業績サマリー
守安功:それでは、株式会社ディー・エヌ・エー2017年度第1四半期の決算のご報告を始めさせていただきたいと存じます。
まず、全社業績のサマリーですが、第1Q、売上収益が365億円。営業利益IFRSベースで64億円。営業利益Non-GAAPで74億円。スポーツ事業を除くNon-GAAPの営業利益が52億円で着地をしております。
Non-GAAPの営業利益については、おおむね期初の見通しどおりという着地になっております。
一方で、後ほどご説明させていただきますが、一過性の費用を計上したことにより、IFRSの営業利益については期初の見通しを下回る結果となっています。
また、営業利益の下、昨年度、欧米の子会社解散等を行ったことから、税金のメリットが取れると見込んでいたんですが、そこのメリットが取れないということで、四半期利益に関しては、当初の見通しをそれぞれ大きく下回るということになっております。
セグメント別業績(IFRS)
続いて3ページ目、セグメント別の業績になります。
こちら、e-コマースの営業利益がマイナス5億円で赤字になっておりますが、これが先ほどお話しした一過性の要因によるものでございます。
費用構成(IFRS)
続いて4ページ目、費用の構成になります。
販促費・広告費です。1番振れ幅の大きいところに関しては26億円で、だいたい通常の枠内の安定した推移になっていると考えております。
ゲーム事業
続いて5ページ目、ゲーム事業の結果になります。
左側の個人消費、それから営業利益とも、昨年度の第4Qが、新作のタイトル、そして既存のタイトルの主力の大型タイトルすべてが非常に好調に推移した結果、第4四半期に関しては大きく跳ねたんですけども、その反動もありまして、第1Qに関してはその水準からは下がっていることになっておりますが、おおむね期初の計画に沿った数字になっています。
また、今クォーター、第2四半期についてもおおむね個人消費・営業利益とも、だいたい第1四半期と同程度の水準になるのではないかなという見通しを持っております。
EC事業
続いて6ページ目、e-コマース事業になります。
左側(グラフの)売上は、トップライン、微増ではありますが、順調に成長をしております。
一方で、利益のところが、e-コマース事業全体で赤字となっておりますので、こちらについて補足説明をさせていただきたいと思います。
今回、一過性の費用として、昨年度以前の、DeNAトラベルの一部取引にかかる原価の計上漏れ等の修正を行い、その発生可能最大額の8.7億円を費用で処理したことが原因になっております。
従前から会計それから業務システム上のデータに差異があるような場合には、都度修正を行ってきたんですけども、抜本的な対策を行うために、人的なリソース、それから会計システムの整備、データの精査を行ったところ、追加で計上すべき費用の最大額が今回判明したということになります。
発生可能最大額が8.7億円で特定できたことと、この金額自体が当社の連結業績全体に、影響としては限定的であるということと考えております。
この(データの)ずれ自体は過去から少しずつ積み上がってきたものではあるんですけども、今回、第1四半期に、全額費用として処理をしているということになっています。
スポーツ事業
続いて7ページ目、スポーツ事業になります。
業績は好調でございます。資料の左側のグラフ(主催試合平均観客動員数推移)にあるように、観客動員数が1試合平均順調に今期に関しても成長しております。
2万7,500人ということになっておるんですけれども、今(シーズン)キャパシティが2万9,000席ぐらいですので、ほぼ満員の試合が多くなっているということで、ファンの方にも、球場に入れないということでご迷惑をおかけしていることもあって、今横浜スタジアムの増席というようなプランを進めております。
2020年に東京オリンピックで利用されますので、それに間に合わせたいと考えておりまして、増改築がプランどおり進むと、プラス6,000席の、3万5,000人が収容できるスタジアムになる予定となっております。
また横浜市との間で、今スポーツを中心として、スポーツ以外の、当社いろんな事業を行っておりますので、そういう事業も活用しながら、地域の活性化に貢献していこうということで、包括協定を結びました。
愛称『I☆YOKOHAMA協定』を結んでおりますので、今後スポーツを中心にいろんな事業で横浜市と連携をしていきたいと考えております。
事業ポートフォリオの強化と中長期の成長イメージ
続きまして、事業戦略の進捗になります。
先月、決算発表ではないんですけれど、経営戦略説明会で、中長期に関しての考え方を説明させいただきました。その中で主要なスライドを抜粋させていただいております。
まず、中長期の長期についてはだいたい10年ぐらいのスパンで考えているんですけれども、中長期的な考え方として、まず現状の主力事業であるゲーム。収益的にかなり今、ゲームに頼っているかたちなんですけれども。
やはり、この主力事業のゲームというのは、今後も強化をしていくことによって継続的に成長させていきたいと考えております。
一方で、長期的に考えた場合にゲーム事業に匹敵するような規模感を持った事業を複数作っていきたいと思っておりまして、その結果として全社の営業利益が1千億円ぐらいの水準まで、長期的にはもっていきたいと思っております。
その重要なマイルストーン、チェックポイントとして、2020年度を位置づけておりまして。
こちらに関しては、そのゲーム事業以外のその他の事業について規模感というところを重視というよりは、今後その長期的な大きな成長していく事業になる柱の礎がきっちり作れているところが、当然もちろん内部的にもですが、みなさまにもきっちりご説明できるものを作ることで、長期的な成長の柱がきっちり作られているところの蓋然性を高めるところに重きをおいて、経営していきたいと思っております。
また、ポートフォリオの強化にあたっては、M&Aも積極的に活用していきたいと思っています。
事業ポートフォリオ
ポートフォリオとしては、今の主力のゲーム、エンターテインメント事業がございますが、それ以外のスポーツ・ヘルスケア・オートモーティブ・EC、ネットサービス という、この5つを主力事業にしていきたいと考えておりまして。
これらを当社の強みであるインターネットと、今後強化していくAIと活用して、事業を成功させていきたいと考えております。
ゲーム事業(任天堂との協業)①
続きまして、各事業のご説明に移りたいと思います。
まず、ゲーム事業に関してですが、今回も任天堂さんとの協業に関して、追加で新しい情報というのはお出しできませんが、まずすでに運営している『ファイアーエムブレムヒーローズ』、それから『Super Mario Run』、昨年度に運営しておりまして、非常に多くのお客様に遊んでいただいております。
今後も運営を継続的に強化していくことによって、長期的にご利用いただける、楽しんでいただける、そんなタイトルにしていきたいと考えております。
ゲーム事業(任天堂との協業)②
12ページ、新規と今後のところですけれども、すでにご案内の『どうぶつの森』と、また今後のタイトルというものもあるんですけれども。
今回に関してそのタイトルが何になるのか、いつを予定しているのかというような、アナウンスに関しては、また報告できるタイミングにおいて、説明をさせていただきたいと思います。
ゲーム事業(その他の内製・協業タイトル)
13ページ目、ゲーム事業(その他の内製・協業タイトル)で、最近数回ご紹介している『逆転オセロニア』ですけれども、非常に順調に成長を続けております。
運営も強化しているんですけれども、マーケティング、プロモーションを行ったときの反応が非常によいということで、ダウンロード数がどんどん増えております。
また、7月から8月にかけてのテレビCMを実施していますけれども、今後もさらにプロモーション強化していくことによって、今以上の大型タイトルにできる手応えというものを感じていますので、今後もこのタイトルを強化していきたいと考えています。
右側が新作として、『歌マクロス スマホDeカルチャー』というIPタイトルを先週リリースいたしました。
まだ1週間経っていないタイトルではありますが、初速としては非常にダウンロード、【時短レートともに、非常にKPI順調に行っていると思っております。
『マクロス』のファンの方に非常にささったタイトルになっているのではないか思っておりまして、定性的なレビュー等の評価も高いということで、今後非常に期待が持てるのではないかと考えております。
新規事業・その他 トピックス(メディア事業)
続いて14ページ目、メディア事業、旧キュレーションプラットフォーム事業になります。
こちら先週すでにアナウンスさせていただいておりますが、小学館さんと共同で新会社を作るということで、株式会社MERYという名称で、昨日会社の設立を終えております。
出資比率に関しては、当社3分の1で、持分法適用会社という位置づけになります。
株式会社MERYという名前からおわかりのように、サービスも「MERY」を提供していきたいと思っておりますが、その運営体制等については抜本的に刷新を行い、また記事の作成、記事作成に関する、とくに編集とか校閲とか、我々ディー・エヌ・エーが持っていないノウハウ等に関して、小学館さんのお力を借りることによって健全なメディアとして新しい「MERY」を運営していきたいと考えております。
当社単独で運営を予定している媒体というのはございませんので、連結から外れることも含めて、このメディア事業の損失というのは、基本的にはゼロに近づいていくことを予定しております。
新規事業・その他 トピックス(オートモーティブ事業)
そして15ページ目、新規事業の中から1つトピックとして、オートモーティブ事業で新しい取り組みを開始予定ですので、ご紹介させていただきたいと思います。
「タクベル」ということで、タクシーを呼ぶイメージ連想していただけるような、いわゆるスマホの配車アプリを提供したいと考えております。
特徴として、各種いろんなビッグデータを活用することによって、ユーザーさんが必要なタイミングでタクシーも(ユーザーさんの)近くを通れるようにということで、需要予測を行っていくことで、AIを活用していくと考えておりまして、配車アプリ、それから需要予測を合わせて、タクシー会社さんの売上に貢献できる事業にしていきたいと思っております。
こちら、まず最初に横浜市、それから神奈川県のタクシー協会に協力をいただいて、来月から横浜市の一部のエリアで実用実験を開始したいと思っております。
先ほどのスポーツ事業のところでご説明させていただいたとおり、「I☆YOKOHAMA協定」を結んでおりますので、このような取り組みを、今後いろんな事業においても展開をしていきたいと思っております。
2017年度第2四半期 連結業績予想
最後、17ページ目(連結業績予想)になります。
売上・利益面ともに、だいたい第1Q並みの水準を予定しております。
IFRSの営業利益に関しては、第1Qの一過性の費用が発生しておりましたので、第2Qはそれを見込んでおりませんので、IFRSの営業利益のみ第1Qから大きく上がるかたちになりますけど、基本的には第1Qと同程度の水準ということで第2Qは見込んでおります。
私からの説明は以上になります。ありがとうございました。