2026年6月期決算説明
unerry、通期売上高は前期比31%増で過去最高を更新 全サービス2桁成長、営業利益は36%増
サマリー

内山英俊氏(以下、内山):株式会社unerry2026年6月期通期決算説明会を開催します。本日はお集まりいただき、誠にありがとうございます。本説明会は、私、代表取締役社長CEOの内山と、執行役員CFOの倉岡がご説明します。
では、これより決算説明を開始します。まず、サマリーについて私からご説明します。売上高は48億7,900万円で、前期比31パーセントの成長を達成しました。営業利益は4億2,400万円で前期比36パーセントの成長、営業利益率は9パーセントとなっています。
詳細は、後ほど倉岡からご説明しますが、売上高は全サービスが2桁成長を遂げ、その中でも特に「行動変容」が大きく伸びました。一方で、当初の予想に対しては若干の未達となっています。
利益率に関しては、外部リソースの活用により直接的な粗利率は低下したものの、販管費の改善により営業利益率が向上しました。
連結の業績予想について、売上高は80億円、営業利益は5億5,600万円を想定しています。今回、株式取得をしたブログウォッチャー社を連結しています。
unerry単体では、売上高65億円で前期比33パーセント成長、営業利益6億5,000万円で前期比53パーセントの成長を見込んでいます。
倉岡は今年7月に執行役員CFOに着任しており、戦略から数字に至るまで非常に信頼のおけるCFOです。本日は倉岡から通期の実績についてご説明します。
業績サマリー

倉岡なぎさ氏(以下、倉岡):ここからは私、倉岡がご説明します。まずは、2026年6月期通期実績についてのご説明です。業績サマリーについて、売上高は48億7,900万円と過去最高を更新しました。
前期比でプラス31パーセントと規模を拡大しながら、成長率も維持している状態です。売上総利益率は低下しましたが、販管費レバレッジが機能し、営業利益は前期比でプラス36パーセントと、売上高を上回る伸びを継続しています。
各事業のハイライト

各事業のハイライトをご紹介します。今期の取り組みサマリーについては、詳細はスライドにてご確認いただければと思いますが、売上高の前年比は、全事業において2桁成長を達成しました。
特に、リテールメディア事業においては前年比89パーセントの大幅な成長を遂げ、新規・クロスセルともに大きく伸長しています。業界最大手の小売企業との連携や、交通広告やサイネージでの利用拡大により、大型案件を獲得した結果です。
業績推移:5年間の成長トラックレコード

業績推移についてです。2026年度通期の詳細に入る前に、この5年間の成長トラックレコードを振り返ります。売上高は5年間で年平均成長率(CAGR)プラス44パーセントと、毎年着実に積み上げることで持続的な成長を実現してきました。
営業利益は、黒字化以降4年間で年平均成長率(CAGR)プラス55パーセントを達成し、2023年6月期の上場直後の営業利益率2パーセントから、足元では9パーセントまで高めており、成長と収益性の改善を両立しています。
売上高:リカーリング売上高

ここから、詳細にご説明します。リカーリング売上高の詳細です。リカーリング顧客数は、スライド左側の顧客数のグラフのとおり、前年比で36社増加し、176社となっています。増加社数としては過去最大を記録しています。
NRR(ネットレベニューリテンションレート)は120パーセント、リカーリング売上高比率は91パーセントと、引き続き堅調に推移しています。
売上高:獲得年次別(積み上がり)

獲得年次別積み上がりの詳細についてです。毎年の新規顧客がリカーリング顧客に転換し、翌期以降の売上高基盤として積み上がる構造は継続しています。
前期以前に獲得した顧客からの売上高は42億9,200万円となり、前期の売上高合計が37億2,600万円だったことから、新規や今期にリカーリングとして新しく加わった顧客を除いても、既存顧客のみで昨年度の売上高を上回る構造ができています。
この点は、非常にポジティブであると考えています。
売上高:サービス別

サービス別売上高の詳細です。全サービスが前期比で2桁成長を実現しており、特定のサービスではなく、複数の収益源がそれぞれ拡大している状況です。
「行動変容」が特に伸びており、スライド右下の表のとおり、前期比でプラス39パーセントの成長を記録しています。店舗集客に加え、メーカー広告や販促用途の広がりが最も顕著でした。
「分析・可視化」も、スライド右下の表のとおり、前期比でプラス27パーセント成長しており、データ提供を軸に拡大を進めてきました。
売上総利益

売上総利益は18億2,700万円で、前期比プラス25パーセントとなり、売上高同様に拡大しています。ただし、売上総利益率は案件やサービス構成の変化により37パーセントへ低下しました。
スライド右下に内訳を記載していますが、直接粗利率の低下がマイナス3ポイントの影響を与えた一方で、間接原価率はスケールメリットを一定程度享受し、プラス1ポイント改善しています。結果として、前期比でマイナス2ポイントの影響となりました。
特に直接粗利率の低下については、次のスライドで詳細をご説明します。
直接粗利:サービス別(売上高 ‒ 直接原価)

スライドは、直接粗利のサービス別および合計の粗利率の動きを示したグラフです。
直接粗利率の全体平均はオレンジ色のグラフで表されており、2023年6月期には48パーセントに低下しました。2024年6月期は51パーセント、2025年6月期は50パーセントと推移していますが、2023年6月期と同水準に戻るかたちとなっています。
「One to One」については、紺色のグラフで表されており、開発型の大型案件の構成比が上昇したことにより、2024年6月期は40パーセント、2025年6月期は47パーセントとなっています。前期は若干高めに推移していましたが、開発案件の影響もあり、2024年6月期並みの40パーセントに落ち着いている状態です。
「分析・可視化」については、2024年6月期の89パーセントから徐々に低下している状態にありますが、これは外部リソース活用の増加が主な要因です。
ただし、直接粗利額自体は全サービスで増加しており、合計で23億1,900万円を記録し、前期比プラス24パーセントの成長を達成しています。
販売費及び一般管理費

販売費および一般管理費についてです。
販管費は前期比でプラス21パーセントとなり、売上高の伸びであるプラス31パーセントを下回りました。その結果、販管費率は29パーセントに低下しています。このレバレッジについては、年度の推移で見ていただいても、徐々に下がってきているとご理解いただければと思います。
従業員数は前期比16パーセント増の106名です。今回からスライド右下のグラフに、ブログウォッチャー社を含むグループ全体の人数も記載していますので、ご参考までにご確認ください。
営業利益の増減要因

通期実績に関する最後のまとめとして、営業利益の増減要因についてご説明します。
スライド左側が2025年6月期、右側が2026年6月期の通期実績を比較したグラフです。増収率が31パーセントであるのに対し、間接原価や販管費の増加を20パーセント前後に抑えたため、営業利益は4億2,400万円となり、前期比プラス36パーセントと増収率を上回る増益を達成しました。
営業利益を重視する方針に特に変更はありません。ただし、来期以降については、のれんの償却費などが損益に影響するため、事業の利益創出力を示す補完指標として、スライド最下段に調整後EBITDAを今期から開示していますので、こちらも併せてご確認ください。
以上が、通期実績に関するご説明です。
3つの重点テーマ

2027年6月期の経営方針と業績予想についてご説明します。
業績予想の具体的な数字に触れる前に、3つの重点テーマについてご説明したいと考えています。今回の経営方針では、足元の増収増益を確保していくことはもちろんですが、次の成長ステージを見据えた3つの重点テーマに経営資源を集中していきたいと考えています。
3つの重点テーマは、スライドに記載のとおり「顧客基盤の強化」「ブログウォッチャーとの合併検討」「AI・ワールドモデル」という3本柱で考えています。
各項目の下段には「本章でご説明」や「Key Topicsでご説明」と括弧書きで記載していますが、これには意図があります。特に「顧客基盤の強化」については、業績予想に一定織り込んでいる部分があるため、このあと私からご説明します。
一方で、本日併せて開示しているブログウォッチャー社との合併検討については、まさに合併検討を開始する段階であり、今回の業績予想には織り込んでいません。中長期の成長を見据えた内容については、このあと内山がKey Topics内でご説明します。
ワールドモデルは、特定の顧客とのPoCのような取り組みについて、今期の売上高として一定程度織り込んでいる部分はありますが、大きな収益としては織り込んでいません。そのため、どちらかといえば中長期の新たな柱として、今期は検証を進めるフェーズとなっています。こちらも、Key Topics内でご説明します。
顧客基盤の強化については、次のスライドで詳細をご説明します。
顧客基盤の強化

当社の顧客基盤は、スライド左下のグラフにあるように、リカーリング顧客数として着実に増加しています。これまで、顧客基盤を把握する主な指標として、NRR、年間顧客単価、コホートといったデータを開示してきました。
しかし、顧客基盤が拡大・成長する中で、当社としては顧客ポートフォリオに応じた顧客基盤の強化に、今年は特に注力していきたいと考えています。
当社は、顧客価値の拡大を非常に得意とする領域としており、顧客の課題に深く入り込み、ソリューション提供に積極的に取り組んできました。また、インフラ企業への進化を以前から標榜しています。
そのため、大型顧客を増やすことだけをゴールとせず、安定収益基盤としての成長も含め、顧客の属性に応じた営業活動や展開に取り組んでいきたいと考えています。
2027年6月期 業績予想

業績予想の具体的な数字についてです。連結では、売上高が80億円、営業利益が5億5,600万円を見込んでいます。
unerry単体に関しては、前期比33パーセント増収、営業利益は53パーセント増益とし、いずれも増収増益の継続を目指しています。なお、ブログウォッチャー社の損益およびのれん償却費は、第2四半期から連結業績に反映される見込みです。
営業利益や売上高の明細については、unerryとブログウォッチャー社との比較が可能なかたちで開示しています。各社の営業利益に関しては、スライド下に米印で記載しているとおり、連結消去後の管理上の数値となっている点についてもご認識いただければと思います。
2027年6月期 利益予想の構成

利益予想の構成について、スライドのウォーターフォールチャートを用いて、少し詳細にご説明します。
unerry単体の営業利益は6億5,000万円と増益となる一方、ブログウォッチャー社の損益やのれん償却費を反映させた結果、連結営業利益としては5億5,600万円を予想しています。
調整後EBITDAは6億6,900万円で、のれん償却、減価償却費、株式報酬費用を戻し入れることにより、利益創出力の拡大が継続していることを示しています。補完指標としてご確認いただければと思います。
中長期成長目標の位置づけ

中長期成長目標の位置づけについてお話しします。我々としては、2028年6月期のunerry単体での売上高100億円を、挑戦的な中長期目標として引き続き目指していきたいと考えています。
ただし、ブログウォッチャー社との合併についての検討結果も踏まえ、これから我々グループ全体としての絵姿については、本日示すことが難しい状況です。そのため、グループとしての中長期的な成長の方向性については、2027年6月期下期を目処に提示したいと考えています。
では、ここからKey Topicsに移ります。内山よりご説明します。
今後の成長をご理解いただくための2つのテーマ

内山:トピックスは2点ご用意しています。今回、ブログウォッチャー社との合併検討を発表しましたが、なぜ今合併を検討するに至ったのか、そしてAI時代においてunerryのリアル世界データがどのような価値を持つのか、この2点についてご説明します。
Q1. なぜ今、合併を検討するに至ったのか?|これまでの経緯

1点目の「なぜ今、合併を検討するに至ったのか?」について、これまでの経緯を簡単にご説明します。
5月にグループインした後、5月から7月にかけて、両社合同でPMIを実施しました。事業・顧客の面、データ・プロダクトの面、そして組織・人材の面という、大きく3つの領域で、価値の創出機会を慎重に確認してきました。
社内では、さらに細かくプロジェクトが分かれています。その結果、両社の強みをより活かせるという確信が得られたため、今回、合併の検討を開始するというニュースを本日発表しました。来年1月の合併実施を目指して、各種の取り組みを進めていきます。
顧客・市場、データ・プロダクト、そして組織・人材について簡潔にご説明します。
顧客・市場について、unerryは顧客の課題を深く理解し、提案する力を持っています。一方で、ブログウォッチャー社は観光、不動産、自治体など幅広い顧客接点を有しています。
このため、幅広い顧客層との関係を深める、この2つの強みを掛け合わせることで、革新的な連携が可能であることが3ヶ月の取り組みを通じて、明らかになりました。
データ・プロダクトについて、unerryが高度な分析能力と顧客ごとにカスタマイズする対応力を持つ一方、ブログウォッチャー社は非常に高いデータの密度やプロダクト化、標準化の強みを持っています。このように、両社の強みが補完し合う点も明確になっています。
組織・人材について、unerryはデータの活用、エンジニアリング、課題解決力に強みがあります。一方で、ブログウォッチャー社は営業力や型化、拡販に優れた力を持つ会社です。つまり、unerryは「深く」、ブログウォッチャー社は「広く」という特徴を持っており、この2つの掛け算によって次の成長が可能だと確信を得ました。
Q1. なぜ今、合併を検討するに至ったのか?|価値創出機会

昨今、「AIによって、unerryにはどのような影響があるのですか?」「そこにおける立ち位置はどうなのですか?」という質問を多数いただいています。その答えは、ワールドモデルという事業において、今後しっかりと結果を出していくことです。
大きな背景についてご理解いただきたいのですが、AI、いわゆる生成AIには、大きく分けて3種類のデータがあります。
オープンデータに関しては、インターネット上に存在するデータであり、生成AIはインターネット上のさまざまなデータを学習します。ただし、こうしたデータを取得しても、企業間での差別化にはつながらないという特徴があります。
特に顧客企業においては、その傾向が顕著です。そのため、顧客企業は何を行うかというと、生成AIを自社に導入し、自社データを取り込んで活用するという方法を取ります。
オープンデータと自社データを活用することで、多様な自社分析が可能になります。これが、現在のみなさまがよく利用されている生成AIの状態だと思います。
しかし、課題としては、自社の内側しか見えないという点があります。例えば、小売企業の場合、自社の顧客でない領域については「うちのお店に来てくれていない顧客についての情報はないし、競合に行っている人の情報はもっとない」というような状況です。
Q2. AI時代において、unerryのリアル世界データはどのような価値を持つのか?

そこで登場するのがunerryです。リアルな世界のデータを非常に多く集めている企業であるため、オープンデータ、自社データ、そしてリアル世界データ、この3つが合わさることで、実世界で成果を出すAIが本当に実現できるのではないかと思います。
ちなみに、Gartner社の調査によると、AIに適したデータが用意できないために2026年までに断念されるAIプロジェクトが世界全体で60パーセントにも上るとされています。つまり、AIプロジェクトが進むほど、より適切なデータの必要性が確実なものとなっています。
そのため、私たちはこの3つ目の輪を提供します。
Q2. AI時代において、unerryのリアル世界データはどのような価値を持つのか?|業界毎のユースケース例

リアルな世界のデータをご提供することで、具体的に何が可能になるのかご説明します。例えば、小売業やチェーンストアでは出店計画や商圏分析にデータを活用することができます。また、消費財メーカーでは需要予測や商品の配荷の最適化に活用可能です。
「リテールメディア」と呼ばれる、コンビニエンスストアに設置された複数のデジタルサイネージなどのような形態に対して、配信の最適化や、「本当にその広告を見て何人来店したり、何人買ったんですか?」というところまでの分析が可能な仕組みです。
モビリティ分野では、需要予測や交通の配置の最適化、不動産分野では資産評価、金融分野ではオルタナティブデータ、つまり民間データを活用した株価予測といった取り組みも進めています。
いずれにしても、顧客企業が自社データのみでは学習できない領域に対して、我々が提供する解決策がワールドモデルという事業です。
unerryの新ビジネスモデル:ワールドモデル

ワールドモデルについて、2月にも発表しましたとおり、unerryの新しいビジネスとして未来を切り拓いていく事業です。
シンプルに申し上げると、人流のビッグデータと呼ばれるものが核になっています。最新の数字では、これまで8億5,000万IDとお伝えしていたID数が10億IDを超える規模となりました。
この人流のビッグデータを基盤として、購買データ、テレビの視聴データ、Webのアクセスデータ、ソーシャルメディア、アプリ、さまざまなデジタルサイネージ、そしてアンケートまでが紐づけられています。
これは、年間何兆件ものデータとなります。データをそのまま顧客企業に提供すると、多量のデータがAIのトークンを消費し、現実的な分析時間では処理が難しくなります。そのため、このデータをAIが活用できる形式に加工する仕組みを構築しています。
これを、オントロジーを構築するという専門用語で表現します。具体的には、AIが利用可能なデータとなるよう整備する仕組みです。
ID統合やデータ整合、意味づけ、予測、AI最適化など、さまざまな加工を繰り返し行うことで、顧客企業が所有するAIと連携できるデータを提供します。これが新しい事業の柱となります。
さらに、この先にあるAIの活用例として、需要予測やCRM、サプライチェーン最適化、交通最適化など先ほど示したユースケースがあります。
しかし、「どのようにデータを利用すればよいかわからない」といった課題が顧客に存在します。そのため、AI導入に関連するコンサルティングも、このワールドモデルのビジネスに含まれる内容となります。
コンサルティングとデータ、この2つを組み合わせることで、さまざまな顧客企業に当社の仕組みを導入していくことが新しい事業となります。
AIが進化し、市場が拡大すればするほど、当社のデータの必要性がますます高まり、このワールドモデルというビジネスも拡大していくものと想定しています。
次なる成長ステージに向けた方向性

このリアルな世界を理解する唯一の企業として、リアルな状況をしっかりとAIに取り込むことで、さまざまな企業の意思決定を変えるデータ企業を目指したいと考えています。
新しい期では、経営統合とAIの活用をさらに加速し、次の成長ステージを切り開いていきたいと考えています。
質疑応答:今期の売上総利益率低下の要因と改善策について
倉岡:「今期は粗利率が低下し
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