目次
髙橋広宜氏:みなさま、本日はお集まりいただきありがとうございます。取締役管理部長の髙橋です。本日は目次に沿って、私から2025年3月期の業績及び 取り組みをご説明し、武長から2026年3月期の業績予想ならびに重点施策をご説明します。
業績の季節変動について
当社の業績には季節変動性があり、主な事業である飲食とブライダル両事業ともに、第3四半期に売上・利益が偏重する傾向があります。飲食事業は12月の忘年会シーズン、ブライダル事業は11月が最も婚礼の施行件数が増えるため、第3四半期に非常に売上・利益が偏重する傾向です。
特別損失の計上について
特別損失の計上についてです。後ほどご説明しますが、2025年3月期は赤字で着地となりました。それにより、退店の意思決定をした飲食店舗、及び、一部収益性が低下した店舗の固定資産において減損の兆候が認められたため、2025年3月期の第4四半期において、減損損失7,739万6,000円を計上しています。
第3四半期までに3,422万6,000円を計上していますので、合計で1億4,093万9,000円を減損損失として特別損失に計上しています。
2025年3月期業績動向(ハイライト)
2025年3月期の業績ハイライトです。スライドには直近6年間の業績をグラフで示しています。2025年の3月期の売上高は100億8,900万円と過去最高となった一方、営業利益以下、各段階利益は赤字となり、最終利益はマイナス1億7,200万円の赤字で着地しています。
2025年3月期業績動向(グループ連結計:通期業績予想比)
グループ連結計の通期業績予想比についてです。当初業績予想から、2025年2月13日、第3四半期の時点で修正予算を公表しました。
2025年3月期業績動向(グループ連結計:通期業績予想比)
その修正予算に対し、売上高は99.7パーセントで推移し、営業利益はマイナス800万円の予想に対し、マイナス7,400万円で着地しています。
売上高については、飲食事業の各業態における3月の歓送迎会の需要の取込みが、想定よりも下回って推移し、客数が伸びきらず売上が減少しました。また、ブライダル事業の婚礼の直前のキャンセルなどにより、予想値を下回っています。
売上高の減少に伴い飲食事業の人件費率が上昇したほか、両事業部とも2026年3月期に向けた売上拡大のための積極的な外販戦略による、広告宣伝費を投資しています。
また、レジャー事業では新たに「茨城県民の森」のリニューアル案件を進め、2025年11月にオープン予定です。そのような新事業であるレジャー事業におけるレジャー施設の展開や、今後のレジャー施設運営のための研究調査のための先行投資として、販管費をかけています。それにより、営業利益・経常利益を押し下げた結果となりました。
また、先ほどもお伝えしたように、減損損失を特別損失として計上していますので、最終利益は1億7,200万円という結果になりました。
業績予想に対して大きく未達という厳しい決算で終えましたが、年間を通して飲食事業部・ブライダル事業部ともに前期の敗因は非常に明確だったと感じています。
まず、飲食事業部においては、昨年の7月からおおよそ11月の半ばくらいまで、記録的な猛暑が続きました。特に「屋台屋 博多劇場」は夏場は売れる業態ですが、その期間の客数が非常に鈍化し、第2四半期の7月から11月に例年に比べ大きく売上高が減少しました。 繁忙期の12月は、忘年会需要もしっかり各業態で取込みができ、売上高も回復したものの、夏場の売上高の減少を補うには至りませんでした。加えて、飲食事業の大きな敗因として、長らく原材料費の高騰が続いており、その中で、原価率のコントロールが今一歩及ばず利益を圧迫しています。
ブライダル事業部においては、宴席とレストランが非常に好調に推移しました。リニューアル後、非常に売上が伸びています。しかし、婚礼について、ブライダル業界全体として、少子高齢化や晩婚化、ナシ婚層の増加により、結婚式を挙げる人の母数が非常に少なくなってきており、新規来館数の減少が一番の課題となりました。
婚礼における成約率に関しては、当社は業界水準を超える高い水準で推移していますが、最初の入口である新規来館の取込みが大きな課題です。ブライダル業界全体としても、今後も大きな課題になってくると感じています。
これらの課題については、両事業部で前期から対策を講じてきました。飲食事業においては、売価の変更はもちろん、メニュー構成の見直しや原価率の週次でのマネジメント強化などにより、今期に入って足元での原価率は安定してきています。
さらに、当社は今までアプリを中心に会員施策を行ってきましたが、これに加え、新規客の取込みとして今まであまりしてこなかった外販の施策についても積極的に注力しているところです。昨年夏場に落とした客数をしっかり取り戻していくべく、対策を講じています。
また、ブライダル事業においても、SNSを活用しInstagramなどで広告をより強化してきました。リニューアルした当社のブランド力をしっかり外に発信していきます。
また、前期からは自社集客イベントにも注力しています。自社集客イベントが、昨年は非常に好評で、集客に成功しています。今期も引き続き、来館数の向上を図ります。
さらに、今期は新規事業のレジャー事業も本格的に始動します。前期は非常に厳しい決算ではありましたが、今期はしっかりと黒字に転じ業績回復に努めていきたいと考えています。
2025年3月期業績動向(グループ連結計:前年同期比)
グループ連結計の前年同期比です。売上高は前年同期比プラス9.3パーセントと増収になった一方で、飲食事業部の原価率上昇に加え、飲食・ブライダル両事業部ともに前年同期比で販管費率が上昇し、営業損益はマイナス7,400万円で着地しています。
2025年3月期業績動向(飲食事業:前年同期比)
飲食事業部の前年同期比です。売上高は、2024年3月期の76億3,600万円に対し、前年同期比で6.6パーセント増の81億3,800万円となりました。新規出店に関しては12店舗出店し、既存店の売上高は前年同期比100.1パーセントで推移しています。
原材料費の高騰が続き原価率が上昇し、加えて前年同期比で新規出店店舗数が増加したことと、店舗数の増加により各種販管費も上昇し、営業利益は前年同期比で減益で着地しています。
2025年3月期業績動向(ブライダル事業:前年同期比)
ブライダル事業の前年同期比です。2024年3月期は、2023年6月5日から9月8日まで大型リニューアル工事により全館休業していました。一方で2025年3月期は通年で通常営業していることもあり、売上高は2024年3月期の15億9,600万円に対し21.9パーセント増の19億4,600万円で着地しています。
先ほどもお伝えしたように、マーケット全体の新規来館数が減少している中、新規来館需要の取込みに非常に苦戦し、婚礼施行数は前年同期比で増加したものの、想定よりも下回っています。
一方で、大人数の挙式需要はコロナ禍以降に着実に回復し、組人数・組単価に関しては前年同期比で上昇している状況です。
販売費及び一般管理費に関しては、前期にリニューアル工事をしていたこともあり、各種販管費が上昇していることや、リニューアル後に人的リソースを増強していることにより人件費が上昇しました。そのため、赤字幅に関しては前期比で若干縮小したものの、営業損失はマイナス1億3,100万円で着地しています。
2025年3月期業績動向(貸借対照表)
貸借対照表です。前期も借入を引き続き実行し、期末においても十分なキャッシュポジションを有しています。
2025年3月期業績動向(キャッシュ・フロー)
キャッシュ・フローです。営業活動におけるキャッシュ・フローはプラスとなり、現金及び現金同等物の期末残高は13億3,900万円となっています。
新規出店の状況について
前期の取り組みについてです。前期は新規出店を12店舗、各業態の店舗を出店し、期末の店舗数は92店舗となりました。
飲食既存店売上高 前年同期比推移
飲食の既存店の売上高です。飲食既存店売上高は前年同期比100.1パーセントと堅調な推移です。内訳として、売価変更により客単価は上昇した一方で、前期の夏場の落ち込みもあり客数が若干減ってきています。今期は客数の取込みも非常に課題ですので、しっかり注力していきたいと思っています。
バーベキュー場・ビアガーデン運営について
2025年3月期は大宮のそごうと新宿の京王百貨店のビルの屋上で、2店舗のバーベキュー場・ビアガーデンを出店しています。期間限定ですので営業期間が限られていますが、今年は2店舗とも引き続き運営が決まっています。
前期は一家ダイニングプロジェクトで運営していましたが、今期からは一家レジャーサービスでの運営に切り替え、セグメントも飲食事業部ではなくレジャー事業部として計上していきます。こちらに関しても引き続き運営していきます。
『大衆ジンギスカン酒場ラムちゃん』FC展開
前期は、新しい 取り組みとして、「大衆ジンギスカン酒場ラムちゃん」をFC展開することを決定しました。今まで、当社は長らく直営で運営してきましたが、この「大衆ジンギスカン酒場ラムちゃん」に関しては、FC展開にも向いている業態ということで、1都3県は直営店で出店する方針ですが、その他の地域はFCを中心に展開を広げていきたいと考えています。
こちらに関しては、引き合いがかなり増えてきています。当社としてもFCは初めてですので、慎重に吟味しながら1号店目のパートナーを選び、今期に1号店を出店できればよいと思っています。今後、非常に重要になるところですので、焦らず慎重に進めていきます。
ブライダル施策について
ブライダルの施策です。SNSの広告を活用し、しっかりとリニューアル後の魅力を伝えることにより、新規来館数の向上、また、受注拡大に注力してきました。
子会社(一家レジャーサービス)設立について
2024年4月に、一家レジャーサービスという新しい子会社を設立しました。今後、バーベキュー場も含む新たなレジャー産業へ進出し、さらなるおもてなしに係る事業領域の拡大にチャレンジしていきます。
(株)一家レジャーサービスの新規出店について
一家レジャーサービスの第1号店として、西葛西にバーベキュー場「THE RIVERSIDE BBQ NISHIKASAI」をオープンしました。江戸川区の総合レクリエーション公園等におけるリニューアル事業ということで、公園をきれいにリニューアルし、その中にバーベキュー場を新たに作っています。
江戸川区という場所柄、ご家族連れが非常に多く、ご家族連れの方が安心して遊びに来られるようなバーベキュー場を目指しています。直近のゴールデンウィークは大盛況でした。地域の方に長く親しまれるバーベキュー場にしていきたいと考えています。
茨城県植物園等整備・管理運営について
レジャーサービス事業の大きなチャレンジとして、茨城県の植物園等整備・管理運営についてご説明します。もともと茨城県が長らく運営していた「茨城県植物園」「茨城県民の森」という施設を、新しいレジャー施設にしていくため、県によりリニューアルしたものです。
当社の子会社である一家ダイニングプロジェクト、及び一家レジャーサービス、他6社が参画する特別目的会社を作り、こちらのリニューアルした施設を運営します。ただ今、11月のオープンに向け頑張って準備しているところです。
オープンに向けてこれから徐々にメディアの露出や情報が増えていくと思います。この茨城の案件は今期の肝になると考えています。みなさまに良いご報告ができるように注力していきます。
2026年3月期連結業績予想
武長太郎氏(以下、武長):代表取締役社長の武長です。よろしくお願いします。2026年3月期連結決算予想についてご説明します。
2026年3月期は過去最高売上、過去最高営業利益を見込んでいます。売上高は116億2,900万円、営業利益は3億2,000万円、経常利益は2億8,600万円を見込んでいます。
赤字からどのように一気に黒字にするのか、この数字を出す上で喧々諤々と話し合いました。前期の反省も多く見えてきました。大きなところでは、昨年あたりから原材料費と人件費がますます上がる中、我々は価格転嫁を非常に恐れていました。
安く売ったほうがお客さまが増える、薄利多売が我々の「屋台屋 博多劇場」の良さだと考え、今まで、値上げをできるだけしない施策をとってきましたが、夏に大きく躓きました。同業他社よりも安くても、思っている以上に来店していただけず、会員のお客さまもなかなか伸びませんでした。
これから人口減していく中で、酒離れもあり、薄利多売で客数を頼りに経営していく事は難しく、「屋台屋 博多劇場」だけでなく全業態について、12月から段階的に価格を上げていきました。客数は多少減っても、値上げにより原価を抑え、粗利益を残す方向性で進めるべきと判断し、メニューの調整も行いました。
人件費においても率ではなく額で細かく調整する体制をより強化し、整えてきました。4月にも売価調整を行い、今期も引き続き状況を見ながら段階的に調整していきます。価格転嫁を決めたことが、着実に今期に反映されてくると思っています。
また、ブライダル事業はリニューアル後かなり苦戦しています。業界全体において、コロナ禍後はナシ婚層が増え、結婚式はフォトウェディングや食事会のみのケースが増えているのが現状です。
そのような中、会社の人たちを呼んで派手に結婚式をあげるような昔の考え方から、「結婚式はきちんとやりたい」「両親にしっかり育ててもらった感謝を伝えたい」と、家族を中心に本当に親しい人だけを呼んで少人数で行うニーズに変わってきています。
そのようなニーズに対し、どの媒体が良いのか、どのようにしたら心を打つ広告が打てるのか、自社集客イベントでもどうすればそのような方にご来館いただけるのかを、この1年間突き詰めた結果、徐々に新規来館数が増えてきています。今期からしっかりと軌道に乗っていくと考えています。
前期の反省を活かし、業績を大きく改善していきたいと考えています。
飲食事業新規出店・業態変更について
飲食事業新規出店・業態変更についてです。前期は大きく赤字を出したため、今期は堅く経営を進めていきます。出店数に関しても、前期の12店舗から、今期は子会社も含め6店舗と控え目にしています。
コロナ禍以降、物価高などの要因により閉店物件が非常に増えています。前期の12店舗は、我々の中で「ここはすごく良いぞ」という物件から、「今までのデータを踏まえるとまあまあ売れるだろう」という物件までミックスして出店してきました。
しかし今期に関しては、ここぞと思える物件に限った出店をする方針です。そのために絞って6件としています。6月にオープン予定の「大衆ジンギスカン酒場ラムちゃん 成田店」と「こだわりもん一家 成田店」は、1つの大きな物件で、隣同士に出店します。
もともと我々は成田で長らく実績を積んできた経緯もあり、なおかつ「屋台屋 博多劇場」も成田にあります。マーケットに対する認識が深いエリアですので、非常に期待できるとして出店を決めています。こちらを皮切りに今期はあと4件出店していきます。
飲食事業新規出店・業態変更について
業態変更についてご説明します。コロナ禍において、我々の今までのお客さま層である30代・40代・50代の男性サラリーマン層があまり飲みに来られない中、大学生を中心とした若い女性は非常に動いていました。
また、当時は韓国ブームの影響で、K-POPや「Netflix」の韓国ドラマも流行っていて、若い世代の間で韓国に関する興味が高まる中で、韓国料理の業態をを出してみたところ非常に当たりました。そこで、「屋台屋 博多劇場」から「韓国屋台 ハンサム」へ業態変更したり、「韓国屋台 ハンサム」の新規出店を増やしてきました。
しかし、韓国ブームが落ち着いてくる中、「韓国屋台 ハンサム」業態で赤字の店舗が出てきました。今期は1店舗を閉店し、2店舗をリニューアルするかたちで、既存の業態で好調なものへ切り替えていきます。
また、業態変更することより、新規出店に比べ出店コストを抑えたかたちで、「ハンサム 渋谷店」を「屋台屋 博多劇場宮 益坂店」へ、「ハンサム 汐留店」を「寿司トおでん にのや 新橋汐留店」に変更しています。
今期は、飲食事業の経営基盤を強化し、2025年11月開業予定の「茨城県植物園」及び「茨城県民の森」のリニューアル事業である「THE BOTANICAL RESORT『林音』(ザ ボタニカルリゾート リンネ)」の運営に注力していきます。
飲食事業ポートフォリオについて
飲食事業ポートフォリオについてです。「屋台屋 博多劇場」「大衆ジンギスカン酒場ラムちゃん」「にのや」が新規出店の主軸となります。
「屋台屋 博多劇場」は2010年に作ったブランドで約15年経っていますが、我々はこのブランドを非常に大切にしてきました。場所と人材を外さなければ、1店舗当たりの営業利益率は一番高い業態です。こちらはまだ出店の余地があることから、場所があれば着実に伸ばしていきたいと思っています。
この3業態の中でも現在、非常に好調なのは「大衆ジンギスカン酒場ラムちゃん」です。こちらも同様に客単価を上げています。客単価がいくらかということ以上に、「うまいラム肉が食べたいよね」と言ってもらえるような店ができれば、単価に関してはある程度いただきながら展開していけるという自信があります。
また、チルドの性能やラム肉の熟成においても、展開してきた中で、かなり熟練度を増してきました。今後もよりおいしいラム肉をむらなくお届けできると感じています。
今まで14店舗出店してきましたので、今期はフランチャイズ展開も進めていきますが、直営でも引き続き出店していきたいと思っています。既存店の売上も伸びており、順調に進捗しています。
「にのや」も非常に良いブランドです。少人数のお客さまでも気軽に来店できて、日本酒と、そのアテである魚を食べていただける業態としてファンも多く確立できたと思っています。こちらも積極的に出店していきたいと思っています。
一方「韓国屋台 ハンサム」においては、なるべく今の既存店の数字を守っていきますが、悪くなれば閉店します。「こだわりもん一家」については、千葉を中心に展開している創業の業態ですので、こちらは大切にしながら、現状維持していければと考えています。
ブライダル戦略について
大変苦戦したブライダル事業についてです。ここは1施設のみですので、何としてでも集客していきたいと思っています。
レストランは非常に好調です。それ以外に平日の宴席などのイベントも好調です。主力の結婚式が業界全体として難しい状況ですが、この1店舗のみは絶対に他とは違うと差別化するため、あらゆるかたちで細かい集客施策を実施していきます。
「ゼクシィ」1本に頼っていれば集客できた時代はもう終わりました。女性に響くような細かい施策を打って、今のターゲット層である20代後半から30代前半の方に新規来館していただく取り組みが、ようやくかたちになりつつあります。ここから着実にブライダルの業績を上げていきます。
レジャー事業について
レジャー事業についてご説明します。先日、茨城県知事を表敬訪問し、各メディアから囲み取材を受けました。森の中にたくさんの宿泊棟があり、木漏れ日の中で過ごすような体験型リゾートです。
植物園の中にある宿泊施設に泊まる体験ができるリゾート施設として、非常におもしろいことができるのではないかと思っています。「茨城県植物園」と「茨城県民の森」をリニューアルした施設で、非常に大きな施設面積を有しています。
茨城県民の森の一部も子どもたちが遊べるテーマパークになっており、アスレチック施設やARシューティングなどのアトラクションもあります。森の中で1日中遊べる施設になります。
ご家族で、日本という国は四季折々で農作物がおいしく、自然がすばらしいと感じる体験ができるような場所になるのではないかと思っています。
さらに言えば、自然の中で過ごしていただく施設ですが、不便ではなく、温浴施設やレストランがあり、非常に快適に過ごすことができます。
まず、ここを成功させることで、今後はほかの遊休地を活用した同様の案件も展開していけると考えています。今は県や国が運営する施設でも、運営が厳しい施設や活用できていない資源が多くあると聞きます。ここを成功例に、たくさんの場所を手がけていくための最初の一歩と考えていただければと思います。
レジャー事業について
「THE BOTANICAL RESORT『林音』」は2025年11月にオープンしますが、1期目はオフシーズンからの運営となるため、売上・利益はスライドのようなかたちで見込んでいます。
翌年からはある程度の見込みができ、そこから毎年伸ばしていけるのではないかと考えています。今の営業利益に今後この施設の営業利益がプラスされていくと考えていただければと思います。
新卒採用について
今年も62名の新卒を採用しました。外食業界が非常に人手不足の中、我々は恵まれていることに、たくさんの新卒を採用できました。たくさんの人材を採用して「おもてなし人」を育成していきます。その「おもてなし人」とこそが我々の武器です。
多くの会社が人のことで困っていると聞きます。「人がいなくて思うような経営ができない」というお話をよく聞きます。そのような中で我々は、人の部分で運営力を身につけつつ、外食のみならず、これからはホテル、レジャー施設、観光施設などさまざまな場所で、当社で育った人材が働いていくような未来を作っていけたらと思っています。
新卒採用について
新卒採用は、現在大変厳しい環境です。ほとんどの人が飲食や宿泊・サービスなどに目を向けない中で、その素晴らしさを伝えていくことが非常に重要です。我々はさまざまな場所で、さまざまなコンテンツで、就職活動をする学生一人ひとりに伝えています。
最近で言えば、我々の会社にも野球部、サッカー部、バスケ部、ダンス部といろいろな部活がありますが、学生のスポーツイベントに参加して一緒にサッカーをしたり、バスケをしたりしながら、打ち解けていくことで採用につなげたりしています。手間暇がかかっても、そのようなことが大切だと感じています。
中途採用について
また、アルバイトからの社員登用にも特に力を入れています。全体で1,000名を超えるアルバイトが我々のグループで働いています。そのほとんどが学生であり、学生生活が終われば就職を考えます。学生の間では「アルバイトが楽しい。このような仕事をしたい」と思っているにもかかわらず、「飲食はアルバイト先であって、就職先ではない」という固定観念があるように感じますが、その中の有力候補として、我々の会社を入れてほしいと考えています。
中途採用について
中途採用では、カンテラ採用を実施しています。年々、当社でアルバイトをしていた方が社員になるケースが非常に増えています。アルバイトから社員になった方は離職率も低く、即戦力であることも含めて、カンテラ採用には力を入れています。毎年アルバイトから15名ほど採用できるようになればと考えています。
従業員のエンゲージメント向上について
従業員のエンゲージメント向上には、「採用」「育成」「定着」の3つが大切です。我々の仕事は、人に喜んでもらったり、楽しんでもらったり、幸せな気持ちになってもらうことです。働く人が、この会社で「楽しいな」「幸せだな」「チームワークがいいな」と感じていなければ、お客さまにそのようなものを提供することはできないと考えています。
イベントや部活などを通して、働く人が「この仲間が好きだ」「この会社が好きだ」と感じることは、「好きな店だから、お客さまもその店を好きになる」ことと非常に関係性があると私は思っています。そのため、引き続きこのような取り組みに力を入れていきます。
従業員のエンゲージメント向上について
当社では「Ikka Universal College」という社内教育プログラムを数年にわたり継続して実施しています。大学に見立てて各分野の社内のスペシャリストが研修を行っており、社員の出席率も毎年上がってています。
人気のある研修には200名を超える社員が勉強会に来ており、非常に活気づいています。これも他にはない当社の強みかと思っています。
以上で私のプレゼンテーションを終わります。
質疑応答:レジャー事業の顧客単価について
質問者:レジャー事業について、植物園はなかなか希少性の高いレジャー施設だと考えています。今後売上が推移していく中で、どのくらいの数の方に施設をご利用いただいているのか、また、その単価などについておうかがいしたいです。
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