2026年度第1四半期決算説明会
マクセル、アナログコア事業群が牽引し前期比増収増益 2Q以降も概ね堅調に推移する見通し
本日のポイント

中村啓次氏:マクセル株式会社代表取締役取締役社長の中村です。2026年度第1四半期決算についてご説明します。本日のポイントは3点です。
1点目は2026年度第1四半期の業績概要です。売上高は377億円で前年同期比プラス24パーセント、営業利益は29億円で前年同期比プラス45パーセント、純利益は24億円で前年同期比プラス51パーセントとなりました。全社を牽引するアナログコア事業群が好調に推移し、増収増益となりました。
2点目は、今後の見通しです。アナログコア事業群を中心に、第2四半期以降もおおむね堅調に推移する見通しです。
3点目に、高信頼の小型電池領域での「フロントランナー戦略」に取り組みます。全固体電池を含む高信頼の小型電池領域で、グローバルNo.1をめざします。
決算のポイント:全社

では、第1四半期業績概要です。当社全体では、売上高がエネルギーセグメント、機能性部材料セグメント、光学・システムセグメントで構成されるアナログコア事業群の好調な推移により増収となりました。
営業利益、経常利益、純利益についても、アナログコア事業群の販売が好調であることに加え、円安による為替効果も影響し、増益となりました。
スライド左の表に記載されているとおり、2026年度の売上高は前年同期比プラス74億円の377億円です。営業利益は前年同期比9億円増の29億円となり、営業利益率は7.6パーセントです。経常利益は31億円、純利益は24億円、為替は1ドル159円でした。
売上偏差(2025年度 第1四半期 →2026年度 第1四半期)

2026年度第1四半期の売上の偏差です。本年度の第1四半期は377億円となり、前年同期比で74億円の増収となりました。
数量差異は45億円で、偏差の内容はスライド右側に記載しているとおりです。増収要因として、一次電池、粘着テープ、産業用部材、車載光学部品、半導体関連、電設工具の製品数量が伸びました。
一方で、昨年計上した電池関連の一過性ライセンス収入については、本年度は計上がないため、この部分が減収に影響しています。
また、二次電池に関しては、角形リチウムイオン電池の生産が昨年5月で終了したことによる数量減少がマイナス要因となっています。
さらに、健康・理美容製品の販売がやや苦戦しています。その分の数量が減少し、差異として影響している状況です。
価格差異は13億円の増収となりました。これは主に原材料費の高騰分を販売価格に反映したことによるものです。為替差異においては、円安の影響により16億円の増収となっています。
営業利益偏差(2025年度 第1四半期→2026年度 第1四半期)

営業利益偏差についてご説明します。当該年度の第1四半期は営業利益が29億円で、前年同期比で9億円の増益となりました。
内容としては、まず価格差異が13億円あります。これは主に原材料費の高騰分を販売価格に反映したことによります。
数量差異については、販売量に応じたものであり、一次電池、粘着テープ、産業用部材、車載光学部品、半導体関連、電設工具の分野で増収が増益につながっています。
また、前年に実績として上がっていたライセンス収入が今年度には見込まれないため減益となり、さらに健康・理美容関連製品の販売がやや苦戦しました。
原材料費等については、銀やナフサ関連の原材料費が高騰し、16億円の減益要因となっていますが、販売価格への反映によりしっかりと回収を行っています。
原価低減等の主な要因はチャート内の吹き出しに掲載しています。原価低減活動そのものには一定の進捗があり、コスト削減の取り組みは進んでいます。
しかし、人財投資の強化に伴う人件費の増加、減価償却費の増加に加え、今回マクセルサクラがグループに加わったことによるのれん償却を計上し、原価低減等はマイナス2億円となりました。
為替差異は、円安の影響で9億円のプラスとなりました。
決算のポイント:セグメント別(エネルギー)

各セグメント別の内容について説明します。まずは、エネルギーセグメントです。
第1四半期累計の売上高は152億円で、前年同期比49億円の増収となりました。一方、営業利益は8億円で、前年同期比で1億円の減益となっています。
スライド下のコメントにもあるように、一次電池についてはマクセル本体およびマクセルサクラを含め、医療機器用や車載用などが好調に推移し、増収に寄与しています。一方で、二次電池については角形リチウムイオン電池の生産終了により、減収となっています。
営業利益については、先ほどお伝えした販売状況に加え、原材料費の高騰分を販売価格に反映させることで、増益に貢献しています。
また、二次電池においては全固体電池の開発費は引き続き計上していますが、角形リチウムイオン電池の赤字を解消したことで収益性は改善しています。
セグメント全体としては、前年に一過性のライセンス収入があったため、前年同期比ではマイナスに見えますが、これを除けば着実に増益しているという内容です。
決算のポイント:セグメント別(機能性部材料)

機能性部材料セグメントです。第1四半期の売上高は96億円で、前年同期比で18億円の増収となっています。営業利益は10億円で、前年同期比6億円の増益となりました。
不安定な中東情勢を背景に、各種資材の需給関係が逼迫したため、実需を上回る在庫の積み増しなどの特需要因があり、売上が増加しました。
一方で、高付加価値の建築・建材用や半導体製造工程用テープについては、実需として販売が好調に推移したため、増収につながりました。産業用部材についても、塗布型セパレータおよび工業用ゴム製品ともに増収となりました。
営業利益については、この販売の状況に加え、原価高騰分を販売価格に適切に反映させることで収益を確保することができました。
決算のポイント:セグメント別(光学・システム)

光学・システムセグメントについてです。第1四半期の売上高は92億円となり、前年同期比で14億円の増収となりました。営業利益は11億円で、前年同期比6億円の増益です。
売上高の内訳として、車載光学部品、特に次世代レンズの販売拡大により増収となりました。また、半導体関連製品は、昨年は非常に苦戦しましたが、本年度は顧客側の在庫消化が進み、販売が回復しています。さらに、ライセンス収入はおおむね計画どおりに進捗しています。
営業利益については、前述の販売状況を含め、車載光学部品や半導体関連製品を中心とした増収により増益となっています。
決算のポイント:セグメント別(価値共創事業)

価値共創事業についてです。第1四半期の売上高は36億円で、前年同期比で6億円の減収となり苦戦しています。営業利益は0.3億円で、前年同期比で2億円の減益となっています。
具体的な内容としては、電設工具は国内外ともに堅調に推移し増収です。一方で、健康・理美容製品は国内および北米を中心に受注が滞り減収となっています。
営業利益については、先ほど申し上げた販売状況を受け、電設工具では増益となっていますが、健康・理美容製品は減益となっています。
中東情勢による事業及び業績への影響

中東情勢による事業および業績への影響について、あらためてご説明します。全体としては、一部で原材料や資材の入手が困難となり、販売停滞が発生している状況もあります。原材料費の高騰分については、販売価格への反映を進めています。
また、一部では顧客による在庫積み増しにより需要が拡大する中、迅速な生産体制の整備により、対応を確実に行うことができました。これにより、業績全体へのマイナス影響を回避している状況です。
セグメント別では、エネルギーセグメントにおいて一部でアジアルートのBtoC向け販売に停滞が見られましたが、全体として影響は軽微にとどまっている状況です。
機能性部材料セグメントについては、中東情勢を背景とした各種資材の需給逼迫により、粘着テープなどの在庫積み増し需要が発生しています。一方で、コスト面ではナフサ関連の原材料高騰分を適切に販売価格へ反映することで、収益性を確保している状況です。
光学・システムセグメントや価値共創事業については、生産および販売への影響は軽微にとどまっています。
アナログコア事業群の今後の見通し

今後の見通しについてご説明します。アナログコア事業群を中心に、第2四半期以降もおおむね堅調に推移する見通しです。
セグメント別では、エネルギーセグメントにおいて、一次電池は医療機器用を中心に引き続き堅調に推移すると予想しています。また、下期から小野事業所の新製造ラインが本格稼働することを見込んでいます。
マクセルサクラとの生産能力の相互補完について、一部製品については、マクセルの小野事業所で生産能力を上回る受注がある場合に、マクセルサクラで補完を行うことも含め、需要増に確実に対応していきたいと考えています。
次に、二次電池についてです。角形リチウムイオン電池の生産終了により収益性が改善しています。さらに、次の大きな柱となる全固体電池は、FA向けの汎用モジュールの開発を6月に完了し、本格販売を加速していく計画です。
機能性部材料セグメントについてです。粘着テープは、中東情勢の影響により第2四半期もおおむね堅調に推移する見通しです。ただし、下期以降は少し落ち着くのではないかと予測しています。
半導体製造工程用テープはAIやデータセンタ需要に支えられ、今後も非常に堅調に推移する見通しです。建築・建材用テープは、小淵沢事業所の新ラインが稼働していることもあり、今後数量を増やしていきたいと考えています。
産業用部材については、塗布型セパレータがハイブリッド車を中心に足元では好調であり、第2四半期以降もこの状況が継続する見通しです。
光学・システムセグメントは、車載光学部品において次世代レンズを中心に計画どおり伸長する見通しであることに加え、新規用途として非車載分野の開拓も推進していく方針です。
半導体関連として、半導体DMSはAI・データセンタ需要が引き続き好調で、汎用タイプの回復に伴い顧客在庫消化が進むと見込んでいます。この旺盛な需要にしっかり応えるべく、上期中に増産体制を整え対応していきます。
原材料(銀)価格高騰の対応状況

原材料関係についてです。特に銀の高騰がエネルギーセグメントに大きな影響を与えています。この対応については、スライドに簡単なイメージ図を示しました。
1月以降、銀価格が非常に高騰しましたが、足元では落ち着きを見せています。
我々のコストも赤点線のように上がっていますが、タイムラグはあるものの価格に反映することで収益をしっかり確保しています。特に、この下期からは適正な利益水準に回復する見通しです。
高信頼の小型電池領域での「フロントランナー戦略」

高信頼の小型電池領域における「フロントランナー戦略」について、あらためてご説明します。
これまで培ってきた独自の技術力やノウハウを、全固体電池を含む高信頼の小型電池領域でしっかりと活かし、規模と先進性の両面でグローバルNo.1をめざしていきます。
需要が高まる高信頼の小型電池 (一次電池)

我々は現在、全固体電池などの二次電池にも取り組んでいますが、主力としては一次電池を展開しています。マーケット全体のトレンドとして、さまざまな電子機器が技術革新により小型化・高性能化し、通信機能を備えるなど、新たな付加価値が加わっています。これに伴い、新しい用途が広がっています。
このような背景の中で、高信頼性の小型電池の需要が急速に拡大しています。当社の一次電池に該当する使い切り電池についても新たな用途が増加しています。これは小型の電力インフラとして重要な役割を担う、エネルギー産業の一端を支えるものと認識しています。
スライドはタイヤ空気圧センサー向けの耐熱コイン形リチウム電池の市場シェアおよび医療機器向けのCGMの市場規模を示しています。いずれも今後の見通しは非常に明るく、市場は順調に拡大していくと予想されます。当社としても、この分野で売上と収益をしっかり伸ばしていく考えです。
さまざまな問題を解決する小型の全固体電池

二次電池として、当社は全固体電池を提供しています。永久電源的な使い方をお客さまに価値として認めていただけるよう、さまざまな顧客開拓を加速しています。
メンテナンスフリーという観点から、ファクトリーオートメーションなど多様な用途での利用を想定し、お客さまと擦り合わせを進めながら顧客開拓を加速しています。
ターゲットとなる市場規模は、マクセルの調査によれば、産業用ロボット等で約54万台、稼働している産業用ロボット等では約430万台を超える大きな潜在需要があります。しっかりと顧客開拓を進めていきたいと考えています。
全固体電池の進捗状況

足元の振り返りを、製品開発と顧客開拓の2軸で共有します。
当社は2019年に硫化物系の全固体電池を開発しサンプルの出荷を開始しました。この電池は当社の主力製品であるマイクロ電池と非常に似た製造方法であり、コア技術を活かせると判断し選択しました。
2021年からは、全固体電池を含めた開発リソースを1ヶ所に集約し、開発を加速させる全社体制を構築しました。
2022年には、高容量セラミックパッケージ型全固体電池の製品化を実現しました。しかし、信頼性を重視するお客さまにとって、量産設備で製造されたものでなければ採用が難しいという場面もありました。
そこで2023年には量産設備を完成させ、量産機で製造したサンプルを認定用として評価いただきました。同年にはニコンさまの多回転アブソリュートエンコーダの採用が決定するに至りました。
その後も、さまざまな開発を加速し、2025年には使用可能な温度範囲を広げるなど、顧客開拓を進めてきました。スライド右側に記載しているような分野を中心に市場を広げることができました。
2026年度には、全固体電池を主電源として活用することを含め、大型電池の開発に取り組んでいます。また、既存市場で一次電池を置き換えるモジュール開発も加速し、現在、京セラさまやスバルさまで実証実験を進めていただいている状況です。
全固体電池のターゲット市場の展望と期待される用途

全固体電池は高信頼性や長寿命といった現在の強みを基盤としつつ、耐熱温度の拡大や出力・容量の向上をめざした開発を進めることで、メモリバックアップや主電源としての利用も広がっています。このような開発を着実に進めていく考えです。
アナログコア技術が高信頼の小型電池を生み出す

当社のコア技術についてあらためてお伝えします。まぜる・ぬる・かためるという技術によって当社が作り上げた最終製品は、ライバルメーカーなどさまざまなところで調査されても、どのように作られているのかわからない製造プロセスの差別化を競争力の源泉としています。この取り組みを引き続き加速していきます。
「規模の拡大」と「先進性の追求」

全固体電池を含め、小型電池を中心に事業拡大をめざすにあたり、規模の拡大という意味では、マクセルサクラとの連携をしっかりと進め、新しい用途を開拓する必要があります。
ベンチャーキャピタルのJAFCOとも連携し、外部先端技術の獲得を進めながら、小型電池領域のフロントランナーをめざして取り組んでいきます。
コーポレートバイライン「Micro batteries. Maximum impact.」

これからも、コーポレートバイライン「Micro batteries. Maximum impact.」を掲げ、企業価値を向上させていきます。
質疑応答:エネルギーセグメントの着地が良好であった理由について
質問者:第1四半期の着地が想定よりも少し良かったと推察します。特にエネルギーセグメントと機能性部材料セグメントが良かったのではないかと思います。
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