第128回 個人投資家向けIRセミナー 第2部
淺沼組、業績好調で通期予想と配当予想を上方修正 8年連続増配予定で年間配当43.5円へ
目次

豊田彰啓氏(以下、豊田):株式会社淺沼組 代表取締役専務執行役員 戦略企画本部長の豊田です。よろしくお願いします。
本日は、当社の個人投資家向けの説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。ただいまより、会社説明会を始めます。
まず、私から当社の沿革、創業理念、そして事業概要をご説明します。
続いて、執行役員コーポレート・コミュニケーション部長の浅沼が、中期3ヵ年計画に基づく当社の取り組み、さらに先月公表した業績および配当の上方修正を含めた業績や株主還元についてご説明します。
1. 会社概要

豊田:当社を初めて知る方も多いかと思いますので、概要を簡単にご説明します。当社は1892年に奈良県で創業し、以来総合建設業を営んでおり、今年で創業134年を迎えます。
会社の規模としては、連結売上高が1,670億500万円、営業利益が68億6,700万円、全体の従業員数は約1,800名です。
2. 沿革

豊田:当社の沿革です。1892年に創業し、1926年には現在本社を構えている大阪へ進出、その後全国に展開してきました。
現在では、北は北海道から南は沖縄まで業容を拡大し、海外ではシンガポールを中心にビジネスを展開しています。
3. 創業理念

豊田:淺沼組は、創業者である淺沼幸吉の「仕事が仕事を生む」という事業に対する信念のもと、「和の精神」「誠意・熱意・創意」を創業理念とし、日々変わり続ける時代の変化に耳を傾けてきました。
そして、私たちを取り巻く環境の変化に対応するため、防災・減災をはじめとした安心安全な社会基盤の構築や、快適な環境作りに取り組んできました。
4. 事業概要(国内)

豊田:事業概要です。スライドにある事業ポートフォリオの円グラフに示しているとおり、86パーセントが建築事業、14パーセントが土木事業およびその他事業です。
4. 事業概要 ①建築事業(国内)

豊田:国内の建築事業です。スライド左下のグラフは、完成工事高、つまり売上高の直近5年の数字を示しています。
折れ線グラフは利益率を示しています。昨今の資材や労務価格の高騰の影響を受けてやや減少していましたが、選別受注を強化した結果、昨年度は大きく改善しました。
新築工事が8割強、リニューアル工事が2割弱であり、スライド右下の円グラフのとおり、工場や倉庫の案件が豊富です。続いて住宅や事務所などの案件を多く建設しています。
4. 事業概要 ②土木事業(国内)

豊田:スライドは、国内の土木事業についてです。先ほどと同様、左下のグラフは完成工事高と利益率を示しています。
用途別の完成工事高は、スライド右下に記載の円グラフのとおり、上下水道をはじめとするさまざまな種類の工事を行っています。
4. 事業概要 ③海外事業

豊田:海外事業です。当社は1976年から海外で事業を展開しており、当初はグアム島を中心に活動していました。現在では、シンガポールにおいて買収した2社のリニューアル関連子会社を中心に、ASEAN地域全体で事業を展開しています。
特に、シンガポール子会社の業績は堅調に推移し、連結業績にも貢献しています。
5. 業績推移(連結)

豊田:当社グループの業績について、直近5年の数字をグラフ化して示しています。
スライド右上の営業利益は、先ほどお話ししたとおり、資材や労務価格の高騰の影響で一時的に低迷しましたが、直近では大きく改善しています。
また、スライド右下の自己資本比率が直近期で減少している要因は、中間配当を導入したことに加え、当社が80パーセントの株式を保有していたシンガポールの子会社エバーグリーン社の残り20パーセントの株式を取得し、100パーセント完全子会社化したことによる一過性のものです。
総じて、売上高および利益は着実に増加しており、営業利益率およびROEは安定しています。純資産と自己資本比率も十分に問題のない水準と考えています。
それでは浅沼より、具体的な業績や施策、配当内容について、中期3ヵ年計画に沿ったご説明します。
1. 中期3ヵ年計画のテーマ

浅沼真里香氏(以下、浅沼):戦略企画本部コーポレート・コミュニケーション部長の浅沼です。中期3ヵ年計画に沿った当社の具体的な取り組みをご説明します。
当社は、2024年度を初年度とする中期3ヵ年計画を遂行しており、今年度がその2年目にあたります。この計画では、3年間の注力事項として6つのテーマを掲げています。
スライドの6つのテーマに基づき、中期3ヵ年計画を進めていますが、本日はその一部を抜粋してご説明します。
2.テーマ毎の取り組み(1/6)

浅沼:1つ目のテーマは、「国内コア事業の強化」です。
先ほど豊田からご説明したとおり、当社のコア事業は国内の建築・土木であり、それらの事業をあらためて質の高いものにすべく強化を図ろうという内容です。
具体的な取り組みとしてご紹介したいのが、スライドの上部に記載の「選別受注の強化」です。
建設業では、さまざまな案件を受注し、施工してお客さまにお届けするというプロセスを経ます。その入口にあたる受注の段階で、さまざまな諸条件を確認し、より良い案件を選別して受注します。この取り組みを「選別受注の強化」と呼んでいます。
例えば、受注の段階で市況環境に合わせて、適切かつ十分な利益率を確保することを目指しています。
当社では、毎年4月に全国の営業社員に対し、受注時利益率の目標値として設定した基準以上の案件を獲得するよう指示しています。この基準を、ハードルレートのようなものと捉えていますが、直近2年間で継続的に引き上げています。
これは建設物価に応じた調整によるものであり、その結果、実際の受注時利益率も向上してきています。
さらに、利益率だけではなく、受注時点で各工事現場の社員や協力会社が確実に休みを取れるよう、ゆとりのある工程を基準とした案件の獲得にも取り組んでいます。
これは、ゆとりのない工程では突貫工事になりやすく、原価が圧縮される要因となるほか、最悪の場合には事故が発生するリスクもあるためです。そのため、工程にゆとりがある案件かどうかを慎重に検討しています。
また、昨今の人手不足に対応するため、受注段階で社員や協力会社の体制が確保できる案件、施工がしやすい案件など、さまざまな諸条件をチェックポイントとして設けた上で受注を行うことも、特徴の1つです。
さらに、当社では1つの工事の種類や分野に偏ることなく、バランスの良い受注を心がけています。
スライドの図の左側に「施工効率が高い」と示されていますが、これはいわゆる鉄骨造と呼ばれる案件です。工場や倉庫などが多く、施工効率が非常に高いため、社員1人当たりの売上高が高い案件になりやすい傾向があります。
しかし、そればかりを受注してしまうと、右側に記載されているように、技術力の向上や後輩への技術伝承といった観点で課題が生じる可能性があります。
そのため、鉄筋コンクリート造と呼ばれる住宅や学校などの難易度の高い案件も受注する必要があります。
収益性、施工性、技術力などを考慮して受注を行うという、バランス型の受注を実践しています。これも選別受注の1つと言えるでしょう。
関本圭吾氏(以下、関本):株式会社IR Agents 代表の関本です。国内コア事業の強化について、私からいくつかうかがいます。
他の企業も利益率が良い案件を選別して受注したいと考えていると思いますが、これが可能になるためには何か条件があるのでしょうか? それとも、案件が豊富な中で、御社が確実にプロセスを踏んでいるために可能となっているのでしょうか? このあたりの背景を教えていただけますか?
浅沼:背景としては、今おっしゃっていただいたとおり、全体の市況環境、すなわちマーケットの観点で見ると、需給バランスに少し変化が生じてきたことが挙げられると思います。
具体的には、人手不足という状況もあり、全体的に需要に対して供給がなかなか足りていないという現状があります。そのため、比較的お客さまとさまざまなお話をしやすい環境になりつつあります。
さらに当社は、長年この仕事に従事し、ノウハウや品質を確保した仕事をしているため、競争ではなく特命で「淺沼組にお願いします」と言われる案件が非常に増えてきています。
これまで当社が培ってきた経験や実績も踏まえた上で、お客さまとさまざまな議論をしやすい環境になってきたと感じています。
2.テーマ毎の取り組み(2/6)

浅沼:2つ目のテーマは「リニューアル事業の強化」です。
当社は創業から134年が経過しましたが、新築の建物をメインに建築事業を展開してきました。
もちろん、お客さまからのご用命があれば、いわゆるリニューアルと呼ばれる、既存の躯体を活用したリノベーション事業も行っていました。ただし、基本的には新築を中心に手掛けていました。
しかし、4年ほど前からリニューアル事業に注目し、これを重要なビジネスと位置づけて、リニューアルブランドを立ち上げました。そして、お客さまに積極的に提案を行っています。
では、なぜリニューアル事業に注力するのかについて、スライドに記載のとおり、3つのポイントがあると考えています。
1つ目は、「環境配慮・モノへの愛着に対する社会的意識の高まりに応える」ためです。リニューアルは、躯体を残したままリノベーションを行うため、新築に比べて環境に優しいという特徴があります。そのような社会的な意識の高まりに、確実に対応できる点が挙げられます。
次に2つ目として、「中長期的な人口減少による需要の確保」と記載しています。その下には建築物のストック推移を示したグラフがあります。
このグラフを見ると、1990年以前に建築された建物が全体の約半分を占めています。このように、築30年から40年以上経過した建物が非常に多く存在しており、当社がリニューアルを提案している対象となります。
さらに、当時建てられた建物は、現代のような高層ビルが少なかった時代のものであり、中規模ビルが主流です。そのため、当社にとって提案しやすいサイズ感の建物となっています。
3つ目は「収益性の確保」です。これは何十年も前に建てられた建物をリニューアルするもので、当時の図面が存在しない場合や、壁を開けてみると想定外のものが出てくるなど、複雑な対応が必要となるリニューアルに該当します。つまり、このような観点から難易度が比較的高いものといえます。
さらに、工事において「居ながら工事」と呼ばれる、建物利用者が建物を利用している状態での工事を実施する場合もあり、この観点からも難易度が高いといえます。そのため、ノウハウが求められる分野です。
当社のように長年ゼネコン業務を行い、ノウハウを蓄積してきた企業としては、いわゆる現場力、すなわち現場を見た際に、建物がどのような状態で、どのような対応が必要かを瞬時に判断できる点が、例えばリニューアル専業会社に比べて技術力やノウハウの面で優れていると自負しています。この強みが当社の重要な収益源となっています。
関本:先ほど、リニューアル比率が2割弱程度であるとお話がありましたが、今後これを少し拡大させていくという方針なのか、それともバランスとして現在の水準を維持するお考えなのか、どのようなイメージでしょうか?
浅沼:当社としてはリニューアルに注力していく方針で、今後も拡大を目指したいと考えています。
ただし、リニューアル案件は、当社の場合、新築の5分の1ほどの比較的小さい規模となるため、すべてをリニューアルにするのは難しい面があります。それでも比率としては、今後もう少し引き上げたいと考えています。
では次に、リニューアル事業における当社の2つの優位性をお話しします。
1つ目は、リニューアルのサイズが比較的小さいため、大型のゼネコンと比較して当社規模の企業が入り込みやすい点です。先ほどもお話ししたように、1990年代頃の建設物ストックには小規模のビルが多いことが影響しています。
2つ目は、スライド右側に記載の技術力とノウハウの点です。当社は、例えば専業会社よりも優位性があるのではないかと考えています。
2.テーマ毎の取り組み(2/6)

浅沼:引き続きリニューアル事業の説明です。
当社は、このリニューアル事業を強化するため、先ほどお話ししたようにリニューアルブランドを立ち上げました。そのブランディングの一環として、全国に本店・支店を展開する中で、名古屋支店の自社ビルを全面リニューアルしました。
テーマは循環型建築や人への健康などで、当社の技術やノウハウをすべて反映し、このような全面リニューアルを実施しました。
スライド左側のbeforeと記載の写真が元のビルで、右側のafterが、土壁や木材などをさまざまに取り入れたリニューアル後の外観です。
その結果、国内外から18の賞を獲得しました。また、お客さまをはじめとしたさまざまな関係者が名古屋支店まで足を運んでくださり、累計で先日2,000名を超えて来訪いただきました。
非常に良いコメントも多くいただいており、当社の方向性は間違っていないと確信しています。
2.テーマ毎の取り組み (2/6)

浅沼:当社のリニューアル事業は、環境や人の健康といった単なるリニューアル以上の付加価値を提案しています。これらは先ほどのキーワードとしても示しました。
ゼネコンの中では比較的珍しい取り組みとされていますが、当社は土に着目し、土を材料とした技術開発を進めています。
その一環として、現場で発生した土を有効活用する「還土(かんつち)ブロック」や「立体木摺(きずり)土壁」という技術を開発しました。これらは当社が命名したもので、このたび両技術に関する特許を取得しています。
スライドの左下にある写真は、先ほどお伝えした名古屋支店のものです。こちらでは「還土ブロック」を壁の部分に使用しています。
右側の写真は、商業施設「豊洲 千客万来」内にある「芋松」さまの店舗に「立体木摺土壁」を導入いただいた様子です。このように意匠的にも美しいものと考えています。
2. テーマ毎の取り組み(2/6)

浅沼:先ほどお伝えした技術が社外からも評価されているということで、この事例を記載しています。
例えば「還土ブロック」は、「土EXPO 2025 OSAKA」で「土とみどりのイノベーションアワード」資源循環部門を受賞しました。
また、「立体木摺土壁」は、その技術を用いた店舗が「グッドデザイン賞」に選ばれています。このように、意匠面・デザイン面でも高く評価されています。今後も当社の強みを活かしてリニューアル事業を強化していきたいと考えています。
2.テーマ毎の取り組み(3/6)

浅沼:3つ目のテーマは「人材の獲得・確保・育成」です。
当社の社員の平均勤続年数ですが、ゼネコン大手23社の中でランキング1位の22年となっており、非常に長い水準と評価されています。
さまざまな見方があると思いますが、22年間という勤続年数は、間違いなく社員が長期間にわたって当社で働きたいと思ってくれている証拠だと思います。
居心地の良い雰囲気や企業カルチャーといった要素が、このような数字として表れているのだと感じており、私自身も非常に誇らしく思っています。
また、ここに記載のとおり、福利厚生面でも他社と引けを取らない水準を維持しています。その上で、例えば初任給を30万円に引き上げたことや、ベースアップの賃上げを4年連続で行っている点も挙げられます。
スライド中段には、奨学金返還支援制度について記載しています。奨学金を利用して勉強している学生も多い中、その返済を会社が一部負担することで、選ばれる企業となるよう取り組みを進めています。
このように、さまざまな福利厚生面においても、手厚いサポートを提供しています。
関本:すばらしい取り組みだと思います。
みなさまとしてはランキング1位ではあるものの、さらに改善していきたい部分や目標はあるのでしょうか? さまざまな施策を打ち出していますが、このあたりの改善体制はどのようになっているのでしょうか?
浅沼:先ほど述べたように、当社の最大の強みの1つは、社員だと思っています。当社の社員は仕事が非常に好きで、建設に愛を持っていたり、会社に愛着を持っていたりすることが強みだと考えています。そのため、企業カルチャーや会社の雰囲気、居心地の良い仕組み作りを今後も進めていきたいと思います。
また、社員のみならず、協力会社の方々が働きやすい現場環境の整備や、お客さまをはじめとするステークホルダーのみなさまにご満足いただけるような人材の育成にも取り組んでいきたいと考えています。
研修を含め、あらゆる視点から人材の底上げを引き続き確実に進めていきたいと考えています。
関本:もう1点ですが、人材に関するテーマは非常に重要だと思っています。建設業界全体で人手不足が課題として認識されている中で、御社がそれに対応できていることがチャンスとなるのでしょうか? または、業界全体の人手不足がリスクとして作用するのでしょうか?
この点は、御社だけの視点では測りきれない部分もあるかと思いますが、どのようにお考えでしょうか?
浅沼:まず、当社の採用状況は、現在のところ順調に推移しているため、これは良い機会であり、良い傾向だと考えています。業界全体では、国土交通省が中心となり、建設業に従事する方々の働きやすい環境の整備や処遇面の改善に取り組んでおり、当社もその取り組みに賛同しています。
そのため、業界全体で働きやすい環境を整備して、建設業界に興味を持ち、携わる方々を増やしていくことが重要だと思っています。また、協力会社のみなさまにも、当社の現場で働いていただく際、「淺沼組で働いてよかった」と思っていただけるような環境を整備していきたいと考えています。
2.テーマ毎の取り組み(4/6)

浅沼:4つ目のテーマは「DX推進」です。生産性の向上は、労働人口が減少する中で不可欠です。そのためDXの推進が非常に重要だと考えています。スライドの中段には、さまざまな施策を記載していますが、これら一つひとつのDX関連案件を推進しています。また、当社ではAIの活用も組み入れながらDXを推進しています。
2.テーマ毎の取り組み(5/6)

浅沼:5つ目のテーマは「ガバナンス・コンプライアンス・リスク管理の強化」です。当社ではさまざまな施策を実施していますが、スライド中段に記載の譲渡制限付株式報酬、いわゆるRSと呼ばれる株式を付与する施策が特徴的です。
これを役員および全社員、約1,300名に対して付与しており、全社員に関しては3年連続で実施しています。この取り組みにより、社員全体が少しずつ株価を意識するようになり、福利厚生の観点でも貢献していると考えています。
2.テーマ毎の取り組み(6/6)

浅沼:最後は「環境・社会への貢献」というテーマです。当社は環境への取り組みに非常に意識を高く持っており、その一環として当社の温室効果ガス削減目標がSBT認定を取得しました。これは非常に高い目標ですが、確実に対応しており、引き続きGHG削減に向けて推進していきます。
3.テーマ毎のKPIの進捗

浅沼:これまで6つのテーマをご紹介しましたが、テーマの締めくくりとして、その進捗状況を確認する手法としてKPI、いわゆる指標をご説明します。この指標は毎年度末に集計しており、直近では2024年度のデータとなります。目標に対して実績を重ね、順調に推進できており、良い水準で進捗していると考えています。
例えば、国内コア事業の強化では1つ目の指標として顧客満足度スコアがあります。これは当社が独自に作成したスコアであり、お客さまからいただいた建物の引き渡し後のアンケート、あるいは官庁のお客さまからいただく成績表のようなものを基に算出しています。このスコアは直近で右肩上がりに推移しており、良い水準を維持していると考えています。
4. トピック

浅沼:1つトピックとしてご紹介したいものがあります。みなさまは、大阪・関西万博が昨年10月に無事に閉幕したことを記憶されていることと思いますが、実は当社はオランダ王国の「オランダパビリオン」の建設に携わりました。非常に名誉なことだと考えています。
スライドに写真を掲載していますのでご覧ください。昼間は白を基調とした非常に上品で素敵な建物ですが、夜になると様変わりし、このように少し光るような球体が印象的な建物になります。
非常に意匠性にこだわったものであり、これを限られた時間と予算の中でいかに実現するかが、まさに施工者のプライドを懸けたプロジェクトでした。非常に記憶に残るものです。また、この建物は移築を見越して設計されたもので、現在はパソナグループさまとともに兵庫県淡路島に移築するプロジェクトにも携わっています。
近代建築において移築はほとんど例がないと言われていますが、それだけに非常に循環型建築に寄与するものとして評価されており、最先端の取り組みとして挑戦しています。
1. 業績 ①2025年度業績予想 上方修正(連結)

浅沼:業績と株主還元の内容をご説明します。まず業績です。当社の業績は、好調に推移しています。後ほど足元の第3四半期の内容をご説明しますが、今年度の通期連結業績予想について、受注高・売上高・利益ともに上方修正したことを2月10日に発表しました。
スライドの表内の濃いグリーン部分は、2025年度通期の連結業績予想を修正したものです。一番右側に、期初予想との変化をパーセンテージで示しています。
1行目の受注高は1,975億円で、期初予想比プラス30.4パーセントの引き上げとなっています。2行目の売上高は1,746億円で、プラス2.5パーセントの微増となりました。
一方、営業利益以下はそれぞれプラス7.4パーセント、プラス8.1パーセント、プラス4.8パーセントと、増益のかたちで期初予想より上方修正されています。
1. 業績 ②2025年度第3四半期 進捗(連結)

浅沼:先ほどご説明した通期の連結業績の上方修正ですが、これは足元の第3四半期までの業績が想定を上回り、好調に推移したことによるものです。スライドの表の右側には2025年度の内容が記載されており、一番右の列には第3四半期までの数値を前年同期比で比較したパーセンテージが示されています。ご覧のとおり、受注高・売上高・利益はすべてプラスで推移しています。
要因としては、受注高において建築・土木ともに、さらに建築の内訳では新築、リニューアルのすべてのカテゴリで非常に規模の大きい良い案件を多数受注できたことが挙げられます。また、売上高や利益は、工事が非常に順調に進捗したことや、先ほどご説明した選別受注を行ったことなどが相まって、増収増益に寄与しています。
特に当期純利益は、前年同期比で38.6パーセントの増加となり、大きく伸長しました。詳細は後ほどご説明しますが、これを踏まえ、配当も増配の方針をとっています。
また、スライドの下から5行目に記載のある繰越工事高は、現在手元に残っている工事量を示しています。これは第4四半期や次期、さらには来期以降に繰り越され、売上および利益に反映される工事量となっています。
これも前年同期比プラス19.7パーセントと、2割近く増加しています。工期が大型化し、延びているという側面もありますが、それでも2割ほど増加している点は非常に良い進捗と言えると思います。
関本:今回の上方修正において、特に受注高が非常に大きな上方修正となっており、国内建築・土木で大型案件を獲得できたことが挙げられますが、そもそもなぜ計画を超える受注が可能となったのか、その背景を教えていただけますか?
浅沼:先ほども少し触れましたが、まず市況環境が非常に良好である点は大きいと考えています。
建設業界の人手が必要とされる状況や、コロナ禍以降の景気回復に伴い、設備投資環境が良くなり、案件が非常に豊富にある点が背景にあります。また、当社が地道に取り組んできた多方面での提案が評価され、特命で案件を持ち込んでいただけるという良い循環が生まれているのだと思います。少し手前味噌ですが、そのように感じています。
関本:積み重ねた取り組みによるご指名が増えてきているということですね。
浅沼:そのとおりです。
1. 業績 ③中期3ヵ年計画 業績計画(連結)

浅沼:スライドの表のグリーンの部分は、現中期3ヵ年計画の3年間の実績値および計画値を示しています。1年目となる2024年度は、売上・利益ともに前年度に比べて増収増益となり、利益率も改善しました。
2年目にあたる2025年度は、先ほどの説明のとおり増収増益の予定です。ただし、最終年度の2026年度は、売上は減収というかたちで、減収増益の計画となっています。
この中期3ヵ年計画を作成した当初は、現状よりも景気の不透明感がやや強かった時期でした。例えば、当社が比較的多く手掛けている倉庫や工場に関して一服感があるのではないかと考え、このような業績見通しを立てていました。また、当社の基本的な方針として、売上を大きく伸ばすことよりも、利益率や質の高い案件を重視していますので、このような計画内容となっていました。
一方で、先ほどご説明したとおり、足元では非常に順調です。建設業は業績の見通しを立てることが難しい特性があるため、現時点では2026年度の計画は修正せず、このまま据え置いています。ただし、例年同様、今期の2025年度が締まった段階で繰越工事高の内容等を踏まえ、あらためて計画修正の要否を検討します。必要があれば修正し、その際には開示を行う予定です。
2. 株主還元 ①配当予想の上方修正(増配)

浅沼:続いて、株主還元の内容をご説明します。当社は中期3ヵ年計画における株主還元方針として、連結配当性向70パーセント以上を掲げています。今回の連結通期業績予想の上方修正に伴い、配当予想も増額修正を行います。期末配当予想を期初から2円増配し、今年度の年間配当金は43円50銭となる予定です。前期実績と比較して、2円50銭の増配となる予定です。
2. 株主還元 ②配当金額・配当性向推移

浅沼:スライドのグラフでは、中期3ヵ年計画の3回分、計9年間の配当金額の実績値と計画値を示しており、今年度の予定分を合わせて、8年連続の増配を予定しています。
また、棒グラフの薄い緑が当初の計画、濃い緑が実績を表しています。ご覧のとおり、毎期で計画以上の配当金額を実績として支払っていることがわかります。業績を着実に向上させ、確実に配当をお支払いする姿勢は、スライドのグラフからも示されていると思います。
2. 株主還元 ③株価騰落率・PBR推移

浅沼:株価とPBRの推移です。スライド上段のグラフでは、緑の折れ線が当社の株価、赤の折れ線がTOPIXを示しています。ご覧のとおり、株価は右肩上がりで堅調に推移しており、TOPIXと比べても上昇幅が大きいことがわかります。直近でも株価が上昇している状況です。
時価総額は2026年3月6日の終値ベースで851億円となっています。私個人としては、まずは時価総額1,000億円を目指してIR活動を進めています。今後もさまざまな取り組みを行い、会社としてさらなる成長を遂げ、企業価値を向上させていきたいと考えています。ぜひ当社への投資をご検討いただければ幸いです。
ご清聴ありがとうございました。
質疑応答:中期3ヵ年計画のKPIについて

飯村美樹氏(以下、飯村):「中期3ヵ年計画で最も重視しているKPIと、達成に向けた打ち手を教
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