logmi Finance
logmi Finance
石井食品株式会社2894

東証スタンダード

食料品

目次

石井智康氏(以下、石井):みなさま、こんにちは。石井食品株式会社代表取締役社長の石井智康です。今から、2026年3月期第85期決算についてご説明します。よろしくお願いします。

まず会社概要について、その後は通期決算の内容を中心にご説明します。残り10分程度で事前質問への回答および追加の質問にお答えしますので、なんなりとご質問ください。

会社概要

会社概要の説明に移ります。石井食品株式会社です。初めてご覧いただく方もいらっしゃると思いますので、あらためてご紹介します。

当社は千葉県船橋市に本社を置き、1945年創業、80年の社歴を持つ会社です。工場は千葉県八千代市、京都府京丹波町、佐賀県唐津市の3ヶ所に構えています。

会社概要

当社は、「時代の課題に合わせてビジネスをつくる『食』の実験企業」を標榜しています。

沿革:第一期

当社の商品では、特に「ミートボール」や「ハンバーグ」をご認知いただいていると思いますが、沿革の第一期をご覧いただくとおわかりのとおり、当社は佃煮・煮豆から始まった会社です。もともと佃煮や煮豆の真空包装技術を業界で初めて導入し、成長してきました。

実際に佃煮・煮豆メーカーとして上場しており、業界団体も佃煮・煮豆業界の団体に属している会社です。

沿革:第二期

その後、沿革第二期として1970年代に業界初の調理済みハンバーグ「チキンハンバーグ」を開発しました。続いて「イシイのおべんとクン ミートボール」を発売し、ハンバーグやミートボールが主力商品となっていきました。

沿革:第三期

第三期では、1990年代に食の安心・安全に注力し、現在の技術の礎となっている食品添加物を使用しない「無添加調理」の技術を開発しました。現在はこの技術をベースにすべての商品を製造しています。

また、独自のトレーサビリティシステムを開発し、品質保証番号を導入することで、社内ですべてのトレーサビリティを管理するとともに、お客さまにも公開し、安心・安全の提供に取り組んでいます。

沿革:第四創業期

現在は第四期を迎え、主に地域とともに成長する循環型ビジネスモデルの構築を掲げています。地域食材を活用した商品作りを、生産者とともに推進しています。

企業理念・経営目標

経営目標に「日本一、生産者と地域に貢献する食品会社になる」を掲げ、生産者とともに発展する食品会社を目指しています。

第四創業期で目指す循環モデル

その実現のために必要な、当社が考える循環型モデルがあります。現在の食のサプライチェーンにおいて、生産者と生活者が離れすぎている現状に対し、新しいビジネスモデルを提案しています。

当社は生産者と連携して商品開発を行い、そこに協力いただける流通・小売のパートナーとともに、生産者や地域の生産物のファン作りに取り組んでいます。

主な事業

当社はミートボールやハンバーグを主力商品としていますが、そのほかにも「地域と旬」と銘打った地域食材を活用したシリーズをはじめ、さまざまな商品を開発しています。

また、祖業である正月料理ではおせちを中心に多様な商品を製造しています。特徴的な取り組みとしては、非常食やローリングストック向けの食品、食物アレルギー配慮食なども製造、展開しています。

2026年3月期‐業績ハイライト

2026年3月期の決算についてご説明します。ハイライトはこちらのスライドに記載のとおりです。

売上高は堅調に推移しました。残業削減や省エネ施策によるコスト抑制で一定の効果を得られたものの、新規事業に関わる広告費、設備修繕費、資産除去債務の見積変更などの影響で経費が大幅に増加し、最終的には減益となりました。

2026年3月期‐連結業績

P/Lです。売上高は109億7,000万円で、約1億円の増収となりました。売上総利益は約35億円、営業利益は1,500万円、経常利益は2,200万円、当期純利益はマイナス7,400万円で、前期比で大幅な減益となっています。

2026年3月期‐財務状況

財務状況についてご説明します。営業キャッシュフローは、過去2期とほぼ同程度の6億8,000万円を確保しています。営業キャッシュフローが大きく変動しているように見えますが、これは前々期及び前期に曜日に起因する支払いの期ずれがあったことが影響しています。

過去2期分の平均では約6億8,200万円の営業キャッシュフローを創出しており、今回も同程度の金額を確保しています。そのため、既存事業においては例年どおりキャッシュを創出できている状況だと分析しています。

投資キャッシュフローについては、設備投資に伴う補助金を獲得できたことがプラスに働いています。3億4,000万円の支出となっており、例年比で大幅に減少していますが、例年と同規模の設備投資を実施しています。

2026年3月期‐営業利益

今期の営業利益について詳細にご説明します。今ご説明したとおり、当期は前期比で大幅な減益となりましたが、本業に関しては一定程度の改善が進んだと考えています。

ウォーターフォールチャートの青い部分をご参照ください。特に重要な要点としては2つ挙げられます。

1点目は価格改定効果です。2025年3月に価格改定を実施し、2026年3月期には通期でその効果を享受しました。これにより売上高が増加し、原材料費率も改善したため、収益が向上していると考えています。

2点目は生産性向上です。機械投資やロボット化投資を進めてきた結果、減価償却費は増加しましたが、それ以上に生産性向上に伴う残業削減が進んでいます。さらに、生産効率の向上により水道光熱費などのエネルギーコスト削減も進み、経費削減につながっています。

一方で、ベースアップや賞与の増加も含め、人件費は増加しています。高齢化対応に基づく年代別の人件費も増えているため、全体として上昇傾向にあります。

また、将来を見据えた各種投資を実施しており、これらが営業利益を圧迫する要因となっています。

1つ目に、新規事業投資として複数の新規事業を立ち上げており、事業立ち上げに伴う広告費が先行発生しています。

2つ目に、工場修繕費については通常の修繕費用に加えて、安全性確保や労働環境の改善を重点的に進めたことで、例年以上の費用がかかっています。

さらに、採用力の強化やスキル向上を目的として業務委託人材を雇用し活用することで、組織強化に伴う経費の増加が見られます。

将来費用の計上も大きな要因です。今期に保有する工場の解体計画が具現化したことにより、解体費用の見積もりを実施しました。その結果、従来の見積もりを大幅に上回ることが判明し、追加で資産除去債務を経費として計上しました。

2026年3月期‐営業利益(下方修正の内訳)

そして、特に株主のみなさまにご心配をおかけしていると思われる、下方修正についてご説明します。

第3四半期には営業利益3億6,000万円を計上しており、通期業績予想は2億5,000万円とご報告していました。また、第4四半期には、修繕費の増加や人的投資などの費用増加を計画に織り込んでいたため、これを加味して2億5,000万円の着地を予想していました。

しかし、第4四半期において当社の想定を大幅に上回る事象が発生し、営業利益が大幅に減少したことから、業績予想の下方修正を行いました。

最も大きな要因は、資産除去債務の見積もり変更などの将来費用を追加計上したことです。これにより約1億4,500万円の下振れ要因が発生しました。

また、安全性確保や労働環境整備を目的とした工場内の改善を行いましたが、想定以上に修繕費がかさみ、約5,000万円の増加となりました。

さらに、来期以降の売り場確保を目的として例年2月・3月に行っている販売促進を強化した結果、販売に対するインセンティブが約4,000万円の増加となりました。

以上の影響により、当初予測を大きく下回る着地となったことを今回発表しています。

2026年3月期の活動トピックス

2026年3月期の活動トピックです。ロボット化や自動化の投資を継続して進めていますが、特に今期は、これらの投資に加え、残業を前提としない生産体制への転換を進めており、生産計画のあり方や発注タイミングを全社的に見直しました。各施策が相互に効果を発揮し、残業時間を前年比で57パーセント削減することができました。

これによって、残業のない生産体制の構築に向けて大きく前進できたとともに、今期以降、さらなる生産性の改善に向けての足がかりになったと考えています。

2026年3月期‐商品群別実績

続いて、商品別の実績についてご説明します。詳細はお時間のある時に資料をご確認ください。

2026年3月期‐商品群別実績 ミートボール

ミートボールについては、売上高が前年比101.7パーセントで、価格改定後も定番商品として堅調に推移しています。価格改定に伴い一部で数量減少が見られますが、生産面では許容範囲内の減少と認識しています。通常、価格改定後は一時的に生産数量が減少しますが、想定どおり、または想定以上に回復できています。

2026年3月期‐商品群別実績 その他TOPIC_常温商品

現在、常温商品として「いつでもミートボール」「いつでも1.5倍チキンハンバーグ」を販売しています。これらは常温保存が可能で、賞味期限が1年以上あるタイプの商品です。

徐々にではありますが、売上は着実に伸長しており、これにより従来展開できなかった売り場への拡大や海外展開も可能な商材となっています。現在、この拡大に合わせて常温商品の生産体制の整備を進めています。

2026年3月期‐商品群別実績 地域商品

続いて、地域商品についてご説明します。この地域商品を第四期の重点項目として位置付けています。今年は「産地を食卓へ」というメッセージのもと、ブランディングを刷新し、「地域と旬」のリニューアルとともに、本カテゴリの強化に前期から取り組んでいます。

残念ながら、2026年3月期は天候不良などの影響により一部商品で大幅な不作が発生し、全体的に販売数量および売上の減少に至りました。今回のリニューアルに加えて新商品の開発を進めており、本事業をいかにより強いビジネスへと成長させるかが、第四期創業期のテーマになると考えています。

2026年3月期‐商品群別実績 正月料理

正月料理です。正月料理は当社の祖業であり、技術拡大の観点においても重要な商材と位置付けています。コロナ禍以降、生産体制や販売チャネルの見直しを進めたことで、売上高や生産数量を絞ってきましたが、2026年3月期から再びおせちが成長軌道を描けるようになってきたと考えています。

具体的には、アレルギーに配慮したおせちや1人前のおせちなど、弊社が得意とする領域での展開を進めています。また、販売チャネルも従来の小売り依存から直販をメインとする商売へと変化させる中で、おせちを成長軌道に乗せていきたいと考えています。

2027年3月期‐通期業績予想

このような状況を踏まえ、2027年3月期の業績予想として、売上高を111億9,900万円と設定しました。おおむね2パーセント程度の増加を目指したいと考えています。

2027年3月期は、営業利益と経常利益をしっかり確保できる予測を立てています。営業利益は1億5,000万円、経常利益は1億5,500万円を見込んでおり、当期純利益もしっかり計上し、EBITDAも数年前と同じ程度の水準まで回復させたいと考えています。

本年の業績発表は以上となります。当初の予想を大きく下回ったことについては、経営陣として深くお詫び申し上げます。これを踏まえて、さらに安定感のある強固な業績を構築できるよう邁進していきます。

<

facebookxhatenaBookmark