目次

AIさくら:HEROZ株式会社2025年4月期通期決算について、HEROZグループが提供するAIさくらよりご説明します。スライドは本日の目次となります。

決算ハイライト

まずは、今期決算のハイライトをご説明します。

2025年4月期の通期業績のサマリーですが、売上高は59億2,900万円、前期比22.4パーセントの増加、EBITDAは7億9,300万円、前期比11.9パーセントの減少、営業利益は3億600万円、前期比32.1パーセントの減少で着地しました。

「HEROZ ASK」「JOINT」の2プロダクトの投資が約3億円先行して発生したことや、BtoB事業の売上計上が2026年4月期に遅れたことにより、営業利益は減益となったものの、実力値ベースの営業利益は5億8,200万円で着地しています。今後は、リカーリングによる売上増大に注力していきます。

事業戦略のアップデートについては、当社では独自にAI Agent2.0を定義し、「課題を構造化」「ゴール設定」「解決策の探索・実行」を自律的に遂行できる次世代型AIエージェントとして、「Meta Agent」を志向して事業展開を進めていきます。

2026年4月期の業績予想についてです。売上高67億円、13.0パーセントの増加、EBITDAは13億円、63.7パーセントの増加、営業利益は8億円、前期比161.1パーセントの増加を見込んでいます。「HEROZ ASK」や「JOINT」への先行投資が収益化の段階に入り、既存事業のさらなる成長や収益化も見込めることから、特に利益面では大幅な増益を見込んでいます。

当社が重視する重要な業績指標

2025年4月期通期連結業績についてご説明します。

当社が重視する業績指標として、売上高、営業利益のほかに、事業収益性に関する業績指標としてEBITDAを掲げています。EBITDAは営業利益に各種の非資金費用を加算して算出しており、非資金費用として、減価償却費、株式報酬費用、のれん償却費、敷金償却、棚卸資産評価損を含めています。

また、AI SaaSに関する業績指標としては、ARR、リカーリング売上比率、解約率を重要な指標として掲げています。これらの指標はいずれもSaaS型事業を推進する上では重要指標となります。

今後当社は、AI SaaS事業を積極的に伸ばしていくことで、高い収益性を確保しつつ、事業成長を加速させていきたいと考えています。

2025年4月期 通期連結業績サマリー

2025年4月期の業績サマリーは、売上高は前年同期比で22.4パーセント成長の59億2,900万円、営業利益は前年同期比で32.1パーセント減少の3億600万円となりました。また、収益性の指標となるEBITDAは、前年同期比で11.9パーセント減少の7億9,300万円となっています。

また、当社がSaaS型ビジネスモデルを推進する中で、重視しているKPIについては、ARRは前年同期比で約24.3パーセント増の41億7,500万円、リカーリング売上比率は前年同期比で1.7ポイントの上昇と、いずれも堅調に成長することができました。

HEROZグループのリカーリング売上の50パーセント以上を占めるマネージドセキュリティサービスの解約率は、0.7パーセントと引き続き低い水準を維持しています。

2025年4月期 通期累計連結業績

2025年4月期の経営成績の詳細および通期業績の進捗状況についてご説明します。グループ全体の売上高は、BtoC事業、BtoB事業における成長に加え、M&Aによる効果も貢献し、大幅な増収で着地しました。

EBITDA、営業利益は「HEROZ ASK」「JOINT」などの新規SaaSへの投資の先行がかさんだこと、BtoB事業の売上計上が2026年4月期に遅れたことなどに伴い、減益となりました。

また、2025年5月29日に開示したとおり、特別損失として、ソフトウェアの減損損失を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は1億7,700万円の赤字となりました。

株主・投資家のみなさまにはご迷惑をおかけしますことを深くお詫び申し上げるとともに、引き続きご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

通期累計:実力値ベースでは営業利益582百万円で着地

実力値ベースでの業績進捗についてご説明します。2025年4月期は、新規SaaSへの投資を先行させていく時期であり、「HEROZ ASK」への投資は約1億3,900万円、「JOINT」への投資は約1億3,700万円となっており、実力値ベースでの営業利益は5億8,200万円と前期の営業利益4億5,100万円を上回って着地しました。

「HEROZ ASK」「JOINT」については収益化もしてきており、2026年4月期は、これらの先行投資額は大幅に減少していく見込みです。

主要な業績KPIの推移 売上高・EBITDA

四半期別の売上高・EBITDAの推移です。第4四半期は、オーガニックでの成長に加え、ティファナ・ドットコム社やVOIQ社の業績が新たに貢献したことにより、引き続き成長を達成しました。

EBITDAに関しては、上期で先行して投資が発生していましたが、第4四半期のEBITDAは3億100万円と四半期ベースでは過去最高の金額を計上しました。

グループ全体のARRは41億円、前年同期比24.3%の成長を実現

グループ全体のARRは、新規SaaS関連の売上成長やティファナ・ドットコム社の売上貢献に伴い、前年同期を大きく上回り、41億円を突破しました。新規SaaSが顧客数を増やしているほか、既存のSaaSなどについても、オーガニックで成長を続けており、今後もARRの増加を見込んでいます。

リカーリング売上:新規SaaSとM&A効果に伴い大幅増加、今後更に拡大を目指す

リカーリング売上の推移です。第4四半期のAI/DX事業のリカーリング売上は、BtoB継続売上の増加や「AIさくらさん」の売上増加に加え、VOIQ社の売上も拡大し、さらに成長しています。

また、当社グループのリカーリング収益の大半を占めるバリオセキュア社のマネージドセキュリティサービスは、継続的に顧客数が増加し、引き続き1パーセント未満という低い解約率を維持しています。

従来型のファイアウォール型セキュリティサービスのほか、ゼロトラストに対応したマネージドセキュリティサービスとして「Vario Ultimate Zero」を新規リリースしており、今後の主力サービスとしてリカーリング売上の伸長を見込んでいます。

販管費内訳推移(連結)

販管費の内訳の推移です。当社はオーガニックでの成長に向けて、積極的にエンジニア職、ビジネス職の採用を続けていますが、一方でコーポレート部門の販管費はコストコントロールしています。

第4四半期は、新規SaaSへの投資の先行により、営業職やマーケティング職の採用を進めた一方で、全体でのコストコントロールを進め、前年同期比2.1パーセントの削減を図ることができました。

今後も必要な領域への投資は進めつつ、全体的にコストコントロールに努め、先行投資を売上成長に変換していきます。

売上原価内訳推移(連結)

売上原価の内訳の推移です。オーガニックの成長に向けて、ビジネス職やエンジニア職の採用を強化しています。それに伴い人件費などが増加し、第4四半期の売上原価は前年同期比で32.9パーセントの増加となりました。

BtoBでは売上計上の遅れにより、売上高の成長を売上原価の増加が上回っていますが、案件数等は順調に増加しています。採用したメンバーの稼働率増加に伴い、2026年4月期は大きく事業成長を図っていきたいと考えています。

セグメント別業績サマリ:2025年4月期 通期

当社のセグメントは、HEROZの事業にストラテジット社、エーアイスクエア社、ティファナ・ドットコム社、VOIQ社を加えたAI/DX事業と、バリオセキュア社が展開するAI Security事業の2つとなります。

通期のAI/DX事業については、売上高は32億7,100万円となり、前年同期比で47.9パーセントの増加となりました。売上の成長はM&Aの効果だけでなく、HEROZ単体のオーガニックの成長率も16パーセントとなっています。

AI Security事業においては、売上高は26億6,700万円、EBITDAは10億4,400万円と非常に高い収益性を維持しています。

AI/DX事業セグメント業績サマリ

AI/DX事業は、HEROZによる「将棋ウォーズ」を中心としたBtoCビジネスおよび顧客にAIソリューションを提供するBtoBビジネス、ストラテジット社が展開する「JOINT」関連事業、エーアイスクエア社によるコンタクトセンター領域のAIサービスに加えて、当第1四半期よりティファナ・ドットコム社のAI事業が、当第2四半期よりVOIQ社のセールス支援事業が含まれています。

BtoC事業は、「将棋ウォーズ」などにおける高いネットワーク外部性に加え、将棋への注目度向上が続いたことにより、引き続き増益となっているほか、新たにスプリントモードの提供を開始し、非常に多くのユーザーに利用いただいています。

一方、BtoB事業においては、2025年4月期に計上を見込んでいた売上が、2026年4月期以降の計上にずれ込んだため、期初の予定を下回る結果となりました。なお、これらの売上計上の遅れについては、2026年4月期への計上を予定しています。

AI/DX事業セグメント HEROZ BtoB事業は、徐々に案件開始が進みYoYで+68%の売上成長を達成

AI/DX事業において、中核となるHEROZのBtoB事業は、徐々に案件開始が進み、第4四半期単体では前期比で68パーセントの売上成長を図ることができましたが、第4四半期に計上と予定していた売上高が、2026年4月期にずれ込んだため、通期では27パーセントの成長にとどまりました。

四半期別の稼働案件数は、引き続き順調に増加しており、前年同期比でプラス39パーセントとなっています。

また、ビジネス職、エンジニア職に加え、セールス職の増員も実現しており、第4四半期の平均人員数は前年同期比で約37パーセントの増加となっています。

AI/DX事業セグメント BtoC事業業績及び新規リリース

AI/DX事業におけるBtoC事業においては、売上高・対局数ともに、引き続き堅調な成長を実現しました。

第3四半期に「将棋ウォーズ」において、ゲーム業界のトレンドの一時的な影響があったものの、2025年2月には新たに「スプリント」という対局モードをリリースし、多くのユーザーに利用いただいています。

第4四半期の売上高としては、前年同期比で3.1パーセントの成長にとどまりましたが、足元のユーザー数は増加に転じており、2026年4月期も順調に事業成長を実現させていけるものと考えています。

なお、新規対局モード「スプリント」について解説します。こちらの対局モードは10億局のビッグデータをもとに、AIが互角に近い局面をランダムに抽出し、対局開始からクライマックスの中終盤戦を体験できるサービスとなっています。当社としては、ここ10年で最大級の将棋の新しい楽しみ方を提供できたものと自負しており、今後もコンテンツの充実化等を通じて将棋人口最大化に貢献していきたいと考えています。

AI Security事業セグメント 業績サマリ

AI Security事業は、バリオセキュア社によるセキュリティ事業を展開しており、同社のサービスにHEROZのAIを活用することで、コストの削減や事業のさらなるスケールを目指しています。

マネージドセキュリティサービスは、安定的な顧客基盤を有しており、リカーリング売上比率は87.9パーセントと非常に高い数値を維持しています。また、中堅・中小企業向けのゼロトラスト「Vario Ultimate ZERO」をリリースし、8月より販売開始しており、VOIQ社とも連携し、インサイドセールスや営業基盤の強化と事業成長に努めています。

AI Security事業セグメント 解約率推移

AI Security事業の中核サービスであるマネージドセキュリティサービスの四半期別解約率は、当第4四半期は0.71パーセントと引き続き非常に低い解約率で推移しました。

貸借対照表(2025年4月末)

当期における貸借対照表をご説明します。無形固定資産において、のれん残高が約19億円あります。今期は、ティファナ・ドットコム社に関連するのれんを追加計上しました。これらののれんは、各社の定められた償却年数に応じて均等に償却していきます。

AI・生成AIを取り巻く環境の変化

当社の事業戦略のアップデートをご説明します。AI・生成AIを取り巻く環境の変化は非常に激しいものとなっています。特に近年は、AIエージェント元年と言われるようになっており、当社としても、AIエージェント事業を中核に据えて展開していきます。

人間がタスクをこなす際の行動には、「考える」「調べる」「実行する」「コミュニケーションする」の大きく4つがあります。従来のLLMでは、自律的に調べる、実行するが不十分でしたが、AIエージェントはこれらのすべてを担うことができ、指示依存型から完全自律型へと移行していくと考えています。

AIエージェントの到来により、今後、産業界でもAI活用への大幅なシフトが実現していくものと考えています。

AIエージェントの登場がもたらすAIXへの飛躍的進化

AIエージェントの登場がもたらす飛躍的進化についてご説明します。近年、デジタルトランスフォーメーションの推進が企業において重要な課題となっています。

DXの推進にはステップがあり、まずはアナログデータのデジタル化である、デジタイゼーションを進め、その上で、業務プロセスをデジタル化していく、デジタライゼーションを行い、最終的には、ビジネスモデル自体を変革していく、デジタルトランスフォーメーションにつなげていくことが重要です。

当社は、これまでAIの開発を支援して、DX推進を支援してきました。しかしながら、昨今のOpenAI社が提供する「ChatGPT」等の大規模言語モデルの進化だけでなく、AIエージェントの登場により、人が担う業務をAIが自律的に対応できる時代が近づいています。

当社は、従来のDX推進の枠組みが大きく変化しつつある中で、AIを活用した組織横断的な業務やプロセスの自動化を進めるAIトランスフォーメーションの実現が、今後の産業界における競争優位性を大きく左右する要因になると考えています。

当社は、積極的にAIエージェントを推進し、企業の非連続な改革を支援していきます。

HEROZが目指す次世代AIエージェント

当社が目指す次世代AIエージェントについてご説明します。当社では、今後AIエージェントは、スライド左側にある「AI Agent1.0」の指示依存型から、右側の「AI Agent2.0」の完全自律型へと推移していくものと考え、この完全自律型を「Meta Agent」と独自に位置づけています。

AI Agent2.0である「Meta Agent」は、課題分解、ゴール設定、解決策の実行までを自律的に対応することで、利用者の指示能力等に関係なく、タスクが処理できるようになります。今後ますます利用できる層が拡大し、AIトランスフォーメーションが実現していくことが予想されます。

AI Agent 2.0が実現する次世代の協働モデル

「Meta Agent」によって実現する次世代の協働モデルを具体的にご説明します。「Meta Agent」については、ゴールを自律的に設定したり、必要に応じてデータを収集したり、サブエージェントと連携したりと、業務全体を再構築・計画・実行する能力を備えています。

例えば、営業チームのタスクを担うケースでは、ターゲティングやリストアップ、競合分析、顧客アプローチからフィードバック収集、次回アクション計画までを一括して遂行し、これらのタスクを効率的に進めることで、組織の生産性向上に寄与します。

当社の掲げるビジョンである「AI革命」を起こし、未来を作っていくために、かつて将棋の棋士たちがAIを通じて新たな定跡を発見し、将棋界が進化したように、AIが新たな機会と可能性を広げ、人間とともに新たな価値を創出していきます。

人間のタスクを代行するようなあり方ではなく、AIエージェントと協調する「with AIエージェント」によって、人の能力を拡張し、新しい可能性を開く次世代型の協働モデルを実現していきたいと考えています。

AIエージェントがもたらす市場構造の変化

AIエージェントがもたらす市場構造の変化についてです。IDC Japanの予測によると、2024年には1兆3,000億円規模であったAIシステム市場が、2029年には4兆2,000億円規模にまで増大する見込みとなっています。当社はここをターゲットに定め、さらなる成長を目指していきます。

【再掲】HEROZグループ戦略方針(HEROZ3.0):AI BPaaS

再掲となりますが、HEROZでは「AI BPaaS」を掲げ、生成AIによって自動化されたワークの提供によって、社会のAIトランスフォーメーションを推進しています。

AIエージェントで進化するAI BPaaSモデル

AIエージェントによって、「AI BPaaS」がどのように進化するのかについてご説明します。従来の生成AIを用いた「AI BPaaS」モデルでは、ユーザーが明確な指示を与えることで、成果物を自動生成する仕組みが中心でした。このモデルでは、利用者の指示や要件定義に依存する部分が多く、対応可能な範囲が限定的でした。

一方、AIエージェントによる「AI BPaaS」では、業務の一部または全体を自律的に遂行するAgentic Workを提供することで、従来の枠組みを大きく革新します。

例えば、コールセンター業務やセキュリティ、採用代行などのタスクをAIエージェントが自律的に判断・実行することで、利用者のスキルや対話力に依存せず、幅広い層での活用が可能となります。

この進化により、企業の業務効率化だけでなく、社会全体のAI実装の加速が期待されており、AIエージェントがもたらす新たな価値創造を通じて、次世代の業務遂行モデルを実現していきます。

HEROZグループが提供できるAIエージェント

こちらのスライドは、HEROZグループが提供可能なAIエージェントの一覧です。AIフロントエンド業務、AIミドルオフィス業務、AIバックオフィス業務と、業務プロセスごとにAIエージェントを提供しています。

引き続き、グループ一丸となってAIエージェントを推進し、AI革命の実現を推進していきます。

HEROZ ASK Meeting Assist:AI Agent 1.5から次世代へ

当社が行っているAIエージェントの具体的な取り組みをご紹介します。当社では、法人向け生成AI SaaS「HEROZ ASK」にAIエージェント技術を統合し、新機能「Meeting Assist」の開発を進めています。

第1弾では、会議スケジュールの自動調整機能や議事録のリアルタイム記録、自動格納機能の提供を予定しています。順次機能拡張を行い、会議中のリアルタイム解析や類似会議のレコメンド通知、タスク進捗の管理、フォローアップなど、会議全体の最適化を支援する機能を追加していく予定です。

AI Agent 1.5の実証例:次世代移動支援技術 AIスーツケース

AIエージェントの取り組みとして、大阪・関西万博での実証実験をご紹介します。当社では、視覚障害者向け移動支援ロボット「AIスーツケース」を用いた実証実験を、大阪・関西万博で実施しています。

この取り組みでは、「AI Agent 1.5」の補助型機能を活かし、万博会場での移動体験を通じて、技術課題の洗い出しを行い、社会実装に向けた解決策を目指しています。

「AIスーツケース」は、音声対話機能を通じて、目的地案内や周辺情報を提供し、ユーザーの指示に応じて最適なルートや情報を選択する補助的推論機能を備えるなど、柔軟な移動支援に対応が可能です。

万博会場内では、ショート・ツアーとロング・ツアーの2種類の体験コースを提供し、移動支援技術の進化を目指すとともに、社会実装に向けた技術課題の解決を図っていきます。

HEROZ ASKの進捗 〜未来の働き方を変えるMeeting Assist機能リリースに向け開発進行中

2025年4月期の各事業における取り組み実績についてご紹介します。

まず、当社のAIアシスタントSaaS「HEROZ ASK」の状況です。「HEROZ ASK」のリカーリング売上・契約顧客数はともに増加中であり、リカーリング売上は前四半期比で2倍以上となったほか、5月末には累計契約顧客数が250社を突破しました。

また、AIエージェントとして「Meeting Assist」の開発を進めており、具体的には、リアルタイム会話分析やタスク進捗管理、類似会議のレコメンド機能などの実装を予定しています。

今後もAI BPaaSをリードするSaaSとして、全社一丸となって機能の充実や認知向上、事業拡大に取り組んでいきます。

「JOINT iPaaS for SaaS」において、売上・連携実行回数ともに拡大中

ストラテジット社のSaaS間連携プラットフォーム「JOINT」についてご説明します。引き続き、コネクタ開発、対応SaaS数拡大などに取り組んでいます。

売上も着実に増加しており、第4四半期以降もさらなる成長を見込んでいます。また、顧客のコネクタ連携実行回数も増加中であり、4月には1月比で4倍以上となりました。

AIを活用したマッピング機能もリリースしており、今後もSaaS利用を支えるEmbedded iPaaSとして、機能追加、事業拡大に努めていきます。

NZAMと共同でESG評価特化型AIエージェントを開発

HEROZのBtoB事業の事例として、AIエージェントに関する取り組みをご紹介します。当社は、農林中金全共連アセットマネジメント株式会社(NZAM)と共同で、ESG評価業務の効率化と、一貫性向上を目的としたAIエージェントの開発を進めています。

従来のESG評価業務においては、企業の公開情報を収集し、評価するプロセスが複雑で、業務効率化や評価の一貫性向上が課題となっていました。

この課題に対し、今回開発を進めているAIエージェントは、公開情報を自動収集し、57項目に基づく定量評価を実現します。これにより業務効率が大幅に向上し、ESG評価の精度が高まることが期待されます。

2025年6月より運用開始を予定しており、現在その実現に向けた準備を進めています。

「HEROZ ASK」×「JOINT iPaaS for SaaS/for Biz」AIエージェントを見据え提供開始

当社のグループ会社であるストラテジット社が展開するSaaS間連携プロジェクトの「JOINT」に、「HEROZ ASK」を組み込んだ新たなAIエージェント型サービスについてご紹介します。

データ連携プラットフォーム「JOINT iPaaS」に、当社の自社開発SaaS「HEROZ ASK」を組み込み、AIエージェント型の新たなサービスの提供を開始しました。

従来の業務プロセスにおいては、複数のツールやシステム間でのデータ連携やワークフロー設計が手動で行われるケースが多く、効率化や自動化への課題が存在していました。本取り組みでは、「HEROZ ASK」を用いることで高度な判断を行いつつ、ワークフローを実行する「ワークフロー型AIエージェント」が構築可能となり、コード作成や設定にかかる負担を軽減し、開発者の生産性向上と業務効率化を支援します。

HEROZ、成長企業セレクション2025 SMBカテゴリーでTripleに選出

当社は「成長企業セレクション2025」にて、上位5パーセントに選出いただきました。こちらは株式会社SalesNowにより、日本国内約540万社の企業を対象として独自に調査されたものです。 当社は従業員数10名から99名のSMBカテゴリーにおいて、当該期間中に従業員数成長率26.92パーセントという結果で、約6万1,000社中の上位5パーセントにあたる「Triple」として選出され、日本国内でも特に高い企業成長を遂げた企業として評価いただきました。

今回の選出にあたり、当社が提供するAI技術と採用ノウハウの融合による成果が評価され、採用支援事業「BLOOMWORKS」を通じた顧客企業の採用体制支援や、業務効率化の実現が成長要因として評価されました。

今後もAIを活用したサービスの充実を図り、持続的な成長を通じて、お客さま企業の成功に貢献していきます。

将棋ウォーズもコラボに参加「出張!将棋放浪記 in JRA新潟競馬場」を開催!

「将棋ウォーズ」と新潟競馬場とのコラボイベントについてご紹介します。本イベントは、新潟競馬場の60周年記念イベントの一環として開催され、「将棋ウォーズ」で人気の藤森哲也五段が出演するYouTubeチャンネル「将棋放浪記」とのコラボレーションを通じて、さまざまな企画を実施しました。

「将棋ウォーズ」のスプリントモードを体験できるブースを設置し、競馬場を訪れたお客さまに新しい将棋の楽しみ方を提供したところ、大変好評をいただきました。さらに、藤森哲也五段によるトークショーや対局解説会も行われ、将棋ファンや競馬ファンの垣根を越え、多くの方々が楽しめるイベントとなりました。

今後も当社は「将棋ウォーズ」を活用したイベントを通じて、将棋文化の普及と、さらなる魅力の発信に貢献していきます。

AIさくらさん:リカーリング売上・累積契約人数は堅調に増加中

「AIさくらさん」の近況報告です。

「AIさくらさん」はさまざまな領域に展開しており、堅調にリカーリング売上が増加しています。インバウンド対応や公営住宅の窓口業務と、新たな領域・分野での活躍事例も増加しています。

また、第4四半期には国土交通省の全国38ヶ所の運輸支局への本運用が順次開始され、第1四半期以降のリカーリング売上も堅調に推移する見込みとなっています。

AI Security:サービス拡大と販路強化でセキュリティ支援を加速

AI Security事業の中核会社であるバリオセキュア社の各種取り組みについてもご説明します。同社では、サービス販売範囲の拡大を通じて、中小企業に向けたセキュリティ対策支援の強化を進めています。

サービス範囲の拡大に向けた取り組みとしては、バリオセキュア社が提供する「VarioSecure Cyber Insurance」を活用し、サイバー保険を自動付帯することで、中小企業の安心に寄与する仕組みを構築しました。

さらに、販売範囲の拡大に向けては、NTTコミュニケーションズ株式会社など、各社と連携したサイバー脅威への対応策を提供しています。この取り組みの一環として、WithSecure社の国内3社のみのプラチナパートナーに選定され、さらなる普及と体制強化を推進しています。

今後もセキュリティ分野における支援を拡大し、AI技術を活用して、企業の安心を支える取り組みに注力していきます。

2026年4月期 通期業績予想

2026年4月期の業績予想についてご説明します。売上高は67億円で前期比13.0パーセント増、EBITDAは13億円で前期比63.7パーセント増、営業利益は8億円で前期比161.1パーセント増を見込んでいます。

今年度以降の各事業利益貢献について(グループ・新規事業)

2026年4月期におけるグループ各社および各事業の利益貢献と、その概観についてです。特に「HEROZ ASK」や「JOINT」に先行投資してきましたが、収益化の進展に加え、既存事業のさらなる成長や収益化を見込んでおり、特に利益面では大幅な増益を予想しています。

通期業績予想:営業利益

営業利益の前期比較についてです。AI/DX事業において3億5,100万円、AI Security事業において1億8,000万円の増益を見込み、全体では前期比で約5億円の増益を予想しています。

主な要因としては、AI/DX事業においては、BtoB事業が成長を牽引していくほか、先行して投資が発生していた「HEROZ ASK」「JOINT」の両プロダクトが利益貢献していくことで、大幅な増加を見込んでいます。

一方、AI Security事業においては、サービスの拡大および販売範囲の拡大を中心に進め、既存顧客、代理店との価格改正も実施することで収益性が改善し、営業利益が増加すると見込んでいます。

よくいただくご質問について

最後に、IR活動を通じてよくいただくご質問を紹介し、回答します。直近で最も多くいただいたご質問は、当社の来期に関しての概観と成長のポイントに関するものです。

当社では2025年4月期を投資フェーズと位置付け、各事業において、組織や営業体制の整備を進めてきました。その結果、来期においては、収益基盤の改善と成長を見込んでいる状況です。売上面では、BtoC事業において安定的な年成長率5パーセントを見込む一方、BtoB事業では20パーセント以上の成長を目指しています。

さらに、ストラテジット社の「JOINT」やエーアイスクエア社の10パーセント成長が加わることで、全体として売上の拡大が期待されます。「HEROZ ASK」や「JOINT」における先行投資が収益化してくるとともに、各社の収益改善が進むことで、全体として増益を計画しています。

なお、BtoB事業に関しては期ずれの影響が継続していますが、これらの案件は2026年4月期に順次計上される見込みです。

また、顧客からの引き合いや案件数の増加を背景に、収益基盤の改善と今後のさらなる成長が期待される状況にあります。これらを踏まえ、当社は引き続き、成長に向けた取り組みを積極的に推進していきます。

以上で、2025年4月期通期決算説明会を終了します。ご清聴いただき、誠にありがとうございました。