2016年度 第2四半期 決算説明会
石澤顕氏(以下、石澤):それでは最初に、私から今回の決算のポイントをご説明申し上げます。
第1のポイントですが、売上高は増収、営業利益・経常利益は減益、特別利益の計上によりまして、当期純利益は増益となりました。詳細は後ほどご説明申し上げます。
主たる子会社である日本テレビ放送網の放送収入は好調でありました。しかしながら、リオオリンピックによる番組制作費の増加。
それから事業費、こちらはいろいろトライアルの事案もあったのですが、結果は前年度ほどではなかったことから、営業利益・経常利益ベースでは減益となっております。
生活・健康関連事業であるティップネスは堅調で、施設利用料収入が増加いたしております。
動画配信サービスの「Hulu」、こちらはほぼ想定通りに推移をしております。
第2のポイントですが、通期業績予想を営業利益・経常利益につきまして、ともに25億円、当期純利益を15億円、上方修正いたしました。売上高の変更はございません。
決算の詳細につきましては、この後、経理担当取締役の廣瀬からご説明申し上げます。決算のご説明の後に改めて私から視聴率動向などについてご説明申し上げたいと思っております。よろしくお願いいたします。
連結 売上高・利益
廣瀬健一氏:それでは、決算内容をご説明いたします。
2016年度の第2四半期については、地上波テレビ放送の好調な視聴率を背景として放送収入が伸び、Huluを運営するHJホールディングスの会費収入増加などによって、連結売上高は2,035億5,000万円となり、前年同期比0.4パーセントの微増収となりました。
日本テレビの放送外収入の減少や前年度、Mr.Childrenの新譜の発売で相当売上が伸びたバップの反動減などをカバーしたという状況で、微増収までたどり着いたというところです。
営業利益ですけれど、223億3,000万円で、前年同期比4.7パーセントの減益となりました。
8月のオリンピック放送に伴う番組制作費の増加や事業収支が前年度の実績には届かなかったことなどが、主な要因だと思います。
経常利益は252億5,000万円で、前年同期比4.5パーセントの減益となっております。
特別利益として、700メガヘルツの周波数移行に伴う受取補償金15億7,000万円を計上しており、親会社株主に帰属する四半期純利益は181億1,000万円で、前年同期比8パーセントの増益となりました。
日本テレビ放送網(単体)売上高・利益
続きまして、グループの中核会社であります、日本テレビ放送網単体の決算の説明に移らさせていただきます。
売上高は1,516億3,000万円で、前年同期比+11億円、0.7パーセントの増収となりました。
営業利益は174億円で、前年同期比-22億1000万円、11.3パーセントの減益です。放送収入ですが、タイム・スポットともに伸びましたが、先ほど申し上げたオリンピック等での番組制作費の増加や放送外の事業収支が前年比ダウンし、減益となっております。
経常利益・四半期純利益が、営業利益に比べて変動している主な要因は、前年同期に子会社からの特別配当54億を計上したためでございますが、今期はそれがなかったことによるものです。ここは連結決算の時には消えますので、影響するものではございません。
テレビ広告収入
続きまして、日本テレビの放送収入についてご説明いたします。
放送収入は1,231億5,000万円で、前年同期比+49億5,000万円、4.2パーセントの増収となりました。
タイムセールスはレギュラー番組のカロリーアップが図れたことに加え、リオデジャネイロオリンピック、ラグビー日本代表戦などの特番編成により、前年同期比+29億9,000万円、5.3パーセントの増収となりました。
一方、スポットセールスは好調な視聴率に支えられ、前年同期比+19億6,000万円、3.2パーセントの増収となりました。
スポット広告費の地区投下量は前年同期比+2パーセントですので、弊社はそれを上回るセールスができたと。2パーセントに対して、3.2パーセントというかたちになっております。
タイム・スポット前年比状況
次が、月別のタイム・スポットの状況です。
タイムの7月の前年同期比、11.1パーセントの増収となっています。これはMUSIC DAYなどの単発番組のセールスが好調だったことや、日本プロゴルフ選手権が今年は7月に開催されたことなどによるものです。
8月はオリンピックもあったことから、前年同月比10.9パーセントの増収となりました。なお、9月は前年あったラグビーワールドカップや日本代表戦の反動減がありましたが、レギュラーセールスが好調だったために、プラスをキープすることができました。
スポットについては、オリンピックがあった8月を除きまして、前年同月以上の実績を残せたと思います。
番組制作費
番組制作費にまいります。
日本テレビの番組制作費ですが、515億2,000万円となり、前年同期比で31億6,000万円、6.5パーセントの増加となりました。
レギュラー番組では、従来からのコストコントロールが引き続き続いておりまして、減少傾向できちんとコントロールできているんですが、特殊要因として、7月に参議院選挙があったこと、また8月のオリンピックの制作費が、増加の一番の要因でございます。
主な事業収支の概況
日本テレビの主な事業の収支についてご説明申し上げます。映画事業では、3月、4月に続けて公開した『ちはやふる 上の句・下の句』がヒット作品となりました。
今期、日本テレビの主幹事作品は4本公開していますが、8月公開のアニメ『ルドルフとイッパイアッテナ』などが当初計画には届きませんでした。
また、その一方、『バケモノの子』が昨年大ヒットしたということで、これの反動で減収減益となりました。
通販事業は、地上波での通販番組を1枠減らしたことなどが影響して、減収減益となっております。
3番目のイベント事業ですが、『ドラゴンクエスト ライブスペクタルツアー』という大型イベントに取り組むなどして売上を伸ばしましたが、収益アップには至らず、収支面では去年のルーヴル美術館展の反動減により減益となりました。
最後4番目、海外ビジネス事業には、今後の新しい柱として注力しております。中期経営計画にも載せてありますが、この海外ビジネス事業においては、アニメ『エンドライド』の番組販売であるとか、『マネーの虎』のフォーマット販売が好調で、増収増益となりました。
主なグループ各社の状況
ちょっと細かい字で恐縮でございます。主なグループ各社の状況を説明させていただきます。
BS日本はタイム収入の増加などにより、増収でございました。編成強化のため、制作費を投下していることから、ほぼ前年並みの利益となっております。
CS日本は増益です。下期は会員数の増加を目指し、番組購入費を増やす予定でございます。
日テレ アックスオンは、オリンピック関係の受注が大きかったことや、Huluや映画『HiGH&LOW』の制作、それに、NHK、WOWOWなどの外部受注が伸び、増収増益となりました。
日本テレビ音楽は計画通り順調な推移ですが、昨年は『ルパン三世』のパチンコ商品化権の収入があったので、これがなくなった反動減が若干ありました。
なお、ほぼすべてのグループ企業の業績は、当初の予定通り、予想通りの状況となっています。バップ、ティップネス、HJホールディングスにつきましては、細かく次のページでご説明差し上げます。
バップ、ティップネス、HJホールディングス概況
まず、バップです。去年のMr.Childrenのアルバムの発売の反動減で減収となっていますが、在庫管理、コスト管理といった経営改革を引き続き進めておりまして、原価率が減少したことなどから大幅な増益となっております。去年からの経営改革の成果が表れてると思っております。
2番目、ティップネスです。フィットネスクラブを運営するティップネスは、小型店舗のFASTGYM24の新規出店を積極的に進めております。出店コストの先行もありますが、大型店での会員数の維持、キッズ会員の増加を図り、堅調に推移していると思います。
Hulu Japanを運営するHJホールディングスですけども、有料会員数を順調に増やしております。9月末での有料会員数は145万人強となっていて、売上高は伸びております。下期にさらなる会員数増加に向けて、オリジナルコンテンツの増強や広告宣伝への費用投下を行うことから、通期予想には変更がございません。
設備投資と減価償却(連結)
続きまして、設備投資、減価償却費については、前回説明時の数字から若干見直しをしました。
資料をご参照ください。増加分は放送機器・設備の更新や、麹町再開発に伴うものでございます。
業績および配当予想と前提
次に資料にまいります。業績予想でございます。
第2四半期までの業績と足元の状況を勘案し、営業利益・経常利益・当期純利益について、通期予想を、先ほど常務の石澤からご報告申し上げた通り、上方修正をさせていただきました。
タイムは、ネットタイムのレギュラーセールスにおいて、上期に続いて下期もカロリーアップを図ることができています。しかしながら、前年、放送のあった、昨年あったラグビーワールドカップなどの単発番組の減少もあることから、やや慎重に手堅い前提としております。
スポットは、昨年、とくに下期が好調だったこともあり、10月については前年同月比+6パーセントを織り込み、11月以降は昨年並みという前提になっています。
制作費に関しては、クライマックスシリーズであるとか、新たに決まった東京マラソンなどを盛り込んでおりますので、若干見直しをしました。
なお、日本テレビにおいて、事業収支を慎重に見直したことなどから、売上高については前回予想を据え置いております。
配当予想については、今回、変更はございません。継続的、安定的な配当を原則としまして、今後の利益状況を見据えながら、総合的に勘案して決定したいと思っております。
私からのご説明、決算状況については以上でございます。
2016年度視聴率動向
石澤:それでは、私から視聴率動向などについてご紹介申し上げます。
ご覧になっている資料の通りですが、2016年度上半期の視聴率、おかげさまでいわゆる三冠王を維持をしております。
そして、下期の視聴率状況です。
10月からスタートいたしまして、1ヶ月と2週弱進んだところでございますが、ご覧のように、視聴率は10月以降も好調に推移してございます。
丸括弧のところが、前年同期比ですけれども、いずれも前年よりも視聴率アップが図られているという状況です。
月間視聴率、これは2013年12月からこの10月まで、35ヶ月連続で三冠王を続けております。3期連続の年度三冠王を目指しまして、今後の半期6ヶ月で注力をしていきたいと考えているところであります。
一方、年間、年度、同様の傾向が見られるんですけれども、プライム・ゴールデン、HUTが前年に比べて若干落ちているという状況です。
こういった状況の対策も打つべく、日本テレビといたしましては、いわゆる画面の前にいらっしゃる視聴者のみならず、生活者といたしまして、視聴者の方、ユーザー、これを大きく捉えて、生活者の行動やきめ細かいニーズを分析していくことを目的といたしまして、6月定期異動、6月体制におきまして、日テレラボという組織を設けました。
従来以上のこういった調査、研究、そのようなテーマに向けて、着手し進めているところであります。
それから、10月からビデオリサーチの調査が変わりまして、いわゆるタイムシフト視聴、そして、これを含めました総合視聴率、こういったものもデータとして出てくるようになってまいりました。こうしたデータの集積を図って、その意味合い、活用方法等につきましても、日テレラボ中心に研究を進めているところであります。
10月期のトピックス
最後に、この10月期の編成トピックスについてご案内申し上げます。
全日帯の視聴率につきましては、2013年12月9日週から先週に至るまで、153週連続でトップということで、連続記録を更新中でございます。先週は、いわゆるスポーツクラブ、ティップネスと連携を深めました番組企画『カラダWEEK』、1週間あまりにわたって展開をいたしましたが、これを放送いたしました。
日本テレビの40番組以上が参加をいたしまして、カラダを多角的に見直す、こういったきっかけ作りができたのではないかと考えております。週間三冠王もしっかりと獲得できた週でありました。
そして、年末12月には、サッカー、FIFAクラブワールドカップジャパン、いわゆるCWCですね、2016、この全試合独占生放送をいたします。
昨年に続きまして、日本開催です。この全試合を、地上波とBSで独占生中継いたしますほか、今年はさらにHuluにおきましてもライブ配信を行う予定でございます。
いわば、日本テレビホールディングスの有しますチャンネルプラットフォームの特性を最大限に生かして、視聴者さま、あるいは、ユーザーのニーズに応えていきたいと。まあトライアルを兼ねた実施となろうかと思います。
ご説明は以上となります。ありがとうございました。