2025年12月期 第2四半期 連結決算 概略

長谷川直人氏(以下、長谷川):みなさま、こんにちは。本日はご多用のところ、三菱鉛筆株式会社の決算説明会をご覧いただき、誠にありがとうございます。私は上席執行役員財務担当の長谷川です。どうぞよろしくお願いします。

本日の決算説明会では、2025年12月期第2四半期連結決算の概要についてお伝えします。売上高は432億4,500万円で、前年比では金額にして8億1,100万円増、増減率では1.9パーセント増の増収となりました。これは主に日本市場において、新製品が好調に推移したことによるものです。

売上総利益は222億6,700万円で、前年同期の216億円に比べて6億6,700万円増、増減率にして3.1パーセントの増加となりました。

販売費及び一般管理費は174億6,700万円で、前年比10億3,300万円増、増減率では6.3パーセントの増加となっています。この増加の要因としては、成長に向けた人的投資による労務費増加や、第1四半期に米国子会社で発生した貸倒引当金の計上が挙げられます。

営業利益は47億9,900万円で、前年比では金額にして3億6,600万円減、増減率にして7.1パーセント減少しました。また、経常利益については、前期に為替差益があったものが今期では為替差損に転じたことから、約10億円の差が発生しました。この結果、前年比で13億7,600万円減の21.7パーセント減となっています。

当期純利益は前期に固定資産の売却益があったのに対し、今期はそれがなかったため、31億4,400万円と、前年比では35億円減の52.7パーセント減となりました。

連結売上高 増減分析

連結売上高の増減について分析します。スライド上段の424億3,400万円は前期の連結売上高、一番下の432億4,500万円が今期の連結売上高です。

まず日本市場では8億1,300万円の増加となりました。この増加は、主に「uniball ZENTO(ユニボール ゼント)」「LAMY safari JETSTREAM INSIDE」などの新製品が好調に推移したことによるものです。

一方、米国市場は5億2,900万円の減少、アジア市場は4億2,700万円の増加、欧州市場は1億2,600万円の増加となり、これらを合わせて前年と比べて8億1,100万円増の432億4,500万円となりました。

連結売上高 地域別構成比

地域別の構成比についてです。前期の売上高は424億円で、日本の比率は42.3パーセント、金額にして179億円となりました。これが今期は43.3パーセントとわずかに増え、金額も187億円となり、増減率は前年比104.5パーセントです。

米国においては、前期の構成比は14パーセント、金額にして59億円でしたが、今期は12.5パーセント、金額では54億円となり、増減率は前年比91.1パーセントでした。アジアにおいては、前期の構成比は17.6パーセントで、金額に直すと74億円でしたが、今期は18.3パーセントの79億円となり、前年比5.7パーセント増となっています。

欧州は前期に19.2パーセントだった構成比から今期も変わらず、金額は前期の81億円から82億円と前年比1.5パーセント増加しました。その他の構成比は前期の6.9パーセントから今期は6.7パーセントとなり、金額にして前年比99.1パーセントとなっています。

この結果、国内・海外比率では、海外比率が前期57.7パーセントから今期56.7パーセントに減少する一方、国内比率は前期42.3パーセントから今期43.3パーセントに増加しました。

連結売上高 地域別

こちらのスライドは、今お伝えした内容を表で表したものです。簡単にご説明すると、日本が8億1,300万円の増加、米国は減少、アジア・欧州が増加し、合計で前年比101.9パーセント、8億1,100万円の増加となりました。

連結売上高 製品別構成比

連結売上高を製品別の構成比で見ていきます。前期の売上高は424億円で、そのうちボールペンが43.6パーセント、金額に換算すると185億円です。今期の売上高432億円のうち、ボールペンの比率は42.1パーセントで、金額にすると182億円となり、増減率は前年比98パーセントです。

シャープ・替え芯の構成比については、前期に12.8パーセントだったものが、今期は13.8パーセントに伸びました。金額にすると前期は54億円、今期は59億円で、前年比で約10パーセントの増加となっています。

一方、サインペンについては、前期は29パーセントの構成比で123億円だったものが、今期は25.2パーセントで109億円に落ち込み、前年比で約12パーセントの減少となりました。鉛筆は前期に構成比4.3パーセントの18億円でしたが、今期は3.9パーセントの16億円となり、前年比91パーセントとなっています。

その他については、前期は構成比10.2パーセントの43億円でしたが、今期は15パーセントの64億円となり、前年比で約50パーセントの増加となりました。これは、昨年買収したLamy社の万年筆の売上が、前年は4月から6月分のみ反映されていたのに対し、今期は1月から6月分まで反映されている影響です。

連結業績推移 売上高

連結業績推移の売上高を見ていきたいと思います。10年スパンで見ると、2020年は新型コロナウイルス感染症の流行によって269億8,200万円まで減少しましたが、その後2021年には306億円、2022年には338億円と回復し、コロナ禍前の2019年を上回りました。

2024年は第2四半期からLamy社の売上が加わり、424億3,400万円となりました。2025年はLamy社の売上が1月から計上されている影響もあり、432億4,500万円となっています。

連結売上高総利益率

連結売上高総利益率についてご説明します。スライド一番右にある今期の売上高総利益率は、51.5パーセントと前年に比べて0.6ポイント増加しています。これは主に、連結子会社における棚卸資産に係る棚卸未実現利益の減少によるものです。

また、2024年は前年の50.2パーセントに比べて0.7ポイント増加し、2023年も前年に比べて0.4ポイント増加しています。

連結営業利益 増減分析

営業利益について、前期は51億6,500万円でしたが、今期は47億9,900万円となりました。この要因分析についてご説明します。

まず、売上要因は5億1,100万円でした。これは主として、売上減少に伴う営業差益の減少によるものです。売上原価については、生産減による原価差額等の減少が要因です。

棚卸未実現利益等については、先ほど売上総利益のところでご説明したとおり、海外の販売子会社の棚卸資産に含まれる未実現利益を中心に17億8,000万円ほど減少し、営業利益が増加しました。

販売費及び一般管理費については人的投資や労務費等の増加があり、10億9,400万円の増加となりました。これにより営業利益が減少しました。

さらに、第1四半期にアメリカの子会社で発生した貸倒引当金の繰入による費用の増加が営業利益の減少要因となっています。そして、LAMY社の取得関連で5億3,100万円のプラス要因があり、これらを合算すると前年に比べ3億6,600万円の減少となります。

連結売上高営業利益率・経常利益率

売上高営業利益率と経常利益率についてです。スライド一番右にある今期の連結営業利益率は11.1パーセントとなっています。前年は12.2パーセントで、この減少は主に販売費及び一般管理費の増加によるものです。

また、連結経常利益率は今期が11.5パーセント、前期は14.9パーセントとなりました。この減少は営業利益率の低下に加え、冒頭でお話ししたように、前期には約8億円の為替差益があったのに対し、今期は約2億円の為替差損が発生したことで、合わせて約10億円の為替影響があったためです。

連結キャッシュ・フロー

連結キャッシュ・フローについてご説明します。期首の現金及び現金同等物の残高は395億8,700万円で、これに営業キャッシュ・フローが加わります。

営業キャッシュ・フローの内訳は、税引前純利益が46億円、減価償却費が24億円といったプラスのキャッシュがあった一方、仕入債務の減少による44億円、法人税の支払いによる25億円といったマイナスのキャッシュも発生しました。その結果、営業キャッシュ・フローは5億6,600万円のプラスとなりました。

投資キャッシュ・フローは22億9,200万円、財務キャッシュ・フローは45億4,900万円となっています。財務キャッシュ・フローの内訳としては、主に配当金の支払いが13億円、自己株式の支払いが23億円です。

この結果、前期末に比べて現預金は66億2,200万円減少し、329億6,500万円となりました。

1株当たり純資産 / 株価純資産倍率

1株当たり純資産及び株価純資産倍率(PBR)についてご説明します。2025年6月末のPBRは0.86倍、株価は2,037円となりました。

前期末である2024年12月のPBRは0.99倍、株価は2,302円でした。さらに前の期となる2023年12月には同じくPBRが0.99倍で、株価は2,086円となっています。

引き続き、利益拡大を進めることでPBRが1倍程度まで上昇することを目指し、中期経営計画を実行して改善を図っていきます。

株主還元

株主還元についてご説明します。当社は、今期から配当方針を変更しました。従来の配当方針である「累進配当の継続」に加えて、新たに「連結配当性向40パーセントを目指す」という数値目標を設定しました。

これに伴い、配当を一段引き上げることとしています。従来予想の中間24円、期末24円の年間48円から、中間26円、期末26円の年間52円と4円増配することに決定しました。

また、2025年2月から5月にかけて自社株買いを100万株実施しました。取得した100万株は、すべて8月に消却予定です。

連結業績予想修正

今期の連結業績予想を一部修正しました。売上高は、930億円から910億円に減少する見込みです。理由は、欧州地域を中心とした海外市場での流通在庫の調整が、想定より長期化すると見込んでいるためです。

営業利益については、131億円から105億円に減少することとなります。主な要因は、貸倒引当金繰入額の計上などによる販売費及び一般管理費の増加です。

経常利益は137億円から108億円に修正しました。これは営業利益までの減少要因に加え、為替の影響を織り込んでいるためです。

当期純利益は96億円から70億円に修正しました。これは当期に店舗閉鎖損失を追加計上するためです。

この結果、前回予想と比較して、売上高は20億円、当期純利益は26億円ほど下方修正するかたちとなりました。

連結業績予想の修正

業績予想の修正により、営業利益が131億円から105億円に減少する要因についてご説明します。まず、売上の減少要因及び製造コストをはじめとする諸々のコスト増加により、11億9,400万円の減益を見込んでいます。

また、Lamy社の関連費用が6億2,000万円、米国の貸倒引当金計上が4億8,600万円となっています。為替の影響については、当初は1ドル150円を見込んでいましたが、今期予想では146円に修正し、この影響を3億円と見込んでいます。これらを踏まえた結果、営業利益は105億円となる見込みです。

以上が、決算説明及び業績予想の修正、そして配当性向の数値目標の導入についてのお話でした。

今後とも当社は「世界一の表現革新カンパニー」を目標に掲げ、努力を重ねていきます。引き続き、ご指導とご支援を賜りますようお願いします。本日は誠にありがとうございました。

質疑応答:米国子会社の貸倒引当金計上について

司会者:「貸倒引当金を計上した経緯を教えてください。米国の筆記具市場は好調ではないのでしょうか?」というご質問です。

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