2026年3月期決算説明
フリュー、営業利益が前年比+48.1%と大幅増、27年3月期も+20.6%を予想 世界観ビジネスの好調等が背景
フリューの2軸の自社評価

榎本雅仁氏(以下、榎本):本日はお忙しい中、フリュー株式会社2026年3月期決算説明会にご参加いただき、ありがとうございます。代表取締役社長の榎本です。
まず、フリューの強みについてあらためてご説明します。フリューは、世界観ビジネスとガールズトレンドビジネスにおいて、「『かわいい』を創出する能力」に優れた企業です。
「かわいい」を創出する企画力、優れた製品を作る開発力、さらにメーカー気質を持ち、業界最後発参入であっても、コツコツとPDCAを回しながら改善を重ねてきました。その結果、世界観ビジネスではクレーンゲームの景品市場で業界2位、ガールズトレンドビジネスではプリントシール機業界で9割超のシェアを達成する成果を上げています。
世界観ビジネスにおける強みとしては、IPを獲得する力と、それぞれのIPの魅力を表現する力に優れています。ガールズトレンドビジネスでは、グループインタビューなどを活用したマーケティングを基に商品企画を行い、それを的確に製品化する力に長けています。
これらの強みを活用しつつ、弱みとして挙げられるマーケティングやブランディングについては、外部の知見を取り入れながら取り組んでいきます。今後は「IP×プリ×かわいい」を武器にして、グローバル市場で戦っていきたいと考えています。
26年3月期 総括

2026年3月期の決算概要を説明します。スライドでは総括として、4つのポイントにまとめています。
1つ目は、連結業績についてです。2026年3月期には営業利益が前期比48.1パーセント増を達成しました。また、2027年3月期には営業利益が前期比20.6パーセント増となる見込みで進めています。
2つ目は、増配についてです。2026年3月期は配当予想の39円から40円に引き上げる増配で着地しました。3つ目として、TSR(株主総利回り)は31.5パーセントを達成しています。株価が今年に入って動き始め、配当も40円に増配したことが要因となっています。
4つ目は、ガールズトレンドビジネスについてです。会社全体のトピックスとして、プリ30周年特別企画「DEAR 令和&平成 ウチらの伝説プリ」を活用することで、それまで中高生を中心とした顧客層から、社会人ユーザーを獲得することに成功しました。また、その後もリピーターにつながりつつある実績が出ています。
26年3月期 業績ハイライト

業績のハイライトです。連結全社では、世界観ビジネスの好調と「ピクトリンク」の価格統一が牽引し、大幅な増益を達成しました。売上高は前年比101.0パーセントの447億円、営業利益は前年比148.1パーセントの33億円で着地しています。
個別の詳細については、後ほどご説明します。
26年3月期 連結概要

連結概要として、第4四半期の数字についてご説明します。売上高は前年同期比で13.9パーセントの伸びを示しました。
世界観ビジネスとガールズトレンドビジネスの売上高はともに前年同期比10パーセント超の伸びを示しました。また、フリューニュービジネスの売上高も前年同期比105.8パーセントと成長を遂げています。
営業利益については、前年同期比217.4パーセントを達成しました。世界観ビジネスの営業利益は前年同期比137.2パーセント、ガールズトレンドビジネスの営業利益は前年同期比162.8パーセントと、いずれも大きく利益を伸ばしています。
一方で、フリューニュービジネスでは一過性の損失が発生したため、営業利益は前年同期と比較して大きく悪化しました。この点については大変申し訳なく思っています。
26年3月期 世界観ビジネス 概要

ここからは、それぞれのセグメントの概要を説明します。最初に、世界観ビジネスについてです。
一言で申し上げると、世界観ビジネスは各サブセグメントも含め、非常に順調に推移しています。クレーンゲーム景品では、定番カテゴリの売上がしっかりと確保され、第4四半期も前年同期比119.4パーセントの大幅な増収を達成しました。
海外物販に関しても、北米と香港の売上が拡大し、第4四半期の売上高は前年同期比120.7パーセントを達成しています。ただし、中国に関してはやや低調な状況です。販路拡大がうまく進んでいないことが要因であり、今期は販路拡大に力を入れ、中国での事業も伸ばしていきたいと考えています。
高価格帯ホビーに関しては、これまで赤字体質で利益が出ない状況が続いていましたが、2026年3月期は黒字化を目指し、しっかりとしたプロセス改善を行いました。2月や3月には売上が集中し、第4四半期の売上高は前年同期比135.0パーセントを達成し、利益を出しつつ売上も伸ばすことができました。
くじについては、タイトル4本を投入したものの、前年第4四半期の数字が非常に良かった影響で売上高は前年同期比67.2パーセントの着地となりました。しかし、累計売上高は前年同期比103.3パーセントを達成しており、事業は着実に拡大しています。
26年3月期 ガールズトレンドビジネス 概要

ガールズトレンドビジネスについてです。第4四半期の売上高は前年同期比113.2パーセントで着地しました。アミューズメント施設では「DEAR 令和&平成 ウチらの伝説プリ」キャンペーンによりプレイ数が回復し、それに伴いシール紙の出荷も前年同期比で増加したため、売上高も前年同期比で増加しました。
「ピクトリンク」に関しては、価格統一の進捗が約98パーセントに達し、ほとんどのユーザーがプレミアム会員にシフトしました。その結果、売上高は前年同期比で122.8パーセントの約19億円で着地しています。
今期のガールズトレンドビジネスは、これまで展開してきたプリントシール機「ピクトリンク」や、以前から提供しているコンテンツサービスに加えて、新たなチャレンジも行っています。そのため、スライドの表では既存ビジネスと新規ビジネスに分けて表現しています。
新規ビジネスに関しては、スライド右下に記載されている「レタッチ」「IPプリ」「推し活プリ」を指しますが、これらはまだ売上が大きく伸びている状況ではありません。一方、営業利益については一定の投資を行っているため、第4四半期ではマイナス1億6,000万円をコストとして計上しています。
既存ビジネスの第4四半期の営業利益は、前年同期比で173.0パーセントとなりました。前年を5億円程度上回り、回復してきています。これらを合わせて、第4四半期の営業利益は前年同期比162.8パーセントの約10億円で着地しました。
26年3月期 フリューニュービジネス 概要

フリューニュービジネスについてです。第4四半期の売上高は前年同期比105.8パーセントで、家庭用ゲームソフトやアニメが前年と比べて好調に推移しました。一方、第4四半期の営業利益はマイナス3億5,000万円となり、一過性の損失が発生しています。
家庭用ゲームソフトについては、2026年3月期はヒット作に恵まれなかったため、直近の販売実績での見込販売数量を見直した結果、ソフトウェア償却の追加計上を2億1,000万円としました。また、アニメに関しても貸倒引当金計上として1億4,000万円を損失計上しています。
結果的に累計の営業利益は前年同期比で若干悪化し、マイナスでの着地となっています。引き続き、新規事業という位置づけの中で、選択と集中を意識しながらオペレーションを進めていきたいと考えています。
27年3月期 連結業績予想について

ここからは、2027年3月期の業績予想についてお話しします。売上高は480億円で、前期比107.2パーセントの増加を予想しています。営業利益については40億円で、前期比120.6パーセントを見込んでいます。
27年3月期 連結業績予想について

連結業績予想の詳細については、後ほどご説明します。
当期のプレイ回数とピクトリンク有料会員数の見通し

当期のプレイ回数と「ピクトリンク」の有料会員数の見通しについては、スライドをご覧ください。
株主還元と財務方針

株主還元と財務方針についてご説明します。当社は、安定的な配当と機動的な自己株式取得を通じて、株主還元の充実を目指しています。2028年3月期には、ROE15.0パーセント以上を目標としています。
2026年3月期には、1株当たり配当金を39円から40円に増配しました。今後も利益が出た分については配当で還元し、機動的な自己株式取得を通じて効率的な運営を進めていきたいと考えています。
キャピタル・アロケーション

2025年3月期まではキャピタルアロケーション、つまり稼いだキャッシュをどのように活用していくかについてのご説明を行っていませんでした。昨年後半からは、戦略投資枠を50億円から60億円と想定しているという内容を記載しています。
M&Aやマイノリティ出資、合弁企業設立などの投資に回すか、適切な投資先がない場合は自己株式の取得というかたちで、しっかりと投資していきたいと考えています。
M&A方針(28年3月期までの方針)

M&Aに関しても社内で議論を進めています。特に事業シナジーをしっかりと発揮できる分野を中心に検討しています。とりわけ、世界観ビジネスにおいては、「推し活」の市場が拡大しており、非常に多くのビジネスチャンスが見込まれます。
一方で、同様のビジネスを展開し、さらにシナジーを生み出せる可能性のある企業も多い状況です。このような中で、まずは同じビジネスモデルでバリューチェーンが近い企業を対象とし、難易度の高い案件よりも着実に成長を目指せる企業を選定し、PMIの経験を積んでいきたいと考えています。
2027年3月期 施策について 世界観ビジネス

ここからは、各セグメントにおける施策についてご説明します。まず、世界観ビジネスですが、市場全体としては好調が続いています。クレーンゲーム景品に関しても、プライズゲーム市場は引き続き好調に拡大しています。
そのような中、当社においては主要IPの入れ替わりがあるものの、売上の好調を維持しています。定番キャラクターの売上を着実に積み上げ、新しいIPにも挑戦しています。
新しいキャラクターへの投資も進めており、ヒット作が生まれない場合でも一定の売上規模を確保しつつ、ヒットが生まれることでさらなる成長を目指すという方針をとっています。
新しいIPの取り組みについては引き続き進めており、チャレンジを続けています。
海外物販について、海外市場は現在拡大傾向にあります。当社もその流れに乗り、好調に推移しています。売上高は前年比約1.5倍で推移しています。
特にアメリカはもともと好調でしたが、それに加え香港でも拡大が進んでいます。主に日本のアミューズメント施設企業が海外へ進出しており、そうした企業とうまく連携することで、さらなる拡大が見込めると考えています。
今後は、新たなアミューズメント施設企業の展開に加え、物販の販路開拓を進めるとともに、販売先の国ごとに特化したIPを獲得し、売上の拡大を目指していきたいと考えています。
高価格帯ホビーについては、これまで数年間赤字に悩んできましたが、プロセス改善を行い、人気のあるIPを獲得して、高粗利の商品に絞った販売により、黒字体質へと転換しました。
こちらは黒字体質がかなり進んでおり、2026年度には売上・利益ともに増加する見込みです。引き続き利益が見込めるような動きをとっていますので、ご期待いただければと思います。
2026年3月期施策の振り返り ガールズトレンドビジネス

ガールズトレンドビジネスについてです。スライドの右端にあるキャンペーン「DEAR 令和&平成 ウチらの伝説プリ」は非常に好調で、昨年12月に開始して以降、「ピクトリンク」の有料会員数がスライドのグラフのとおり急増しています。
主に社会人ユーザーの増加によるものですが、一過性で終わらせることなく、リピーター化につなげていく施策を今後も定期的に展開していきたいと考えています。
「ピクトリンク」の中学生の無料会員数も増加しており、スライドの左端にあるとおり、会員数のグラフが大きく伸びています。こちらについてはプリ入学をしっかりと捉え、その後、高校生や大学生で課金していただけるようにすることを目指し、まずは入口を確保するという取り組みを進めています。
「ピクトリンク」の価格統一については、スライドの中央に記載のとおり、ほぼすべて順調にシフトが進んだと考えています。
GTB成長戦略

GTBの成長戦略について説明します。これまでは、スライドの「①既存プリ」というかたちで、「盛れる」という体験価値を女子中高生をターゲットに提供していました。ただ、少子化の影響のため、また当社のシェアがすでに9割を超えているため、それ以上の事業拡大は難しい状況でした。
しかし、今回「DEAR 令和&平成 ウチらの伝説プリ」キャンペーンを通じて上の世代にも刺さる企画を立てて提供することで成果を上げられる可能性を実感しました。大学生以上を今後のターゲットに設定し、それらの世代にも刺さるようなSNSやプロモーションを活用することで、しっかりと市場を拡大していきたいと考えています。
新規事業としては「③IPプリ」に力を入れて進めていきたいと考えています。昨年、中国でのさまざまな機会の中で、キャラクターを活用したプリントシール機を展開し、推し活ユーザーをターゲットにしたプリントシール機のテストマーケティングを実施しました。
課題は多々ありましたが、国外を含めたニーズをしっかりと把握することができました。この経験を踏まえ、今後は国内外に広めていきたいと考えています。そうすることによって、プリントシール機そのものにまだ市場を創出できる可能性があることを示していきたいと考えています。
2027年3月期施策について ガールズトレンドビジネス

2027年3月期のガールズトレンドビジネスの施策についてです。「プリ×ピクトリンク」に加え、プロモーションをしっかり活用しながら、さまざまな場面で「また撮ってみたい」や「これだったら撮りたい」といったユーザーの動機をしっかりと刺激し、実際の体験へとつなげていきたいと考えています。
これまでの流れでは、ゲームセンターに行って「こういうのが出たんだ、じゃあ撮ってみよう」と体験するものでした。これからは、まずSNSなどで知っていただき、「これ撮りたい」という気持ちをきっかけにゲームセンターに足を運んでいただくという流れをしっかり作りたいと考えています。
また、スライド右側に記載のとおり、IPや推し活プリを活用し、推し活ユーザーを的確に捉えて、何度でもプレイしていただけるプリントシール機や、「SUKELU factory」のような印刷が可能なサービスを提供しながら、新たな事業を創出していきたいと考えています。
2027年3月期施策について フリューニュービジネス

フリューニュービジネスについてです。こちらは、安定的な収益をしっかりと狙っていくことをテーマとしています。
家庭用ゲームについては、オリジナルタイトルの提供を進めながら、ヒット作を目指します。これまでプロセス改善には至りませんでしたが、昨年ヒット作に恵まれなかったことを受け、業務プロセスの改善も含めてヒットを目指していきます。
それと併せて、海外ではPC向けのSteam市場が拡大しているため、直接販売による海外での販売も拡大していきたいと考えています。
アニメ事業に関しては、『ゆるキャン△ SEASON4』を2027年にリリース予定です。現在発表しているものとして、製作委員会の幹事を務める2作品があります。また、制作機能をもつ子会社(フリュー・ピクチャーズ)を立ち上げたこともあり、アニメの幹事業務から制作、商品化まで全体を管理し、アニメ事業をより強化していきたいと考えています。
アパレルD2C事業の「Olu.」については、良い商品を作る準備が整いました。この商品を、広告宣伝費を抑えながらSNSで拡散し、ファンを作り、リピーターにつなげていくことがテーマです。このサイクルがしっかり構築できない限り、新規事業として選択と集中を行い、事業継続の判断を見極めていきたいと考えています。
今後の展望 フリューニュービジネス

フリューニュービジネスでの一番のポイントは、アニメ『ゆるキャン△ SEASON4』です。こちらは2027年放送としか発表していませんが、制作は当社の子会社であるフリュー・ピクチャーズが担当しています。高品質なアニメを提供することを目指し、ティザーサイトに関してもファンの方々から非常に好意的なご意見をいただいています。
制作から商品化までを自社でしっかりとコントロールし、収益モデルを確立していきたいと考えています。
中期ビジョン 目指す経営指標と定量目標

中期ビジョンの進捗についてご説明します。スライドに掲げているとおり、中期ビジョンであるROE15パーセント以上、営業利益率10パーセント以上、および2027年度目標である売上高600億円、営業利益60億円に対し、2025年度の実績はすべて未達成の状況となっています。
しかし、現時点ではこれらの目標を諦めてはいません。しっかりと戦略を練り、残り2年間で目標を達成し、営業利益60億円を目指していきたいと考えています。
現在、世界観ビジネスは好調に推移しており、ポイントはガールズトレンドビジネスをいかにV字回復させるかという点です。そのための方策について社内で検討している最中で、私自身も昨日ディスカッションを行い、収益をどのように伸ばすかを議論しました。今後も収益改善にしっかりと取り組んでいきたいと考えています。
質疑応答:フリューニュービジネスの一過性の損失と今後のリスクについて

質問者:スライド14ページに記載されているフリューニュービジネスの「一過性の損」に関する質問です。「ソフトウェア償却追加計上により一過性の損失計上」と表現されていますが、その原因について詳しく教えてください。
仮にヒットしなかったことが原因だとすると、現時点では今後も継続的にヒットが出るという前提で進めていると思いますが、万が一ヒットしなかった場合、同様の事態が今後繰り返される可能性があると認識すべきでしょうか?
さらに、貸倒引当金に関連する一過性の損失計上についても、もう少し詳しく教えてください。
榎本:まず、家庭用ゲームソフトのソフトウェア償却についてですが、ご指摘のとおり、ヒットしなかったため、直近の販売本数などを前提に将来的な収益性をシミュレーションして見込販売数量を試算した結果、収益性が見込めない部分について追加費用を計上しています。
したがって、今後もヒット作が出ない状況が続く場合には、同様の費用が計上される可能性があると認識しています。
当社は、家庭用ゲームソフト事業を長く続けている一方で、新規事業も展開しています。市場が大きく変化する中で、当社がその変化に対応できなくなるようなことがあれば、場合によっては事業そのものからの撤退も視野に入れる必要があると考えています。
したがって、この状況が今後2年、3年と続き、毎回損失を出しながら継続するよりも、事業の見極めをしっかりと行い、早い段階で結論を出すことが重要だと考えています。
アニメの貸倒引当金については、取引先である制作会社の貸し倒れによって計上しています。
質疑応答:プリントシール機30周年キャンペーンの効果について

質問者:スライド27ページのプリントシール機30周年キャンペーンについての質問です。こちらのキャンペーン自体が非常に成功しているとのお話でした。
第1弾が6月末まで延長されることから、その期間まではキャンペーン効果が続くと考えられます。一方で、キャンペーンという性質上、一過性で終わりそうな印象もあります。
先ほど、ターゲット層を社会人やより幅広い年齢層に広げることに触れられていましたが、このキャンペーンの効果が一過性で終わるのか、あるいは一過性ではない場合、次の企画はどのようなものになるのか、具体的に教えてください。
榎本:私自身もさまざまなデータを確認していますが、今回のキャンペーン「DEAR 令和&平成 ウチらの伝説プリ」をきっかけに、社会人の方々が多く撮影しているというデータが得られています。
その中で、「DEAR 令和&平成 ウチらの伝説プリ」を撮影するだけではなく、こちらをきっかけに他のプリントシール機でも撮影する傾向が見られています。
したがって、リピーター化については、一過性のキャンペーンを断続的に続けるだけではなく、まずは今回のキャンペーンをきっかけに、久しぶりにプリントシールを撮影していただき、その楽しさを再確認していただいた上で、現在展開している他のラインナップや業態にも波及させる狙いがあります。
当然ですが、なにかフックになるきっかけを大きく作らなければ、お客さまに足を運んでいただけません。そのため、フックとなる施策を今後も定期的に検討し、展開していきたいと考えています。
その後については、定番ラインナップのバリエーションを現在さまざまに展開しています。バリエーションが豊富な他のプリントシール機で楽しんでいただき、継続的な利用の定着を目指しています。
常にキャンペーンを実施し続けるよりも、社会人の方々をターゲットに、お盆休みや年末年始、ゴールデンウィークなどのタイミングを活用して効果的にキャンペーンを展開し、その後、既存のプリントシール機に興味が波及することを目指して取り組んでいきます。
質疑応答:中国でのキャラクターIPプリ展開の見通しについて

質問者:スライドの29ページの「2026年度上期中に設立予定の中国子会社を拠点にキャラクターIPプリを展開予定」という記述について、おうかがいします。
こちらは「すでにテストマーケティングが行われ、良い評判を得た」というお話だったと思います。ビジネスのボリューム感としては、イニシャルからそれなりにまとまった数字が出るイメージなのでしょうか? それとも、もう少し時間がかかるイメージなのでしょうか? ビジネスボリュームの見通しについて教えてください。
榎本:2026年3月期の取り組みとしては、まず既存のプリントシール機を用い、一部中身をアレンジした状態でテストマーケティングを行い、ユーザーや推し活ユーザーの反応を確認しました。
その結果、日本の既存のプリントシール機では操作が難しく、動線が複雑で使い方がわかりにくいという根本的な課題があることが判明しました。そのため、現在、推し活ユーザー向けのシンプルな筐体を開発しています。
そちらがどこかのタイミングでリリースされる予定ですが、いきなり何百台も製造するのではなく、まずはどのような場所でニーズがあるのかを把握し、新しい筐体で実際に撮影していただき、その中でユーザーがどのように反応し、評価するのかを確認しながら進めていきます。
したがって、2027年3月期の時点では、売上に大きく貢献するほどのボリュームは想定していません。ただし、あるタイミングで確実な手応えが得られれば、後半に向けてさらに加速できるような動きを考えています。
質疑応答:キャピタル・アロケーションの方針について

質問者:バランスシート周りの考え方について、あらためて教えていただきたいです。キャッシュの水準や、そちらを踏まえたキャピタル・アロケーション、今後想定されるキャッシュフローの動きも含めて、お考えをお聞かせください。
榎本:スライドをご覧ください。これまで当社は、キャピタル・アロケーションについての考え方を表に出してきませんでした。しかし現在は、スライドのとおり、営業キャッシュフローで稼いだ金額とこれまでに積み上げてきた現預金をどのように活用するかを示しています。
現時点で137億円の現預金が積み上がっており、それをいかに成長に活用するかについて議論を進めています。
株主還元をしっかりと実施しつつ、戦略投資枠として50億円から60億円を投資に活用する方針です。ただし、適切な投資先がない場合には、自己株式を取得するかたちで株主還元に回していきます。
成長投資を第一優先とし、そのための適切な選択肢がない場合には、株主さまへの還元を優先するというポリシーで取り組んでいきたいと考えています。また、累進配当を堅持しており、利益の一部は株主さまに還元していく方針です。
さらに、ROE15パーセントを達成するために、分母である自己資本と分子である純利益についても注視していきます。
質疑応答:戦略投資枠のうちP/Lに反映される投資について
質問者:戦略投資枠について、おうかがいします。特にP/Lに反映されそうなものと、M&A等を分けて考えた場合、前者については今後どのような時間軸とリターンの規模で考えておけばよいのか教えてください。
榎本:戦略投資のP/Lに現れる部分については、今回、ガールズトレンドビジネスにおいて既存事業と新規事業を明確に分けたことがP/Lに反映されています。こちらと併せて、フリューニュービジネスは新規事業として、まさに投資枠として位置付けられています。
新たに飛び地での事業展開を進めるというよりは、世界観ビジネスやガールズトレンドビジネスなど、既存事業の周辺で、これまでのリソースをしっかりと活用できる領域への投資を目指しています。
ガールズトレンドビジネスにおいては、既存ユーザーのみならず、上の世代のユーザーに向けた投資や、「IPプリ」「推し活プリ」など、推し活ユーザーをターゲットとしたプリントシール機への投資を進めていく考えです。
世界観ビジネスについては、推し活市場でさまざまな商材が盛り上がっているため、フリューの知見が活かせるような周辺の商材があれば、そちらに挑戦していきたいと考えています。
質疑応答:M&Aの進捗について
質問者:M&Aやマイノリティ出資について、おうかがいします。具体的に強化を検討中の領域やケイパビリティ、また、これらを踏まえた現状のパイプラインの手応えやビジビリティなどがあれば教えてください。
榎本:当社はM&Aのノウハウが十分ではありません。そのため、実施するとすれば、まずは世界観ビジネスで商材や販路を拡充するなど、現在のビジネスの延長線上で必要となるM&Aや、リソースの強化につながるM&Aを検討しています。
現在そのようなM&Aのための人材強化も行っています。こうした人材を活用しながら、適切な機会があれば実行に移したいと考えています。
ただし、いきなり大型の案件に着手し、不確実な投資を行うのは当社にとってリスクが大きいため、まずは小規模な案件であっても、PMIを検討しながら進められるものを優先し、世界観ビジネスの分野で取り組んでいきたいと考えています。
質疑応答:開示内容の充実の背景について

質問者:キャピタル・アロケーションについてのご説明を聞き、ガールズトレンドビジネスにおける既存ビジネスと新規ビジネスの開示内容を見ると、開示の粒度や情報量が一段と変化している印象を受けました。
その背景にある考え方について、どのような経緯で今回のような開示内容の充実に至ったのか、可能な範囲で教えてください。
榎本:P/Lに値する投資については、スライドの営業キャッシュフローに関連して、本来はもう少し議論を深めるべきだと思いますが、そこだけで論じると煩雑になりすぎます。
そこで、既存事業内での投資部分を明確に分けて表現することで、投資家の方々によりわかりやすくお伝えする必要があるという議論がありました。その結果、既存事業と新規事業を分けて記載するかたちを選びました。
これにより、既存事業では一定の利益が出ており、その中からどれだけ投資されているかを示すとともに、その投資が数年後にどれくらいのリターンを狙っているかを表現することで、投資家のみなさまにも安心感を持っていただきやすくなるのではないかと考えています。
キャピタル・アロケーションを提示した背景としては、当社が現預金を多く保有する企業であると見られることが多いのに対し、そちらをどう成長につなげるのかという議論が社内でも十分には深められていない状況がありました。
そこで、こちらの資料を作成し、どのように成長を加速させていくかについての社内外での議論を活性化させることを目指しました。
質疑応答:クレーンゲーム景品市場の成長と展望について

司会者:「クレーンゲーム景品の高い成長が続いていますが、今後もこの成長率を維持できる見通しでしょうか?」というご質問です。
榎本:クレーンゲーム景品については、現在、アミューズメント施設以外でも市場がさらに拡大しています。スライドのグラフはアミューズメント施設に限ったものですが、郊外ではスーパーマーケットなどと共存する形式のクレーンゲームが大幅に増加しています。
したがって、スライドに示されている市場の伸びに加えて、スーパーマーケットやコンビニエンスストアにもクレーンゲームが設置されるようになり、市場全体がさらに拡大していく傾向が続いています。
この傾向が継続する限り、当社は優れた商品を提供することで売上を増やすことが可能です。そのため、現在は自信を持って事業を推進しています。市場が一定の成長を続ける中で、当社はさらにその成長率を超えた拡大を達成する自信を持っています。
現在、IP獲得においても、定番の関係性をより良くする一方で、新たな挑戦となるIPも積極的に獲得しています。他社と比較しても、当社は新しいIPの獲得に積極的に取り組んでおり、市場の成長を上回る伸びを目指せる体制が整っていると考えています。
質疑応答:M&Aにおけるバリュエーションと価格の想定について
司会者:「M&Aについて、バリュエーションや価格などハードルレートはありますか?」というご質問です。
榎本:私の説明では不足があるかもしれませんので、事務局にも補っていただきたいですが、まずバリエーションについては、業界が置かれている環境などをいろいろ加味しながら実施したほうがよいと考えています。そのため、一概にこれくらいというような具体的な目安は特にありません。
価格については、現時点では、小型の案件であれば10億円程度が1つの目安となるかと思います。事務局のほうでも補足があればお願いします。
事務局:いわゆるM&Aに際してどの程度のバリュエーションを想定しているかということだと思いますが、今回のM&Aについては、榎本社長もコメントしたとおり、規模的にそれほど大きなものではないため、必ずしも上場企業が対象となるとは限らないという点が挙げられます。したがって、バリュエーションの方法も市場評価のみに基づくわけではないと考えています。
加えて、買収後のシナジーを含めたP/Lをどのように見るかによっても変わってくると見ています。この点については、慎重に多面的な審査を行い、M&Aを進めていきたいと考えています。
質疑応答:中東情勢が及ぼす影響について
司会者:「中東情勢について、今後コストアップ等の影響はどのくらいありますか?」というご質問です。
榎本:中東情勢については日々情報が流動的ですが、社内でも議論を重ねています。現時点では、比較的早いタイミングで直接的な影響が出そうなのは、世界観ビジネスの工場における原材料の高騰です。
次にプリントシール機ですが、プリントシール機は比較的早いタイミングで発注を行うため、2027年3月期については一部影響はあるものの、大きな影響はない見込みです。
質疑応答:メモリ価格変動の影響について
司会者:「ガールズトレンドビジネスでメモリ高騰の影響はありますか?」というご質問です。
榎本:メモリについては昨年末頃から値動きがあり、比較的早いタイミングで対応していますので、全体への影響はそれほど大きくないと考えていただいて問題ありません。
質疑応答:株主還元と自己株式取得について

司会者:「前期上期の決算説明資料に記載されていたキャピタル・アロケーションと比較すると、現預金が積み上がっている一方で、スライド右側のキャッシュアウトの配分内訳は変わっていないのはなぜでしょうか? ROE15パーセント以上の目標に向けて、株主還元の強化についてはどのようにお考えでしょうか?」というご質問です。
榎本:株主還元については、スライドに記載のとおり、安定的な配当と機動的な自己株式取得を通じて、しっかりと還元していきたいと考えています。また、ROE15パーセント以上という目標については、分子と分母の両方をしっかりと見据えながら取り組んでいきたいと考えています。
機動的な自己株式取得については、現時点では詳細についてお答えできませんが、それらの点をしっかりと意識した経営を行っています。そのように受け止めていただければと思います。
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