2016年10月期決算説明会 連結業績

西川光一氏(以下、西川):西川でございます。本日はお忙しい中、パーク24株式会社、2016年10月期決算説明会にお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。それではさっそく、決算の概要についてご説明申し上げます。

最初に2016年10月期の連結の業績でございます。

売上高が1,943億円、前年比で108.2パーセント。売上総利益が530億円、同じく前年比で113.6パーセント。営業利益が214億円、経常利益が211億円、当期純利益が139億円という結果でございました。

2016年10月期は、非常に好調・順調に推移をいたしまして、各段階利益ともに過去最高益を更新することができました。

事業別営業利益

続きまして、事業別の営業利益になります。

2016年10月期は、駐車場事業で249億円、モビリティ事業で44億円、事業別の営業利益の合計といたしましては、294億円。そこからコストを引いて、211億円という数字になりました。ほぼ計画通りに推移をしたということでございます。

この中で、2016年10月期から新しい項目といたしまして、事業開発費という項目を増やしております。一応今回、こちらで5億円をその経費として支出をいたしております。

この事業開発費の中身なんですけど、当初の計画では1億円ほど見込んでおりました。

これは今、トヨタ自動車様と試験的に展開しております「Times Car PLUS × Ha:mo(ハーモ)」という、要は電気自動車である超小型モビリティを活用したワンウェイ、乗り捨てができるカーシェアリングサービスです。これらの実験規模の拡大にかかる費用として、当初1億円を見ておりました。

後ほど詳しくご説明申し上げますが、実績といたしましては、そのほかに「B-Times」という予約専用のタイム駐車場。これらの開始に伴う費用といたしまして1億円。あと、海外企業のグループ化に伴う費用として3億円、合計5億円が当初計画に対しての実績でございます。当初計画よりも4億円ほど増えたというのが、この事業開発費の内訳になります。

タイムズ駐車場 開発件数/台数

続きまして、6ページ目が駐車場の開発の状況でございます。

開発件数が1,709件、当初の計画は1,700件でしたので、9件ほど超過達成というところでございます。

開発台数に関しましては、63,764台。こちらも計画は63,500台でしたので、264台超過達成と。件数・台数ともに開発は非常に順調に推移しているということで、両方とも当初計画に対して、超過というかたちで着地しております。

タイムズ駐車場 運営件数/台数

その結果、総件数・台数でございますけれども、2016年10月末の段階で15,792件。対前期末と比較しましてプラス805件。総台数が531,135台、期末に対して31,662台の純増というかたちで推移しております。

タイムズ駐車場 新規開発

開発も順調だったんですけど、中身のほうも非常にいいかたちで開発が進んでおります。その拠点のエリアといいますか、営業が展開しているエリアの中でランドマークと呼ばれるような施設の、駐車場の開発が複数件開発できております。

例えば、東京ですと品川プリンスホテルさんのメインタワーが、(スライドに)書いてあります通り、「タイムズ品川プリンスホテルメインタワー」ということで252台、新館の「(タイムズ品川プリンスホテル)アネックスタワーも今258台で、タイムズのほうで運用させていただいております。

そのほか、京都の四条烏丸交差点のすぐ近くの「タイムズ四条烏丸」は751台の駐車場ですけれども、こちらも全機タイムズ駐車場としてオープンしております。

基本的な考え方は、やはりそのエリアのランドマークに、比較的大型の駐車場を開発すると。その周辺にサテライトというかたちで、通常の10台、15台あるいはそれ以下の小さな駐車場を点在させて、開発していくと。

そういったことを全国的に展開することで、そのエリアごとに面で抑えていくということを従来もずっとしておりましたし、今後もこの営業方針は変えずに駐車場開発は継続してやってまいります。

タイムズカーレンタル 売上/利益

続きまして、9ページからはモビリティ事業で、その中の「タイムズカーレンタル」の状況でございます。

10月末の段階で車両が26,691台。売上高で282億円、営業利益が14億4,000万円というかたちで着地をいたしました。

2016年10月期のレンタカーの状況としては、内容的に個人ユーザーの方の利用が堅調に推移したということで、売上高の伸びをけん引してもらったというところが、見えてきた面かなと思っております。

タイムズカーレンタル(直営)台当たり売上/費用

次の10ページが、そのレンタカーの台あたりの売上とコストの推移でございます。

2016年10月期は売上が12万1,000円ということで、その前の期と比較いたしますと4,400円ほど売上が増加しています。

一方で、コストが2016年10月期は11万3,400円、前の期と比べまして4,200円ほどアップいたしております。この差額で、台あたりの営業利益が200円程改善しまして、7,600円という状況でございます。終わった期が7,400円でしたので、若干ですがレンタカーのほうも収益改善が着実に進んでいるという状況でございます。

やはり、レンタカーのほうも新しいサービスをどんどん取り入れていって、平日の稼働もそうですし、全体的な稼働も上げていきたいと。グループ内の相乗効果も合わせまして、いろいろなサービスを展開しようとしております。

タイムズカーレンタル サービス拡充

その中の1つで、「ピッとGo」という(サービス)、こちらは従来からやっていたんですけれども、カーシェアリングの会員の方はICチップが入った会員カードをお持ちになっています。

カーシェアの車を使うときには、そのカードを車にかざして使うんですけれども、会員の方はそのカードを、レンタカーの営業所でカウンターの上に置いてある端末にかざすだけで、予約した車がすぐに借りられます。

通常ですと、申込み用紙を記入したり、保険に入る・入らないを確認したり、多少カウンター手続きとがかかるんですが、そういったことをなくして、簡単にレンタカーが借りられるように始めたサービスです。

11月からになりますけど、パーク24グループ以外にもこのサービスを展開していこうということで、先月からJALカード会員の方が、こちらのサービスを使えるということで、外部に対してもこのサービスを解放することを始めました。

日本航空さんのJALカードさんも、やはりステータスのある会員の方にはより上のサービスをご提供されたいと、なんとか当社の仕組みが使えないかということで、こういったサービスを解放しました。

今後もグループ内に限らず、レンタカーの稼働がアップするということであれば、外部への解放についても積極的に展開をしていきたいと考えております。

タイムズカープラス 運営台数/会員数

続きまして12ページ目がタイムズカープラスです。

カーシェアリングでございますけれども、総台数が前期末で16,252台になりました。当初計画が16,000台でしたので、250台ほど多く達成したということになります。

合わせまして、会員が719,434名。前にもご説明していますが、会員のターゲットはとくに設定していないんですけど、会員のほうも順調に増えています。

会員のターゲットを設定していない一番の理由は、会員数だけを追っても意味がないと。基本的な考え方として、車の稼働だけですべて判断します。あるエリアの一定の車の稼働が少なければ、その周囲に向けて会員獲得のモーションをかけます。

もし十分に車が稼働しているエリアであれば、それ以上会員は増やさない。とくに個人会員の方が非常に増えてしまうと、使いたいときに借りられないという問題が多発してしまうということで、むやみやたらに会員は増やさないという方針でやっていますので、会員の目標は明確に持っていないと。

タイムズカープラス 売上/利益

13ページ目が、タイムズカープラスの売上・利益です。

売上高で186.2億円、28.5億円という結果でした。営業利益率も15.3パーセントというかたちで伸びてきております。

ブレークイーブンするまでに4年ほどかかったんですけど、やはりストックビジネスの性格上、ブレークイーブンすれば一気に伸びてくると。

カーシェアリング事業もやっと収益を拡大していくステージに完全に入ったのかなという状況まで来ています。

タイムズカープラス 台当たり売上/費用

14ページ目が、カーシェアリング事業の台あたりの売上とコストの推移でございます。

終わった期がその前の期と比べますと、売上で2,600円の増加、費用のほうに関しましては4,500円の、台当たりの営業利益が7,100円改善しております。

台当たりの営業利益は16,100円になっています。我々の目指すところは、当面の目標として、営業利益を早期に2万円までもっていきたいと。

当然ながら2万円がゴールではありませんが、なんとか早い段階で台当たりの営業利益を2万円まで拡大したいというところに、少しずつ近づきつつあるかなという推移できております。

タイムズカープラス 収益改善要因①

この収益改善要因の1つとして、これは3期前、4期前から申し上げておりますが、やはり平日の稼働をいかに上げていくかということが、一番大きなポイントになったと思います。

そのために法人会員の獲得に注力してやっているんですけど、その結果、終わった期も前の期と比べて、法人会員比率も1.3パーセントほど増えております。

法人会員の1日あたり、1台あたりの利用料も7.5パーセント増えていると。このあたりは急激に20パー、30パー、40パーというふうには伸びていかないんですけど、毎年毎年着実に法人会員の比率が上がって、なおかつ1法人あたりの利用も上がってきていると。

今後もこの営業方針は変えず、とにかく平日も稼働を上げていくと。そう申し上げますのも、エリアによっては土日に関しても、すでに十分すぎる稼働を示しているエリアも少なからず出始めております。

当然ながら、そういったエリアは平日の稼働を上げていくということになりますので、今後も平日稼働アップのためのいろいろな施策を展開していきたいと考えております。

タイムズカープラス 収益改善要因②

あともう1つ、これは地味な……と言ったらあれなんですけど、こういったことも少しずつつぶしていかなければいけないんですが、コスト面です。

コールセンターの入電数の削減というものに関しても、我々は積極的に取り組んでいます。

やはり利用に関してですとか、トラブル対応に関してですとか、そういったことの対応を上げていくことによって、このコールセンターの入電数は下がってまいります。

細かい数字はともかく、全体的に見ていただいて、全体的に右肩下がりに下がってきていると。こういった地道な努力をいろんな面で積み重ねていって、コストを下げていくということを徹底してやっております。

これは今の水準で満足ということではなく、もっともっと下げていけるように改善をしていきたいと進めております。

タイムズカープラス 収益改善施策

17ページ目がサービス面です。

(スライド)左側が、法人会員の方に多く使っていただきたいということで、「クルマの運転見える化サービス」というものを始めております。

要は、カーシェアリングの車にはすべての車にテレマティクスと言われる、運転状況を把握する車載機が付いております。

要は急ブレーキ、急発進、巡航速度、最高速度、そういったものがデータとして残っておりますので、そういったデータを数値ですとか、グラフ化して、法人会員の方に先に提出すると。

そうすることによって、そちらの会社の会社員の方の安全運転思慮に繋げていただくとか、そういったことを判断する次回の参考データとしてつなげていくということをしております。

あと(スライド)右側が、事故削減施策ということです。現実的には車のコストは上がるんですけれども、全車にバックモニターを搭載していこうと。

やはりコストのなかで少なくない金額なのは事故なんですね。「こすった」「ぶつけた」から始まって、なかには全損事故というものも年間何件か起こっております。

こういったなかで、やはり一番多いのが「駐車場で駐車するときにぶつけてしまいました」と。タイムズ駐車場にかぎらず、移動先の駐車場でぶつけてしまいましたといったことが割合的には高いものですから、多少車のコストが上がっても、バックモニターを装着することで事故率が減るのであれば、トータル的にはプラスになってまいりますので、今後導入する車については100パーセント、このバックモニターを装着していくと。

既存のついていない車に関しては、入れ替わりのタイミングで変えていくということになりますので、全車入れ替えるまでに4年ぐらいかかってしまうんですけれども、4年後にはすべての車にバックモニターがついている状態にしていこうということで、今進めております。

(スライドの)一番下に書いてますけれども、一度データを取ったら、バックモニターの搭載車と非搭載車の事故率が、やはり搭載しているほうは25パーセント低いというデータがございます。

こういったデータにもとづいて、全体的に事故率が下がってくれることを期待して、配備を進めていきたいと考えております。以上が、16年10月期の概況でございます。