2017年3月期 連結決算ハイライト
瀬戸健氏(以下、瀬戸):RIZAPグループで代表をしている瀬戸と申します。では、連結の決算ハイライトから申し上げたいと思います。
1番目に5期連続の増収、4期連続の増益を達成。大幅成長を継続してまいります。
2番目に子会社の経営再建が進展し、全セグメントの黒字化の達成。
3番目にM&Aの加速と財務健全性を両立しているということです。
連結損益計算書
今期はすべての指標において、過去最高を更新しました。
前々期554億円の売上から、今年は前期952億円ということで1.7倍。
営業利益は50億円から102億円ということで2倍になっています。
税引き後利益は23億円から78億円ということで3.3倍になっています。
こちらは計画との差異になります。売上に関しましては、我々としてもやはり採算度外視ということはできませんので、保守的に慎重な売上を計上しまして、営業利益に関しましては予算101億円に対して102億円、当期純利益に関しましては予算70億円に対して78億円ということで、利益項目ではすべて上回っています。
連結売上収益・営業利益
連結売上収益は554億円から952億円、営業利益は50億円から102億円ということで、これは先ほどご説明差し上げたとおりです。
連結営業利益率の推移
我々は大きな成長を実現していますが、売上は慎重にしているなかで、営業利益率はさらに向上しているということです。
セグメント別 売上収益
セグメント別の売上ですが、こちらも全セグメントで増収を達成しています。
セグメント別 営業利益
営業利益に関しましても、全セグメントで黒字化を達成しています。
ご参考① 営業利益の内訳(特殊要因を含む)
前期と前々期で何が違ったか、また今期どのようなかたちで変わってきているかと申し上げますと、前々期が営業利益50億円、そして前期が102億円なのですが、前期で大きく変化しているのが、我々は赤字会社をグループ化しておりまして、赤字会社の中で純資産を下回る価格でM&Aに成功しています。
その結果、IFRSになりますと、純資産以下は負ののれんとして計上されますので、そちらが50億円程度計上されているということで、(棒グラフで)緑色になっている58億のところが負ののれんになります。
ただ、赤字の会社をグループ化しておりますので、負ののれんだけではなくて営業損失もついてくるというところで、マイナスもついてきております。それが下の(黄色の棒グラフ)20億円のところになります。
そしてまた、そこに対してプラスで先行投資というのがございまして、それを20億ということでマイナスで出しています。
そういうなかで、前期は負ののれんが50億円程度乗ってきておりますが、今期の予算に関して大きく違うのが、今期の負ののれんというのは、計上が非常に限定されていると予定しています。
そのなかで、前期の営業利益としては実質100億円以上を達成いたしますので、前期(2017年3月期)の実質的な営業利益は前期(2016年3月期)から比べて倍増するというところです。こちらの理由は次のページでご説明差し上げたいと思います。
ご参考② 営業利益の内訳(特殊要因を除く)
これは内訳で、営業利益が前期と比べてどういうかたちで伸びるのかということになるのですが、上から順番に、パスポートが5億5,000万円の赤字から3億円に改善。
イデアインターナショナルも、先日1.8億円の営業利益から3.4億円というかたちで上方修正しています。
夢展望も下期から大幅に改善が進んでおりまして、1.5億円の赤字から7.8億円ということです。こちらは4月ベースでも、売上が前年対比で1.6倍、急激な改善と成長を実現しています。今期は大きく期待いただければと考えています。ジーンズメイトも黒字化です。
(棒グラフ)オレンジのところが美容・健康関連です。こちらが倍増するということで、やはりその中心がRIZAP事業になります。
また今期、ゴルフ事業の売上は前年に比べて、1年間で10倍以上の伸びをたたき出したいと思っています。
利益に関しても大きな赤字を生んでいましたが、こちらのところも収益性が大幅に改善していますので、実績としても黒転レベルまでもっていきたいと考えています。
ぱど社もグループに入ってもらいましたが、3.1億円の赤字が2.3億円ということで、大きく改善していきます。
美容・健康関連事業の増益内訳
みなさん、美容・健康セグメントに関心をお持ちの方もいらっしゃると思いますので、前期と比べてどのようなかたちで伸びていくかという内訳のところ(をご説明いたします)。
美容・健康が36億円の営業利益から86億円というかたちで、RIZAP事業を中心として大きく伸びていますが、その営業利益向上の内訳になります。
RIZAP事業の収益構造が、前期の下期から大きく改善していまして、営業利益はほぼ倍増ということで見込んでいます。
RIZAP GOLFに関しましても7.1億円の利益改善ということで、今期に関しては黒転レベルのところまで見通しが立っています。
グループに入ってもらったマルコは、グループに入る前は6億円の赤字を計上していましたが、わずか7ヵ月で黒転を実現しています。
売上に関しましても、今期は売上・利益ともに単月ベースで大きく改善が進んでいますので、10.6億円の改善が見込まれます。
美容・健康セグメントだけで合計86億円の営業利益を出していきたいと考えています。
連結貸借対照表
また、我々はM&Aを積極的に行っておりますので、「BSは大丈夫か?」というかたちで財務のことをよく聞かれます。
そういったBSやキャッシュフローはまったくマイナスになっていなくてむしろプラス、BSとしても(M&A加速と)財務健全性を両立しています。今期はまた、着地するところでさらに向上している見通しです。
営業キャッシュフロー
第4四半期は営業キャッシュフローとして8億円のマイナスを出していましたが、今期は第4クオーターだけで、営業キャッシュフローとしても43億円のプラスになっています。
こちらは対前年比51億円のプラスになっているということで、営業キャッシュフローベースでも大きく改善・向上していることが実績としても見てとれると考えています。これは棚卸資産とか、そういった在庫が期末にしっかりと売り切れたというところでございます。
これは恒常的に続いていくのですが、RIZAP自体は自社割賦を行っていますので、分割払いを選択いただいているお客様は、平均すると24回払いを中心にやっていただいております。これは信販会社等の契約において、分割していると一括ですぐに入ってくるのですが。
やはり我々はある程度の金利収入というか、実はそこもプラスに働いているのがございます。ただし、そこの返済期間の平均が24ヵ月ありますので、売掛金が24ヵ月あるということで、RIZAPの売上が増えれば増えるほどそこのところも増えていきます。
少しタイムラグはありますが、営業キャッシュフローはそういったところが大きくあるということをご理解いただければと考えています。
配当について
今期発表していた配当金額は9.42円ということでしたが、今期には約12円ということで計上をする予定です。
今期業績見通し
今期の着地になるのですが、前期(売上収益が)952億円でしたが、今期はさらに大きく伸びまして、1,502億ということで1.6倍を計上いたしました。
営業利益に関しましては、102億円から130億円ということで、これは前期と比べて負ののれんを見込むのが非常に少ないなかで、今期の営業利益は実質倍増以上ということで計上しています。
グループ会社の経営状況
グループ会社の経営状況ということで、今期のポイントとして、RIZAPの成長だけではなくて、そもそもグループ会社の収益はどうなのかということで、非常に注目いただくことが多かったのですが、こちらが今どうなっているのか、これからどうしていくのかをご説明差し上げたいと思います。
過去のM&A案件
前期はこのようなかたちでグループ化しています。我々としては、やはりこちらの会社の再生がしっかりできるかどうかが非常に大きなポイントになってくるかと思います。そちらについて、これからご説明差し上げたいと思います。
営業利益の状況(主な事業・グループ企業別)
少し数が多いので、さらっとご覧いただくのが一番いいかなと思います。我々のグループになっていただいて、続々と黒字化しているというところです。
数字は半期ごとに出しています。こちらは後ほどご覧ください。
上場子会社 成長戦略の概要
上場子会社の成長戦略ということで、この3社は昨日から株式市場でストップ高を出していますが、本日は会社自体のところをご説明差し上げたいと思います。
成長戦略ハイライト(マルコ)
マルコはグループに入っていただいたのが去年の7月になります。その前期・前々期においては、営業損失として6億円を計上していました。
このマルコという会社はRIZAPと非常に収益構造が近い会社でして、RIZAPとのシナジーも非常に高いというなかで、岩本の社長就任後7ヵ月間でコスト構造も収益構造も大幅に改善することに成功いたしまして、半年間で黒字化を達成しています。
(営業利益)1億3,500万円ということで、コスト削減しただけではなく1店舗あたりの収益性・売上も月を追うごとに大幅に改善しています。今期も月単位で伸びてきておりますので、さらなる成長を実現していきたいと思います。
1店舗あたりの売上高のところも7月から急ピッチでやっています。一般的な会社であればコストだけというかたちになると思いますが、コストも1店舗当たりの売上も改善しています。
売上高に関しましても、前期の下期から急回復を見せています。前期の134億円から、今期は150億円を見込んでいます。
営業利益に関しましても、前々期は6億円、前期は1億3,500万円、今期は12億円ということで、今期は大きな成長を必ず実現していきます。
成長戦略ハイライト(イデアインターナショナル)
イデアインターナショナルに関しましても、グループ入りするまでは何年も赤字を計上しておりましたが、グループ入り後は継続して黒字を計上しています。
売上も前期にグッと伸びまして、先日77億円に上方修正いたしました。
来期の予算は90億円ということで、来期は計上したいと思っています。イデアは6月決算ですので、これは見通しということでご理解いただければと思います。
今期は2億6,400万円の営業利益を予算として計上していましたが、今期は3億4,000万円というかたちで先日上方修正いたしました。
来期の予算につきましても4億500万円ということで、これは先日4億円という中期計画を発表しましたが、こちらも上方修正いたしまして、来期は5億円というかたちで計上させてもらいたいと考えています。
成長戦略ハイライト(夢展望)
夢展望も新社長への交代後に大きく改善・成長を実現いたしました。
売上高に関しましても、卸売事業はうちのところでもずっとトントンというか、それ以外のネットの売上がほとんどを占めておりましたが、そちらも下期と比べて1.3倍というところです。
売上がかなりのスピードで落ち込んでいた会社ではあったのですが、半年間でこちらも急回復しています。こちらはさらに4月になりますと、売上高が前年対比で1.6倍ということで、月を追うごとに大きく成長改善できています。
営業利益に関しましても、前年下期は2億4,600万円の赤字でしたが、前期は黒字に転換しています。
売上高に関しましても、今期は31億円から52億円ということで計上させてもらっています。営業利益に関しましても、7億8,000万を計上できる見込みになりました。
さらなる成長に向けて
さらなる成長に向けてということで、ご説明を差し上げたいと思います。
我々の企業理念は、「『人は変われる。』を証明する」ということでございます。このマズローの欲求5段階説はみなさんよくご存知だと思いますが、グレーの(図の)一番下から始まって、生理的欲求だったりという「生活必需品産業」は扱えませんが、自己実現において一人ひとりが自分自身を肯定できて、自分の現在や未来を肯定できるような商品・サービスを開発・提供していきたいと考えております。