決算ハイライト(前年同期比)
瀬口力氏(以下、瀬口):Lib Work代表取締役社長CEOの瀬口です。本日はお忙しい中、2025年6月期第2四半期決算説明会にお集まりいただき、誠にありがとうございます。今回は主に中間決算の内容についてご説明したいと考えていますので、どうぞよろしくお願いします。
最初に、中間決算の財務状況からご説明します。2025年6月期第2四半期の売上高は80億7,000万円、営業利益は3億7,800万円、経常利益は3億8,500万円、当期純利益は2億2,400万円となっています。売上高、利益ともに前年同期比で微増という状況です。
こちらの財務状況に関して、少し深掘りしてご説明します。実は、前期と今期では内容がずいぶん異なります。
今期は、外部環境を含めて住宅事業が非常に厳しい状況でした。特に、注文住宅事業においては、集客や同業他社を含めて、非常に厳しい状況でした。本日ご参加いただいているみなさまの中にももしかすると、他社住宅メーカーの株を買われている方がいらっしゃるかもしれません。同業他社の中には赤字決算の会社も多いのですが、その中でも当社はなんとか踏ん張っている状況かと思います。
今期においては、横浜にある子会社、タクエーホームの立て直しが急務でした。横浜、神奈川の建売住宅の在庫が増えており、大幅に値下げしなければ売れない状況が前期から続いていました。
今期はそのような部分を損切りするため、前期に売れなかった物件を在庫処分しました。現在、在庫はかなり減っており、どうにか利益が出る体制にまで持っていくことができています。今期は上期の中間にあたりますが、タクエーホームに関しては、どうにかプラスに転じて赤字から黒字にすることができました。
Lib Workの本社は熊本にあります。現在熊本は、台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー(TSMC)の工場ができ、非常に盛り上がっていますが、建物が次々に建っているような状況ではありません。どちらかというと、ホテルや賃貸住宅に大きな需要があります。
当然ながら、台湾から来られた方がいきなり戸建て住宅を買うわけではありません。我々も海外に行き、いきなり住宅を購入することはなかなかないと思います。まずは、賃貸に住むという考えになると思います。
そのようなことから、熊本県内の不動産事業は非常に活性化しており、大津町や菊陽町のようなTSMC周辺の土地は、全国でも屈指の値上がりが続いています。ホテルもたけのこのように次々に建っている状況です。興味のある方はぜひ一度熊本にお越しいただくと、そのような状況が肌身で感じられるのではないかと思います。
また、熊本市内は夜も活気があり、居酒屋や飲み屋は多くの人で賑わっています。インバウンドに関しても、特に台湾や韓国から来られる方が非常に増えています。このように、熊本県内は非常に活気があるため、決して見通しは暗くはないと思っています。
しかしながら、端的に言うと、去年の夏頃から今年にかけて、注文住宅事業に関しては非常に厳しい1年になると考えています。
決算ハイライト(2024年8月9日発表の業績予想比)
業績予想との比較です。当初の売上高は89億円を計画していました。残念ながら、8億3,000万円のマイナスとなり、予想よりも10パーセント弱の未達となりました。やはり外部環境が非常に厳しかったことに尽きると思っています。
ただし、非常にありがたいことに、利益に関してはおおむね予想どおりとなっています。売上高が10パーセント弱下がっているにも関わらず、利益があまり変わっていないということは、利益率が上がっているということです。
具体例としては、注文住宅1棟の粗利率を3パーセント程度改善することができました。資材の高騰等の影響も含めると、トータルで5パーセント以上の改善ができていると思います。
主な理由として、我々は一昨年に木材のプレカット工場を買収しているため、グループ全体の原価コストの削減が進んでいることが挙げられます。我々は、建築の場からいわゆる製造工場にも入り、生産性の向上について細かい目標を掲げて取り組んでいますが、まだ見直すべきところはたくさんあります。
したがって、たくさんのチャンスがあります。木材部分の原価コストをしっかり下げることが、グループ全体の原価削減につながります。おそらく5パーセント程度の粗利率を引き上げることができるのではないかと思っていますので、ぜひご期待ください。
しかしながら、業績予想比では8億3,000万円のマイナスです。30パーセントの利益と考えると、単純に2億円以上の粗利が減っていることになります。売上高89億円、営業利益3億8,000万円の予想で考えた時に、本来であれば1億5,000万円程度しか純利益が出ないところを、どのように2億円以上稼いだのかというと、利益率が上がったことに加え、現在、新規事業であるプラットフォーム事業に一生懸命取り組んでおり、非常に伸びていることも要因の1つです。
そのような結果が、この利益に表れているのではないかと思います。今まで当社はおそらく住宅会社として認識されていましたが、今後は住宅事業や不動産事業のプラットフォーマーとして認識されるようになるのではないかと思っています。
来期あたりからは、新規事業も含めたセグメント別の数字の公表もできればと思っていますので、ご期待いただければと思います。
デジタルマーケティング集客からの来場
ここからは第2四半期の事業報告のご説明になります。我々は、当社の強みであるデジタルマーケティング集客に力を入れています。
一般的には、注文住宅事業はモデルハウスで集客します。モデルハウスにお客さまを呼び込み、営業がアプローチしていきます。
当社は、自社ホームページだけでなく、さまざまなホームページも運営しています。集客方法としては、まずインターネットを通じて幅広くお客さまを集客し、モデルハウスに送客します。その後、営業マンがお客さまにアプローチするというビジネスモデルになります。現在の業績が保てているのは、このビジネスモデルのおかげです。
現状として、モデルハウスを訪れるお客さまは本当に減っています。我々のプラットフォーム事業ではいろいろな工務店に「My Home Robo」を販売していますが、工務店に話をうかがうと、モデルハウスには人が本当に来ないそうです。今は「YouTube」などから自分の好きな家を確認できる時代に変わってきています。今までは、新型コロナウイルスの影響でモデルハウスに人が来ないのだと思っていましたが、人々の行動様式が変わったことにより、実際のモデルハウスを見に行く人が減ってきているということです。
ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、大手ハウスメーカーの中には注文住宅事業をやめて、分譲住宅事業に専念するところも出てきています。その理由としては、やはりビジネスモデルの転換ができていないということです。我々は、このデジタルマーケティング集客で全国にシェアを広げていきたいと考えています。
デジタルマーケティング集客からの来場
我々が今期特に注力していることについてご説明します。今まで当社は、インターネットでの集客のみにポイントを当てていました。今期からは、インターネットで集客したお客さまを、いかにモデルハウスに来場させるかということにKPIを変えて運営しています。
単にインターネットで集客するだけなら簡単です。例えば、いろいろなイベントを開き、そこで見込み度の薄いお客さまを呼び込めば集客は増えます。ただし、売上にはつながりません。
つまり、モデルハウスに来場してもらうことが重要になります。インターネット経由のモデルハウス来場を大きな指標として力を入れています。前期比では40パーセント以上の成長になります。
この数字が今期の後半、そして来期につながる数字になります。見込み客から売上につながるまで、だいたい9ヶ月から1年以上かかります。したがって、この伸びがそのまま売上の伸びになると理解していただければと思います。
帝人と戦略的パートナーシップを締結
当社は第2四半期に帝人と事業提携を行いました。帝人といえば、「だけじゃない。テイジン」のCMでおなじみの企業です。一般的に繊維素材をイメージされる方が多いかと思いますが、最近はいろいろな分野に進出しています。例えば、飛行機や新幹線の部材が挙げられ、軽くて強い部材をカーボン繊維でつくる事業を行っています。
今回、帝人が新たに住宅事業に進出したいということで、当社と戦略的パートナーシップを締結することになりました。帝人の商品である「LIVELY WOOD」を使用した家を建てていきます。「LIVELY WOOD」は、木の中にカーボンを打ち込むことで、木の約2倍以上の強度を保つことができる新素材です。
今までの住宅素材は木造、鉄骨、鉄筋コンクリートの3つのみでした。今後はカーボンという新素材を使って新しい家づくりに取り組んでいこうと考えています。その第1弾として、「LIVELY VILLA Noki(ライブリーヴィラ ノキ)」という平屋住宅を展開していきたいということで、帝人と一緒にモデルハウスを建築中です。
モデルハウスの1つ目は、NHKの連続ドラマ小説『おむすび』の舞台の1つである、福岡県糸島市に建築中です。ここは非常に人気のある福岡市西のエリアです。海に近く、スライド写真のように軒から海が望めるようなところに建築しています。
2つ目は、阿蘇山のふもとに位置する、熊本県西原村に平屋住宅を建築中です。
このような海バージョンと山バージョンの2つの平家住宅をつくっているところです。モデルハウスはだいたい5月末から6月前半にかけて公開しようと考えています。
先日、東京の帝人本社にて、帝人と当社のニュースリリースを出しました。数多くのメディアに取り上げていただき、「非常におもしろい」という声もいただきました。したがって、メディアの方々にも今後の住宅の新素材になるのではないかといった期待を持ってもらうことができました。
これをまずは、我々と帝人とで取り組んでいきます。今期はまだ少なく10棟程度となっています。したがって、業績に大きく貢献できるわけではありませんが、来期には30棟、5年以内には数百棟まで増やしていこうと考えています。
今後は、我々がハブとなり、全国の工務店に展開していきたいと考えています。当社は、「My Home Robo」やIPライセンス事業を通して、いろいろな工務店とのつながりがあります。そのような工務店に「LIVELY VILLA Noki」を提供し、FC展開をしていこうと動いています。ぜひご期待ください。
社会的な課題と意義
新素材の大きな特徴の1つとして、森林サーキュラーエコノミーについてご説明します。日本のスギは、戦後に植林されたものが多いため、すでに60年以上経っています。よく、二酸化炭素は森林が吸収するという話を聞くかと思いますが、実は年配の木は二酸化炭素を吸いません。吸収するのは、だいたい50年までの木です。
したがって、古い木を伐採し、新たに植林していかないと、二酸化炭素の削減にはつながらないため、積極的に今の資源を使っていく必要があります。
帝人の「LIVELY WOOD」は、日本国内のスギの木にカーボンを打ち込んだ素材です。よくある海外からの輸入品であるレッドパインやホワイトウッドを使用するのではなく、日本の天然資源をうまく活用していくことで、森林サーキュラーエコノミーの実現を可能にしていこうと考えています。当社と帝人は、この価値観がきっかけでつながりました。両社ともに非常にサステナビリティを重視しており、価値観が一致しました。
ただし、今のアメリカは、どちらかというとサステナビリティよりも経済を重視しているとも言われています。なかなか難しい部分もありますが、我々は普遍的な課題であると考えています。やはり環境を大事にしていないと、採用時にも学生が集まりません。そのような部分も踏まえて、しっかりと環境問題に取り組んでいきたいと考えています。
ショッピングモールへのモデルハウス出店
イオンモール熊本にモデルハウスを出店しました。地元でありながら、出店するまでにかなりの時間を要してしまいました。イオンモール福岡から始まり、パークプレイス大分店、イオンモール幕張新都心に続いて4店舗目になります。
みなさまの中で、ショッピングモールにあるモデルハウスを見たことがある方は少ないと思います。当社は業界に先駆けて、このような取り組みをしています。
先ほどもお伝えしましたが、今、モデルハウス郊外店や総合展示場を訪れる人はどんどん減っています。ショッピングモールには多くの人がいるため、非常に集客しやすいというメリットがあります。
一方で、なぜ一気に大規模展開を図らなかったのかというと、見込みの薄いお客さまが多いのではないかという疑念があったためです。人は来ますが、売れないのではないかという疑念がありました。
しかし、初めて出店したイオンモール福岡店での受注が非常に好調で、見込み客以外の受注にもつながる確信が持てたため、その疑念を払拭できました。
現在、日本全国には非常にたくさんのショッピングモールがあります。したがって、出店先もたくさんあるということです。そこに対して、今後はどんどんアプローチし、売上拡大につなげていきたいと考えています。当社は、総合展示場への展開というより、どちらかというとショッピングモール内での展開、もしくは建売型モデルにシフトしていきたいです。
総合展示場には人が集まりませんので、そのようなビジネスモデルは厳しいと思っています。ですので、それに依拠する注文住宅メーカーの今後はなかなか厳しくなってくるのではないかと考えています。
将来的には、当社のプラットフォーム事業でつながりのある工務店向けにパッケージ化していきたいと思っています。実はイオンモールへの出店はハードルが高く、難しいです。当社は上場企業のため出店が可能になりましたが、地域の工務店が出店することは、総合展示場に出展する以上に非常にハードルが高いです。ですので、我々がそのハブの役割を担っていきたいと思っています。
3Dプリンターハウス事業
3Dプリンターハウス事業についてです。前回、「Lib Earth House “modelB”」をつくるとお伝えしました。ようやく2024年11月末に着工し、本来であれば2025年2月末までにできる予定で動いていましたが、1ヶ月延びているため、3月末に竣工予定となっています。
日本初となる100平方メートル規模の、3Dプリンターハウスとしては最大級の家が完成予定です。おそらく、マスコミにもたくさん取り上げてもらえるのではないかと思っています。
現在、熊本県にモデルハウスを建築中になりますが、1つ想定外のことが起きてしまいました。実は、3Dプリンターハウスの主原料は土のため、氷点下の寒さに弱いことがわかりました。コンクリートでさえ夏場であれば3日で固まるところ、冬場だと1週間以上かかります。
3Dプリンターハウスには型枠がありませんので、その場で固まらないと崩れてしまいます。特に氷点下になると固まり切れず、一部の壁が崩れるという現象が起きてしまいました。これは良くないということで、何度以下になると固まりにくくなるのか、実験を急いで行っています。
しかしながら、この失敗は全国の工務店に展開する前で良かったと思っています。例えば、我々がこのような情報を持たないまま、北海道の工務店に3Dプリンターハウスを展開していた場合、建てられない状況になった時に大きな責任が発生していたと思います。そのような意味で今回は「失敗は成功の母」ではないですが、1ヶ月竣工は遅れますが、非常に良かったと思っています。
完成時には本当にすごいものができます。「これが本当に3Dプリンターでつくられた家なのか」と驚かれると思いますので、ぜひご期待ください。
スライドにも記載のとおり、全国の工務店へFC展開ということで、2月21日に全国から170名以上の経営者の方々が当社にお越しいただく予定になっています。そのくらい非常に注目を浴びている事業になります。
もちろん3Dプリンターハウス事業だけでなく、後ほどご説明するIPライセンス事業や「My Home Robo」にも興味があるということで来訪されるのですが、我々の最新の取り組みも紹介し、しっかりと営業していきたいと考えています。
プラットフォーム事業:マイホームロボ
プラットフォーム事業である「My Home Robo」の進捗です。こちらも順調に進捗しています。今期までは情報を流さないと決めていましたので、来期以降にセグメント別の利益を公表できればと考えています。
具体的にどのようなものかをご説明します。一般的に住宅を建てる際は、設計士や営業がお客さまの要望を聞いて間取りを作成し、提案します。提案までには、およそ1週間から2週間かかります。また、一般的には1プランしか提案しません。今の住宅会社には、3プランも4プランも作成できる能力やリソースがありません。そこまでの余裕がないということです。
そこで我々が「元からデータベース化していこう」「世の中にある住宅プランを全部まとめよう」ということで提供しているのが、SaaS型プラン提案サービス「My Home Robo」です。
「My Home Robo」の中には、すでに8,000プラン以上の住宅の間取りが入っています。また、CG画像とVRがセットになっており、1つのプランに対して5つ以上の画像を見ることができます。そのため、「My Home Robo」の中には、4万点以上の画像が準備してあります。My Home Robo」は月々6万8,000円で使うことができる、全国のハウスメーカーや工務店向けのサービスです。
実は先日、1社で数十アカウントを導入された会社がありました。例えば、1社で30アカウント利用していただく場合、1アカウントあたり月々約7万円が30アカウントとなり、毎月210万円が入ってきます。年間で計算するとおよそ2,500万円から3,000万円となる大きなビジネスです。
住宅は1軒1軒、お客さまの願いを1つずつ聞きながら進めても、最後に満足していただくことが難しい、大変な事業です。
しかし、このサブスク事業は、私たちのサービスをお客さま一人ひとりに合わせることなく、すべての工務店が同じように使うだけでお金が入ります。使ってもらうアカウントが100アカウントでも、1,000アカウントでも、1万アカウントでも、私たちの労力はそこまで変わりませんが、売上はどんどん変わります。これがサブスク事業の一番良いところです。
「Netfix」が大きな利益を出しているのも同様の仕組みです。ただし、「Netfix」は月々数千円のサービスですが、我々の場合は月々6万8,000円です。そのように考えると高いのですが、住宅会社からすると非常に安価です。設計士は1人あたり毎月数十万円かかりますが、設計士の代わりに「My Home Robo」を導入すれば、1本あたり毎月6万8,000円で済みます。
プラットフォーム事業:IPライセンス
プラットフォーム事業では、IPライセンス事業を行っています。「FC事業はわかるけど、IPライセンスって何だろう」と思われる方もいるかもしれません。ライセンスで一番わかりやすいのは、例えば「ミッキーマウス」です。ライセンスビジネスでは、使う権利だけを与えます。
私たちは「niko and …」というブランドと組んで、「niko and ... EDIT HOUSE」という名称を扱うビジネスを行っています。
実際のところ、労力はあまり必要ありません。例えば、FCのように資材を共同で購入して届けるようなことはまったく行いません。1軒1軒の管理も必要ありません。私たちは「niko and ... EDIT HOUSE」というブランドの名前を貸すだけ、という非常に効率の良いビジネスです。したがって、そこまでリソースを割く必要がありません。
例えば、加盟店は今12店舗ありますが、この事業にかかわっているのは2、3人です。これが例えば数十店舗に増えても、そこまで大きく人を増やす必要はありません。ブランドの会費管理とライセンスの管理で済むためです。しかしながら、名前を貸すだけで、1店舗で年間600万円から700万円をいただくことになりますので、けっこう高いです。
それでは、私たちはなぜこのようなことができるのでしょうか? 我々は「niko and …」を展開する会社とビジネスを行っていますが、「niko and …」はもともとライフスタイルブランドで、雑貨や家具、または洋服を売っていましたが、住宅はまったく手がけていませんでした。
しかし、どの企業も住宅事業には興味を持っています。住宅市場は数十兆円という規模の大きな市場であるため、そこに入っていきたいというのは当然の理です。
ただし、彼らだけでは入っていけません。そのため、私たちがハブとなり、間に入って、商品づくりやいろいろな工務店への営業を行っています。彼らは基本的にはブランドを貸すだけです。収益は半分ずつを折半していく事業になります。今後、加盟店が例えば100社などに増えていけば、相当な利益になります。
我々は直接家を建てること以外に、プラットフォーム事業としてこのようなことに一生懸命取り組んでいます。
現在、モデルハウスは静岡県、愛知県、香川県、鹿児島県、石川県、広島県と、全国各地にあります。3月には、また別のところにモデルハウスができます。今後も日本全国にモデルハウスが増えていきます。
もしご視聴されている方の中で当社に投資された方がいらっしゃいましたら、IRの中で「またここにモデルハウスができたのか。これで毎月の収益がさらに上がるな」と見ていただければと思っています。
VISION
時間がありますので、第2四半期までの事業の内容以外に、当社の強みについて、おさらいとしてお話したいと思います。
我々のビジョンは、良い住宅をつくるだけではなく、「HOUSE TECH COMPANYとしてプラットフォーマーを目指す」ということです。工務店やハウスメーカーのハブとなり、我々が今行っているいろいろな先進的な取り組みを、彼らと一緒に、競合ではなくて協業していこうと考えています。
地域の工務店やビルダーは決して技術力がないわけではありません。家づくりに対して、本当に一生懸命考えていらっしゃいます。ブランド力・集客力・マーケティング力のせいで、彼らの売上がどんどん落ちていくのは耐えられません。
チェーン店ばかりの世の中で楽しいでしょうか? 食べ物もそうです。エリアごとに特徴のある企業が残っていかなければ、すべてがチェーン店になってしまったら楽しくありません。
したがって、地域で一生懸命がんばっている工務店と手を組んで、大手ハウスメーカーや分譲メーカーに対抗していく、いわゆる住宅業界のSBIを目指しています。
今、SBIでは、さまざまな地銀と組んでメガバンクに対抗していこうという動きがあります。我々も同じようなかたちで、工務店が結集し、地場それぞれに特色のある家づくりができるような一大グループをつくっていきたいと考えています。
MISSION
また、「サステナブル&テクノロジーで住まいにイノベーションを起こす」というミッションで取り組んでいます。
SLOGAN
スローガンは「暮らしを変える、世界を変える、未来をつくる」ことです。
マルチプラットフォーム戦略
あらためてお話しすると、当社の強みはデジタル集客です。eシリーズと呼んでいるさまざまなホームページ、例えば「e土地net」「e平屋net」「e注文住宅net」などを持っていますが、そこからいろいろなお客さまを幅広く集めています。
その上で、お客さまを当社のファンにする必要があります。買いたい方の情報だけ集めても仕方がなく、Lib Workで買いたいと思ってもらわなければなりません。その手段として、我々は「YouTube」を使ったマーケティングを行っています。
今の若い人はテレビもCMも見ないという中で、彼らへのアプローチ手段となるのが「YouTube」です。選挙活動のかたちが変わってきたことは、みなさまもおそらく実感されていると思います。同様に、事業も「YouTube」を活用しなければなかなかうまくいきません。
我々は「YouTube」の活用に2019年から取り組んでおり、今は12万人の登録者がいます。これだけの登録者数を持つハウスメーカーはなかなかありません。
また、当社の「YouTube」チャンネルの動画再生数は、ほかの大手ハウスメーカーに比べても非常に多く、最低でも5万再生から10万再生あります。このような動画チャンネルを持っていることが大きな強みになっています。
デジタルマーケティング集客
このようなデジタルマーケティングを行うことで、リアルの集客の約10分の1のコストでお客さまを集めることができるのが大きな特徴です。
CG・VRを活用した全棟提案
また、我々はVRやCGを活用してお客さまへの提案を行っています。CGは、私が社長になった25年前から駆使していました。そのノウハウが、今の「My Home Robo」に活かされています。
これをさまざまな工務店で使っていただいています。
DX推進:業務生産性の向上
当然、DXにも力を入れています。基幹システムの「ANDPAD」は、2023年のDXカンパニー部門の大賞をいただきました。これを駆使して事業を展開しています。半年ほどという短期間で導入から実行まで進めたのですが、これによって生産性が非常に上がりました。
また、ここには書いていませんが、DXだけではなくAIの活用も、コンサルを入れて取り組んでいます。AIを使ったさまざまなチャットボットをつくり、誰もが使いやすいようにしています。
この前ある社員が、AIで商談の様子を点数化するサービスをつくりました。商談の時にスマホを置いておくと、AIが「今日の商談は85点」「今回は60点で駄目だった」などと点数をつけ、改善すべきところを指導するサービスです。
それ以外にも、さまざまなことがAIで行えます。おもしろいところでは、先ほどの「My Home Robo」はいわゆる検索システムと呼ばれるサービスですが、これをゼロからつくれないかということで、今、カナダのAI企業と取り組んでいます。例えば、お客さまの要望をそのまま打ち込むと、勝手に間取りがつくれるようなサービスをつくろうとしています。
おそらく今後は、生産性のみならず新規事業までAIがつくっていくことになるのではないかと思います。プラットフォーム事業の1つとしてAIの活用を考えています。
3Dプリンターハウス事業(Lib Earth House)
なんといっても今後楽しみなのは、3Dプリンター住宅の「Lib Earth House」です。こちらは、今は土でつくっていますが、土は弱いというのが課題です。そのため、モデルAではセメントを10パーセント程度入れていました。しかし、これでは意味がありません。セメントは壊して土に還すことができないため、産業廃棄物として出さなければならないためです。
今回のモデルBでは、セメントを一切入れていません。強度については、実験を重ねて、「Lib Earth House」モデルAの5倍の強度を実現できています。確認申請も取ることができました。したがって、日本全国にこの3Dプリンター住宅が建てられるということです。
日本の建築基準法は厳しいため、3Dプリンターで家は建てられないのではないか、ということはよく言われていました。しかし、確認申請を取ることができたため、問題なく建てられます。
もう1つ、3Dプリンター住宅については、海外への展開も検討しています。インドネシアはすでに5回、6回目の訪問になりますが、今月末にも現地での展開を検討しています。
インドネシアの人口は2億8,000万人で、日本の倍以上です。よく考えてみると、日本の高度経済成長期は、住宅が非常に売れていました。その波がインドネシアでは今から来るということです。
では、インドネシアではなぜ今まで住宅関係の展開が進まなかったのでしょうか? 理由は2つあります。1つは、安すぎて採算が合わなかったことです。しかし円安が進んでいるため、インドネシアでもそれなりに可能性が出てきました。
円高の時は、今で言うと300万円ぐらいで家を建ててくれ、というような話でしたが、今は違います。日本式なら2,000万円や3,000万円でも可能ではないか、と言われます。
もう1つの理由として、東南アジアでは木造住宅が敬遠されています。鉄筋コンクリート、鉄骨、もしくはブロックの住宅が主で、木造はまったく興味を持たれません。
しかし、私が3Dプリンターを見せたところ、「これはおもしろい」と非常に興味を持たれています。「45平米程度の平屋住宅を1万戸ぐらい建てるのに、どの程度でできるか」という発想で、彼らは考えているということです。すぐにどうということではないのですが、彼らの意見もしっかりと聞きながら海外展開も進めていきたいと考えているため、ぜひ期待してください。
プラットフォーム事業(マイホームロボ)
「My Home Robo」も今どんどん増えています。日本全国の工務店さんがこれを導入しようとしています。
工務店は日本全国に数万社あります。例えばその10パーセントの数千社が加盟し、1店舗当たり3アカウントでも入れていただければ、大きな利益をもたらします。こちらも一生懸命販売を進めていきますので、もうしばらく待っていただければ、業績に必ず反映されると考えています。ぜひ期待してください。
プラットフォーム事業(IPライセンス)
IPライセンスは、先ほどお話ししたとおりブランドを提供するだけですので、手離れが非常に良い事業です。私たちは金額すら言いません。「このブランドを使っていいですよ」というだけです。金額もそれぞれの加盟店が自由に決められます。これが非常に良いところです。
高い採用力
事業を支えるのはやはり人です。今は人手不足で倒産する時代です。
当社があるのは山鹿市という田舎で、コンビニまで歩いて30分、バス停も近くになく、駅まで徒歩2時間かかるような場所にあります。しかし実は当社は、九州では住宅宅業界・不動産業界の人気企業ランキングでナンバーワンという非常に人気のある企業です。
これは、さまざまな取り組みをしていることが大きいと思います。「この会社で働いたらわくわくできるよね」ということで、非常に優秀な大学生が来てくれています。そのような優秀な方と一緒に企業をどんどん成長させていきたいと考えています。ご期待ください。
リブ式ユニット経営
少人数で1つの単位をつくるリブ式ユニット経営を行っているのも大きな特徴です。
ナレッジシェア経営
ナレッジシェア経営ということで、いろいろなマニュアルを電子化しています。例えば「VR つくり方」で検索すれば情報がたくさん出てくるため、それを見ながら、1年目でもさまざまなVRをつくることができます。そのため、中途も新人も即戦力化しやすい環境にあります。このような取り組みも先駆けて行っています。
このお話を熊本トヨタ自動車さんにお話ししたところ、「これは良い」ということで、すぐに導入されていました。トヨタさんの動きはやはり本当に早いと思いました。
オーナーシップ経営
Lib Workでは、すべての従業員が自社株を持っています。従業員は株価を常に意識しているということです。
彼らは、株価が下がると自分の財産が減ります。したがって、高い株価を維持することは我々経営陣の仕事でもあり、社員一人ひとりが意識しているところでもあります。
企業価値をどうにか上げて、なるべく高いところを目指していきたいと考えています。
ダイバーシティ経営
ダイバーシティ経営についてです。トランプ氏はダイバーシティという言葉も嫌いということですが、我々は女性の活用、多種多様な人材の活用を進めています。日本では人手が足りないため、いろいろな方々、優秀な方々をフルに活用して成長させていきたいと考えています。なお、2014年にはダイバーシティ経営企業に選ばれました。
カーボンニュートラルへの取り組み
カーボンニュートラルへの取り組みもしっかり行っています。
質疑応答:株主優待について
司会者:「株主優待に関してです。他社と比較してもかなり魅力的な優待内容ですが、株主優待は業績に関わらず、今後も継続する予定でしょうか?」というご質問です。
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