決算総括

家次恒氏:おはようございます。本日は2017年3月期の決算説明をします。今回からIFRS基準です。

今回の決算の総括、前期中計の振り返り、4月1日から3年間スタートしている新たな中計、最後に今期の業績予想を説明します。

まず決算の総括です。売上が2,489億円で1.1パーセントマイナスです。

従来16期連続増収、15期連続増益でしたが、今回は減収減益でした。営業利益が約15パーセントダウンしました。

中身について、現地通貨ベースでは増収していますが、円高の影響が10パーセントから15パーセントほどありました。

シスメックスの場合は、海外のウェイトが80パーセントを超えており、従来よりも為替の影響をさらに受けやすい状況です。

減収減益になったのは痛恨の極みですが、さらに成長さすべく、経営努力をしていきたいと思います。

為替の影響で売上は264億円、営業利益は111億円のマイナスインパクトです。

当期利益は日独租税協定の改定の影響等もあり、若干のプラスになっています。

売上高・営業利益の増減要因

それぞれのブレークダウンですが、売上営業利益の増減要因は、現地通貨ベースで売上は伸びています。

連結財政状態計算書の増減要因

それから財政状態に関しては、特筆することはありません。

キャッシュフローの推移

キャッシュフローですが、若干為替の影響がありますが、状況は悪くないと考えています。

トピックス

トピックスですが、シーメンスヘルスケア社との血液凝固関連製品のグローバルアライアンスを更新したこと、5月から台湾の代理店を買収し直接販売サービスをすること。

それから東アジアにおいて、韓国、台湾、モンゴルと加え、一緒に日本から全体を見ていくことを行っています。

それから理研ジェネシスを子会社化し、特にゲノム医療の実現で非常にいい戦力になると考えています。

それから本格的に今期、アメリカのクエストのディールが取れました。これでラボコーブとともに、アメリカの大手の検査センター両方とも取れました。

それから「ダヴ・ジョーンズ・サステナビリティ・ワールド・インデックス」に選定されました。

所在地別売上高

所在地の売上高は、全体の地域のブレークダウンをしていますが、現地通貨ベースで、米州は12パーセント増と2桁増ができました。

EMEA(Europe, the Middle East and Africa)は5.9パーセント増です。

それから中国が8.3パーセント増と、前々期が23パーセント伸びていることから、明らかにダウンしています。

それからアジア・パシフィックは円ベースだと、5.5パーセント増ですが、多くの通貨があり、現地通貨ベースで計算すると、13.4パーセント伸びており、2桁成長しています。

日本が9パーセント増です。従来低迷しており、2.3パーセントという伸びでしたが、伸びてきています。

そういう中で為替レートですが、中国が厳しい状況の中で、新興国売上高の比率が若干ダウンしました。

事業別売上高

事業別はそれぞれ円ベースだと、ヘマトロジーが横ばいで、厳しい状況ですが、為替を除いて考えると、それぞれの中で伸びています。

尿は日本とEMEAで新製品の導入がありました。EMEAの導入が半年ほど遅れています。

中国とアメリカはまだですが、中国は3月末に受け、今期は本格的に新製品の導入ができます。

新製品が入れ替わる時は非常に難しく、従来のものを売り切っていかねばという中で全体の売りが低調です。それから免疫は若干伸びました。

米州における取り組み(所在地別)

所在地別にご説明します。米州は現地通貨で12.1パーセントと2桁の伸びでした。利益ベースもかなり良くなりました。

これはオバマケアの停止によって物品税が停止しており、トランプさんになり、どうなるかということに関して予断を許されません。

いずれにせよ、アメリカのマーケットは成長をするマーケットで西海岸、USは弱かったのですが、拠点を設け進行できたと考えています。

先ほどのクエストが獲得でき、USはかなり好調に推移していくと考えています。

それから中南米は、ブラジルの経済がかなり減速しており、若干減収ですが、他は健闘できています。

EMEAにおける取り組み(所在地別)

EMEAですが、ユーロだけではなく、通貨に非常に問題がありました。

例えばUKはBREXIT(イギリスのEU離脱)の関係で、今は戻ってきていますが、ポンドが少し弱くなりました。

新興国のトルコやロシアではかなり現地通貨ベースで伸びたのですが、為替がユーロベースで厳しい状況で、円ベースになおす状況です。

いずれせよ全体的にはマーケットとして悪くない状況で、先進国はいい状況です。

ただ、Partec、Inosticsと3年前に買収した会社で、まだ経営のレベルが改善されていません。

全般的にマーケットの伸びは悪くなく、着実にマーケットシェアも増えています。

中国における取り組み(所在地別)

中国は現地通貨で8.3パーセント増です。中国は前々期に23パーセント伸ばしました。前々期には免疫をスタートさせ、免疫全体1,000台ぐらいを送りました。

それが徐々にインストールしてルーチン化して、全体で半分と、インストールが終わりました。今後また着実に広げていこうと思っています。

為替もありますが、いずれにしても中国は大きくマーケットが変化しており、国産優遇策という、国産を使う指令が出ています。それぞれの省によって動きが違います。

それから大きな流通改革で、2票制度があります。今まで代理店を介していたのを、メーカーと代理店、代理店とお客様、としていく動きです。

一部の省ではスタートしていますが、全体はそうでもなく、大きく変わってくる可能性があります。中国に関しては、これからキーになるのはやはりサービス&サポートと思っています。

ネットワークSNCSがあり、中国では携帯のネットワークを使ってすべてネットワーキングを進めています。そういう中で、コールセンターも充実させ、いかにサービス&サポートを充実させるか。

そういったことがキーという中、人員も増やしている状況で、収益的にも非常に少し見劣りする状況です。

いずれにせよ、非常にプロミッシングなマーケットで、13億人の民がおりこれから機会があると思っています。

APにおける取り組み(所在地別)

アジア・パシフィックにつきましては、たくさんの国があり、また先進国から発展途上国まであります。全体に免疫もスタートをして少しずつ承認が受け入れている状況です。

今期以降に本格化させていこうと考えており、一方ではインドネシアが国民皆保険制度を充実させています。

ヘルスケアはそれぞれの国が、フォーカスしてきつつあり、今後楽しみのマーケットと考えます。

先ほど台湾も直接販売サービスにシフトするという状況で、アジアは楽しみなマーケットという中でフォーカスしていきたいと思います。

日本における取り組み(所在地別)

日本につきましては、内部は機械、メイドインジャパンなので、オリジナルに送っていく状況です。外部売上の中で日本については、9.1パーセントぐらい伸びました。

理研ジェネシスの子会社化の影響も若干ありますが、日本は従来のペースから少し回復してきています。

これからネクストコアと申しますか、従来のIVD以外のものも、ホームグラウンドの日本で、どうチャレンジしていくかは非常に大事です。

予想配当額

予想配当額は、15期連続増配です。基本的に、配当性向30パーセントを目途に配当していきます。2016年3月期に比べ、年間で6円増配します。

前期は中間で28円の配当をしていますが、期末は30円で合計58円です。配当性向が約3割です。

前中計の振り返り(事業)①

前中計の振り返りとして、成長と収益力の強化、ヘマトロジーのシェア拡大、USではかなり進展をしています。

それからXNの下位市場のものの導入が進んでいます。中国でも今XN-Lが承認され、今期本格化させていこうと考えています。

それから尿分野については、栄研化学さんとのアライアンスにより、グローバルに栄研化学さんの尿の定性の部分が販売できる状況です。

それぞれの地域で登録が必要なので、少し時間がかかっています。グローバルは一気に上手くいかず、中国でようやくでき、USはもう少し時間かかると聞いています。

この状況の中で、尿分野での新製品の市場導入は少し遅れ気味です。為替、成長への投資に関しては、中国やアジアに向けて免疫をスタートさせました。今年が3年目ほどになり、何か成果が必要と考えています。

それ以外に、新たなリキッドバイオプシーや新しいライセンスへのチャレンジをスタートしました。Inosticsを買収したり、それから理研ジェネシスを子会社化しました。

次の時代に個別化医療に対し、チャレンジしどう充実させるかが大切だと考えます。そういう中でクリニカルFCM、Partecというドイツの会社を買収しました。まだ時間がかかっています。

免疫分野の項目を充実させ、試薬をどれだけ増やしていけるかが免疫の収益性には欠かせないため、注力していきたいと思います。

前中計の振り返り(事業)②

それから変革の推進です。人材獲得、企業は人なりで人材が一番大事ですが、グローバルコミュニケーションセンター、新しい研修施設も作りました。

それぞれの地域で人材育成、コーポレート主の人材育成と2つを兼ね合わせた人材育成、人にフォーカスした体制をより強めていきたいと思っています。

一方ではダイバーシティの推進です。4月に障がい者雇用促進としてシスメックスハーモニーという子会社を作りました。積極的に障がい者を雇用していこうと考えており、コーポレートガバナンスの関係からして、監査等設置会社に移行しました。

それから国際会計基準のIFRSを適用しました。以上です。