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オープンワーク株式会社5139

東証グロース

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大澤陽樹氏(以下、大澤):オープンワーク代表取締役CEOの大澤です。本日はご視聴いただきありがとうございます。

スライドは本日のアジェンダです。まず、当社の経営概況についてご説明した後、当社や当社のサービスについてお話しします。最後に、2025年12月期第3四半期の決算概要および事業トピックについてご説明します。

2025年12月期 第3四半期 決算トピックス

エグゼクティブサマリーです。2025年12月期第3四半期の決算トピックスとしては、各サービスともに堅調に推移しています。

第3四半期累計の営業収益は34億5,000万円で、前期比30.4パーセントの増収となりました。営業利益は11億9,000万円で、前期比29.1パーセント増となり、いずれも第3四半期累計としては過去最高の収益および利益を記録しています。

また、2025年12月期の営業利益予想について、期初に11億3,000万円を掲げていましたが、これを前倒しで達成したことになります。

当社主力の採用サービス「OpenWorkリクルーティング」も、各種KPIが堅調に推移しています。第3四半期単独の営業収益は8億3,000万円で、前期比24.4パーセントの成長トレンドを継続しており、期初予想に対しても順調に推移しています。

また、データベースの閲覧やそれに伴う送客など、会員への課金を行うセグメントに関しては、第3四半期単独の営業収益が3億2,000万円となり、前期比21.9パーセントの増加を達成しています。第1四半期から提携送客収入の値上げを実施しており、この効果は年間を通じて継続する見込みです。

また、第4四半期が現在中盤戦を迎える中、広告費など成長投資の拡大により販管費が増加する予定です。通期の営業利益はすでに前倒しで達成していますが、期初予想である11億3,000万円の水準に達する見込みです。

2025年12月期 第3四半期 業績サマリー

各KPIに関しては後ほど詳しくお伝えしますので、ここではすべて順調に推移していることをお伝えし、次のセクションに移りたいと思います。

企業概要

「初めてオープンワークの説明を聞くよ」「久しぶりにオープンワークをチェックしているよ」という方に向けて、当社についてご説明します。

オープンワークは2007年に創業し、2022年12月に東証グロース市場に上場しました。従業員数はまだ150名にも満たない小さな会社です。

当社は、就職・転職を支援する情報プラットフォームを運営しています。この後詳しくご説明しますが、社員のクチコミを基軸としたWebサービスやアプリサービスを展開しています。

Slogan / Mission

当社が非常に大切にしているのは、コーポレートスローガンにある「働きがい」というテーマです。

日本ではすでに労働人口が減少しており、生産性を向上させるためには、労働参加率を高めることが重要です。働き方改革などにより、働きやすい環境が整いつつあることなどから、労働参加率は徐々に高まってきています。

もう1つ重要なのは、1人当たりの生産性を高めることです。当社ではこの1人当たりの生産性に大きく影響を与える要素として、やりがいや一人ひとりの熱意を挙げており、これを「働きがい」だと捉えています。

ただし、あるアメリカの調査によると、日本の「働きがい」や熱意ある社員の割合は、世界で最低水準にあります。140ヶ国中、今年も130位台に位置しており、少しずつ上昇してきてはいるものの、依然として厳しい状況です。ただし、ここには大きな伸びしろがあると当社は考えています。

この「働きがい」という伸びしろのある領域にフォーカスを絞り、さまざまな事業サービスを展開することで、多くの人が輝き、適材適所が実現できるジョブマーケットを作り上げていくことが、当社が目指す最終的なゴールです。

オープンワークが目指す世界

オープンワークが目指す世界について、もう少し定性的な話をします。

これまでは、新卒一括採用や終身雇用、年功序列が一般的で、「働く」における主役は個人というよりも会社だという状況でした。

「来月から地方に転勤してよ」「こういう部署で人が足りないから来年はここに異動してね」といった環境下で、自分がどのように思っていようとも、会社の指示に基づいて「この会社で働き続ければ年収も上がっていくし、多少いやなことだけれど我慢してやろうか」と行動していました。

終身雇用や年功序列が基盤として存在していたからこそ、人々はその会社にコミットし続けていたのです。ただし、「働く」における主導権は基本的には会社側が握っていました。

もちろん、企業が労働者を雇用する構造的な本質は変わりません。しかし、現在では職種別採用が進むとともに、人手不足により人材の流動化がますます促進されています。その結果、「働く」における主役は会社から個人に移りつつあります。

「自分の望む働き方ができなければ転職すればいいじゃないか」「自分で自分のキャリアを作っていけばいいじゃないか」という考え方が、かなり一般的なものになってきています。

会社が求職者を選ぶのはもちろんですが、労働者も会社を選ぶ時代となり、お互いが選び合う社会へと変化していると感じます。

一方で、「会社に依存せず自分のキャリアは自分で作れよ」「自分でデザインすればいいじゃないか」と言われますが、実際にはまだ安心して働けるジョブマーケットには至っていません。

依然として、実態とかけ離れたイメージ広告が多く見受けられ、「求人広告を見て入ってみたら思っていた会社と違った」といった状況が続いている状態です。

当社では、「入社後の実情はブラックボックス」という考えを、ジョブマーケットの情報の透明性を通じて広めていこうとしています。

入社前から違和感なく、ミスマッチを避けて働ける人が増えることで、働きがいが日本国内で増していくことを目指し、社員のクチコミにフォーカスしたサービスを開始しています。

「OpenWork」と「OpenWorkリクルーティング」の関係

当社の売上の90数パーセントは、「OpenWork」と「OpenWorkリクルーティング」という2つのサービスで構成されています。

「OpenWork」は日本最大級の社員クチコミ情報サービスで、ユーザー数は758万人です。その中から、「転職・就職してもいいよ」と履歴書やレジュメを登録しているユーザーは157万人にのぼります。

現在、人手不足による倒産が3年連続で過去最多を記録していますが、人手不足においては企業は人が集まる場所で採用活動を行いたいと考えます。そこで、多くのWeb履歴書や登録者が存在する「OpenWork」上で企業が採用活動を行えるサービスが「OpenWorkリクルーティング」です。

「OpenWorkリクルーティング」は求人掲載や候補者への直接スカウトが可能な採用サービスです。契約社数は4,240社で、契約している企業は、社員クチコミだけでなく、企業情報や求人を同時に掲載することができます。

また、求人や企業情報と合わせてクチコミを見たいと考えるユーザーが増えると、ユーザーの増加に伴い履歴書の数も増加します。その結果、採用・スカウトしたい企業が増加し、さらに企業情報とともに求人が増え、クチコミも増加し、ユーザー数のさらなる増加につながります。

このように、双方にポジティブな影響を及ぼしながら成長しているのが、「OpenWork」と「OpenWorkリクルーティング」というサービスです。

日本最大級の社員クチコミサイト「OpenWork」

それぞれのサービスについてご説明します。「OpenWork」は、1年以上働いている、または働いたことがある正社員や契約社員の方が投稿できるクチコミサイトです。

私は「8・8・3」と呼んでいるのですが、まず、待遇面の満足度や風通しの良さ、20代の成長環境、法令遵守意識などの、8つの定量的な評価項目について5段階でランク付けができます。

次に、8つの社員クチコミについては、定性的な社員クチコミが投稿されています。組織体制、企業文化、ワークライフバランス、女性の働きやすさ、経営者への提言、退職検討理由などが、500文字以上で投稿されています。

最後に、3つの実情報として、残業時間、有給休暇消化率、年収データを確認することができます。

これらのクチコミは、Web履歴書を登録する、ご自身の体験をクチコミとして投稿する、当社が紹介する人材サービス等に登録する、または税別1,800円の有料会員として登録する、これら4つの条件のいずれかを満たすことで一定期間閲覧可能となります。

特に、提携サービスへの登録と有料会員登録は「OpenWork」セグメントの売上に寄与しています。

企業向けダイレクトリクルーティングサービス「OpenWorkリクルーティング」

「OpenWorkリクルーティング」は、Web履歴書を登録した方が「OpenWork」上で非常にスコアが高い企業からスカウトや求人を受け取ることができるサービスです。

これまでの一般的な方法は、多くの広告費を投入することで目立つ場所に自社の求人を掲載できるものでした。しかし、売り手市場が進み、労働者側が非常に貴重な資源となる中では、企業中心のサイトではなく、求職者にとって利便性の高いサービスが選ばれるようになっています。

そのため当社では、社員から高い評価を受けている企業に対し、求職者への求人やスカウトが届きやすい仕組みを提供しています。これが「OpenWorkリクルーティング」の特徴です。

どれだけ広告費を投じても、働きがいや魅力の少ない会社は採用が難しいような仕組みにしているのが「OpenWorkリクルーティング」です。

採用成功報酬は基本利用料120万円とは別に、中途採用で1人当たり70万円、新卒採用で30万円となっています。利用方法にもよりますが、一般的には人材紹介サービスや他社のダイレクトリクルーティングサービス、求人媒体よりも、1人当たりの採用費をかなり低く抑えることが可能です。

このコストの安さとユーザー登録数の多さが評価され、企業での導入が現在増加しているサービスです。

クチコミデータを新たな社会課題解決に活用する「オルタナティブデータサービス」

売上には大きく影響しませんが、その他の領域についてもご紹介します。

1つ目は「オルタナティブデータサービス」です。これは「OpenWork」に投稿されたクチコミデータを活用し、資本市場の予測や各企業の組織課題の可視化、さらにはサステナビリティ課題の解決に役立てていただけるサービスを提供しています。

こちらは大きく2つの領域に分かれています。スライド左側は「FIS」と呼ばれる「Financial Indicator Service」です。こちらは国内外の資産運用会社、クオンツファンドやヘッジファンド向けに、当社が加工したクチコミデータを提供しています。

なぜこのようにデータを購入いただけているかというと、論文で「OpenWork」のクチコミが企業の2年後から3年後の業績と強い相関があることが証明されているのです。そのため「これはアルファが出るぞ」と当社のデータをご購入いただいています。

一方、スライド右側は「DAP」と呼ばれる「Data Analytics Platform」です。「OpenWork」のクチコミには参考になる情報が多く含まれています。特に大手企業では人的資本情報の開示が進んでいますが、その過程で自社の組織課題をより具体的で生々しい情報として把握したいというニーズがあります。

その際に「OpenWork」のクチコミをAIで分析し、レポート化して提供するサービスを現在展開しています。

キャリア情報の交換・収集のためのコミュニティサービス「OpenWorkキャリア」

2つ目は、キャリアのSNSである「OpenWorkキャリア」です。

周囲に、自身の転職や就職、仕事について相談できる人がなかなかいない方も多いのではないでしょうか。自分と似たような職種年齢の人がどのぐらいの年収なのか、その人はどのようなキャリアを歩んできているのか、どのようなスキルが自分とは違うのかなど、他人のキャリアをのぞき見でき、情報を得られるキャリアの総合プラットフォームを現在開発・運用しています。

こちらはまだマネタイズのフェーズには至っていません。コンテンツを拡充し、さまざまなテストを行いながら、ユーザーに価値あるデータを提供できた後に、マネタイズ化を図る考えです。

事業系統図

事業系統図についてです。この後、セグメントごとに売上の報告を行いますが、当社は大きく3つのセグメントに分かれています。

1つ目は「OpenWork」です。クチコミを閲覧するために他社のサービスに登録していただくことで、当社が紹介料を受け取ったり、ユーザーから月額1,800円をいただいたりする仕組みです。これらの収益を合わせたものが「OpenWork」です。

2つ目は「OpenWorkリクルーティング」です。登録ユーザーの履歴書に対して、企業やエージェントがスカウトや求人を掲載し、採用が決定した際に当社が成功報酬をいただくモデルです。

3つ目は、当社のデータを企業や機関投資家に提供する「オルタナティブデータサービス」の利用料です。これらの3つのセグメントで当社の営業収益は成り立っています。

P/Lハイライト

ここからは2025年12月期第3四半期の決算概要についてご説明します。冒頭でもお伝えしましたが、第3四半期は非常に好調で、売上高は34億5,000万円となりました。

それぞれのサービスについては、「OpenWork」「OpenWorkリクルーティング」は先ほどお伝えしたとおりです。「オルタナティブデータサービス」も前期比で2倍の成長を遂げています。

業績推移(四半期ごとのサービス別営業収益の推移)

業績の推移について、サービス別にご説明します。

まず、グラフに濃い青で示した「OpenWork」についてです。当社はデータを「OpenWork」に蓄積していきたいと考えています。

「OpenWork」はユーザーが他社のサービスに登録いただくことで、クチコミを見られるようになる広告ビジネスです。言い換えれば、データを外部に流している仕組みです。当社はAIの時代において、どれだけ貴重なデータを保有できるかが非常に重要だと考えており、「OpenWork」については維持もしくは微減で進めてきました。

しかし、他の人材紹介会社の決算を見ても、広告費が非常に高騰していることがわかると思います。特に人材関連の広告では競争が激化しており、広告単価が大きく上がっています。当社においても同様ですが、一方で「OpenWork」において、他社の人材サービスへ当社ユーザーをご紹介する場合には、広告単価を引き上げられると判断しました。

そこで昨年末に交渉を行った結果、すべての企業から了承をいただくことができました。今期はこの値上げ分により年間約20パーセントの影響が出る見込みです。

グラフで水色で示した「OpenWorkリクルーティング」については、前期から「OpenWorkリクルーティング」の「スペシャルスカウト」というクロスセル商材を導入し始めました。また、今年から計上方法を期間按分に変更したこともあり、前期は第3四半期の売上がやや伸びています。

通常、第2四半期が最も繁忙期となり、4月に多くの方が入社されることで売上が上がるケースが非常に多く見られます。その結果、第2四半期が突出して売上が膨らみ、第3四半期、第4四半期と徐々に減少します。

しかし、「スペシャルスカウト」というクロスセル商材があったことにより、前期は第3四半期の売上がやや伸びました。今期は例年と同じような動きをしているものの、伸び率に関しては、他の第1四半期や第2四半期では30パーセント以上の伸びが見られた一方で、第3四半期では24.4パーセントとなっています。

24.4パーセントでもかなり伸びているほうだと考えていますが、他の四半期と比較してやや伸び率が低く見えることで懸念される方もいらっしゃるかもしれません。しかし、その点についてはご安心いただきたいと思います。

営業費用の推移

営業費用の推移についてです。こちらで特に注目すべきは広告費です。

一見すると広告費が非常に増加しているように見えますが、これは第1四半期からご説明しているとおり、今期は特に関西エリアでテレビCMを定期的に展開しているためです。また、第3四半期からはお笑い芸人を起用した新テレビCMを開始していることも影響しています。

前期はこのような広告を第1四半期と第4四半期に集中的に流していたため、今期はその分非常に大きく伸びているように見える状況です。

ただし、冒頭でもお伝えしたとおり、営業利益はガイダンスで示している水準に着地する予定です。広告費は今後も計画的に投じていく予定ですが、しっかりと営業利益予想どおりで着地する見込みですので、ご安心ください。

今期業績の進捗と見通し

今期業績の進捗と見通しについてです。冒頭でお伝えしたとおり、営業利益以下はすでに通期予想を達成しています。第4四半期では広告費などに投資する予定がありますので、現時点では上方修正などは考えておらず、予定どおりの着地を見込んでいます。

また、スライドからもおわかりいただけるように、営業収益についてもほぼ間違いなく通期予想を達成できる見込みです。順調に進捗しています。

各種KPI / OpenWorkリクルーティング

各種KPIについてです。「OpenWorkリクルーティング」については、契約社数とWeb履歴書登録者数がともに順調に増加しています。

契約社数については、以前は「OpenWorkリクルーティング」は無料で利用することができたため、大きく伸びていました。今期第1四半期から有料化したことにより、契約社数の伸びは鈍化すると予測しており、実際に第1四半期から第2四半期で契約社数が鈍化しました。

無料期間中には契約社数が伸びるものの、「とりあえず契約してみました」といったケースではその後の当社の売上につながらず、ユーザーにも良質なスカウトや求人が届かないこともありました。そのため、鈍化は想定どおりの結果であり、特に問題はないと考えています。

一方で想定外だったのは、第2四半期から第3四半期に新規契約社数が予想以上に増加したことです。多くの企業が採用に困っている現状が背景にあると実感しています。昨年の無料期間中と同程度の伸び幅で契約社数が増加しており、非常に順調と言える状況です。

各種KPI / OpenWork

「OpenWork」に関しては、ユーザー数が第2四半期から第3四半期にかけて例年少し伸び悩む傾向があります。他の四半期に比べて伸び幅が小さくなる時期ですが、これは例年どおりの推移です。

また、社員クチコミ数や評価スコア数についても例年と同様に順調に伸びており、KPI全体が順調に推移しています。

株主優待制度に関するご案内

最後に、今期からスタートした株主優待制度についてご案内します。

株主優待については、これまでも「『OpenWork』の社員クチコミを見られるようにしてほしい」という声が寄せられていました。しかし、株主の中にはすでに閲覧権限を持っている方もいらっしゃいます。そのため、フェアネスの観点から、「OpenWork」の社員クチコミの閲覧権限にも交換できるデジタルギフトを優待品としてご用意しています。

社員クチコミをまだご覧になったことがない方は、社員クチコミの閲覧権限に交換することも可能です。すでに権限をお持ちの方は、その他の「QUOカードPay」や「Amazonギフトカード」などに交換することも可能です。

株主優待制度に関するご案内

保有株式数と継続保有期間によって優待の進呈条件が変わりますので、興味のある方はぜひご覧ください。

駆け足となりましたが、私からのご説明は以上となります。ご清聴ありがとうございました。

質疑応答:「OpenWorkリクルーティング」の成長率鈍化の背景と今後の見通しについて

司会者:「第3四半期の『OpenWorkリクルーティング』の営業収益は、成長率が前年同期比で24.4パーセントとなっています。第1四半期、第2四半期の時の35パーセント程度と比較すると減速しています。その要因についてどのようにお考えでしょうか? これは一時的な減速

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