銘柄発掘|ARR20億円を目指す岩盤収益、「利回りくん」も収益を支える不動産銘柄
入居率99.8%で管理約4,000戸、都心案件を着実に積み上げる総合不動産グループ
国内の注目銘柄を紹介する連載「ログミーFinanceの#銘柄発掘」。ビジネスモデルやファンダメンタルズの分析を通じて、中長期で保有できる優良銘柄の見極め方が身につく実践的シリーズです。今回は、シーラHDを取り上げます。

不動産テックを統合、都心特化で一体運営を進める総合不動産グループ
シーラHD(8887)は、東京23区や横浜、川崎を主戦場に、用地取得から企画・設計、販売、管理までをグループで手がける総合不動産グループです。2025年6月1日に旧クミカがシーラテクノロジーズを株式交換で完全子会社化し、同日付で「シーラホールディングス」へ商号変更しました。これにより、従来の不動産開発・販売・管理に、不動産クラウドファンディングサービス「利回りくん」などの不動産テック機能が加わり、グループとしての一体運営が進んでいます。
売上構成は2026年5月期の会社予想ベースで、総合不動産事業が303億円で約87.8パーセント、不動産管理事業が27億円で約7.8パーセント、再生可能エネルギー事業が14億円で約4.1パーセント、建設事業が1億円で約0.3パーセントです。
管理戸数3,953戸、入居率99.8%の高水準が管理収益を下支え
シーラHDの強みは、都心・準都心で需要を見込みやすい物件を選び、開発、販売、販売後の管理までを自社グループ内でつなげていることです。分譲会社は、引き渡しの時期によって業績が振れやすい面がありますが、同社は販売後も賃貸管理や建物管理を取り込めるため、収益が単発で終わりにくい特徴があります。
2025年5月末時点では、賃貸管理戸数が3,953戸、建物管理が99棟に達し、入居率も99.8パーセント、99.7パーセントと高水準でした。立地選定と管理体制が機能していることで、販売後の管理収益が細りにくい土台を築いているとみられます。
首都圏マンション初月契約率63.9%でも、複数の出口戦略で販売機会を確保
さらに、首都圏で不動産価格が上昇し、買い手の選別が厳しくなる局面でも、都心寄りの物件を複数の出口に振り分けられる点は特徴です。不動産経済研究所によると、2025年の首都圏新築分譲マンションは発売戸数が2万1,962戸、初月契約率は63.9パーセントで、2年連続の70パーセント割れでした。一方で、平均価格は9,182万円、東京23区では1億3,613万円まで上昇しています。こうした環境では、売り先を分散できる企業のほうが動きやすい面があります。
シーラHDは、国内外の個人投資家に加え、ブラックロックの私募ファンドを含む機関投資家や事業会社への売却実績、管理業務の受託実績も持っています。そのため、市況が重い局面でも販売機会を確保しやすく、都心不動産の回転を維持しやすいと考えられます。
ARR20億円目標、「利回りくん」管理報酬も含む岩盤収益の積み上げに注目
同社は、賃料収入や賃貸管理、建物管理、「利回りくん」の管理報酬などを岩盤収益と位置づけ、今期中のARR20億円を目標に掲げています。都心案件の回転を続けながら、販売後の収益基盤をどこまで厚くできるかに注目です。
現預金106.2億円を確保、都心案件取得を支える資金余力に注目
財務面では、2026年5月期中間期末の現預金が106.2億円あり、同業比でも手元資金が比較的厚い点がまず目を引きます。シーラHDは都心部での案件取得を成長の起点にしているだけに、この資金余力は事業拡大の機動力として評価できます。有利子負債366.5億円、自己資本比率28.2パーセントと借入活用型の財務ではありますが、現金を厚めに持つことで、販売時期のずれや投資機会の到来に柔軟に対応しやすい点は前向きに見ておきたいところです。
配当利回り3.05%、2030年5月期DOE4%目標で還元強化を継続
株主還元では、2026年5月期の年間配当予想は1株12円です。2026年4月3日終値394円ベースの予想配当利回りは3.05パーセント、予想DOEは2.8パーセントとなっています。DOEについては、2030年5月期の目標としてDOE4パーセントを掲げており、増配基調かつ安定的な配当を期待できそうです。
加えて、株主優待の継続と自己株式の取得も打ち出しており、配当だけに限らない還元姿勢もうかがえます。
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執筆者プロフィール
執筆:西田哲郎ライター・コンテンツディレクター。投資歴15年。大きな損失を出したことをきっかけにイナゴを卒業、ビジネスモデルとファンダメンタルズ重視の手法に切り替える。業界紙やスタートアップを経てフリーで投資情報メディアやM&A情報サイトの立ち上げに関わり、現在は主に週刊誌で投資や経済関連の記事を執筆。
※記事内容、企業情報は2026年3月30日時点の情報です。
※当記事内容に関連して投資等に関する決定を行う場合は、ご自身の判断で行うものとし、当該判断について当社は一切の責任を負わないものとします。なお、文中に特定の銘柄の投資を推奨するように読み取れる内容がある可能性がございますが、当社および執筆者が投資を推奨するものではありません。
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