大阪支店開設のお知らせ
進顕氏:代表取締役社長の進顕です。ただ今より、2025年9月期第1四半期決算についてご説明します。
まず、決算のご説明の前に、大阪支店の開設についてお知らせします。当社はさらなる事業拡大および業務効率化の推進を図るため、新たな営業・採用戦略拠点として、2025年3月に京都営業所を移転し、大阪支店を開設することとしました。
大阪支店は、東京、名古屋と並ぶ戦略の柱となる支店として位置づけ、関西圏をはじめとする各拠点の採用力強化を目指します。
アクセスが良好な当支店を通じて、お客さまや学生のみなさまとのコミュニケーションをさらに円滑にし、関係性を深めていきます。また、オフィスでは社員が快適に働き、業務効率と生産性が向上するような環境を整備しています。
目次
本日お話しする内容です。1点目が業績の状況、2点目が課題への対策と今後の成長戦略について、3点目がデジタルソリューション開発事例、4点目が株主還元方針についてです。
業績の概要
第20期となる2025年9月期第1四半期の業績の状況についてご説明します。
業績の概要です。第1四半期において、売上高は前年同期比4.8パーセント増、営業利益は前年同期比3.3パーセント減となりました。
主力となる設計開発アウトソーシング事業における稼働要員の増加や、単価改善が進捗したことにより、売上高は増収となりました。一方で、第19期に平均8.37パーセントの大幅な賃上げを行ったことにより人件費が増加し、営業利益は減益となりました。
当社の課題は、賃上げによる収益率低下、人材確保の2点であると認識しています。
収益率を向上させるためには、引き続き単価改善が求められます。単価は上昇基調にあり、4月の契約改定に向け、交渉を継続していきます。
人材確保においては、第19期よりリクルーターの増強や採用コンサルの活用による採用力強化を進めています。そして第20期は、前述のとおり、新たな営業・採用戦略拠点として大阪支店を開設します。
業績の概要
2025年9月期第1四半期の業績数値です。売上高は前年同期比プラス4.8パーセントの26億200万円、営業利益は前年同期比マイナス3.3パーセントの3億900万円、経常利益は前年同期比マイナス3.1パーセントの3億1,000万円、当期純利益は前年同期比マイナス14.8パーセントの1億7,300万円となりました。
経営戦略上の課題の整理
課題への対策と今後の成長戦略についてお話しします。
あらためて、経営戦略上の課題の整理です。当社は、営業利益に焦点を当てた経営を推進しています。
設計開発アウトソーシング事業において、売上高は人員数、稼働率、単価の要素に分解することができます。そして、売上原価の大部分は人件費となります。
当社の課題は、賃上げによる収益率低下と人材確保です。単価については、技術力に見合わない低単価案件や、契約時の単価が据え置かれていることがあります。人件費においては、物価および全国的な賃金上昇の影響を受け、当社も大幅な賃上げを行った結果、収益率が低下しています。そのため、単価見直しが1つ目の課題です。
そして、稼働人員数も売上に直結するため、人材確保が2つ目の課題となっています。
その他の費用や販管費については、取引内容などの継続的な見直しや効率化等により削減を目指していきます。
第20期以降の経営課題
第20期以降の経営課題についてご説明します。経営課題は、先にお伝えしたとおり、賃上げによる収益率低下、人材確保の2点です。
収益率低下の対策としては、第19期に順調に進捗した、契約単価改善に向けた取り組みを継続します。第19期においては、国内賃金上昇率に沿った価格改定が後押しした側面もありました。
今後は、より技術力に見合った単価改善を実施するため、営業力強化を図るワーキングチームを組成し、第20期以降も持続的な単価改善を目指します。
人材確保においては、技術者数の停滞による売上高成長率の低下が課題となっています。
課題①単価改善に向けた取り組み
収益率向上のための単価改善に向けた取り組みについて、詳細をご説明します。まず、国内の物価上昇率や賃金上昇率を踏まえ、都度、単価の見直しを行います。
技術力の高い技術者が低単価の案件に従事していることがあるため、営業力を高めて高難度案件の受注を増やすことにより、技術力に見合った単価を獲得できるようにしていきます。また、引き続き教育を充実させることで、高単価の案件に従事できる技術者を増やしていきます。
そして、研究開発技術を活用し、AR/AIや設計ソリューションを外販することにより、収益化を目指すとともに、設計効率化ツールなどの活用により、請負業務などの効率化を進めていきます。
従来、専門部署で行ってきた開発会議については、より詳細かつタイムリーな開発アイテムの選別やリソースの最適化を行うため、現在、部門横断型の「研究開発会議」として運営しています。今後は、さらに開発スピードを加速させていきます。
課題①一人月売上高の推移
一人月売上高の推移です。中期経営計画策定の第17期10月以降、効率的な人員配置等により、右肩上がりに推移しています。第20期第1四半期においては、単価改善の取り組みが進捗し、前年同期比で4万4,000円増と、一人月売上高上昇に寄与しています。
引き続き、付加価値の高いサービスの提供、国内賃金上昇率を考慮した単価の見直し等を実施し、さらなる売上高向上を目指していきます。
課題①派遣・請負別売上高、一人月売上高の推移
派遣・請負別売上高と一人月売上高の推移です。
派遣においては、企業の生産活動が高水準を維持し、開発投資も拡大が続いています。戦略的な人員配置転換に加え、単価改善が寄与し、第20期第1四半期の売上高は前年同期比で0.4パーセント増となりました。一人あたり売上高は67万8,000円で、前年同期比で2万9,000円増となりました。
請負においては、案件に対する取引先の難度、要求値が年々上昇しています。単価交渉の進捗もあり、売上高は前年同期比で9.0パーセント増となりました。
単価改善に加え、高単価なプロジェクトを厳選したことにより、一人あたり売上高は82万6,000円と、前年同期比で5万6,000円増となりました。また、請負業務の売上高比率は全体の57パーセントと、引き続き高水準を維持しています。
課題②人材確保に向けた取組み
人材確保に向けた取り組みをご説明します。
採用力強化については、リクルーターの増強、および採用コンサルの活用を実施しました。これにより、2025年新卒採用においては、目標を達成することができました。また、新卒採用のノウハウの一部は中途採用にも転用できました。
さらに、冒頭でお話ししたように、新たな採用戦略拠点となる大阪支店の移転開設により、今後の採用力をさらに強化します。
また、以前から注力している教育カリキュラムの充実化は、一部の新卒技術者の早期配属や稼働率向上に寄与するなど成果を上げています。さらに、未経験者教育が実施できるようになったことで、未経験者採用が可能となり、採用枠の拡大に寄与しました。
課題②新卒を除く技術者稼働率は高稼働率を維持
技術者数と稼働率の推移です。スライドのグラフの赤い線が新卒を除く技術者稼働率で、約95パーセントと引き続き高稼働率を維持しています。
その他:営業利益向上への取り組み
その他、営業利益向上への取り組みとして、事業ポートフォリオの見直しを進めました。第19期には3Dプリント事業を廃止しました。第20期にはベトナムに子会社の設立を予定しています。
【再掲】中期経営計画の内容
あらためて中期経営計画の概要をご説明します。2024年12月に修正開示した内容に変更はなく、目標達成に向けて、各種の施策を着実に実行していきます。
中期経営計画 2027年9月期目標:売上高125億円・経常利益13億円
2020年9月期以降、利益はほぼ横ばいにとどまっていますが、中期経営計画で掲げた取り組みに加えて、今回ご説明した対策を進めることで、第21期の2026年9月期以降、再び成長軌道に乗せていきます。
設計支援ソリューション開発事例
デジタルソリューション開発事例をご紹介します。
まず「設計自動チェックツール」です。これは文書に記載されているチェックシートの内容を読み取り、図面がその内容に適合しているかを自動で判定するシステムです。現在、自動車部品メーカーと共同で研究開発を行っており、利用開始を目指し、開発を進めています。
DiffAR
また、Pad上で対象物と3D-CADモデルを重ね合わせ、形状の差異をAR技術にてリアルタイムに認識できる表示プログラム「DiffAR」は、2023年8月に特許を出願しました。現在、より精度を上げるよう改良を行うと同時に、既存顧客に向けて売り込みを行っています。
AR・AIソリューション開発事例
AIを用いたソリューションをご紹介します。スライドに示しているとおり、高精度な3Dスキャン技術を用いた人体の3Dモデル設計アプリや、認可証の自動転記ツールなどを開発しています。
設計支援ソリューション開発事例
当社主力事業の業務効率化のツールとして、設計断面の自動作成ツールや、干渉チェックツールなどを開発しています。すでに社内で利用しており、現在はさらなる精度向上に取り組んでいます。
これらのツールを活用することで、自社内の設計業務の品質向上や、自動化による原価低減につなげていきます。
継続的・安定的な配当で株主還元
最後に、株主還元方針についてご説明します。当社は、株主さまに対する利益還元を経営の重要課題の1つとして位置づけ、継続的かつ安定的な配当を実施することを基本方針としています。
配当政策については、事業拡大のための設備投資などを目的とした内部留保の確保と、配当の安定的拡大を念頭に置き、財政状態および利益水準を勘案した上で、当期純利益の35パーセント以上を毎期配当していくことを原則としています。
アビストの株主優待制度
また、株主のみなさまからの日頃のご支援に感謝の気持ちを示すとともに、事業についてより理解を深め、当社株式の魅力を高めることにより、多くの株主さまに株式を安定的に保有していただくことを目的として、株主優待制度を導入しています。
2024年9月末時点の株主さまへは、「アビスト・プレミアム優待倶楽部」のポイントを贈呈しました。
2025年3月末時点の株主さまへは、スライドに記載のとおりの数量で、「浸みわたる水素水」の贈呈を予定しています。都道府県別の配送時期など詳細はホームページに記載しますのでご参照ください。