個人投資家向け会社説明会
山陰合同銀行、中期計画の最終目標を当期純利益255億円へ大幅上方修正 山陽・関西・東京への広域展開で成長加速
個人投資家向け会社説明会
吉川浩氏(以下、吉川):みなさま、本日はお忙しいところ、株式会社山陰合同銀行の個人投資家さま向け会社説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。代表取締役頭取の吉川です。
本日は、当行の成長戦略や株主還元、地域への貢献などの取り組みについて、30分程度お話しします。その後、みなさまからいただいたご質問にお答えしたいと思います。この説明会をご覧いただき、当行株に魅力を感じていただければ幸いです。
また、当行はお客さまから「ごうぎん」という愛称で呼ばれています。みなさまにも「ごうぎん」と覚えていただければと思います。ぜひ最後までお付き合いください。
本日のポイント

まず、本日のお話のポイントを3つお伝えします。1つ目は、当行は地域やお客さまの課題解決を通じて、ともに成長していくことをビジネスモデルとしていることです。
2つ目は、当行の業績として、預金・貸出金の残高はこの10年で2倍となり、4期連続で過去最高益を更新しています。このような順調な業績進展についてお話しします。
3つ目は、株主還元です。株主還元については、配当性向40パーセントを目安とし、原則として減配しない累進配当を掲げています。
自己紹介

私について簡単に自己紹介します。スライド左側をご覧ください。私は1989年に山陰合同銀行に入行し、山陰・山陽・関西のさまざまな営業現場で支店長を務めてきました。実は、取締役になるまで本部での勤務経験がなく、ずっと現場畑を歩んできました。その後、2025年に頭取に就任し、現在に至ります。
本部経験のない弱みはチームの力でカバーしつつ、強みである現場経験を最大限活かして、銀行の舵取りを担っていきます。
次に、スライド右側をご覧ください。「成長への『可能性は無限』」は私が頭取に就任した際に、当行の従業員だけでなく、多くのステークホルダーのみなさまにお伝えしたメッセージです。
この言葉を選んだ背景について簡単にお話しします。当行はこれまで、多くの地域課題を抱える山陰において、地域のリーディングバンクとして最先端の金融サービスを提供するとともに、地域の課題解決に貢献することを使命としてきました。
この使命を果たすには、当行自身が安定した財務基盤を確立し、収益力を強化していく必要があります。当行は経営理念の下、逆境に負けない人材や、改革に挑戦し続けるDNAを組織風土として受け継いできました。
これまで脈々と醸成されてきた組織風土を土台に、従業員一人ひとりが研鑽を重ね、地域やお客さまの課題解決をお手伝いすることで、お客さまに信頼され、選ばれる銀行となってきたと感じています。その結果が、地域やお客さま、そして当行の成長につながっていきます。
地域のみなさまとともに成長するサイクルを回し続けるために、私自身が先陣を切っていきます。「可能性は無限」という信念の下、真にお客さまに頼りにされ、これからも成長を続けることで、すべてのステークホルダーのみなさまの期待に応えていきたいと考え、今後も「成長」の旗を掲げていきます。
ごうぎんのあゆみ

当行のあゆみについてご説明します。当行は1878年、約150年前に島根県西部で創業した山陰を基盤とする広域地方銀行であり、現在では山陰、山陽、関西、東京に108店舗を展開しています。
総資産は8兆4,000億円、預金は6兆6,000億円、貸出金は5兆2,000億円で、規模としては第一地銀61行中、概ね20番目に位置しています。
山陰の魅力

私たちの源流となっている山陰地方の魅力についてお話しします。山陰は、豊かな自然や長い歴史に培われた特色ある文化を受け継ぐ美しい地域です。
縁結びの神さまで有名な出雲大社や、世界遺産にも登録された石見銀山、日本最大級の砂丘である鳥取砂丘、中国地方最高峰の大山など、観光名所が多数あり、各地に温泉も湧き出ています。
食文化では、松葉ガニや宍道湖のしじみといった魚介類、島根和牛、二十世紀梨など、おいしい食べ物もたくさんあります。最近では、島根県を主な舞台とする朝の連続テレビ小説が放送されたこともあり、山陰への関心が高まっていると思われます。
また、島根県松江市にある当行の本店ビルは宍道湖のほとりに建っており、地域貢献の一環として、本店ビルの最上階にある展望フロアを一般開放しています。
さらに、夜には観光振興の一助として、特定の日に本店ビルのライトアップも行っています。土・日・祝日も点灯していますので、ぜひ山陰にお越しいただき、それらを楽しんでいただくとともに、当行のことも知っていただきたいと思います。
山陰におけるごうぎんのポジション

山陰地方における当行のシェアをご紹介します。山陰両県の法人・個人の非常に多くのお客さまからご支持・ご愛顧を賜り、預金・貸出金のいずれも2県にまたがりトップシェアを有しています。多くのお客さまにメインバンクとしてお取引いただいています。
山陰の経済環境と課題

先ほど山陰地方の魅力をお話ししました。このスライドでは、山陰地方が直面している課題についてお伝えします。
スライドをご覧のとおり、島根県・鳥取県は人口、事業所数、県内総生産が47都道府県の中で最下位であり、人口規模、経済規模は両県を合わせても全国の1パーセントに届きません。人口減少や少子・高齢化が進行しており、働き手不足や後継者不足が地域産業の経営課題となっています。
しかし、私たちはこのような環境を言い訳にするのではなく、他地域と同じことをしていては生き残れないという健全な危機感を持ち、銀行として成長し続けていきます。「地域の課題は当行の課題」と捉え、地域経済を好循環させていく必要があると考えています。
中期経営計画(2024~2026年度)

2024年度からスタートした中期経営計画についてご紹介します。当行は「地域の夢、お客様の夢をかなえる創造的なベストバンク」という経営理念の下、10年後に目指す姿をバックキャストで考え、設定しました。
現中期経営計画では、ROE6パーセント以上、当期純利益235億円の達成を目標に掲げており、まもなく計画の3年目に突入します。
今年度当初、純利益は210億円を予定していましたが、金利環境の変化やこれまでの取り組みの成果により、予想を上回る見込みとなりました。したがって、先週3月10日に通期予想を15億円上方修正し、2026年3月期の当期純利益を225億円として公表しています。
併せて、中期経営計画の最終年度における利益目標を、当初の235億円から255億円へ20億円上方修正しました。今年度通期の1株あたり配当金も、前回発表予想の56円から4円増配の60円とする予定です。
来年度は現中期経営計画の最終年度にあたり、計画達成の目途が立っていることから、さらなる高みを目指して次期中期経営計画を策定する予定です。
成長の原動力

当行の持続的な成長に欠かせない3つの要素をご紹介します。1つ目は、銀行本体における「コンサル力」です。法人コンサルティングでは、すべての営業担当者が取引先の課題解決を支援する「全員コンサル活動」を営業エリア全域に展開しています。
また、個人のお客さまの資産運用などを行うアセットコンサルティング分野では、野村證券との提携により、業界トップ水準のサービスを提供しています。
2つ目は、関連会社の「グループ力」です。お客さまの課題をグループの総力を挙げて解決します。ここでは一例として人材紹介業や、銀行子会社として初となる電力会社による地域脱炭素・カーボンニュートラルへの取り組みなどをご紹介しています。
3つ目は、グループ全体の「人的資本」です。当行の成長の原動力は「人材」にあります。多様な人材がそれぞれの能力を最大限に発揮することが、地域やお客さまの課題解決および成長につながり、ひいては当行の成長へと結びついていきます。
そのため、当行では多様な人材が集まる環境を作るべく、さまざまな採用手法の導入や初任給の引き上げ・賃上げなど、人材への投資を継続的に行っています。また、女性従業員のキャリア形成を支援する制度の充実にも取り組んでいます。今後も、人的資本への投資を着実に進めていきます。
広域展開による成長力と安定性

当行の広域展開による成長戦略についてお話しします。先ほど、山陰地方が直面している人口減少や少子・高齢化といった課題についてお話ししました。当行は、そうしたさまざまな逆境に負けることなく、改革を続けることで成長してきました。
山陰で培ったノウハウや課題解決力、そして山陰で育成した人材を、山陽・関西・東京へと広域に展開し、大規模マーケット圏で取引先を拡充するとともに、そこでの成長を山陰に取り込むことで、山陰地方全体の経済活性化を目指すというビジネスモデルを確立しています。
法人コンサルティング

法人コンサルティングについてご説明します。当行は法人分野において、本部・営業店の全行員がお客さまの成長戦略や課題解決を伴走支援する「全員コンサル」を展開しています。
コンサルティングに注力する銀行はたくさんありますが、多くの場合、本部に一部のスキルの高い専門的な行員を集めてコンサルティングを行っています。
当行も専門人材を育成し、本部でも高度なソリューションを提供できる人材を配置していますが、当行の特徴は、お客さまに一番近い営業店の行員も現場でコンサルティングできる体制を目指していることです。
ふだんから経営者のみなさまのお話をうかがっている営業店の行員だからこそ、経営課題やニーズを適切に把握し、スピーディに課題解決につなげることができます。山陰からスタートした「全員コンサル」は、現在では全営業エリアに展開し、他の銀行との差別化を図っています。
アセットコンサルティング

アセットコンサルティングについてご説明します。野村證券との提携は2020年からスタートしました。野村證券と当行の双方の強みを活かした体制を構築する、全国初のビジネスモデルです。
野村證券が持つ専門的なノウハウや多様な商品・サービスを、当行が窓口となりお客さまに提供する仕組みは、多くのお客さまに受け入れられ、預り資産残高や手数料も順調に伸びており、業界でも注目されています。
銀行と証券のそれぞれの良いところを融合させ、互いの強みを活かしながら、人生100年時代のお客さまのQOL向上を目指し、引き続き業界トップ水準のサービスを提供していきます。
グループ全体で総合金融サービスを提供

グループ全体で総合金融サービスを提供する取り組みについてお話しします。当行グループには、現在9社の子会社があります。
伝統的な金融サービスにはリースやクレジットカード事業などがありますが、地域やお客さまが抱える課題は年々解決の難易度が上がっており、こうしたお悩みに対応するためには、私たち自身が新たな分野に挑戦することが必要です。
主なものとして、ベンチャーキャピタルへの投資、電力事業、人材紹介、地域商社などがあり、多様な社会課題に対応することが可能です。
地域の課題解決支援の拡大

先ほど地域の脱炭素への取り組みや人材紹介による人手不足の解消についてお話ししました。このスライドでは、その具体的な内容を示しています。
人手不足解消への対応はごうぎんキャリアデザインが担い、2025年3月期には134件の紹介が成約に至りました。また、ごうぎんエナジーが手掛けるPPA事業を通じて地域脱炭素を進め、2025年9月末には年間想定で約7,800トンのCO2を削減することができました。
ベンチャーキャピタル(VC)、スタートアップへの投資と連携

スタートアップへの取り組みについて説明します。当行は中期経営計画において、ベンチャーキャピタルファンドへの投資やベンチャーデットへの取り組みの強化を掲げ、地域の持続的成長に貢献するとともに、当行の中長期的な成長ドライバーとなることを期待しています。
都市部のスタートアップ企業とネットワークを構築し、こうした企業が持つソリューションを山陰エリアへ還元してオープンイノベーションを創出することで、地域経済の活性化や課題解決に貢献していきます。
スライド右側をご覧ください。2025年3月には、山陰エリアの企業と都市部のベンチャーキャピタル、スタートアップ企業の交流を促進することを目的に、「ごうぎんスタートアップフェス2025」を開催しました。
当日は全国から当行本店ビルに400名を超える参加者が集まり、起業・創業に関するトークセッションや「ピッチコンテスト」と呼ばれる新規事業に関するアイデアコンテストを実施しました。
今年も3月にバージョンアップしたフェスを開催する予定であり、今後もこうした取り組みをより一層加速させていきます。
成長の源泉は“人” ~人的資本経営の実践

当行の人的資本経営についてご説明します。当行の成長の原動力は人材です。人材への投資を継続するとともに、多様な人材が活躍できる機会を創出することで、組織の成長を実現していきます。
新卒採用においては、初任給を4年連続で引き上げ、経験者採用の仕組みも拡充しています。
ダイバーシティ&インクルージョンの観点では、誰もが能力を最大限発揮できるよう、活躍の機会をさらに拡大しています。女性登用については、2025年9月末時点で係長相当以上の女性割合が35.4パーセント、支店長職以上が24.4パーセントと年々上昇しています。
しかし、男女比で言えば当行では約半数が女性であるため、まだ十分とは言えないというのが当行の認識です。ただし、この数字はあくまでも手段であり、女性の活躍が本来の目的である組織の成長や活性化につながるように、実のある取り組みを続けていきます。
企業価値向上に向けたガバナンスの強化

当行のガバナンスについてご説明します。当行は経営体制にも多様性を取り入れることで、企業価値の向上を目指しています。
2024年6月には、地方銀行初となる生え抜きの女性代表取締役と外国人の社外取締役が就任しました。現在の取締役会における女性取締役は5名、比率は38.4パーセント、社外取締役の比率は53.8パーセントとなっています。
スライド右側には、女性役員と行員が意見交換する様子を示しています。ウェルビーイングな職場環境の実現を目指して役員と行員が一体となって取り組んでおり、そこで得られた知識やノウハウを地域企業で働くみなさまに還元することで、地域全体で女性活躍の気運を高めています。
人的資本投資の効果

人的資本投資の効果についてご説明します。これまでお伝えしたとおり、当行は成長の原動力である人材への積極的な投資を続けた結果、本業で稼ぐ力が確実に向上しています。
また、個々の人材が自己研鑽を重ね、レベルアップした能力を発揮することで、多くの案件や難易度の高い案件をクロージングできるようになり、その結果が1人あたりの資金利益・役務取引等利益の向上につながっています。
預金獲得も全国に展開

当行のセカンドブランドアプリについてご紹介します。当行では、営業担当者による対面での接点と、デジタルを活用した非対面接点を組み合わせたハイブリッドな営業推進を行っています。ここでは、デジタル技術を活用し、みなさまの暮らしをより便利にする取り組みをご紹介します。
2024年10月に、セカンドブランドアプリ「DanDanBANK」を開設しました。このアプリでは、店頭金利よりも高金利で預金を預け入れることが可能です。
各種手続きはスマートフォンで完結し、全国のセブン銀行ATMでの入出金も可能なため、全国どこからでも便利にお取引いただけます。今年1月には、残高に応じた金利設定が可能な「DanDan貯蓄預金」も新たにスタートしました。
全国のみなさまにメリットを感じていただけるアプリですので、ぜひご利用いただければと思います。
気候変動・自然資本への取り組み

当行の脱炭素に関する取り組みをご紹介します。スライド左上には、当行のGHG(温室効果ガス)排出量削減実績とロードマップを記載しています。スライド左下に記載しているサステナブルファイナンスについても、2030年度の累計実行額1兆5,000億円に向けて、順調に増加しています。
スライド右側には、J-クレジットの販売実績を示しています。地元の自治体や林業関係者が創出したJ-クレジットを当行の取引先へ販売仲介することで、地域全体のカーボンオフセットに貢献しています。
ユニークな地域貢献活動の展開

ユニークな社会貢献活動についてご紹介します。島根県・鳥取県での「森林保全活動」、江戸時代の藩校をイメージした私塾「尚風館」、当行グループの役職員から募金を集めて子ども食堂などへ寄付を行う「ごうぎん一粒の麦の会」など、当行独自の活動をご紹介しています。
ユニークな地域貢献活動の展開

当行のスポーツ振興を通じた地域貢献活動をご紹介します。スライド左側をご覧ください。当行は、サッカーJ3所属の「ガイナーレ鳥取」と、バスケットボールB.LEAGUE所属の「島根スサノオマジック」をオフィシャルスポンサーとして応援しています。
単に両チームをスポンサーとして応援するだけでなく、金融商品の側面でも応援しています。両チームのシーズン成績に応じて金利が決定する定期預金を発売し、総額の0.01パーセントをチームに寄付しています。
2025年度のキャンペーンは終了していますが、ファンのみなさまだけでなく、地元のみなさまからもご好評いただいています。
スライド右側では、当行の女子バドミントン部についてご紹介しています。日本トップリーグであるS/Jリーグで戦うことに加え、地域のバドミントン選手のレベルアップを目指し、小・中学生への指導などを通じて積極的に地域との交流を図っています。
業績ハイライト

スライドに、当行のROEおよび連結当期純利益の推移を示しています。昨年10月に、取締役会での議論を経て、当行が認識する資本コストをこれまでの6パーセントから7パーセントに変更しました。
スライド左側のグラフでは、いわゆる東証基準と呼ばれる自己資本ベースでのROEを示しています。2025年3月期のROEは5.88パーセントでした。今後も貸出資産の積み上げなど、リスクテイクによる収益増強を通じて、将来的に資本コストを上回るROEを達成し、PBR1倍超えを目指していきます。
スライド右側のグラフでは、連結当期純利益の推移を示しています。コンサルティング力の強化、営業エリアの広域展開、人材育成への継続的な取り組みが、過去最高益の更新につながっていると考えています。
これに加え、金利上昇という環境も追い風となりますので、今後もさらなる増収増益を目指していきます。
なお、2026年3月期の連結当期純利益については、3月10日に当初予想の210億円から225億円へ15億円上方修正しました。
預貸金の推移

スライドに、預金・貸出金の過去10年間の平均残高の推移を示しています。2025年9月期における預金等の平均残高は6兆7,505億円、貸出金の平均残高は5兆1,347億円となり、いずれも10年前と比較して約2倍に成長しました。特に貸出金の直近の伸び率は、地方銀行の中でトップレベルの水準です。
安全性・健全性

当行の安全性・健全性の状況についてご説明します。2025年3月末の自己資本比率は11.54パーセント、2025年9月末の自己資本比率は12.01パーセントとなりました。
自己資本比率は銀行の安全性や健全性を表しますが、当行は地銀平均の10.17パーセントと比較しても高い水準にあります。この厚い自己資本を裏づけとして、今後も積極的に貸出金を増やしていく考えです。
スライド右側には、外部の格付機関が企業の健全性などを評価した格付のランクを記載しています。当行は地方銀行の中では相対的に高い評価を得ています。
経営課題への対応~有価証券運用方針

ここまで業績の伸びや安全性についてお伝えしましたが、一方で、当行が対処すべき課題の1つに有価証券運用があります。スライド左側のグラフをご覧いただくと、銀行全体の収益は本業を中心に伸びています。
過去には、有価証券のネットキャリー収益が200億円を超えていた時期もありましたが、有価証券部門では評価損の処理を優先することとし、有価証券部門で大きな収益を上げなくても、コア業務純益の状況を示すグラフのとおり、当行は利益成長していくことが可能であると計画しています。
有価証券の評価損は、2030年3月末にかけて概ねゼロから250億円程度のマイナスまで縮減する計画です。この評価損の解消には有価証券部門で対処し、本業部分で上振れた利益を使うことはありません。
株価の推移

スライドに、当行の株価の推移を示しています。約6年前の2020年4月1日の当行株価は511円でした。
先ほど業績ハイライトや預金・貸出金の伸びの状況についてお話ししたとおり、当行は本業を中心に増収・増益を続けています。ここに昨今の金利上昇の追い風も加わり、株価は上昇基調にあります。
今年3月12日の終値は1,648円と、6年前の約3倍まで上昇しました。今後も持続的な利益成長を通じて、さらなる株価上昇を目指したいと考えています。
利益還元を拡充

株主還元については、これまでもスライドに示しているとおり充実に努めてきました。利益還元の目安を配当性向40パーセントとし、原則として減配は行わない累進的配当とする方針を公表しています。
1株当たりの年間配当は、2025年3月期の実績が48円、2026年3月期の予想を56円としていました。2026年3月期も当期利益が過去最高を更新する計画であることから、3月10日に通期業績予想と配当予想を上方修正し、配当予想を60円へ引き上げています。
また、自己株式の購入についても20億円を限度に行うことを決定し、すでに買い付けを完了しています。
株主優待

株主優待についてご案内します。株主のみなさまに、配当とは別に山陰の特産品を贈っています。株主のみなさまに山陰を知っていただく機会となり、山陰を訪れてみたいと感じていただければ幸いです。
例えば、5,000株以上の株式を1年以上継続して保有いただくと、1万円相当の特産品などを選べるカタログギフトをお送りしています。カタログギフトの人気ランキングはスライドをご覧のとおりで、「しまね和牛すき焼き用500g」は3年連続第1位と大変好評です。
本日のまとめ

最後に、本日のまとめです。私は、当行の強みは「成長性」と「還元」にあると考えています。お客さまに信頼され、選ばれ続けることで、地域・お客さまと当行がともに成長し、利益を株主のみなさまにしっかりと還元することで、株主のみなさまからも選ばれる銀行であり続けたいと考えています。
私からの説明は以上です。みなさま、本日は誠にありがとうございました。
質疑応答:株価の現状と向上への取り組みについて

司会者:「現在の株価に対する自己評価と、株価向上のための取り組みについて教えてください」というご質問です。
吉川:現在、金利の上昇に伴い、銀行株全体の株価が上昇していると考えています。当行の株価も上昇してきていますが、PBRが1倍を超えるには至らず、依然として割安な状況にあります。現状は決して満足のいく水準ではないと考えています。
株価向上のためには、先ほどお伝えしたとおり、銀行の本業である融資やコンサルティングを通じてお客さまの課題を解決しながら、着実に利益を成長させていくことが重要です。その結果、ROEを上げ、株価の上昇につなげていければと考えています。
質疑応答:株主還元方針について

司会者:「先ほどのご説明にもありましたが、あらためて株主還元に対する方針や今後について教えてください」というご質問です。
吉川:還元方針については、配当性向40パーセントを掲げています。原則として、減配のない累進配当を実施しています。
今年度は自社株式の取得も実施しており、それらを合わせた総還元性向は50パーセント程度となる予定です。今後も株主のみなさまへの還元の充実を図るべく、積極的に取り組んでいきたいと考えています。
質疑応答:山陰合同銀行の一番の強みについて
司会者:「山陰合同銀行の一番の強みは何ですか?」というご質問です。
吉川:強みを1つに絞るのはなかなか難しいですが、一番の強みは人材だと考えています。私たちの地元である課題先進地域と呼ばれる山陰を源流とし、これまで培われてきた逆境に負けない粘り強さや創意工夫、改革に挑み続ける組織風土が醸成されてきました。
お客さまとの信頼関係を構築し、潜在的な課題やニーズを把握した上で、迅速に解決策を提示するというコンサルティングの仕組みを長年続けてきました。競争が厳しい地域においても、山陰で培った人材の競争力が私たちの一番の強みだと考えています。
質疑応答:銀行員として印象深いエピソードについて
司会者:「頭取が銀行員人生で経験した、印象深いエピソードを教えてください」というご質問です。
吉川:先ほどお話ししたとおり、長い間銀行員として現場で過ごしてきました。現場ではさまざまな出来事やお客さま、そして多くの方々との出会いがあり、思い出深い出来事がたくさんあります。
その中で特に印象深いものを2つご紹介します。一番心に残っているのは、まだ私が駆け出しの銀行員だった頃、山陰以外の地域で新規開拓の法人営業を担当していた際に、新たにお取引いただいたお客さまとの経験です。
小売業のお客さまでしたが、その経営者の方とさまざまなコミュニケーションを重ねる中で、商売に対する一生懸命な姿勢に非常に心を打たれました。その思いに応えるべく、しっかりとお役に立ちたいという気持ちで、お客さまと営業活動を続けていました。
結果として、非常に小規模な小売業からスタートしたお客さまでしたが、6年後には上場を果たしました。現在でもその経営者の方とはつながりがあり、大変懇意にしていただいています。このような成果が得られるのは、銀行員として、特に新規取引先を開拓する仕事の最大の醍醐味ではないかと感じています。
もう1つは、支店長になってからのことです。関西方面で、これまで当行がほとんど進出していなかった地域に新たに店舗を設置する計画があり、新設店の支店長を務めました。
山陰合同銀行の名前すら知られていないような地域で非常にアウェーな環境の中、仲間とともに新規開拓を続けた結果、最終的には非常に大きな成果を得ることができました。その支店は現在も後輩たちが発展させてくれており、この点も非常に思い出深いエピソードの1つだと思っています。
質疑応答:PBRとROE向上のための取り組みについて

司会者:「PBR1倍超えやROEの向上に向けた取り組みを教えてください」というご質問です。
吉川:2024年度中期経営計画の策定時に、10年後の目標としてROE8パーセントを設定しています。これは必ず達成すべき水準だと考えており、先ほどお話ししたとおり、成長戦略をしっかりと実行することで達成可能な水準であると認識しています。
ROE8パーセントを実現することで、PBRについても利益拡大や積極的な株主還元などによって改善を図りたいと考えています。PERはコントロールできないものの、ROEの向上を通じてPBR1倍につなげていきたいと考えています。
質疑応答:中期経営計画最終年度に向けた意気込みについて
司会者:「中期経営計画最終年度に向けた意気込みと、次の計画で決まっていることがあれば教えてください」というご質問です。
吉川:中期経営計画は、この3月末をもって3年間のうちの2年間が終了します。ここまでを振り返ると、本業である貸出金やコンサルティング分野の人材育成については順調に進んできていると実感しています。
先日発表した業績予想の上方修正において、中期経営計画最終年度である2027年3月期の利益目標を、当初の235億円から255億円に上方修正しました。この255億円は、必ず達成すべき目標と考えています。
また、先ほどお伝えしたとおり、貸出部門など本業で稼ぐ力は確実に向上しています。最終年度の目標を必ず達成するために、引き続き取り組んでいきます。
次期中期経営計画については、社内で議論を開始しています。時期が来ましたらご報告したいと考えています。
質疑応答:政策金利上昇の影響について
司会者:「政策金利の上昇による影響を教えてください」というご質問です。
吉川:一般的には、政策金利が上昇することにより、銀行の収益源である貸出金の金利が上昇し、利ざやが拡大することで銀行収益が拡大すると考えられます。
一方で、これまでの長い金利のない世界から金利のある世界に移行したことで、コストである預金金利の上昇が続いており、預金の獲得競争も激化しています。すでにお預け入れいただいている預金が、より高金利なものに動いていき、他の金融機関との競争が激しくなる影響が出てきています。
当行としては、金利上昇局面でもしっかりと収益を増加させられる体制を構築していきたいと考えています。
質疑応答:預金獲得戦略について
司会者:「預金の獲得競争が厳しくなっていますが、預金獲得の戦略を教えてください」というご質問です。
吉川:銀行のあらゆる収益の源は預金であると考えています。ご質問のとおり、金利の上昇に伴い、各銀行の預金獲得への取り組みは非常に活発化しており、競争が激化しています。
当行としては、一時的なボリュームを追求して、過度に高い金利を提示し、高コストな預金を大量に集めるといった手法ではなく、年金や給与振込の口座を積極的に獲得し、粘着性の高い預金をいかに増やしていくかが重要であると考えています。
私たちの地元である山陰においては、長年の信頼関係を基盤に、生活口座を中心とした安定した預金口座を多く頂戴しています。この部分をさらに増強することで、一層粘着性のある預金の増加に努めていきたいと考えています。
また、山陽、関西、東京においては、これまで法人向けコンサルティングを通じた法人貸出金の増強を目指して営業を展開してきました。そこで培われた法人取引などにより、法人預金やその法人の取引先の従業員のみなさまの個人預金の獲得を強化していきたいと考えています。

さらに、説明の中でも少し触れましたが、デジタルを活用したセカンドブランドアプリ「DanDanBANK」を展開しています。このアプリでは、全国からデジタルを通じて預金を集める仕組みを整備しており、よりお客さまに訴求力のある、魅力的な預金商品を今後も展開していきたいと考えています。
当行は山陰だけでなく、全国のみなさまにも利用していただけるような施策を引き続き進めていきます。
質疑応答:山陰地方の地域振興について
司会者:「山陰の地域振興について、どのように関わっていくかを教えてください」というご質問です。
吉川:冒頭でもお話ししましたが、山陰地方は全国で人口規模や経済規模が最下位であり、人手不足や後継者不足などの課題が山積しています。そのため、産業の衰退や経済規模のさらなる縮小が懸念されている状況です。
ただし、それに手をこまねいているわけではありません。当行では、スタートアップの創出や育成を通じて地元で新産業を展開しています。さらに、当行が関西や山陽で展開している広域な店舗ネットワークを活用し、島根県や鳥取県の行政のみなさまと連携して、企業誘致などの取り組みも進めています。
また、地域の取引先が抱えるさまざまな経営課題に対し、事業支援活動を展開して課題解決につながるソリューションを提供することで、地域経済の維持・活性化、ひいては発展に貢献していきたいと考えています。
そのために、当行自身が成長し続けて力を持つことが重要です。地域へ資金とサービスを提供し、地域経済の好循環を目指していきたいと考えています。
質疑応答:採用活動の考え方について

司会者:「採用活動についての考え方を教えてください」というご質問です。
吉川:当行の従業員の大半は、山陰地方出身の行員です。人口減少が続く山陰地方の企業として、人材の確保は非常に重要だと考えています。
新卒採用については、優秀な人材の確保と定着を図るため、初任給の引き上げを続けています。また、2024年度の採用より、金融とデジタル分野でのプロフェッショナル人材を目指すデジタルコースを新設し、その専門人材の確保にも取り組んでいます。
経験者採用については、以前当行に勤務していた方を採用するキャリアリターン制度や、行員が紹介した知人を採用するリファラル採用を拡充しています。これらの採用件数は、実績として大きく伸びています。
当行の行員は山陰地方出身者が大半を占めていますが、多様性のある人材を確保する観点から、山陰以外の出身者の採用活動や外国人材の確保にも関心を寄せており、これらの分野にも今後挑戦していきたいと考えています。
質疑応答:有価証券評価損と政策保有株式の縮減について

司会者:「有価証券の含み損処理と政策保有株式の売却について教えてください」というご質問です。
吉川:ご説明の中で少しお話ししたとおり、当行が現在抱えている大きな課題の1つは、有価証券の問題であると考えています。
当行は現在、本業部分で安定していく収益構造へシフトしています。以前、有価証券に依存して収益を上げていた時期とはまったく異なるビジネスモデルへの転換に成功してきたと考えています。
一方で、有価証券については、現在多くの含み損を抱えている状況です。これについては、毎年一定の含み損処理を計画的に進めているほか、金利系の債券が有価証券の中心となっているため、その経年効果も含め、5年後を目途に含み損をゼロに近づけられるという見通しを持っています。
5年間の計画については、銀行内部で十分に検討を行い、着実に実行して含み損の圧縮に努めていきたいと考えています。
政策保有株式については、これまでも縮減方針に基づき計画的に縮減を進めてきました。今後も引き続き縮減を進める計画です。
質疑応答:他の地方銀行との連携や統合に関する見解について
司会者:「他の地方銀行との連携や統合についての考えを教えてください」というご質問です。
吉川:地方銀行の頭取として、再編や他行との統合についてまったく念頭に置いていない経営者はいないと思いますが、現在当行では統合といった現実的な動きはありません。ただし、他行における経営統合や再編の動きについては常に注視しています。
当行としては、成長を諦めることなく、当行自身がしっかりと成長を続けることで、仮に再編や経営統合といった話があった際にも、主導権を握れる立場でありたいと考えています。そのためにもさらに成長し、力をつけていくことを目指しています。
質疑応答:投資家向け説明会について
司会者:「経営戦略や経営者の方針が伝わる、御行らしい説明会を期待しています」というメッセージです。
吉川:激励のメッセージを本当にありがとうございます。当行ではこれまで、機関投資家のみなさまや、当行が展開する各営業エリアにおいて、取引先向けの会社説明会を数多く開催してきました。
東京の機関投資家向け説明会では、他の銀行や事業会社ではあまり見られないそうですが、当行の社外取締役4名全員が出席し、取締役会での活発な議論の様子などを投資家のみなさまにも感じていただいています。その模様は統合報告書にも掲載していますので、ぜひご覧ください。
私も当行が進むべき方向や経営戦略・方針について、投資家のみなさまにしっかりとお伝えできるように、これまで以上にこのような機会を活用しながら成長戦略をお届けしたいと考えています。
今後は、今回のような個人投資家のみなさまと接点を持つ機会をしっかりと増やしていきたいと考えています。引き続きよろしくお願いします。
吉川氏からのご挨拶
吉川:みなさま、本日は当行の会社説明会をご覧いただき、誠にありがとうございます。この機会に、山陰合同銀行や山陰地方に少しでも興味を持っていただければ幸いです。
また、投資家のみなさまの期待にしっかりと応えられるよう、本日お伝えした成長戦略を着実に実行し、還元の強化にも努めていきたいと考えています。今後とも、山陰合同銀行をよろしくお願いします。
本日はご視聴いただき、誠にありがとうございました。
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