エグゼクティブサマリ
町田正一氏(以下、町田):みなさま、こんばんは。株式会社アスマーク代表取締役の町田です。お時間になりましたので、2025年11月期第1四半期決算説明会を開始したいと思います。どうぞよろしくお願いします。
第1四半期業績のご報告です。まず、2025年11月期第1四半期の事業全体の概要についてです。
事業方針として「国内リサーチ事業の再強化、並行して海外事業、HRテック事業、M&A推進に注力しつつ、売上高・営業利益ともに2桁成長を目指す」を掲げ、今期はスタートしました。
第1四半期の業績は、スライド中央にある青色の部分です。売上高は前年比プラス1.9パーセント伸長の12億1,500万円、限界利益は前年比プラス3.6パーセントの8億2,000万円、営業利益は前年比マイナス31.1パーセントの1億1,400万円となりました。
一方で、スライド下部に記載のとおり、海外事業、いわゆるグローバルリサーチは前年比プラス23.9パーセントと、大幅な伸長となりました。HRテック事業も前年比プラス11.4パーセントと、順調に推移しています。
M&A・アライアンスは、2024年12月に販売促進研究所というリサーチ会社の株式を取得しました。継続的に提携案件を検討しており、現在も複数のお話を同時並行で進めています。
2025年11月期 第1四半期決算の概要
2025年11月期第1四半期決算の概要です。今期期首からの営業組織体制の再構築により、短期的には調整局面である一方、中長期的には成長基盤の強化を見込んでいます。
営業利益については、第1四半期は減益となったものの、通期計画では第2四半期以降で挽回可能となる見込みです。
2025年11月期 売上高と営業利益の推移(四半期)
売上高と営業利益の推移です。連結売上高は第1四半期における過去最高を記録した一方、引き続き売上成長率の鈍化が課題となっています。こちらは、今期の後半から再び成長軌道に乗せるべく準備を進めています。
営業利益増減要因(2025年11月期 第1四半期実績)
飯田恭介氏(以下、飯田):取締役管理部長の飯田です。私からは、第1四半期における営業利益の増減要因について説明します。
営業利益が前年比30.9パーセント減となった内訳については、まず、単体売上が前年比マイナス4.5パーセントとなる5,300万円減少したことが大きな要因となります。
外注費率は前年度より1ポイント改善し、外注費は2,900万円抑制されました。こちらは、ポジティブな要素となります。しかし、今回は売上減少の幅を取り返すまでには至りませんでした。
また、人員の昇給などの販管費を含めた諸費用は、前年度比3,200万円増加しています。一方、今期から連結しているグループ会社による利益貢献が、のれんの償却後の数値として500万円ありました。
これらの要因から、今期第1四半期における営業利益は前期比30.9パーセント減の1億1,400万円となりました。
事業別業績サマリー(単体リサーチ事業)
町田:事業別の業績サマリーです。事業別売上高構成比は、マーケティングリサーチ事業が全体の96.4パーセント、HRテック事業が3.6パーセントとなっています。
2025年11月期第1四半期の売上高は、マーケティングリサーチ事業とHRテック事業を合わせて11億3,800万円、前年同期比4.5パーセント減の結果となっています。
スライド右側には、マーケティングリサーチ事業とHRテック事業の売上高および前年同期比を記載しています。マーケティングリサーチ事業は前年同期比5.0パーセント減の10億9,700万円、HRテック事業は前年同期比11.4パーセント増の4,100万円です。
マーケティングリサーチ事業も下期には挽回できるよう、現在、複数の施策を同時並行で動かしています。また、HRテック事業もさらに成長させるべく、営業活動の強化や広告出稿を積極的に行うなど、下期に向け、両事業ともに盛り上げていきたいと思っています。
業界別売上高の推移(単体リサーチ事業)
単体リサーチ事業の業界別売上高です。スライドにある5つのグラフのうち、1番右側が2025年11月期第1四半期の売上高です。
伸びた主な業界としては、自動車・関連品業界が前年比プラス2,600万円と、前年比4倍以上の伸びとなりました。もう1つのコンサルティング業界もプラス1,200万円、前年比112.9パーセントとなっています。
一方で、今期第1四半期の業績が厳しい状況となった主な原因のうち、伸びなかった主な業界として、調査会社は前年比マイナス9,100万円、広告代理店はマイナス3,600万円となりました。これら2つの業界が、全体の数字をマイナスに押し下げています。
下期には必ずマイナス分を取り返していくために、5月からはこれら2つの業界専門チームを作り、営業強化を進めていきます。
商品別売上高の推移(単体リサーチ事業)
商品別売上高です。事業会社を中心としたネットリサーチの需要が増加した結果、ネットリサーチの売上高は前年比プラス2,000万円となりました。
一方で、調査会社からの受注が減少しているとお話ししましたが、調査会社から受託していた定性インタビューとリクルート業務の2つが減少しています。
これを受けて、下期には調査会社への営業を強化して取り返す動きを進めていくと同時に、需要が伸びているネットリサーチでもしっかりと営業活動を行い、売上を伸ばしていきたいと思っています。
海外事業・新規ビジネス(HRテック事業)の状況
新規事業である、グローバルリサーチとHRテック事業です。
スライド左側のグラフは、グローバルリサーチです。国内リサーチを発注していただいているクライアントに向けて「海外での調査もしませんか?」と提案する営業体制を強化した結果、日本国内から海外調査を行う案件の受注が増加しました。これにより、伸長率は前年比プラス24パーセントとなっています。
スライド右側のHRテック事業では、オンラインによる定期的なセミナーの開催に加え、幕張メッセや東京ビッグサイト、大阪などで開催されるイベントに積極的に出展し、そこで新規の見込み客を見つけ、成約につなげています。こちらの伸長率は、前年比プラス11パーセントとなりました。
これら2つの事業は今後の伸びしろが大きいことから、さらにしっかりと伸ばしていく方針で進めています。
バランスシートの状況
飯田:再度私より、貸借対照表の状況についてご説明します。2025年2月末時点において、総資産は23億8,600万円、流動負債と非流動負債を合わせた負債は8億8,500万円、純資産は前期のIPOでの調達分と当期純利益の増加を背景に約15億円となりました。
借入金は引き続き0円、自己資本比率は62.2パーセントとなり、健全な財務状態を維持しています。また、引き続き、今後のM&Aの可能性を見据え、現預金約13億円と、今後の借入れの可能性を想定した約20億円の実行資金を想定しています。
2025年11月期の方針(再掲)
町田:今期期首に5つの方針を設定し、2025年11月には私からご説明しました。内容は、こちらのスライドに記載しているとおりです。これら5点の結果がどうだったかも含め、ご説明します。
1つ目の「リサーチ事業の顧客への再深耕」では、今期期首から営業組織を大きく変更し、責任者も変わりました。メンバーも大きな入れ替えなどを行い、今まさにリサーチをさらに伸ばすような活動がスタートし、実行に移しています。
2つ目は「グローバル展開の継続強化」です。グローバルリサーチは、日本のリサーチマーケットと比較すると約8倍となる2兆円程度の規模があることから、そこにさらに力を入れていくことを掲げました。
3つ目は「HRテック事業のさらなる認知度向上」です。
4つ目は「DX推進の加速」ということで、AI技術や自動化ツールの導入によってオペレーションの効率化を図り、将来の利益率向上を目指そうとスタートしました。
5つ目は「M&Aおよびアライアンスの推進」です。以上の5つの方針を掲げ、今期はスタートしました。
2025年11月期の方針に対する進捗状況
上記の5つの方針の進捗状況です。1つ目の「リサーチ事業の顧客への再深耕」については、5月1日からリサーチ事業本部を新設しました。
今までは分業化を進めていましたが、今後はお客さまが使いやすい・発注しやすい・利用しやすい組織体制への見直しを図っています。2週間後に、お客さま起点で価値提供を最大化するためにリサーチ組織を一元化し、短期的な最適化という側面ではなく、中長期での構造的な成長を見据えた変革に取り組みます。下期となる5月からは、再び大きく組織を変えていきます。
2つ目の「グローバル展開の継続強化」について、第1四半期の売上高は前年比プラス24パーセントの伸長となり、グローバルリサーチは順調に推移しています。これまでグローバル専任の営業担当は不在でしたが、今期からまずは1名を専任として配置しました。
さらに5月には中途採用で2名を増員し、グローバル専任の営業体制は合計3名となります。グローバルリサーチは今後さらに伸びると考えられるので、現在その方向で進捗しています。
3つ目の「HRテック事業のさらなる認知度向上」については、第1四半期は順調な結果となっているため、引き続き、認知度向上を見据えた施策展開を継続していきます。
4つ目の「DX推進の加速」については、CIOリードのもと、社内オペレーション効率化のためのプロジェクトチームを作っています。現在、実際に効率化のためのさまざまな実験や動きが同時並行で進み、大詰めの段階に来ており、もうすぐみなさまにも推移と結果をご報告できると思います。
5つ目の「M&Aおよびアライアンスの推進」については、上場後の現在、M&Aや「一緒に事業をやろう」というアライアンスのお話が非常に多く来ています。こちらも同時並行で進めていきながら、アクションをかなり早めているところです。
以上、5点の方針とその進捗についてご説明しました。こちらで、いったん私と飯田からのご説明は終了となります。ありがとうございました。
質疑応答:第1四半期の業績の進捗と通期利益の見通しについて
飯田:「第1四半期の業績は予定どおりでしょうか? ビハインドでしょうか? 費用の工夫をしているように見えますが、今期が終わった時点での利益がどうなるのか知りたいです」というご質問です。
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