目次

中牧功一氏(以下、中牧):AOKIホールディングス執行役員の中牧です。本日はお忙しい中、当社のWeb決算説明会にご参加いただきありがとうございます。私から、2025年3月期の業績と2026年3月期の業績予想についてご説明します。

2025年3月期 連結業績サマリ

2025年3月期の業績概要についてご説明します。はじめに業績サマリです。2025年3月期の経営環境は、雇用や所得環境の改善を背景に、緩やかな回復基調で推移しました。

一方で、原材料価格の高騰による物価上昇の影響が懸念され、先行きは不透明な状況が続いています。このような中、当社グループは、各事業で多様な顧客ニーズへの対応や、利益改善に向けた諸施策を実施しました。

その結果、売上高は前期比2.6パーセント増の1,926億円、営業利益は12.9パーセント増の156億円、経常利益は11.7パーセント増の147億円、親会社株主に帰属する当期純利益は26.4パーセント増の95億円と、4期連続の増収増益となりました。中期経営計画初年度は計画を上回って着地し、順調なスタートを切っています。

2025年3月期 連結損益の状況

スライドは2025年3月期の連結損益の状況です。

2018年3月期以降の連結業績推移

連結の売上高、営業利益の推移です。2021年3月期に新型コロナウイルスの影響により大きく低迷したものの、2022年3月期以降は、コロナ禍後の反動需要や変化する市場環境、顧客ニーズへの対応等により、着実に増加傾向で推移しています。

2025年3月期 セグメント別業績

セグメント別の業績です。ファッション事業は、客単価の上昇等により既存店が堅調に推移し、4期連続の増収増益となりました。

エンターテイメント事業は、客数の増加及び客単価の上昇等により既存店が堅調に推移し、4期連続の増収、セグメント利益は過去最高益を達成しました。

アニヴェルセル・ブライダル事業は、前期9月中旬まで休館していた表参道店の稼働により増収、セグメント利益はリニューアル費用の減少もあり増益となりました。セグメントごとの詳細については後ほどご説明します。

四半期会計期間のセグメント別業績推移

四半期会計期間ごとのセグメント別業績推移です。当社の事業特性として、ファッション事業は、第4四半期はフレッシャーズ商戦により売上高・営業利益ともに増加します。エンターテイメント事業は、売上高は年間を通じて安定的に推移し、特に第2四半期は避暑需要などで営業利益が増加します。

ポートフォリオ経営により、上半期はエンターテイメント事業が、下半期はファッション事業が業績を牽引しています。

連結貸借対照表

連結貸借対照表です。流動資産は前期末に比べ19億円の減少、固定資産は投資有価証券の売却等により13億円減少し、資産合計では33億円の減少となりました。

流動負債は前期末に比べ12億円の減少、固定負債は長期借入金の約定返済等により72億円減少し、負債合計では84億円の減少となっています。

純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益及び配当金の支払等の結果、50億円増加しています。

連結キャッシュ・フロー計算書

連結キャッシュ・フローです。営業キャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が増加したことや、売上債権の減少等により、前期に比べ41億円収入が増加しました。

投資キャッシュ・フローは、店舗リニューアル等による有形固定資産の取得が減少したことや、投資有価証券売却による収入額の増加により、前期に比べ23億円支出が減少しています。

財務キャッシュ・フローは、長期資金の借り入れによる収入額が減少したことや、配当金の支払額の増加等により、前期に比べ46億円支出が増加しました。これらの結果、現預金残高は前期末に比べ7億円減少し、348億円となりました。

2026年3月期 連結業績予想サマリ

2026年3月期の通期業績予想・株主還元についてご説明します。まず、2026年3月期業績予想のサマリです。2026年3月期の経営環境は、為替の変動や物価上昇の影響など、先行きは不透明な状況が続くと想定されます。

このような中、当社グループは各事業で中期経営計画の成長戦略を実行し、市場環境やライフスタイルの変化に対応した商品やサービスを提供し続けます。

加えて、利益改善に向けた取り組みを実施することで、売上高は前期比2.8パーセント増の1,980億円、営業利益は8.6パーセント増の170億円を予想しており、中期経営計画2年目の計画を上回って進捗し、5期連続の増収増益となる見通しです。

2026年3月期 連結業績予想

スライドは2026年3月期の連結損益予想です。

2026年3月期 セグメント別業績予想

セグメント別の業績予想です。ファッション事業は、商品の拡充と提案強化、「ORIHICA」の積極的な新規出店の継続により、5期連続の増収増益を予想しています。

エンターテイメント事業は、「快活CLUB」の鍵付き完全個室店舗の拡大と省人化の推進により、5期連続の増収、過去最高益の更新を予想しています。

アニヴェルセル・ブライダル事業は、受注活動と各種アイテムの提案強化や、店舗運営の効率化・標準化により、増収増益となる予想です。

株主還元 基本方針及び配当

株主還元についてです。基本方針は配当性向30パーセント以上、総還元性向50パーセント以上を目指しています。中期経営計画の期間においては、配当性向50パーセント以上もしくはDOE3パーセント以上のいずれか高いほうを選択することとし、総還元性向は対象期間において70パーセント以上を目指します。

2025年3月期は期末配当金を60円、年間配当金を75円としました。2026年3月期は、中期経営計画の株主還元目標に沿って、中間配当金を20円、期末配当金を60円とし、年間配当金は5円増額の80円となる予定です。

ファッション事業-2025年3月期 概況

ここからは、セグメントごとの2025年3月期実績と2026年3月期業績予想についてお話しします。はじめにファッション事業の2025年3月期業績です。売上高は、フレッシャーズ商戦が堅調だったことに加え、カジュアル、レディース衣料が好調に推移し、前期比2.6パーセント増の1,026億円と4期連続の増収となりました。

売上総利益率は、仕入原価の上昇率が前期を下回って推移したほか、割引の抑制や適正価格販売等により0.6ポイント改善しました。

販売管理費は、主に広告宣伝費や人件費が増加した結果、営業利益は前期比7.5パーセント増の86億円と4期連続の増益となりました。

ファッション事業-2025年3月期 概況:既存店の状況

スライドは既存店の状況です。

ファッション事業-2026年3月期 通期予想

2026年3月期の業績予想です。売上高は「ORIHICA」の新規出店継続と既存店の増収等を見込み、前期比2.5パーセント増の1,052億円、営業利益は5.9パーセント増の92億円と、5期連続の増収増益となる見通しです。

エンターテイメント事業-2025年3月期 概況

エンターテイメント事業の2025年3月期の業績についてご説明します。売上高は、「快活CLUB」の鍵付き完全個室及び室内アミューズメント需要の高まり等により客数が増加し、前期比0.7パーセント増の760億円と、4期連続の増収となりました。

売上総利益率は、サービス料金や飲食メニューの価格の適正化等により1.0ポイント改善しています。

販売管理費は主に広告宣伝費や人件費が増加し、その結果、営業利益は前期比9.8パーセント増の59億円となり、過去最高益を達成することができました。

エンターテイメント事業- 2025年3月期概況:既存店の状況

スライドは既存店の状況です。

エンターテイメント事業-2026年3月期 通期予想

2026年3月期の業績予想です。「快活CLUB」の鍵付き完全個室店舗の拡大推進や、幅広い客層のニーズに対応したコンテンツやサービスを導入し、売上高は前期比2.6パーセント増の780億円、営業利益は11.8パーセント増の67億円と、過去最高益を更新する見通しです。

アニヴェルセル・ブライダル事業-2025年3月期 概況

アニヴェルセル・ブライダル事業の2025年3月期の業績についてご説明します。売上高は、前期9月中旬まで休館していた表参道店の稼働等により施行組数が増加し、前期比14.2パーセント増の117億円となりました。

婚礼料金の割引抑制・適正化などによる売上総利益の増加や、販売管理費において前期の表参道店リニューアル費用の減少もあり、営業利益は前期に比べ4億円増の5億円となりました。

アニヴェルセル・ブライダル事業-2026年3月期 通期予想

2026年3月期の業績予想です。基幹店である表参道店と、みなとみらい横浜店のさらなる強化と、企業イベントやパーティー利用などの新たな需要の取り込みを強化し、売上高は前期比5.0パーセント増の123億円、営業利益は29.2パーセント増の7億円を予想し、増収増益となる見通しです。

AOKIグループ中期経営計画「RISING2026」

田村春生氏(以下、田村):AOKIホールディングス代表取締役社長の田村です。本日は大変お忙しい中、当社の決算説明会にご参加いただきありがとうございます。

私から企業価値向上に向けた取り組みについてお話しします。2024年5月に公表した中期経営計画「RISING2026」の進捗と、同年6月に公表した資本コストや株価を意識した経営の推進状況をベースにご説明します。

はじめに、中期経営計画の概要について簡単にご説明します。スライド右上にあるように、当社グループでは10年後のありたい姿を「消費者のライフステージ全体を網羅する事業の創出・変革で持続的に成長を続ける」としています。

この長期ビジョンを達成するため、スタートとなる3ヶ年の指針とする中期経営計画「RISING2026」を策定しました。本中期経営計画期間では、これまでの各事業モデルの見直しを図り、その先の成長に資する事業展開を目指すことを基本方針として、各種目標を定め取り組みを推進しています。

中期経営計画「RISING2026」経営指標の進捗

中期経営計画の経営指標の進捗状況です。初年度の2024年度は、各事業において計画どおりの新規出店と不採算店舗の閉鎖、諸施策を着実に実行したことにより、期初計画を上回る結果となりました。今2025年度も増収増益を見込み、2026年度中期経営計画最終年度の目標達成に向けて順調に進捗しています。

また、ROIC、ROEなどの資本収益性や、PBR等市場からの評価についても改善傾向が継続しています。今後もさらなる向上に向けて取り組みを加速していきます。

資本コストや株価を意識した経営の推進(資本収益性の向上に向けて)

東京証券取引所からの要請を機に、資本コストや株価を意識した経営の推進について、2024年6月に公表しています。その進捗状況について、資本収益性と市場評価の2つの点からご説明します。

資本収益性については、スライド左上のグラフでROEと株主資本コストの推移を示しています。過去最高益を記録した2013年度において、エクイティ・スプレッドはプラスでしたが、その後、新型コロナウイルスの影響等もあり大きくマイナスで推移しました。

足元の2024年度では、ROEが株主資本コストを上回り、エクイティ・スプレッドはプラスに転じています。今後もROE、ROICの向上に向けて、収益性の向上、資産効率向上、財務レバレッジ適正化を軸として取り組みを継続していきます。

資本コストや株価を意識した経営の推進(市場評価の向上に向けて)

市場評価についてです。スライド左上のグラフはPBRの推移を示したものです。こちらもROEと同様の推移となっており、足元ではコロナ反動需要や利益率の改善、エンターテイメント事業の成長期待により上昇傾向で推移しています。

2026年度目標であるPBR1.0倍超を目指し、株主還元強化や非財務戦略であるサステナビリティの推進、コーポレートガバナンス強化、IR/SR強化に向けた取り組みなどを継続していきます。

中期経営計画「RISING2026」事業別の進捗

スライドの表は、中期経営計画における事業別の進捗について一覧化したものです。各事業とも2024年度は計画に沿って進捗しており、引き続き2026年度の計画達成に向けて取り組みを継続していきます。各事業の個別の施策は、次のスライドからご説明します。

ファッション事業

ファッション事業における中期経営計画の重点施策と進捗についてです。基本戦略として、現行事業モデルからの転換・刷新を掲げ、店舗施策、商品施策、DX施策を軸に取り組みを進めていきます。

スライド右上には、主要な目標の進捗状況について記載しています。2024年度の成果と2025年度の方針についてはスライドに記載したとおりです。

ファッション事業の取り組み

ファッション事業の取り組みについてご紹介します。スライド左上のグラフは、ファッション事業のビジネス、カジュアル、レディースの商品分野別売上高を示したものです。

ファッション事業においては、これまでの“紳士服"の「AOKI」「ORIHICA」から、“LIFE&WORK STYLE"の「AOKI」「ORIHICA」への転身を図るべく、成長ドライバーをカジュアル・レディース衣料と位置付けています。

ターゲットの売上構成比率を、ビジネス4、カジュアル3、レディース3として取り組みを継続していきます。商品・店舗・DXの各施策については、スライドに記載したとおりです。

エンターテイメント事業

次に、エンターテイメント事業についてです。基本戦略として、店舗モデルの進化と客層拡大を掲げ、「快活CLUB」「コート・ダジュール」「FiT24」の主要3事業で取り組みを進めています。

スライド右上に主要目標の進捗状況について記載しています。複合カフェの「快活CLUB」における駅前繁華街の鍵付き完全個室店舗、いわゆる都市型店舗の出店拡大に注力し、収益の拡大を目指します。

2024年度の成果と2025年度の方針についてはスライドに記載したとおりです。

エンターテイメント事業の取り組み

エンターテイメント事業の取り組みについてご説明します。スライド左上のグラフは、主要3事業における売上高を示したものです。前のスライドでもお伝えしたように、エンターテイメント事業においての成長ドライバーは、複合カフェの「快活CLUB」です。

都心、駅前を中心とした鍵付き完全個室店舗を積極的に出店するとともに、郊外型店舗についても、室内アミューズメントとしてのニーズも高まっており、利用ニーズに応じたサービス、席・部屋タイプ、飲食メニューの開発を推進し、さらなる顧客層拡大に努めていきます。

アニヴェルセル・ブライダル事業

次に、アニヴェルセル・ブライダル事業についてです。基本戦略として、実店舗運営に加えてブランドビジネスへの派生を掲げ、ブライダル事業における各既存店の損益改善、基幹店ブランド事業やプロデュース事業にも力を入れていきます。

スライド右上に、重要な戦略目標の進捗状況について記載しています。非ウェディング売上比率は順調に推移しており、今後も拡大を図っていきます。

2024年度の成果と2025年度の方針についてはスライドに記載したとおりです。

アニヴェルセル・ブライダル事業の取り組み

続いて、アニヴェルセル・ブライダル事業の取り組みについてご説明します。スライド左上のグラフにあるように、非ウェディング事業を成長ドライバーとして、具体的には各種団体・企業の会議、イベント、インセンティブパーティ等の利用を想定した、いわゆるMICE事業にフォーカスしています。

2024年9月にリニューアルオープンした「アニヴェルセルみなとみらい横浜店」、2023年9月にリニューアルオープンしたもう1つの基幹店「アニヴェルセル表参道店」においては、それぞれMICE事業を狙った対応を図り、多くの企業・団体のお客さまに好評をいただいています。

アニヴェルセル・ブライダル事業の収益源でもあるブライダル市場は、中長期的には縮小傾向ともいわれる一方で、MICE事業の需要は強く、今後も継続するものと予想しています。

中期経営計画「RISING2026」キャピタル・アロケーションの進捗

キャッシュ・アロケーションの進捗についてです。スライド上のグラフは、キャッシュインとキャッシュアウトを、中期経営計画期間前の2023年度の実績、初年度の2024年度実績、中期経営計画3年間の累計計画にそれぞれ分けて表しています。

計画では、3ヶ年の累計で、出店・設備投資300億円、株主還元200億円、新規事業への投資100億円を目標に取り組みを進めており、これまでそれぞれ計画に沿って推移しています。また、次のビジネスの柱となる新たな事業についても、検証・チャレンジを継続していきます。

出店・設備投資に関して各事業別の進捗を示したものが下のグラフです。薄いピンクが2024年度の実績で、濃いピンクが2025年度の計画を示しています。各事業ともにおおむね計画どおりに進捗する見通しです。

株主還元

株主還元についてです。本中期経営計画期間中の配当金は、配当性向50パーセント以上もしくはDOE3パーセント以上のいずれか高いほうとし、総還元性向については中期経営計画3年間の平均において70パーセント以上を方針としています。

実績として、昨年度の配当性向は65.9パーセント、今年度の予想は約70パーセントとしています。

サステナビリティへの取り組み

サステナビリティに関する取り組みです。当社グループとしてのありたい姿などを踏まえ、6つのマテリアリティそれぞれのKPIと、2030年度の目標数値を策定し推進しています。本資料には2023年度の実績を記載していますが、2024年度の実績がまとまり次第、当社ホームページや統合レポートなどのIR資料にてお知らせします。

コーポレートガバナンスの強化

コーポレートガバナンスの強化についてです。中期経営計画の中で、コーポレートガバナンス強化として3点の施策を掲げています。

1つ目は、社外取締役の監督機能強化です。役員向け勉強会、社外取締役への情報共有の充実を図るほか、取締役会実効性評価についても第三者機関による評価を実施しています。

2つ目は、指名・報酬委員会の実効性・権限強化です。2024年6月に業績向上への貢献意欲を高める報酬体系に変更しているほか、スキル・マトリックス見直し等の取り組みを実施しています。

3つ目は、取締役会の構成についてです。2025年6月開催予定の定時株主総会に諮る役員選任議案において、社外取締役が過半となる構成としています。引き続き、コーポレートガバナンス強化に向けて取り組んでいきます。

IR/SRの活動強化

最後に、株主・投資家のみなさまへのIR活動についてです。当社グループでは、これまでも投資家・株主・アナリストのみなさまとのコミュニケーション強化を図るべく、スライドに示したようなIR活動を実施しています。

今後も毎期、決算発表後のIR面談等において、当社企業価値向上に向けたみなさまとのディスカッションの時間をいただければ幸いです。

以上で説明を終わります。ご清聴いただきありがとうございました。

質疑応答:中期経営計画1年目の手応えと2年目への意気込みについて

司会者:「中期経営計画1年目の手応えと、2年目に向けた意気込みをお聞かせください」というご質問です。

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