DeNA 2016年度第3四半期決算説明会

守安功氏:株式会社ディー・エヌ・エー2016年度第3四半期の決算報告を始めさせていただきたいと思います。

まずはじめに、昨年末のキュレーション事業の一連の問題によりまして、世間のみなさま、そして株主さまに多大なるご心配、ご迷惑をおかけしましたことを改めてお詫び申し上げます。

現在、キュレーションサービスの再開の可否につきまして協議しておりますが、現時点においては、何も決まっていることはございません。

当然、第三者委員会の報告を受けまして、それも総合して判断をしたいと考えております。今後につきまして、アナウンスできることが出ましたら、公表させていただきたいと思います。

それでは、決算の説明を始めさせていただきます。

決算報告 四半期業績サマリー

まず2ページ、四半期の業績サマリーになっております。

売上収益は、第3クオーター322億円、営業利益はIFRSベースで34億円、また今期より導入しておりますNon-GAAP、季節性の要因の大きいスポーツ事業を除いたNon-GAAP営業利益が50億円という水準で着地をしております。

営業利益面について、公表していた数字よりも若干弱含んでおりますが、主な要因としましては、キュレーションプラットフォーム事業の全サービス非公開化に伴う要因というところが大きく影響しております。

四半期業績(IFRS)

続きまして、3ページ目がセグメント別の売上それから営業利益の推移になっております。

この第3クオーター、一番下のところですね。その他の収益とその他の費用というところが数字上大きくなっております。すでに前回の決算説明会にてご案内しております要因が2つ。

1つ目がショッピングモール事業の譲渡益が約60億円。そして、欧米のゲーム関連の子会社の清算に関する費用として22億円という、これまでアナウンスしていたものに加えて、今回のキュレーションのことを考慮いたしまして、キュレーション事業に関する資産の減損39億円ということで、合わせますとその他の収益とその他の費用がだいたい一致しているというところになっています。

四半期費用構成(IFRS)

続きまして4ページ目、費用の構成になっております。

一番変動要因の大きい販促費・広告宣伝費に関しましては、だいたい通常の四半期どおり、30億円内外というところで着地をしております。

第3四半期連結累計期間業績(IFRS)

また5ページ目なんですけれども、今回営業利益の下のところがかなり大きな変動をしておりますので、そちらの説明のために1枚スライドを用意しております。

欧米の子会社の解散、それから清算に伴う損失が税務上容認される見通しとなりましたので、法人税関連の会計処理のところをこの四半期に行ったというところで、営業利益の下のところでかなり利益が膨らんでいるというところになります。

重要なところとしましては、下から2つ目のところですね。四半期の親会社の所有者に帰属する四半期利益というところで、前年度第3四半期累計で84億円だったところが、今期に関しましては288億円というところになっております。

ゲーム事業

続いて各事業の説明に入らせていただきます。

ゲーム事業についてなんですけれども、まず全体としましては、前回の決算説明会でお話ししましたように、拠点別というところからグローバル全体で見ていこうと方針を変えて、体制も変えておりますので、それがわかるようなスライドも用意しております。

また、(棒グラフ)灰色のブラウザのところは、今後も減少していくだろうというところと、精力的に今後伸ばしていきたいアプリのところを分けておりまして、このクオーターに関して言いますと、『Super Mario Run』を配信したこともありまして、順調にアプリのトータル消費が伸びているということになっております。

ゲーム事業(任天堂との協業を除く国内ゲーム事業)

7ページ目、ゲーム事業の国内です。任天堂さまとの協業を除くところになります。

コイン消費、それから営業利益含めまして、だいたい2Qと同水準、若干微減となっております。

ゲーム事業(任天堂との協業を除く海外ゲーム事業)

また、8ページ目の海外について、こちらも任天堂さまとの協業を除いたかたちになっております。

コイン消費については若干減少となっておりますが、損益面で見ますと欧米での拠点が閉鎖したこともありまして、一時費用を除いたベースで見た場合には、海外事業トータルでだいたいプラマイ0くらいになっております。

今後も利益を出していこうとした場合には、左側のトップラインの成長が不可欠となってきますけども、現状の水準であれば、損失というのも限定的になってきますので、年度で見た場合には、この昨年度から海外の損失が大きく改善されたということになってきております。

EC事業

続いて9ページ目が、Eコマースの関連になります。

Eコマースの中でも一番注力しているDeNAトラベルの取扱高なんですけれども、順調に拡大しておりまして、前年同期と比べて20パーセント弱の成長と、高い成長を続けております。

またショッピング事業の中で、DeNAショッピング、それからauショッピングモール関連の事業というのを昨年末にKDDIさまへ譲渡いたしました。次の四半期からは、連結から外れるということになります。

ゲーム事業(任天堂との協業)①

それでは事業・戦略の進捗と方針について話をさせていただきます。まず11ページ、ゲーム事業の中でも注力している任天堂さまとの協業です。

昨年末、2016年12月15日に『Super Mario Run』のタイトルをiOS版のみですが、リリースいたしました。

4日間で4,000万ダウンロードとApple Store史上においても最速のペースでユーザーベースが拡大したということで、非常に幅広い利用者に楽しんでいただけていると考えております。

またグローバルも一斉リリースということでサーバー、インフラ面でかなり負荷があったんですけれども、こちらについても大きなトラブルなくサービスの提供ができたと考えております。

現況においては、ワールドをまだ購入されていない方も含めて、末永く楽しんでいただきながら、どこかのタイミングでワールドの購入につなげていきたい、いわゆる課金率のところを上げていく施策を継続して行っております。

そしてAndroid版につきましても、3月にリリースいたしますので、またこちらでユーザーベースが大きく拡大するということを期待しております。

ゲーム事業(任天堂との協業)②

続いて12ページになります、先週2月2日にiOS版、Android版の『ファイアーエムブレムヒーローズ』というタイトルを配信させていただきました。

すでにストア上で遊んでいただけるようになっております。いわゆる、ファイアーエムブレムシリーズのIPの良さ、キャラクターであったり、世界観、それからバトルの戦略性といったものを生かしながら、スマートデバイス、スマートフォンに合ったお手軽で、気軽に遊べるというようなことと、あとはフリー・トゥ・スタート型のマネタイゼーションなどが、うまく組み合わさったゲームタイトルとなっていると考えております。

すでにApp Store、Google Play上のランキングを見ていただければおわかりになられるかと思いますが、初速としては非常に順調な出だしと考えております。

とくに地域別で見ますと、日本が一番状況がよくて、ダウンロードと売上ともに非常に順調になっております。次いで、米国が調子がいいと。

スマートフォンのゲーム市場として非常に大きな国。日本、米国というところで好調ですので、今後も期待できるのではないかと思っております。

今後の規模感がどれぐらいになるのか、というところにつきましては、まだリリースから1週間弱しか経っていないので、なかなか正確に見積もるということは難しいなと思っております。

今後については、現状好調なダウンロードのところがどれぐらいまで伸ばせるという点であったり、あるいはゲーム内のイベントというのを投入していきますので、それによってどのようなアクティビティになるかというところが重要になってくるかと思いますが、出だしとしては非常に好調ですので、今後も期待したいと思っております。

ゲーム事業(任天堂との協業)③

続いて『どうぶつの森』。こちら、今年度内にリリースすることをアナウンスさせていただきましたが、編成や運営の観点からスケジュールの見直しを行いまして、来年度にずらすという判断を行っております。

また公表していないそれ以降のタイトルのところなんですが、これも従前からお話しておりますように、任天堂様との協業というのが、中長期のパートナーシップをベースにしたものでございますので、来期以降のタイトルも開発をしております。

こちらにつきましては、公表できるタイミングが来ましたら、またお知らせしたいと思っております。

ゲーム事業(国内内製・協業アプリ)

14ページ目、国内の内製協業アプリという状況になります。

今期の期初にお伝えしたかと思いますが、大型化したタイトル、それから大型化しそうな見込みのあるタイトルに運営の人員を寄せまして、イベント等の量を増やすことであるとか、マーケティング業のアクティビティを増やすことで、さらなる大型化を狙っていこうということで進めておりましたが、年末年始、一定の手応えが出てきたかなと思っております。

とくに順調なところとして、記載しておりますが、『逆転オセロニア』というタイトルです。配信から1年ぐらい経過したものになるんですけど、こちら当初からユーザーさんの反応がよくて、期待していたタイトルです。

KPIの底上げ、ゲームサイクル等々、改善をいたしまして、そちらが順調に改善してきたということで、年末年始プロモーションを強化いたしまして、それによって右側にございますようにDAU、ユーザーベースがかなり拡大いたしました。

プロモーションのあとも非常に継続してお使いいただいておりますので、ユーザーベース積み上がってきていますというところで、売上のほうも拡大してきていますので、今後も期待できるのではないかなと考えております。

新規事業・その他(キュレーションプラットフォーム事業)

そのような状況の中で、のれんなどに関する資産のところは、サービス再開が未定である、すなわち現状の事業計画がどうなるか未定であるということをふまえまして、監査法人との協議の上、保守的に全額減損処理を行っております。

右下が減損の内訳になっておりますけれども、買収した3社、MERYを運営しているペロリ、それからiemo、Find Travelの3社で35億円強。そしてソフトウェア資産のところが3億円弱というところで、トータル38億円強の資産を減損しているというところになります。

新規事業・その他(オートモーティブ事業)

続いて16ページ目が、オートモーティブ事業になります。

オートモーティブ事業は、中長期の柱にしていきたいというところで、足元というよりは長い目で見て、事業貢献していきたいという分野で、取り組んでおりますが、中でも自動運転に着目をして、いつか自動運転の時代が来るだろうということで、我々としては自動運転の技術あるいは自動運転の車両自体を作るのではなくて、自動運転車を活用したサービスレイヤー、旅客サービスであるとか、物流サービスであるとか、そのようなサービスのレイヤーに取り組もうというところで、モビリティサービスプロバイダーという名前をつけて、ここに注力していこうということで、事業を展開しております。

そしてこれも1月に入ってからになるんですけど、新たなパートナーとして、日産自動車さまと提携に向けた基本合意を行ったということで、日産自動車の製造する自動運転車両を活用して、新たな交通サービスのプラットフォームを作っていこうということを決めております。

マイルストーンとしては、細かくはまた発表できるタイミングでと思っておりますが、2017年今年中に日本のいくつかの地域で技術的な実証実験を行っていくということと、2020年をターゲットとして、無人運転による交通サービスのプラットフォームを作っていこうというようなことを考えております。

2016年度第4四半期 連結業績予想

18ページ目なんですけど、第4クオーターにつきまして、スポーツ事業を除くNon-GAAPの営業利益については、だいたい第3四半期と同水準の50億円というものを想定しております。

この業績予想の前提なんですけど、任天堂さんとの協業タイトルの中で、2017年2月以降の配信開始タイトル、具体的には『ファイアーエムブレムヒーローズ』と『Super Mario Run』のAndroid版については、売上面・コスト面ふくめて予想の中に織り込んでいないということになります。

またキュレーションプラットフォーム事業については、売上収益を見込んでおりませんので、コストのみがかかってくるということで、業績の予想をしております。

2016年度通期 連結業績予想および配当金

19ページ目、通期になりますので、配当のところについて記載させていただいております。配当性向については、従前からお伝えしておりますように、連結配当性向15パーセントあるいは1株あたり年間配当額20円のいずれか高いほうを下限として、将来的には30パーセントを目指すということで、お伝えしているとおりになります。

今回、一時的な法人税の戻りというところもふまえて、最終利益が増えておりますので、配当額に関しては前期の20円から30円ということで、50パーセント増配になっております。

配当性向については、15.3パーセントという水準になっておりますが、今回このような配当予想ということでお出しさせていただきました。私からの説明は以上となります。