の前期比をご説明させていただきます。
売上高は293億3,600万円、前期比119.7パーセント。
売上総利益は199億3,200万円、前期比118.5パーセント。
販管費及び一般管理費は184億7,500万円、前期比121.3パーセント。
営業利益は14億5,700万円、前期比91.3パーセント。
経常利益は14億2,600万円、前期比92.2パーセント。
当期純利益は9億6,700万円、前期比98.6パーセントとなりました。
売上高には新規出店の58店舗が寄与いたしました。
その反面、営業利益・経常利益・当期純利益が前期よりも落ちた要因として、食材国産化の影響、30周年記念キャンペーンの影響、仕入価格の高騰、人件費・その他の経費の増加などがございます。
既存店売上高前年比推移
既存店売上高前年比推移をグラフにあげております。
前期(2016年)の6・7月がとくに落ち込みましたが、テレビの影響で前年(2015年)の6月・7月が110パーセント近く上がった反動の影響でございます。足元8月は若干落ちましたが、ほぼ前年並みに戻ってきております。
既存店売上高前年比推移(エリア別)
こちらが既存店売上高前年比推移(エリア別)になっております。
とくに関東の既存店前年比推移が厳しかった要因といたしまして、これはあくまでも想定内なのですが、鳥貴族同士のカニバリの影響、また鳥貴族の模倣店が急増したと言いますか、これも均一価格などの模倣店が多くなった過去の事例を見ましても、だいたい半年から1年後には戻るといったことで、今後、既存店は堅調に推移するのではと考えております。
店舗数推移
店舗数推移のグラフでございます。直営店の新規出店は58店舗、TCC(鳥貴族カムレードチェーン)店の新規出店は20店舗です。32期も引き続き関東を中心に、直営店は80店舗純増、TCC店は23店舗純増を計画しております。
業績ハイライト(予想比)
業績ハイライト(予想比)でございます。
下方修正もいたしましたが、当初の予想と比較しまして、売上高は95.4パーセント、売上総利益は94.6パーセント、販管費及び一般管理費は96.7パーセント、営業利益は74.3パーセント、経常利益は74パーセント、当期純利益は83.1パーセントとなりました。
対当初予想比との主な減少要因といたしましては、新規出店の遅れ、未達がございまして、計画比マイナス22店舗となりました。
あとは、先ほど申し上げた30周年記念キャンペーンの影響、食材仕入価格の高騰、人件費等がございます。ただ、修正予想はほぼ計画どおり、若干上振れで着地することができました。
業績ハイライト(当初予想比)
こちらは当初予想比をわかりやすくしておりますけれども、(営業利益は)原価高による既存店粗利減少でマイナス1億7,200万円。
キャンペーン影響でマイナス6,200万円。既存店人件費増加がマイナス2億9,500万円。逆に出店遅れ・未達による販管費減少で2,700万円プラス。トータルでマイナス5億200万円となりました。
貸借対照表
貸借対照表でございます。
資産の部で、流動資産は、出店・店舗数増加に伴う現預金が約11億9,300万円増加いたしました。固定資産は、店舗数増加による建物、リース資産、差入保証金の増加で22億7,100万円。トータル34億6,400万円の増加で、資産合計は159億4,200万円となりました。
負債の部でございます。流動負債がプラス14億700万円。固定負債がプラス12億6,500万円。負債合計で26億7,300万円の増加となりました。
純資産は当期純利益の計上で、プラス7億9,100万円。63億3,300万円となりました。
自己資本比率は、前期よりも4.7ポイント下がって39.7パーセント。ROEも3.1ポイントマイナスになりまして、16.3パーセントという結果になりました。
キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況です。営業キャッシュ・フローは30億円。投資キャッシュ・フローはマイナス23億9,400万円。財務キャッシュ・フローは4億8,000万円。フリーキャッシュ・フローは合わせて6億600万円。
現金及び現金同等物の期末残高はプラス11億9,300万円となりまして、47億3,500万円となっています。
中期経営計画の振り返り
続きまして、中期経営計画の振り返りを説明させていただきます。
中期経営目標といたしまして、3商圏500店舗、売上高250億円。既存店売上は、年間101パーセント(対前年)でございます。経常利益率は5パーセント以上維持という目標を立てました。
重要施策は、新規出店の強化、国産国消への挑戦、人財基盤の強化でございます。
重要施策 実施結果 新規出店の強化
新規出店の強化でございますが、関東を中心に、3ヶ年で直営店を155店舗、TCC店を56店舗出店しまして、中期経営計画最終年度末時点567店舗で着地しました。中期経営目標である500店舗を大幅に達成いたしました。
重要施策 実施結果 国産国消への挑戦/人財基盤の強化
続いて、重要施策の国産国消への挑戦でございます。これも当初計画どおり、3ヶ年でフードに使用する全食材の国産化を達成することができました。
天候不順による影響を受けたものの、お客さまにはご好評いただきまして、既存店売上高の向上に寄与したと考えております。
今後も自然災害や店舗数増加に対応した、安定供給の確保に努め、「国産国消」は継続していきます。
次に人材基盤の強化でございますが、多様な勤務形態の創設をいたしました。地域限定、また短時間社員などでございます。
また子ども手当の充実化等の制度改定。子ども1人あたりの手当を増額いたしました。次に研修制度を整備し、階層ごとの技能・知識の習得も推進してきました。そして、退職金制度も拡充いたしました。
中期経営目標 達成状況
中期経営目標の達成状況でございます。
店舗数、売上高は目標を達成いたしました。既存店売上高前年比は、29期から30期が107パーセント台と好調に推移し、当初見込みよりも大きく上振れしたものの、31期は未達で着地しました。
ただ31期単年度計画は、100.3パーセントで実は計画しておりまして、単年度では計画どおりの着地となりました。
経常利益率は31期において、原価率や人件費の増加等により、若干未達となりました。
業績推移
続いて業績推移でございます。中期経営目標の一部が未達となりましたが、3ヶ年中計により成長は加速できたと思っております。
一方で最終年度が減益となりましたので、今後は出店のさらなる加速と利益効率の改善を課題と認識しております。
価格改定について
次に8月28日にリリースした価格改定についてご説明いたします。
今回の改定の背景といたしまして、昨今の経済的諸条件および今後の見通しを総合的に検討した結果、10月1日より価格を改定いたします。
その理由といたしまして、労働需給逼迫を背景とした人件費の中長期的な上昇。国産食材の仕入価格高騰のリスク。そして6月より施行された酒税法改正の影響。
このようなことを総合的にふまえまして、10月1日より280円(税込302円)だった(フード・ドリンク)価格を、298円(税込321円)と約6.4パーセントアップいたしました。28とりパーティーも2,800円(税込3,024円)だったものを、2,980円(税込3,218円)と改定いたします。
価格改定について 改定による影響
改定による影響でございます。まず売上高は、価格が上がる一方で、価格改定によるマイナス影響がマイナス3パーセント程度生じる可能性があると想定しております。
これはあくまでも想定でございまして、過去の同業他社さん、いろんな企業のデータをもとに想定しております。経費が通常のメニュー改定に合わせるため、メニューブック等の店舗備品の切替経費は軽微でございます。
また価格記載のある看板は消費税増税前から随時変更を実施しておりまして、直営店は残り41店舗。当初より32期での変更完了を計画しており、損益へ与える影響は軽微だと考えております。
中期経営計画“うぬぼれチャレンジ1000”
それでは、中期経営計画を発表させていただきます。今回は初めて名称を付けまして、「うぬぼれチャレンジ1000」といたしました。
経営理念・ビジョン
「鳥貴族のうぬぼれ」は、弊社の永遠の理念でございます。焼鳥屋で世の中を明るくするという“うぬぼれ”を付けさせていただき、1000は1,000店舗を目指すという意味でございます。今回は2018年7月期から2021年7月期の4年を計画しております。
新中期経営計画“うぬぼれチャレンジ1000”
長期ビジョンとしては、「国内2,000店舗体制&海外進出・展開」へ向け、まず国内での盤石な「鳥貴族」ブランド確立と海外進出へ向けた知名度の向上を目指し、新中期経営計画“うぬぼれチャレンジ1000”を策定いたしました。
経営方針は今回も同じでございまして、「鳥貴族」単一業態によるチェーン展開です。中期経営目標(2021年7月期末時点)は、3商圏1,000店舗。営業利益率8パーセントを目指すということでございます。
そのための重要施策が、新規出店の強化、人材基盤の強化でございます。こちらは前回も同じでございますけれど、新たに経営効率の改善を施策にしております。
重要施策
重要施策の新規出店の強化でございますが、情報元母集団増加による情報入手量の増加。成約期間、工期短縮による出店スピードの向上。店舗開発、建築担当者の増員および教育による強化をしてまいります。
人材基盤の強化は、新卒採用数の拡大、中途採用数の維持・向上。次に労働環境の維持・向上による離職者数の抑制。離職率はおかげさまで年々下がってきております。そして社員教育体系のブラッシュアップによる全社員の成長促進といった強化を考えております。
最後に、経営効率の改善でございますが、新店の早期黒字化。店舗営業時間の見直しによる店舗利益効率の改善。店舗運営、仕込みオペレーションの効率化。IT活用による店舗運営の効率化で、経営効率の改善をしてまいります。
業績計画
続いて、中期の業績計画でございます。今期から毎期100店舗超を出店してまいりまして、これはTCC店と合わせてですけれども、最終年度には1,000店舗を超える計画でございます。
今期(2018年7月期)の売上高は369億円。そして(2019年7月期は)440億円、(2020年7月期は)540億円、最終年度(2021年7月期は)640億円を計画しております。
営業利益・営業利益率は、今期(2018年7月期)は営業利益23億円、営業利益率6.4パーセント。そして次(2019年7月期)が営業利益29億円、営業利益率6.6パーセント。(2020年7月期は)営業利益37億円、営業利益率6.9パーセント。そして最終年度(2021年7月期は)営業利益51億円、営業利益率8パーセントを計画しております。
投資・財務・株主還元方針
次に投資・財務・株主還元の方針でございます。
投資方針“うぬぼれチャレンジ1000”の期間中は、将来の成長に向けた投資を継続的に実施してまいります。
まずタッチパネル等の店舗運営効率改善へ向けたIT投資。たれ工場への投資。既存の大阪工場の改善と、第2工場の新設も計画しております。続いて、長期ビジョンである「地方、海外進出」の準備。そして最後に、店舗安全衛生強化のための既存店の修繕等の投資。
財務方針でございますが、成長を加速させる一方、業容拡大に伴い自己資本比率の低下が想定されますが、やはり自己資本比率は40パーセントを目安とし、一定の財務健全性を維持してまいります。
株主還元基本方針は従来と同じで成長戦略への内部留保を優先いたしますが、その中で安定的かつ継続的な配当を基本とし、株主還元を実施してまいります。
2018年7月期 業績予想
2018年7月期の業績予想を説明させていただきます。
売上高が369億3,900万円、前期比125.9パーセント。これは既存店売上高、前年同期比104パーセントと想定しております。
営業利益は23億6,300万円、前期比162.2パーセント。経常利益22億8,100万円、前期比159.9パーセント。当期純利益13億3,900万円、前期比138.4パーセントでございます。
配当予想及び株主優待
次に、配当予想および株主優待でございます。
基本方針は成長戦略への内部留保を優先いたしますが、その中で安定的かつ継続的な配当を実施いたします。
今期におきましては、配当金・優待制度は前期並みを計画しております。以上で決算説明は終わらせていただきます。ありがとうございました。