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芳山政安氏(以下、芳山):ノバシステム代表取締役社長の芳山です。本日は2025年12月期第2四半期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。ただいまより、決算の状況についてご説明します。

本日の目次です。まず上期の実績および通期予想をご説明し、その後、来期に向けた取り組みについてお話しします。

上期実績 ハイライト

上期の実績についてです。売上高は32億9,400万円で、前期比106.4パーセント、計画比99.5パーセント、営業利益は8,700万円で、前期比42.5パーセント、計画比40.4パーセント、当期純利益は6,900万円で、前期比48パーセント、計画比46.7パーセントの結果となっています。

売上高は概ね計画どおりの結果となりましたが、利益面では大きく下回る結果となりました。その要因は、システムインテグレーション事業における長期プロジェクトの一部で不採算プロジェクトが発生したためです。この点については後ほどあらためてご説明しますが、こちらが収益を圧迫しました。

一方、その他のプロジェクトについては計画どおりに推移しており、不採算は発生していません。クラウドサービス事業もほぼ予定どおりに推移しています。

採用活動に関しては、4月に44名の新入社員を受け入れ、中途採用による入社は7月末時点で32名となりました。

上期実績 損益計算書 サマリー

損益計算書です。売上総利益が計画比を大きく下回った原因は、先ほどお伝えした長期不採算プロジェクトによる人件費や外注費の原価が大きく膨らんだためです。

なお、営業利益の増減分析については、スライド22ページおよび23ページにウォーターフォールチャートで示していますので、時間がある時にご確認ください。

上期実績 要因分析

上期実績の要因分析です。売上総利益は計画比で1億6,600万円下回りました。この大きな要因として、スライド右側の表①に示しているとおり、不採算プロジェクトへの対応により計画比で1億9,500万円下回ったことが挙げられます。

その原因を分析すると、当初計画の売上高が1億円強に対し、実績は7,400万円となりました。人件費・外注費については、当初計画では1億円弱でしたが、実際には2億6,500万円と、大規模なプロジェクト遂行のために人件費・外注費の原価がかかりました。その結果、1億9,500万円という大幅な乖離が発生しています。

スライド右下の表をご覧ください。それ以外の売上総利益についてはプラス2,900万円ほどで計画どおりに推移しています。

上期実績 要因分析 不採算プロジェクト

不採算プロジェクトの概要をご説明します。スライドの図は、当初のプロジェクトの計画図です。このプロジェクトは2022年4月にスタートし、当初は2025年第4四半期に収束する予定でした。

当社は2022年からこの案件の開発を進めており、2024年第1四半期終了時までは先行開発を順調に進めていましたが、計画が大きく見直されました。これは要件定義にさまざまな状況が生じたためで、大型プロジェクトではこのような事例が多々発生します。

この影響を受けて、当社は先行して開発を進めていたため、いわゆる要件の揺り戻しや計画の変更により、未確定のまま開発を進めていた案件をすべて再度作業するという事態が、2024年第2四半期以降に発生しました。

2024年の結果については、売上ベースでは計画をやや上回った一方で、売上総利益ベースでは1億2,000万円程度の未達となりました。この要因は、スライド下部に記載しているとおり、2024年度の不採算プロジェクトによるものです。

ただし、このプロジェクトは2026年に必ず完了することを目標として各社が動いており、今年度の数字にはすでに不採算の影響を織り込んでいます。この不採算を考慮した計画が来期の予定に影響を与えることはないと確信しています。

2025年12月期 通期予想の修正 ハイライト

通期予想を修正します。売上高は66億6,600万円、営業利益は2億9,800万円、当期純利益は2億900万円を見込んでいます。不採算プロジェクトへの対応コストが上期同様、下期にも影響することが大きな原因です。

ただし、不採算プロジェクトの影響については2025年12月末まで織り込んでおり、予定では2025年9月末に収束する見込みです。その他のプロジェクトについては、予定を上回るほどの案件情報があり、案件を獲得できると確信しています。最後に、配当の修正は行いません。

2025年12月期 通期予想の修正

修正後の損益計算書です。修正内容については、次のページでご説明します。

2025年12月期 通期予想の修正

修正の主要因は、不採算プロジェクトへの対応を優先した結果、人件費・外注費が増加し、受注機会の損失が発生したことです。この影響を受け、当初の計画から売上高はマイナス6億4,100万円、売上総利益はマイナス4億1,100万円に修正しています。

売上高の修正については、スライド右側の表①をご覧ください。当初の通期予想では2億3,400万円を見込んでいましたが、通期見込みは1億7,900万円で、差額はマイナス5,400万円となりました。

人件費・外注費については、当初の通期予想の1億8,500万円に対し、通期見込みは3億9,500万円で、差額はプラス2億900万円となっています。売上総利益は、当初の通期予想の4,900万円に対し、通期見込みはマイナス2億1,500万円で、マイナス2億6,400万円押し下げるかたちとなっています。

次に、機会損失についてです。当初の通期計画である人件費1億8,500万円は概算で約200人月を想定した金額です。これに対して710人月を投入せざるを得ない状況となり、その差は510人月となりました。

510人月のリソースに約2割の協力会社要員100人月を追加し、610人月ほどの機会損失が生じたと想定しています。これにより、売上総利益において1億5,400万円の機会損失が発生しました。これらが今回の修正に至った要因です。

2025年12月期 通期予想の修正

参考として、不採算プロジェクトの影響を除いた場合の仮想損益を示しています。修正後予想の売上高6億円強を加味すると、売上高は73億3,300万円、売上総利益は17億400万円、営業利益は7億1,600万円、経常利益は7億5,700万円が見込まれると考えています。したがって、今期の予想については計画値を上回っただろうと想定しています。

2025年12月期 配当予想

配当予想については変更はなく、予定どおりに配当を行う予定です。

来期に向けての取組み PJ数・単価

来期に向けての取り組みについてです。スライド上段の棒グラフは、受注プロジェクト数の推移を示しています。当社の売上の根幹は、いかに多くのプロジェクトを抱えているかにあります。

ご覧のとおり、2024年と比較して今年度は5プロジェクトしか増加していませんが、これは不採算プロジェクトにリソースをすべて割り当てたためです。伸びが低い状況ですが、年末までにさらに10プロジェクト増加できると確信し、受注活動に努めています。

スライド下段の棒グラフは、1人当たりの売上高の推移を示しています。ご覧のとおり、年間約150万円ずつ増加しています。今期は若干下がっていますが、来期は約150万円の増加を見込んでいます。

来期に向けての取組み 採用状況

プロジェクト数の増加に起因するものとして、従業員の数、特に技術者であるエンジニアの数が重要です。今年度の現時点での採用状況は、新入社員は44名、キャリア採用は32名となっています。さらに、キャリア採用はあと20名程度の採用を予定しています。開発メンバーの増加により、来期の売上も確保できると確信しています。

来期に向けての取組み エンジニア数

当社が重要なKPIと考えているのはエンジニア数です。採用数が順調に増加しており、それに伴いプロジェクト数も増えています。プロジェクト数を増やすには、プロジェクトリーダーが必要です。プロジェクトリーダーについても、今期は前期比で10名程度増加する見込みです。

スライドに示している棒グラフをご覧ください。私どもの技術力に注目していただくと、プロジェクトリーダーを含めたSE比率に関しては、今年度末で約5対5です。しかし、2030年には7対3まで高めていく予定です。

来期に向けての取組み トピックス

旺盛な需要に応えるために、小倉オフィスを開設しました。営業活動は4月から開始しています。

さらに、今年6月にはベトナム関連会社を子会社化しました。ベトナムでは若くて優秀な成長性のある人材を確保し、特にAI技術に関する研究開発の部署とオフショア開発の人員確保を目的としています。

来期の見通し

中期経営計画の最終年度にあたる、2026年12月期の見通しについてご説明します。今期は不採算プロジェクトの影響を受け、通期予想を下方修正しましたが、これが収束することで受注体制が正常化します。

引き続き市場環境が堅調であることに加え、人材が順調に確保できており、旺盛な需要に十分応えられる体制が整ってきました。2024年策定時からの変化もありますが、来期だけでなく、2030年に向けた確実な成長を実現し、挑戦を続けていく所存です。

先進デジタル技術者(AI)の育成を推進

最後に、AI技術者の育成についてご説明します。AI技術の急速な発展に伴い、データを活用して業務を効率化する需要が増加しています。

スライド左側に、ある銀行の生成AIの開発事例を示しています。赤枠で囲っている部分が当社の担当範囲です。こちらは、銀行に蓄積されたデータを活用し、生成AIを用いて新たなサービスを創出し、業務を効率化するシステムとなります。

今後、当社がさらに発展する中で最も重要なのは技術者です。当社では5年前からデータサイエンティストの育成に取り組み、現在に至っています。スライド右側に、必要な関連資格の保有者数についてまとめており、今後さらなる発展を目指していきます。

ご説明は以上となります。ご清聴ありがとうございました。

質疑応答:来期以降の採用計画について

司会者:「社員数の増加に取り組んでいるとお見受けしますが、来期以降もこの採用レベルを維持するために、どのような対応を実施していくのかを教えてください」というご質問です。

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