2016年度12月期決算説明会
サラ L. カサノバ氏(以下、カサノバ):みなさん、こんにちは。お忙しいなか、またカナダのような寒い天候のなか足を運んでいただき、ありがとうございます。
本日は、2016年度12月期における本社の収益結果の概要と、2017年度の戦略の概要について説明いたします。2ページをご覧ください。
2016年度、私たちは予想を大幅に上回り、既存店売上高プラス20パーセントを達成しました。その結果、売上は昨年度に比べ大幅に上がりました。
そして私たちは、今日発表されたように、11月期に発表した改訂に伴い、今後の見通しのための更なる改正案を作り出しました。
この場をお借りして、私たちの構想をサポートし、店舗へ足を運んでいただいたすべてのお客様へ感謝の意を伝えたいと思います。
そして、マクドナルドからお客様が望むメニューとレストランでの経験をマクドナルドから発信するよう、私たちが全力で努めて参りますことをお客様へお約束します。より詳細な結果は、財務部の中澤が少し後に発表いたします。
QSCの向上と人材への投資
3ページをご覧ください。2016年度初期、私たちはビシネスを好転させるよう、ブランドへのお客様からの信頼と楽しさを取り戻すため、必要とされる行動に全精力を傾けてきました。
2016年度に入り、私たちは消費者の深い洞察に基づき、計画を回復させること、お客様がマクドナルドに欲しているものを提供することに集中しました。
お客様はおいしい食べ物と毎日食べられる予算のメニュー、最高のQSC、クオリティー(質)、サービス、クリンリネス(清潔さ)をビジネスで、そして現代の食事環境に求めていると言いました。
みなさんは、これらすべてを情熱的、精力的に切望しているのです。マクドナルドだけがそれらを提供できるのです。
これら消費者の意見を取り入れ、私たちの計画の好転に集中したことで、レストラン存続のための利益性を改善しました。
ここでは、私たちが行ったすべての行動の詳細はお伝えしません。みなさんは、それらの概要をすでにお持ちになっていると思います。
多くのお客様は、私たちが昨年立てたさまざまな戦略に応えてくれました。そして私たちのレストランに足を運んでくれました。私たちはお客様の信頼を取り戻すことに成功したと言えます。
そして私たちは、クオリティー、サービス、クリンリネスをレストランと人材に投資することで改善しました。そしてその結果、多くのお客様、とくにご家族連れのお客様のご利用が以前のレベルにまで回復したのです。
昨年は、13億人以上のお客様がレストランをご利用しました。そしてデジタル、ソーシャルエンゲージメントプログラムを含む画期的で楽しいプロモーションと、お客様が気づいた変化や経験について大変多くのポジティブで好意的な意見をいただき、大変勇気付けられました。
多くの利潤を生み出したこと、お客様の信頼を取り戻せたこと、ビジネスが回復したこと、将来の総利益の基盤を築いたことで、今、私たちは喜びでいっぱいです。
ですが、私たちはまだ満足しておりません。2017年以降、私たちのビジネスをより強固なものにするため、多くの取り組みに挑まねばならないということを肝に命じています。それでは、2017年度のことについて発表します。スライド4をご覧ください。
2017年の3つの成長戦略
2017年では、全店売上高を450億円、連結売上高は236億5,000万円、連結経常利益は8億5,000万円と見込んでいます。
私たちは、今年の戦略をしっかり遂行することでこの目標を達成すること、去年作った強固な基盤をさらに強くすることができると信じています。
去年に続き、1月には14ヶ月に渡って、先週お伝えした通り、プラスの既存店売上高を記録しています。5ページをご覧ください。
私たちは、ビジネスの回復という課題を終え、次のステージとしてビジネスを強化することに重点をおきます。
そのために、お客様が伝えてくださった、みなさまにとって最も大切な3つの柱に集中します。それは、価値のあるメニュー、レストランでの経験、そしてブランド戦略の従事です。 それぞれの柱には基盤が必要です。
私たちは、2016年に立てた構想を強化し、それぞれのエリアでそれを築くことによってビジネスを推進します。
メニューエリアでは、お客様に喜んでもらえるよう、継続的においしいメニューをお届けします。価格のエリアでは、エクストラヴァリューメニュー(EVM)の選択、そしてヴァリューランチを毎日利用しやすいよう、金額に見合う価値や手頃さを考慮しつつ強化し続けます。
レストランでの経験を強化するために、昨年、私たちは555の店舗を作り直しました。私たちの歴史の中で最も多い数字です。
そして今年の私たちの目標は、350〜400以上の店舗を作り直し、2017年度末までに80パーセントをモダン化するということです。
私たちは、店舗での清潔さやおもてなしを強化するために投資し続けます。そしてやっと、楽しくワクワクするような、マクドナルドしかできないようなプロモーションと共にお客様と関わり続けることができます。6ページを開いてください。
2016年度での3つの柱を強化することに加え、2017年度は、おいしさ、利便性、そして人といった3つのエリアを開拓します。
楽しさ、ワクワクすること、そしてお客様に適切な存在であるために、私たちは顧客関与への気持ちを高めていきます。7ページを見てください。
マクドナルドの「おいしさ向上宣言」
第一に、私たちはマクドナルドの食品の味と質の向上に努めます。そこで1月12日にその取り組みを少しデコレーションした「おいしさ向上宣言」という言葉で発表いたしました。
それが意味するものは、マクドナルドのメニューを最上のおいしさへ引き上げることです。レギュラーメニューに関してもおいしさを追求していきます。
この宣言のもとにできた最初の商品は、新しいプレミアムコーヒーです。豆やローストの現場に再訪し、両工程を改善し、コーヒーをよりおいしく仕上げました。
1月16日から20日まで、このコーヒーを無料で提供し、お客様は改善した味を気に入ったと伝えてくれました。誰か試したことはありますか? 少しの方が試してくれたようですね、うれしいです。まだ試したことのない人は、ぜひマクドナルドで新しいコーヒーを試してください。寒く雨が降っている天気ですので、ぜひお願いします。
みなさんは、「おいしさ向上宣言」プロジェクト上のさらなる商品、バーガーやデザートを含め、それらについての発表を2017年度、期待していてください。
デジタルサービスによるアプローチ
第二に、私たちはマクドナルドを、お客様が今まで以上に便利にご利用できるよう、さらなる投資を続けます。
「デュアル・ポイント・サービス」「デジタルメニューボード」そしてお客様に好評だったほかのサービスを続けていきます。
私たちは、お客様が、スマートフォンでオーダーし、お支払いができるようにするため、そしてEマネーやクレジットカードなど現金以外でもお支払いができるよう、できるだけ迅速に働きます。
現在、急成長し使用されている現在のポイントプログラムをパイロット・テストしています。私たちの店舗にどれだけフィットするか、そしてどのようにお客様がそれらを利用するかを理解するため、キオスクやタブレットでのセルフオーダのオーダーに関するテストを拡大していきます。
私たちのデジタルアプリケーションは、3,000万ダウンロードされました。これは日本で5番目に大きなアプリケーションで、マクドナルドの中では最大のシステムです。
私たちは、より個人化を許容し、各お客様により有用性を持っていただくためにこれを強化していく予定です。
私たちはすべてのレストランでの経験を、去年Netflixで行った、デジタルコンテツによる楽しさに溢れる新しいアプローチでおもてなしの心を強化していきます。
最後に、2016年に立てた、プロモーションプログラムとしてのデジタル契約を強化していきます。さらなる基盤固めとして、お客様に参加していただき、ブランドを楽しんでいただくことを考えています。
それでは、これから下平さんに引き継ぎいたします。彼はクオリティー、サービス、クリーンネスについての詳細と第三の開発部分である人について発表します。
2017年、最高の店舗体験の提供に向けて
下平篤雄氏(以下、下平):下平と申します。どうぞよろしくお願いいたします。私からは、人材とQSCについてご説明させていただきます。
10ページとなります。
お客様の店舗体験は、QSCの向上によって大きく改善されます。カサノバからお話しさせていただきましたように、2016年はビジネスの回復と今後の成長の基盤作りに注力し、実現することができました。
こちらのスライドは、昨年、一昨年導入いたしました「KODO(コド)」にお寄せいただいた、お客様によるQSCの評価の推移となっておりますが、着実に向上しております。
2017年もお客様に最高の店舗体験をご提供するためにQSCを支え、実行していく私どもにとって、一番大切な人材への投資をさらに加速してまいります。
新しい時代に合わせたかたちで人材への投資を行うことで、QSCをさらに向上し、ビジネスの成長につなげてまいります。それでは人材で、今年とくにフォーカスする取り組みについてご説明させていただきます。
11ページとなります。
最初はスタッフィング。店舗在籍クルー人数の確保です。おかげさまでビジネスが順調に回復し、さらに成長する段階に移行することができました。
現状、クルーの人数はほぼ充足しておりますが、さらなる成長のために、より多くのクルーの人数を採用して、よりよいおもてなしサービスをお客様にご提供させていただきます。
昨年は、アニメを使った採用活動が大きな話題となりましたが、今年はさらに進化させた、今までにない採用活動にチャレンジいたします。こちらに関しましては、改めて詳細ご説明させていただきたいと思っております。
また、全国的な採用キャンペーンを展開し、お食事の場としてだけではなく、働く場としてのマクドナルドの魅力を、より多くのみなさまに発信してまいります。
2番目はトレーニングです。弊社はこれまで、トレーニング・人材育成に多くの投資をしてまいりました。マクドナルドがここまで成長することができたのは、最高のQSCを提供するための人材育成があったからこそだと考えております。
さらに今年度は、クルーのトレーニングマテリアルを時代に合った大幅な改訂を行い、今までバラバラにあった58個のマテリアルを1冊に集約いたしました。また、動画などのデジタルを活用することで、よりわかりやすく、そして、使いやすいツールといたしました。
その結果、簡単に、クルーのみなさんで自己学習ができるようになり、理解度の向上と、マネージャーによるトレーニングの時間の短縮にもつながっております。
コミュニケーションについても、さらに改善し、効果的なコミュニケーションによりよいクルーのみなさんがモチベーションを高めていける環境を構築してまいりたいと思います。
人材は、私たちが持っている強みの1つです。全国、12万人のクルーは、私たちの財産です。スタッフィング、トレーニング、コミュニケーションといった、人材の分野に積極的に投資し、各店舗がさらによい店舗体験をお客様にご提供できるようにサポートすることで、今後も継続的に成長するための土台を強固にしてまいります。
12ページとなります。これまでお話しさせていただいた、人材をベースとして、さらにQSCの向上に取り組んでまいります。そして、昨年に引き続き、お客様へのおもてなしサービスを強化してまいります。
忙しい時間にも、お客様をお待たせすることなく、清潔な環境で、ホスピタリティ溢れるサービスをバランスよくご提供することで、多くのお客様にマクドナルドのお食事を楽しんでいただきたいと思います。
お客様への感謝を忘れず、12万人のクルー共々、お客様をお迎えし、改装によって快適さを増した店舗で、安心安全で、できたてのおいしい商品を、最高のおもてなしサービスでご提供したいと思っております。
以上が、弊社の2017年戦略の概要となります。
2016年から継続する取り組みに加え、これらのアクションを強化することで、お客様の満足度と各店舗の売上や収益性の最大化を目指してまいります。そして、それはマクドナルドビジネスの継続的な成長へとつながってまいります。では、中澤より財務概要に関してご説明させていただきます。
2016年度12月期 財務概要
中澤啓二氏(以下、中澤):IR担当の中澤と申します。2016年度決算報告財務パートをご説明させていただきますので、よろしくお願いをいたします。まず14ページをご覧ください。2015年から2016年の業績につきましてご説明させていただきます。
2016年度実績は、2015年度から大きく改善することができました。また、2016年2月の年初見通し並びに2016年11月に修正見通しを行いましたけれども、いずれも上回ることができました。
2016年度の全店の売上高は4,384億円、2015年度比16.4パーセント増加いたしました。既存店売上高は、前年比20パーセント増加いたしました。売上高は2,266億円、前年比19.6パーセント増加いたしました。営業利益は69億円、前年比303億円改善できました。
経常利益は66億円、前年比325億円改善できました。経常利益の主な改善要因は、次のチャートでご説明させていただきます。当期純利益は53億円、前年比403億円改善できました。
次に、15ページです。2015年度は、258億円の経常損失でしたが、2016年度は325億円改善することができまして、66億円の経常利益となりました。
主な改善要因は、全店売上高が2015年度から2016年度に619億円、16.4パーセント増加いたしまして、経常利益を約180億円改善することができました。
また、店舗オペレーションの改善や不採算店舗の閉鎖など、店舗収益性の改善によりまして、経常利益を約100億円改善することができました。
一時的費用の改善が、34億円ありました。そのほか効果的なマーケティング活動や一般管理費の効率化なども収益性改善に貢献できました。
2017年度業績見通し
続きまして、2017年度の業績見通しにつきましてご説明申し上げます。2017年度は、お客様のための投資を加速するとともに、着実にビジネスの強化と、収益性改善に努めてまいります。
全店売上高は4,580億円、2016年度比プラス4.4パーセント。既存店売上高は2016年度比プラス5パーセント。売上高は2,365億円、2016年度比プラス4.3パーセント。営業利益は90億円、2016年度比20億円、29.9パーセントの増益。経常利益は、85億円、2016年度比、18億円、28.5パーセントの増益。当期純利益は85億円、2016年度比31億円、58.4パーセントの増益です。
当期純利益には、1月31日に発表させていただきました、約24億円の特別利益が含まれています。税金を考慮した結果、当期に約20億円の純利益への貢献を想定しています。
以上、財務報告とさせていただきます。ありがとうございました。
CEOカサノバ氏からのメッセージ
カサノバ:2016年度の回復の完了は、すばらしい功績です。ただ単に、回復の速さだけではなく、将来の利潤への基盤を築いたという点でもすばらしいです。
2016年度の販売や売上の改善を実証した、メニュー、価格、そしてレストランでの経験における戦略は、私たちのビジネスモデルを継続的にしました。
これは私に、私たちの能力で、ビジネスを成長し続けることができるという、すばらしい自信を与えてくれました。
2017年度のブランドと私たちのビジネスの強化を絶対的な焦点となります。私たちは休みません。開発し続けます。
したがって私たちは、より活動的に継続的な変化を必要とし、それを期待しているお客様と関わり続けます。私たちは、お客様とつながりを持つ、現代的なバーガーレストランを作るために旅を続けます。ありがとうございます。