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株式会社スマサポ9342

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2025年9月期 通期 業績ハイライト

小田慎三氏(以下、小田):みなさまこんにちは。株式会社スマサポの代表取締役社長CEO、小田慎三です。ただいまより2025年9月期の決算説明を行います。よろしくお願いします。

まず、2025年9月期の通期業績ハイライトについてご説明します。売上高と営業利益のいずれも過去最高を更新しました。売上高は28億1,600万円で、予算達成率は94パーセントと未達ではありますが、前年対比では1億4,100万円増の105パーセントとなりました。

営業利益は1億9,000万円で、予算達成率は95パーセントながらも、前年対比では8,100万円増加し、達成率176パーセントと大幅に増加しました。

それでは、2025年9月期のトピックスをご報告します。株式会社ソニックスとAI開発強化を目的に資本業務提携を締結しました。これにより、「totono」のAI機能の強化を図っていきます。

また、入居者アプリ「totono」については、「契約更新機能」を追加アップデートしました。トピックスの3つ目として、株主優待制度の新設および従業員持株会の奨励金付与率の引き上げを実施しました。

NEWS

NEWSの1つ目として、2025年9月期の売上高についてお伝えします。「スマサポサンキューコール」における案内商材数の増加による単価アップが通期を通して売上に大きく貢献しています。また、入居者アプリ「totono」では、「totono」Phase2.0(以下、totono2.0)、いわゆる「SaaS×BPO」モデルの普及拡大が進んでいます。

ユーザー数およびARPUがともに伸長し、前年対比で1億4,100万円の売上増加を実現し、売上高は28億1,600万円と過去最高を達成しました。営業利益は、売上の増加に加え、前期からのコスト構造の見直しに継続して取り組んだことや、取引条件の最適化が功を奏し、大幅に向上しています。

当第4四半期においては、持続的な成長基盤の強化を目的に人的資本投資を行いました。その結果、通期では前年対比で8,100万円上回り、1億9,000万円という過去最高益を達成しています。

INDEX

インデックスです。この後、当社の代表取締役副社長である藤井より「業績の報告ならびにKPIの進捗」についてご報告します。また、「スマサポについて」と「成長戦略及び事業計画」については、前回の録画動画でご確認いただけると幸いです。よろしくお願いします。

業績の推移_全体

藤井裕介氏:こんにちは。代表取締役副社長COOの藤井です。ここからは、先ほどのサマリーを深掘りしていきたいと思います。

まず、業績を振り返ります。売上は昨年対比105パーセントの28億1,600万円、営業利益は昨年対比176パーセントの1億9,000万円を記録しました。売上・利益ともに、創業以来最高の結果を達成しています。

グラフは、色ごとに第1四半期、第2四半期、第3四半期、第4四半期と分かれています。売上高では、第4四半期が6億2,300万円となり、前年の6億3,700万円からわずかに減少しました。前年の6億3,700万円にはショットの売上が含まれていたため、今期は微減となりましたが、全体としては好調に推移しています。

営業利益については、1億9,000万円となっています。今期は第3四半期まで順調に積み上げてきましたが、2024年9月期には第4四半期で200万円の黒字、2025年9月期には500万円の赤字と、収支がほぼトントンのラインとなっています。この理由については、先ほど小田からも説明したとおり、当社が現在注力しているのがAIの研究開発であることが挙げられます。

現在開発中の「totono2.0」においては、入居者からのチャット対応を人手で行っているものをすべてAIで実施することを目指しています。AIの研究開発を行うことで、現在発生している人件費を削減することを目論んでいますが、実現のためには初期投資が非常に大きくなることが特徴です。

しかし、このプロジェクトを完遂することで、売上がそのまま利益に直結する構造を築くことができます。そのため、このAIへの投資を成長戦略上、非常に重要なものと位置づけています。

また、もう1つの取り組みとして人的投資も進めており、従業員に対して積極的に投資を行う方針を掲げています。このような投資を加味した結果、当第4四半期にはマイナス500万円の収支となっています。

現在、当社の営業利益は1億9,000万円ですが、今後はこれを2億円、3億円と拡大させることを目標にしています。また、研究開発や従業員への投資、株主のみなさまへの還元のバランスを重視しながら、戦略的に振り分けていく方針ですので、引き続きご理解を賜りたく思います。

2025年9月期 通期 主要KPIハイライト

主要KPIのハイライトをサービス別にご説明します。まず「スマサポサンキューコール」ですが、2025年9月期累計でコンタクト数が28万5,404件となり、前年同期比95パーセントで若干減少しています。

一方、売上を構成する要素としての単価は7,147円で、前年同期比109パーセントと伸びています。これは以前からご説明しているように、コンタクト数が多少減少しても、単価をしっかり確保するという当社の施策を実現できた結果だと考えています。

続いて、入居者アプリ「totono」ですが、現在、「totono2.0」の開発・展開に注力しており、「totono」Phase1.0(以下、totono1.0)の新規サービス展開は積極的に行っていません。なお、これまでの導入実績があるため、KPIとしてご報告しています。

「totono1.0」については導入社数が83社で、四半期対比で99パーセント、1社減少しています。この減少は、「totono1.0」から「totono2.0」へ移行された企業によるものです。以前からお伝えしているとおり、導入いただいた企業には「totono2.0」への移行を推進しており、今後も横ばいもしくは微減の傾向で推移する見込みですので、ご承知おきください。

MRRは3,890万6,000円で、四半期対比で99パーセントとなっています。こちらは1社が移行した分により、若干減少しています。また、現在最も注力している「totono2.0」では、ユーザー数が非常に重要なKPIとなりますが、6万4,687ユーザーと第3四半期末と比較して24パーセント増加しています。単価は103円で、四半期対比で6パーセント増加し、106パーセントの結果となっています。

「totono2.0」に注力した結果、ユーザー数・単価ともに非常に順調な成績を収めています。「totono1.0」と「totono2.0」を導入当初のみで比較すると、1.0のほうが売上も利益も上がりますが、当社としては先ほどのAI開発も含め、中長期的な大きな成長を目指して2.0に注力しています。

新規の株主さまや、これから導入をご検討されている方に向けては、この後、小田より動画のご案内があります。入居者アプリ「totono1.0」と「totono2.0」の違いや、何を体現したいのかについてご理解いただければ幸いです。

スマサポサンキューコールの主要KPIの進捗

「スマサポサンキューコール」のKPIについてです。コンタクト数は微減、単価は上昇という状況です。2025年9月期第4四半期のコンタクト数は5万7,792件で、2024年9月期の6万2,599件から減少しています。ただし、右側の単価を見ると、6,552円から7,147円へと堅調に推移しています。

売上を最大化する観点では、コンタクト数は非常に重要なKPIですが、単価を下げすぎてしまうと、コンタクト数が増加しても利益にはつながりません。そのため、売上に寄与する単価を維持しつつ伸ばしていく施策は、今期も引き続き継続していく予定です。

ただし、単価の上昇は青天井にはできないため、一定の水準で高止まりした場合には、コンタクト数をしっかり伸ばしていくことも重要と考えています。

スマサポサンキューコールの主要KPI

「スマサポサンキューコール」のKPIを因数分解した資料です。コンタクト数と単価に分解して売上を開示しています。当社は単一セグメントで運営しており、サービス別のセグメントとしていませんので、この資料で各サービスの売上をご確認いただければと思います。

コンタクト数とは、クオリティを担保しながら多くの入居者とコンタクトを取ることを意味します。この施策は、私どものサービスを導入していただける管理会社を増やしていくことを目的としています。

一方で、単価は1コンタクト当たりの商材販売の金額を指します。より多くの商材を提案・販売するためには、質の高いヒアリング力を身に付け、適切な商材を提案することが重要です。入居者の貴重なお時間をいただいて商材をご提案しますので、どのようなお困りごとやニーズがあるのか、高いヒアリング力で十分に把握し、適切な商材を提案することが求められます。

その結果として、2025年通期の実績はコンタクト数28万5,404件、1件当たりの単価が7,147円となり、「スマサポサンキューコール」単体の売上は20億3,989万5,000円となりました。

これは昨年比で6,253万7,000円の増加となり、単価を上げる施策が功を奏したと言えると思います。

入居者アプリ「totono」Phase1.0の主要KPIの進捗

「totono1.0」のKPIです。2025年9月期からは「totono2.0」への注力が進んでいるため、導入社数は横ばいかやや微減傾向にあります。ただし、それぞれの機能を更新しているため、MRRは右肩上がりに推移しています。しかしながら、今後導入社数が減少した場合、MRRも下がる可能性があると考えています。

一方で、2025年9月期はさまざまな機能更新の効果により、3,890万6,000円と「totono」を開始以来、過去最高のMRRを記録しました。

入居者アプリ「totono」Phase1.0の主要KPI

「totono1.0」のKPIについてですが、こちらもMRRから因数分解しています。導入者数は「スマサポサンキューコール」と同様に、導入企業数を増加させる施策を推進してきました。ただし、現在は「totono2.0」を主力として販売しているため、今後「totono1.0」の導入社数が増加することは考えにくいと判断しています。

また、単価については、導入社数の増加過程で、大手企業への導入や「totono」内のアライアンス拡充により単価を引き上げてきましたが、「totono1.0」については拡充よりも「totono2.0」への移行に注力する方針です。そのため、「totono1.0」の単価は横ばい、もしくは微減傾向となる点をご承知おきください。

2025年通期の導入企業数は83社、単価は月額46万8,000円となり、MRRは3,890万6,000円です。これを基にしたARR、すなわち1年間のリカーリング収益は4億6,687万8,000円となります。

入居者アプリ「totono」Phase2.0の主要KPIの進捗

「totono2.0」のKPIについてです。これは当社にとって成長戦略上、非常に重要なサービスです。四半期比で見ると、ユーザー数は5万2,249ユーザーから6万4,687ユーザーとなり24パーセント増加しています。

2025年9月期開始時点ではユーザー数が3万人を下回っていましたが、1年で倍以上、200パーセント以上となっています。「totono2.0」は、いわゆるチャット対応やBPOも含めたアプリの販売という点で管理会社にしっかりと訴求できているため、今後もユーザー数は拡大していくと考えています。

続いて、1ユーザーあたりの単価、ARPUについてです。こちらは103円で、四半期比では6パーセント増加しています。サービス開始当初は80円台だったことを考えると、かなりの伸長です。

管理会社に販売する中で、我々の商品やBPOのクオリティをしっかりと体現した結果、無料期間や値引きによる販売が減少したことで、単価は増加傾向にあります。第3四半期決算発表では早期のARPU100円超えを目標としていましたが、第4四半期ですでにその目標を達成することができました。

次は110円、120円に向けて伸長させていきたいと考えています。

入居者アプリ「totono」Phase2.0の主要KPI

「totono2.0」のKPIを、売上から因数分解した図表です。ユーザー数を増やしていくには、不動産管理会社にご導入いただくことが重要です。そのため、導入企業数を増加させる施策を進めています。

すでに「totono2.0」をご利用いただいている企業も増加しており、これからご導入いただく、もしくは導入を検討している企業には、実際に導入された企業の「成功事例発表会」を参考として見ていただく取り組みを行っています。これにより、今後も導入企業の増加が期待されます。

また、導入して終わりではなく、実際の入居者にダウンロードを促進する働きかけも行っています。ダウンロードが進むことでユーザー数が増加しますので、この点に非常に注力しています。ダウンロード促進に関しては、社内でノウハウが蓄積されてきました。このノウハウをしっかりと活用し、さらにユーザー数を増やしていきたいと考えています。

単価に関しては、これまで当社のサービスをご導入いただいた企業に対して、BPOサービスのクオリティを丁寧に訴求することで、値引きや無料キャンペーンを実施することなく導入いただけるケースが増えてきています。その結果、1ユーザー当たりの単価が上昇していくと考えています。

こちらは売上とは異なりますが、原価部分でのKPIを設定しています。先ほどからお話ししているAI投資についてですが、主に入居者からのチャット返信対応に注力しています。

「チャット数×単価」に関連する内容として、「totono2.0」のBPO業務では、入居者からのチャット返信に、自社内で構築したチャットセンターにおいて人力でマニュアルに基づき対応しています。以前は電話や郵送によるやり取りが主流であった業界ですが、ようやく文字情報としてデータを取得することが可能になりました。

「totono」の中にデータが蓄積されてきており、このデータをもとに、現在、返信業務のAI化に挑戦しています。返信のAI化が実現すれば、チャット数が同じだけ増えたとしても、1チャット当たりのコストが大幅に削減されます。人力で対応していた作業が不要となり、「totono2.0」における売上がそのまま粗利益に直結します。

一般的にはAI投資や研究開発投資は売上を伸ばすために行うケースが多いのですが、当社の場合は売上拡大よりも原価を抑えることを目的とした投資です。そのため、高い売上成長率を追わなくても、利益率を大きく向上させることが可能です。

このAI研究開発は、業界でこれまで挑戦されていなかった分野であり、要件定義から大規模なプロジェクトとなりますが、大きな資金を投入してでも取り組んでいきたいと考えています。

以上で、私からの業績報告とKPIの進捗説明を終わります。この後、「スマサポについて」「成長計画等」についてもご確認いただくことで、当社がAI投資を通じて目指していること、具体的にはチャット数の削減や1チャット当たりの単価削減といった、目立ちにくいながらも原価を押し下げるチャレンジについて、ご理解いただけると幸いです。

また、11月末には成長可能性資料を開示します。IR活動を通じてご説明している中では、「totono」におけるデータ分析や、「何パターンに分類できますよ」といったデータアナリストのような内容についても、今後しっかり開示していきたいと考えています。

重ねてお伝えしますが、当社は売上を伸ばすという成長目標だけでなく、原価を押し下げ利益率を高めるといった多角的なチャレンジを進めています。IRに関しても、さらに積極的に取り組んでいきたいと考えています。

事業計画

本日開示した決算短信の中には、進行期である2026年9月期の業績予測も含まれています。こちらも決算説明と併せてご覧いただくことで、非常に高い解像度でご理解いただけると思います。

今年は単に売上を追求するだけでなく、人的投資、株主さまへの還元、さらにはAIを中心とした成長分野への投資を重点に置き、特に利益率向上をしっかりと打ち出しています。

一見、数字だけを見ると前年に比べて鈍化しているように見えるかもしれませんが、事業内容や当社がチャレンジしている領域をご理解いただければ、非常に魅力的に感じていただけると思います。

業績およびKPIの進捗に関する説明は以上となります。

会社概要

小田:株式会社スマサポの会社概要についてご説明します。本社は東京都中央区にあり、拠点として大阪、福岡、北海道札幌、和歌山県白浜に展開しています。

従業員数は2025年9月末現在で75名となっています。ビジネス部門、テクノロジー部門、コーポレート部門の割合はご覧のとおりです。

経営陣の紹介

経営陣をご紹介します。左側に記載されている私(小田)、藤井、CTOの森田、CFOの室之園は、もともと大阪に本社を構える総合不動産会社に勤務していました。不動産業界には改善すべき点が多く存在し、特に管理会社と入居者とのコミュニケーションを円滑にすることで問題解決とともに新たなビジネスチャンスがあると考えました。その結果、私たちプロパー役員4名で社内ベンチャーとして立ち上げた会社です。

ミッション

当社のミッションについてです。「smartなくらしをsupportする」として、当社は不動産管理会社と入居者の間でこれまで主流であった一方的かつアナログなコミュニケーション(例えば電話、FAX、あるいはメールでのやり取りなど)を、デジタルの力を活用してスムーズにしていきたいと考えています。そして、すべての入居者に、これまでにはない快適な暮らしをご提供することを、ミッションとして掲げています。

創業ストーリー

創業のストーリーについてご説明します。私どもプロパーの社内役員は、かつて大阪に本社を構える不動産総合管理会社に勤めていました。その中で、日々さまざまな問題や課題に直面し、それを解決するために頭を悩ませていた時代がありました。

現在もなお不動産管理会社で行われている事例として、入居者と管理会社とのコミュニケーションが挙げられます。このコミュニケーションは電話、FAX、郵送といったアナログ手段が主体であり、いずれかが発信した情報を受け取って確認し、さらに同じ手法で返答するという形式です。一方通行かつ非効率で、コストもかかるコミュニケーション手法がいまだに主流となっています。

我々はこれを改善することで、工数やリソース、人件費などを劇的に削減できると考え、入居者アプリ「totono」を開発・展開しています。

このアプリでは、連絡手段としてチャットが主体となるため、ダイレクトかつリアルタイムで双方向のコミュニケーションが可能になります。これにより、入居者とのコミュニケーションが劇的に改善され、その改善から生まれるビジネスにはマネタイズする価値があると考えています。

2つ目ですが、地方の管理会社によく見られるケースとして、広範囲にわたる物件の管理を求められることがあります。例えば、市を越えた地域や山間部、山を2つ越えた先にある管理物件を担当するといった事例は日常的です。

これらの管理物件に対して、法令点検や貯水槽の清掃といった通知を行う場合、わざわざ現地に出向き、掲示板にチラシを貼るなどの作業を行う必要があります。しかし、貼り紙を掲示しただけでは、入居者が実際にそれを確認しているのかどうかを、管理会社側で把握することはできません。

このような作業においては、私たちが開発した「totono」は、手間や人件費、時間の削減に大いに貢献するシステムデバイスとなっています。

また、この不動産管理業界には非常に多くのプレイヤーが存在します。建物やマンション、アパートのオーナー、空室を仲介する仲介会社、実際に入居される入居者、退去後の原状回復工事を行う工事会社、大型の外壁塗装を実施する業者、水のトラブル時に対応する水道修理業者など、多くの関係者によって建物やマンションの管理が成り立っています。

しかし、これらの方々との連携がすべてアナログで行われている点が大きな課題です。例えば、オーナーの確認が必要な際に連絡をした場合でも、オーナーが不在であれば連絡がつかないことがあります。

電話の折り返しを待つしかありません。見積もりが発生して工事会社に連絡をしても、入居者へのスムーズな橋渡しが難しいなど、日常的な課題が日本全国で発生しているのが現状です。

当社は入居者アプリ「totono」を、さまざまな業者、オーナー、入居者等をつなぐコアとなるデジタルデバイスとして提供しています。

「totono」を積極的にアップデートすることで、プレイヤー全体がリアルタイムでスムーズなデジタルコミュニケーションを実現できると考えています。これにより、コスト削減や工数削減、新たなビジネスチャンスの創出も期待できます。

管理会社にとってのもう1つの大きな問題として、管理会社が入居者の生活を管理しているため、入居者データを保持しているという点が挙げられます。

どのような家族構成なのか、駐車場や駐輪場を利用しているのか、お子さまが生まれた、ご結婚された、転職された、学生さんであれば入社された、そうした入居者情報を管理会社はお持ちです。しかし、情報をうまく活用するリソースが不足しており、入居者に新たなサービスや最善かつ的確なサービスを提供することが難しいという側面があります。

例えば、管理会社の近隣で新しいヘアサロンがオープンした場合、その情報を入居者に提供することで、新しい店舗にとってもプラスとなります。また、近隣の店舗と連携してサービス提供を考えることも可能ですが、実際のところ、そこまで手が回らないのが現状です。

そこで、当社が提供する「totono」という入居者アプリをご活用いただければ、近隣の新しい店舗のサービスや、近隣で展開されるサービスを効率的にお届けすることが可能になります。行政のお祭りの情報も、我々は提供・発信することが可能です。

また、日本という国は、非常に災害が発生する確率が高い特徴があります。毎年、大型台風が列島を直撃し、さらにどこで大きな地震が起きてもおかしくない時代になっています。

災害が発生した際、入居者の安否確認、管理物件のエレベーターの停止、ガラスが割れるなどの情報があったとしても、管理会社としてそれをリアルタイムで取得するすべがないのが実情です。1件ずつ電話で確認することは現実的ではなく、こうした対応が後回しになってしまうことがあります。

このような状況でも、我々の「totono」をご活用いただけると、管理会社からの情報を一斉送信したり、入居者が困りごとを写真や動画とともに管理会社へ通達したりすることが可能になります。

これは非常に便利なデバイスであり、我々自身が管理会社に勤めていた当時、こうしたデバイスがあれば、管理事業がさらに発展し、収益化や新しいビジネスチャンスの創出が実現できたのではないかと思っています。

そのような経験を経て、我々は管理会社からベンチャー企業として独立し、現在開発した理想のデバイスをリリースして、全国の管理会社や入居者に提供しています。このような経緯が、我々の創業ストーリーです。

目指すべき姿

「目指すべき姿」についてお話しします。当社では、入居者向けのアプリ「totono」を開発し、サービスを提供しています。前期までは、SaaSモデルとして「totono」という入居者アプリを提供し、基本利用料やシステム利用料を全国の管理会社からいただいていました。

しかし現在、全国の管理会社は、少子高齢化という社会問題に直面しており、従業員の採用が難しくなっています。特に地方では、働き手を見つけることが難しく、人材確保にコストをかけても、なかなか適した人材を得られないという課題があります。一方で、首都圏や大阪などの大都市圏では、管理物件を獲得する競争が激化しており、管理物件数が増加しています。

物件が増えることで、当然ながら入居者も増加します。それに伴い、入居者の日常の困りごとや問い合わせに対応しなければなりませんが、人材確保が思うようにいかない状況です。このように、地方では地方なりの、大都市圏では大都市圏なりの採用の課題があります。

我々が努力して「totono」に優れた機能を追加し、アップデートを行ったとしても、管理会社のリソースが不足している場合、「totono」を入居者に提案や配布ができず、管理会社にとって良い状況にはなりません。

そのため、我々は観点を少し変え、スライドにも記載されているように、これまでのSaaS、つまりシステム利用を基盤とした取り組みから、BPaaS(BPO×SaaS)、すなわちBPO(アウトソーシング)を主体としたかたちに変更しています。

具体的にはこれまでは、「『totono』という良いアプリがあります。これをお使いください」という形態でしたが、人手不足や入居者対応の煩雑さに対する課題がある場合、全国どの地域の管理会社でも、我々がBPO(アウトソーシング)として入居者対応を請け負うかたちに変更しています。

ただし、電話での対応ではBPOが難しいため、我々のアプリケーションである入居者向けアプリ「totono」をご導入いただき、コミュニケーションを円滑にするツールとして使用しています。このBPOとアプリをセットにした形態を「totono2.0」BPaaSモデルとして営業展開しています。

また、先ほども述べたとおり、人手不足や採用が難しい全国の管理会社から非常に高い評価をいただいています。「totono1.0」と比較しても、反響や引き合いが数倍に増加している状況です。

さらに、入居者対応における社員の負担がこれまで以上に大きくなり、例えば従来は2人で対応していた業務を、現在は人手不足のために1人がすべて担当せざるを得ないという状況です。

兼務などの業務が増加する傾向は今後ますます広がると思います。現在、管理会社は現有勢力で業務を維持しているものの、1年後、2年後、さらには5年後には必ず人手が足りなくなり、物件の老朽化が進行していくと考えられます。

現在の入居者からのお問い合わせは増加傾向にあり、これまでの体制では対応が難しくなることが予測されます。そのため、当社としてはBPaaSを活用し、アウトソーシングを主体とした「totono2.0」の展開を進めていきます。加えて、カスタマーハラスメントへの対策も急務となっています。

そして地方に目を向けた場合、管理会社は中小零細企業が非常に多い傾向があります。数名で何百戸、何千戸もの管理を行っている会社も実際に存在します。そのような状況では人手不足やリソースの不足が課題ですが、DXにコストをかけ推進することが難しい業界です。そのため、この分野でのニーズが今後ますます高まるだろうことは想像に難くありません。

デジタル化によって、電話代や郵送費といった単純なコスト削減が可能になります。その結果として、BPO(アウトソーシング)は、今後の不動産管理業界において非常に重要なサービスとなり、多くの管理会社にとって、これがなければ業務遂行が難しい状態になることが予想されます。

したがって、当社ではこのBPaaSモデルの「totono2.0」のサービス拡充・推進を急務として進めています。

以上を、私たちがこれから「目指すべき姿」として展開していきたいと考えています。

目指すべき姿

「目指すべき姿」の例としてスライドをご覧いただきます。こちらは一例として挙げていますが、Beforeは管理会社によくあるパターンとして、電話対応を外部業者に委託しているケースがあります。

具体的には、入居者や仲介業者からの連絡など、管理会社に入電する電話対応を外部に委託するものです。その理由は、電話が鳴ると社員は対応せざるを得ず、業務が一時的に中断してしまうためです。このような問題を回避するためにコールセンターを活用する管理会社が多い状況です。

外部委託のコールセンターは、かかってきた電話を受けますが、個人情報や建物の詳細情報が関わるもの、または水漏れや駐車場の違法駐車といった判断が必要な事案については、独自に判断することはできません。

そのため、いったん確認した上で、管理会社の担当者に再度電話をして確認する作業が発生します。そして、確認した内容を再度入居者に連絡するという受け渡し作業が非常に多くなっています。

ここで大きな課題となるのは、電話が鳴ると必ず受けなければならないということです。電話を受けた以上、なんらかの返事をする必要があります。判断や確認が必要な内容については、外注業者がリアルタイムで対応するのは非常に困難であるというのが現状です。

では、当社が現在展開している「totono2.0」では、これがどのように変わるのかですが、入居者からの連絡は電話ではなく、「totono」を介してチャットで届きます。

そのチャットでは、例えばクーラーが壊れた場合にクーラーの品番や、水漏れが発生した際にはどのパッキンから水漏れが生じているかなどの情報を、動画や写真とともに送ることが可能です。

我々は、「totono2.0」を受託する前に管理会社と数回にわたりディスカッションを行います。この際、例えばどのように対応すればよいかといった点を、あらかじめ管理会社とマニュアル化しています。

したがって、マンションで水漏れが発生した場合には、指定の業者に写真や動画を添えて連絡するよう、あらかじめ手順が明確になっています。これに基づき、我々はBPO(アウトソーシング)を通じて対応していきます。

管理会社には事後のレポート報告を行います。スライドにも記載されているとおり、不動産管理会社における必要な対応数を約95パーセント削減することを目指しています。このため、イレギュラーな問題が起こった場合には、どのように対応すべきかを機械学習で解決していくイメージを持っています。

現在の生成AIは、特定のマンション、例えば「A」というマンションで水漏れが発生した場合にどうすればよいか、といった具体的な問題に答えることはできません。そのため、このデータを管理会社と協力して作り上げていくモデルとなっています。この取り組みにより、将来的なAI化に寄与できると考えています。

さらに、全国の中小零細企業がそれぞれのコストでAI化を行うのは難しい状況であると考えるため、当社は「totono2.0」で受託した管理会社において独自にAI化を推進し、入居者との連携をスムーズにし、自動返答する仕組みなどを実現していきます。

また、当社独自の取り組みとして、藤井の説明にもありましたように、これまで人力で行っていた対応には原価やコストがかかっています。当社の社員がチャット対応を行ったり、データ化を進めたりする作業を、効率化しデータを蓄積することで、AI化のさらなる推進を目指しています。

さらに、当社は東京大学の不動産研究イノベーションセンター(CREI)と連携し、このデータを汎用性のあるデータに変換する作業を進めています。この取り組みにより、将来的に大きな期待が持てると考えています。

Company History

当社のカンパニーヒストリーをご紹介します。当社は2012年に設立されました。2016年には現在の「スマサポサンキューコール」をサービスインし、2019年に大阪の不動産総合管理会社である宅都ホールディングスから独立しました。

2020年には、入居者アプリ「totono」の全国展開をスタートしました。そして2022年に東証グロース市場に上場を果たしました。

2024年には「totono」がグッドデザイン賞を受賞し、全国のみなさまにご活用いただいています。

当社が提供するソリューション

当社が提供するソリューションおよびサービスについてご説明します。当社は、事業セグメントとして不動産管理会社向けソリューション提供事業を行っています。

サービスとしては大きく3つあり、1つ目が「スマサポサンキューコール」です。これは創業以来展開してきたサービスである新生活サポートサービスです。

2つ目が、現在最も注力している入居者アプリ「totono」です。これは「totono1.0」と「totono2.0」に分かれています。

3つ目として、内覧サービス「SKB」も提供しています。これはIoTキーボックスとして展開しています。

スマサポサンキューコールについて

「スマサポサンキューコール」についてご説明します。これまで賃貸物件に入居する際、引っ越し直前にさまざまなライフライン、例えば電気・ガス・水道や、入居予定のお部屋で使えるインターネットやケーブルネットについて、仲介会社から情報を得た上で、入居者自身が契約を行う必要がありました。

これに対し、当社では「スマサポサンキューコール」というかたちで、これらを一括してお取次するサービスを展開しています。

具体的には、電気やガスの取次、新築マンションで利用可能なインターネットを入居者の利用環境に応じて、例えば「オンラインゲームをするため、とにかく速いスピードのインターネットが必要」といったヒアリングを行い、コンサルテーションの形式でサービスをご提案しながら取次を行っています。

さらに、昨今注目されている水の備蓄に対応するウォーターサーバーなど、生活に関わる幅広いサービスも展開しています。こうしたサービス群に加えて、新たに引っ越しに関連したサービスも提供するかたちで、事業を展開しています。

スマサポサンキューコールのマネタイズ

「スマサポサンキューコール」のマネタイズについてご説明します。不動産業界は繁忙期と閑散期の差が非常に大きい業界です。例えば、繁忙期には閑散期の2倍から3倍の新入居者が契約します。

そのため、こうした繁閑の差に対応し、安定的に架電を行える体制を整えるべく、自社の「スマサポ」にあるコールセンターと外部委託先のコールセンターを活用し、入居者に品質の良いコールを提供しています。

管理会社からは連携で入居者の情報を受託するかたちでいただきます。当然、消費者保護法や個人情報保護法などの法令に基づき、入居者にご連絡を差し上げます。

また、新生活に必要なライフラインサービス、インターネットサービス、ウォーターサーバーなどをご紹介し、取次を通じて収益を上げています。ただし、それだけで終わるのではなく、管理会社にとって必要なアンケートも実施しています。

例えば、「数ある物件の中から、なぜこの物件に決められたのですか?」「この物件のどこに引かれましたか?」「さらに必要な設備として、どのようなものを望んでいらっしゃいますか?」「実際に住んでみての住み心地はいかがですか?」といったアンケートがあります。

これらは、管理会社が管理物件を増やし、新たに獲得していく際に必要になる情報を、我々が代理で収集するというかたちです。管理会社は、無料でこのサービスを利用でき、必要なアンケートの実施と、我々が取次を行った際に発生する収益をレベニューシェアできる仕組みとなっています。

このように、管理会社にとっては非常にメリットのあるサービスです。入居者にとっても、入居時の忙しい中で煩雑な申し込み作業を我々が引き受けることで、両者にとって有益なサービスとなっています。

入居者アプリ「totono」について

入居者アプリ「totono」についてご説明します。こちらは、賃貸物件にお住まいの入居者と、その物件を管理する管理会社とのコミュニケーションをデジタルで円滑にし、入居者に快適さや安心・安全を提供するプラットフォームとして展開しています。

こちらは、2024年度グッドデザイン賞を受賞しました。この賞は、審査委員のみなさまからも非常に高い評価をいただいた結果です。

入居者アプリ「totono」について

実際に入居者アプリにはどのような機能が備わっており、何ができるのかについてご説明します。

まず1つ目の機能として「お知らせ掲示板」というものがあります。これは、管理会社が物件やアパート、建物に対してお知らせしたい情報を提供する機能です。

例えば「エレベーターの点検があります」「外壁の塗装が何月何日から何月何日まで行われます」「管理会社が年末年始お休みになります。その間にはここに電話してください」といった必要な情報が数多くあります。

これらの情報に関しては、現在、管理会社がA4用紙に印刷し、各物件の掲示板に貼るかたちで提供しています。しかし、入居者がこれらを実際に確認しているかどうかを、管理会社が把握することはできません。

この部分は非常にアナログであり、さらに遠方の物件や、決まった期限までに掲示をしなければならないものについては、社員がコスト的にも時間的にも制約を受けるため、大きな課題となっています。

これが「totono」というアプリケーションに変わることで、リアルタイムでダイレクトに、その物件にお住まいの方に必要な情報を提供できるようになる点が非常に大きなメリットとなっています。また、それを活用し、さまざまなアンケートやお返事をいただくことも可能となっています。

2つ目として、「FAQ&CHAT」という機能を提供しています。従来、入居者が管理会社とやり取りを行う際には、「何時から何時までに電話をしなければならない」といった時間的な制約が存在するほか、電話をしても話中でつながらない、保留音が長時間続くといった問題がありました。

緊急の用件にもかかわらず電話がつながらず、折り返しを依頼しても連絡が返ってこない、あるいは返ってきた場合でも同じ内容を再度伝える必要があるなど、入居者にとって非常にストレスのかかる状況が続いていました。

こうした課題を解決するため、当社は各管理会社にFAQ(よくある質問とその回答)を提供しています。

我々が提供しているFAQは、一般的なFAQではなく、各管理会社で多発する問い合わせをFAQ化したものです。管理会社の過去のデータを分析して作成したFAQマニュアルとなっており、よくある質問についてはこのFAQで十分に対応可能です。そのため、電話や問い合わせの件数を減らす効果が実証されています。

また、チャット機能についても対応しています。このFAQを通じても解決できない場合には、チャットで管理会社に問い合わせが送られます。我々はこのチャット内容も分析し、同様の事案が発生した際に備えて定型化を進めたり、特定の内容についてはマンションの掲示板に永続的に掲示したりするなどの対応を行います。

例えば、新しく引っ越してきた方から「ダンボールがたくさん出たけれども、処理の仕方がわからない」という問い合わせが多い場合、その解決方法を「totono」というアプリケーション内でそのマンションのフロントページに掲示することも可能です。

このように「totono」をご利用いただければ、入居者からの問い合わせ数を劇的に削減できるという大きな特徴があります。

解約や駐車場、ペット、駐輪場のステッカーの申請なども、すべてこのアプリケーション上で完結することが可能です。お申し出をいただくと、管理会社がそれを確認して送付できるため、工数が大幅に削減されます。

さらに、我々が提供する便利なサービスとして「totono style」があります。こちらは外部のアライアンス企業と協力し、入居者に有益な情報を提供していくものです。

管理会社が独自にその町やエリア、商店街の店舗と提携を結び、新しく引っ越してきた方々にお店の紹介や割引サービスなどを提供する仕組みを、「totono style」として展開しています。これにより、管理会社はその管理物件や町のサービスを二重構造で提供することが可能となります。

契約情報については、これまで紙の契約書をタンスの奥にしまい、いざ必要な時にどこにあるかわからないという状況が多かったかと思いますが、我々の「totono」では契約情報をしっかりと格納できる仕組みを提供しています。また、取扱説明書もアプリで確認することが可能となり、利便性を大幅に向上させています。

「IoT機器連携」では、昨今非常に普及が進んでいるスマートロックとの連携が可能であり、さらにホームデバイスやIoTデバイスとの連動も実現できます。

このように、「totono」という入居者向けアプリは、今後もさまざまな機能を追加していく予定です。賃貸住宅にお住まいの方々にとって、必要不可欠なデバイスやサービスを提供していきたいと考えています。

入居者アプリ「totono」Phase1.0

「totono1.0」についてご説明します。こちらは2020年の提供開始以来、全国の管理会社に対して月額のシステム利用料として、サブスクリプションモデルで提供してきました。不動産会社が独自に導入し、掲示板やチャットを管理会社の社員が活用する仕組みです。

ただ、この「totono1.0」の中でも、社員によるチャットの返信が難しい場合、追加料金をいただきながら、アップセルのかたちでBPO対応も行ってきました。そして昨今、人手不足の影響を受け、このBPOのニーズが非常に高まっています。

入居者アプリ「totono」Phase2.0

2025年9月期期初より始まったサービスである「totono2.0」についてご説明します。

「totono1.0」で提供していたSaaSモデルには、社内でチャットの返信が難しい、リソースが不足しているといった課題がありました。そのようなニーズが非常に高まってきたことに加え、少子高齢化という流れもあることや、入居者対応は管理会社にとって非常に煩雑であると同時に、重要な業務ということを踏まえ、この入居者対応をアウトソーシング(BPO)で丸ごと巻き取り、当社自身が対応するかたちを提案しています。そのためのコミュニケーションツールとして「totono」を提供していきます。

これが「totono2.0」です。いわゆるBPaaS(BPO×SaaS)というかたちになります。我々が管理会社に代わって入居者対応を巻き取り、BPOとして行うものです。「totono」を実際に活用するのはスマサポ、すなわち当社です。

「totono1.0」でSaaSモデルとして「totono」を提供した場合、「totono」の機能を100パーセント使いこなせるかというと、管理会社のリソースやポテンシャル、社員のコンディションなどによって、なかなか難しいのが実情です。

しかし、「totono2.0」では、当社が管理会社に代わり、入居者とのやり取りや掲示板の発信、FAQ作成などを行うことで、「totono」のポテンシャルを最大限に引き出したかたちでご提供できるという点がメリットとなっています。

「totono2.0」の料金体系は、管理会社が管理している物件にお住まいの方がダウンロードした人数に単価を掛けたものとなっています。ダウンロードの促進もスマサポが行いますので、管理会社任せではなく、自ら目標を設定して行動するビジネスモデルとなっています。

成長戦略

それではインデックスに戻り、「03 成長戦略および事業計画」についてご説明します。

成長戦略についてご説明します。まず、当社の基本方針として、今後の非連続的成長を図るために、入居者アプリ「totono」を先行投資期間と位置付けています。また、「スマサポサンキューコール」の展開とのバランスを見ながら、両者をともに成長させることを基本方針としています。

基本方針に伴うアクションプランとして、2025年度は3つの柱を掲げています。1つ目は「スマサポサンキューコール」の拡大による安定収益の強化です。2つ目は入居アプリ「totono」の管理世帯数の増加を通じた収益基盤の拡大です。3つ目は入居者アプリ「totono」の他社提携等を通じて収益機会を拡大することです。こちらも今後ますます進めていきたいと思っています。

「スマサポサンキューコール」の拡大による安定収益の強化

アクションプランの1つ目は、「スマサポサンキューコール」の拡大による安定収益の強化です。これは、大手不動産管理会社への「スマサポサンキューコール」の導入および電子申込システムとの連携により拡大を目指していきます。

大手不動産管理会社への導入については、大東建託グループへの導入が稼働しています。こちらは2023年8月から順調に稼働しています。大東建託グループは日本最大の管理会社ですので、再びこのような大型案件を獲得することを目指し、営業活動に注力していきます。

また、電子申込システムについて、リクルートが提供する「申込サポート by SUUMO」という電子申込システムとエクスクルーシブな連携を行っています。電子申込がリクルートで行われた後、「スマサポサンキューコール」と自動連携する仕組みが実現しており、リクルートの電子申込が拡販されることで、自然と「スマサポサンキューコール」も広がっていくという営業手法をとっています。

入居者アプリ「totono」の管理世帯数の増加による収益基盤の拡大

アクションプランの2つ目は、入居者アプリ「totono」の管理世帯数の増加による収益基盤の拡大です。「totono」は、2020年のアプリリリース以降、全国47都道府県の各エリアにおいて、大手不動産管理会社や中小管理会社への導入を積み上げてきました。

信頼と実績に基づき、さらなる拡大を進めています。2024年にはグッドデザイン賞を受賞しました。また、各種メディアで取り上げられる回数も増えています。

また、昨年10月からは、アウトソーシングを主体とした「totono2.0」をリリースしており、全国の管理会社における人手不足や、少子高齢化による社員の雇用の難しさも相まって、当社のチャットセンターの引き合いが非常に増加しています。

さらに「totono」は管理会社や入居者にとって欠かせないアプリケーションとしての立ち位置を築き上げつつあります。今後もこの分野にしっかりと注力し、スタンダードプラットフォームとなるよう努めていきたいと考えています。

入居者アプリ「totono」の他社提携等により収益機会の拡大

アクションプランの3つ目は、入居者アプリ「totono」の他社提携等による収益機会の拡大です。入居者アプリ「totono」は、全国47都道府県の各管理会社に導入が進んでおり、その先には、実際に生活している入居者の方々がいらっしゃいます。

現在、「totono」では、例えば更新業務や解約手続きなどが可能ですが、それ以外にもできることがあります。例えば、専有部でトラブルが発生した場合や、共用部で問題が起こった場合、あるいは駐車場に関連する課題など、賃貸住宅に住む方々が「これができたらいい」と感じる機能がまだ多く存在しています。

駐車場も専有部もそれぞれ専門サービスを提供する会社が多数存在しています。それらの企業とアライアンスを組むことで、入居者の生活がより快適になり、管理会社にとっても建物の管理がさらに容易になる世界観を目指しています。

さまざまな外部企業とのアライアンスを通じてアプリのダウンロード数を増やしていきます。さらに入居者にとってより良いサービス、例えば、保険や生活に密接に関連する各種サービスを積極的に提供していけるような入居者アプリを実現していきます。

成長ストーリー

最後に、成長ストーリーについてご説明します。当社は、創業以来、「スマサポサンキューコール」を基盤に培った顧客基盤を土台としています。

入居者アプリ「totono」の拡大に注力し、ダウンロードしていただける入居者の数を増やしながら成長を見込んでいきたいと考えています。

また、さまざまなアライアンスを組む企業さまと提携を積み重ねることで、「totono」上でのアップセルのベースを構築していきたいと思っています。

スライドは3色に色分けしていますが、収益のベースは「スマサポサンキューコール」で培った全国の管理会社とのネットワークです。その上で「totono」をプラットフォーム化し、賃貸にお住まいの方にとってなくてはならないアプリケーションへと成長させていきます。

そこから、チャットを中心としたBPaaSとして、全国の管理会社が抱える少子高齢化による人手不足や、入居者とのコミュニケーションが円滑に進まないといった課題を、当社が巻き取って対応していきます。この裏側では、AIを駆使して原価を抑えつつ、しっかりと利益を確保していきます。

さらに、この「totono」がプラットフォームとして成長し、100万人、200万人と利用者を獲得した際には、提携するさまざまなアライアンス企業とともにより良いサービスを賃貸の入居者に提供していきます。ここで非連続的な成長を実現していきたいと考えています。

SNSを活用したIR情報の発信

当社はSNSを活用したIR情報の発信に力を入れています。本日の決算説明会をはじめ、進捗がある際にはスライド左側の「X(旧Twitter)」でお知らせしたり、「note」で取り組みをまとめて定期的に発信しています。ぜひQRコードを読み取っていただき、当社の動向をチェックしていただければと思います。

smartなくらしをsupportする

本日は株式会社スマサポ第2四半期決算説明会をご覧いただき、ありがとうございました。

当社は全社一丸となって株主のみなさまのご期待に沿えるよう、今後も邁進していきます。引き続き、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします。本日は誠にありがとうございました。

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