銘柄発掘|世界トップシェアのVOC濃縮装置、半導体・電池需要を取り込む設備関連銘柄
半導体・データセンター投資拡大が追い風、ペロブスカイト関連でも注目の機械銘柄
国内の注目銘柄を紹介する連載「ログミーFinanceの#銘柄発掘」。ビジネスモデルやファンダメンタルズの分析を通じて、中長期で保有できる優良銘柄の見極め方が身につく実践的シリーズです。今回は、西部技研を取り上げます。

デシカント除湿機57.4%とVOC濃縮装置28.7%が柱の特殊空気処理メーカー
西部技研(6223)は、工場向けに空気の湿度や有機溶剤ガスを制御する特殊空気処理メーカーです。主力製品は、超低湿環境をつくるデシカント除湿機(乾燥剤で空気中の水分を除く除湿装置)と、排ガスからVOC(揮発性有機化合物)を回収・除去するVOC濃縮装置です。
2025年12月期の製品別売上高は、デシカント除湿機が197.0億円で57.4パーセント、VOC濃縮装置が98.6億円で28.7パーセント、全熱交換器などを含むその他が47.6億円で13.9パーセントでした。
事業別では、装置・機器販売を担うコア事業が226.5億円で66.0パーセント、成長事業であるトータルエンジニアリングが116.7億円で34.0パーセントを占めています。
世界トップシェアのVOC濃縮装置と30ヶ国5,000台超の納入実績
同社の強みは、心臓部となるハニカムローター(蜂の巣状の回転体)を自社開発し、日本で製造して世界の製造拠点へ供給する体制にあります。VOC濃縮装置では世界トップシェアを持ち、約30ヶ国で5,000台超の納入実績があります。単に機器を販売するだけでなく、超低湿環境が必要なドライルームの施工まで請け負える点も特徴です。
生成AI関連の半導体投資拡大でVOC濃縮カセット需要に追い風
足元の需要先として注目したいのが、半導体と電池です。まず半導体分野では、VOC濃縮カセット案件の伸びが期待されます。半導体工場では、製造工程で有機溶剤を含む排気が発生するため、それをそのまま処理するのではなく、いったん濃縮してから効率よく回収・分解する必要があります。
西部技研のVOC濃縮カセットは、その排ガス処理設備の中核部材として使われます。生成AIの普及に伴ってデータセンター向け半導体への投資が広がれば、その波及効果を受ける余地があります。
デシカント除湿機は2026年12月期に17.7%増収計画、電池分野が拡大
電池分野でも需要拡大が見込まれます。リチウムイオン電池などの製造工程では、水分が電解液や材料の品質に悪影響を与えやすいため、超低湿のドライルームが欠かせません。デシカント除湿機は、その環境を支える中核設備として重要性が高まっています。2026年12月期の会社計画では、日本やアジアでエナジーデバイス関連の工場投資拡大を見込み、デシカント除湿機の売上高を231.9億円と前期比17.7パーセント増と計画しています。
ペロブスカイト太陽電池向け4.0億円受注、国策市場で量産案件を獲得
この流れは、次世代分野として注目されるペロブスカイト太陽電池にもつながります。ペロブスカイト材料も湿度の影響を受けやすく、製造環境を厳密に管理できるかどうかが品質や歩留まりを左右します。
西部技研は、国内の総合エンジニアリングサービス会社から、ペロブスカイト太陽電池製造工場向けに約4.0億円の低露点対応型デシカント除湿機を受注しました。受注額約4.0億円は、2025年12月期売上高343.2億円に対して単純計算で約1.2パーセントにとどまりますが、経済産業省の「次世代型太陽電池戦略」をはじめとする国策支援のある新市場で、量産設備向け案件を受注した点は注目されます。
今後、関連投資が広がれば、装置販売に加えて、トータルエンジニアリングの拡大にも波及する余地があります。
地域別売上の変動と営業利益11.0%減計画には注意が必要
もっとも、成長期待の大きさとあわせて意識しておきたいのが、顧客の設備投資動向によって業績が振れやすい点です。実際、2025年12月期は2024年12月期との比較で、中国向け売上高が68.5億円から57.4億円へ、ヨーロッパ向けが56.2億円から35.2億円へ落ち込みました。決算説明資料では、デシカント除湿機が韓国、中国、欧州で減収だった一方、日本での伸びがそれを補ったとされており、需要テーマが強くても地域ごとの設備投資の強弱で売上がぶれやすいことがうかがえます。
また、2026年12月期は売上高360.5億円と増収を見込む一方、営業利益は40.3億円で前期比11.0パーセント減の計画です。人的資本投資やIT投資、補助金対象の試作試験費が先行するためで、需要テーマそのものは魅力的ですが、業績は一直線に伸びるというより、投資サイクルに応じて波を伴いやすい点には注意が必要です。
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・11:00〜11:05
オープニング
・11:05〜11:55
①西部技研(6223)
・12:00〜12:50
②トリプルアイズ(5026)
・13:55〜14:45
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執筆者プロフィール
執筆:西田哲郎ライター・コンテンツディレクター。投資歴15年。大きな損失を出したことをきっかけにイナゴを卒業、ビジネスモデルとファンダメンタルズ重視の手法に切り替える。業界紙やスタートアップを経てフリーで投資情報メディアやM&A情報サイトの立ち上げに関わり、現在は主に週刊誌で投資や経済関連の記事を執筆。
※記事内容、企業情報は2026年3月30日時点の情報です。
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