目次

松藤展和氏:アップコン株式会社、代表取締役社長の松藤展和です。2025年1月期の決算についてご説明します。

02.事業概要【事業紹介】

当社は、工場・倉庫・店舗(商業施設)や一般の住宅などの建物において、地震や地盤の不同沈下が原因で生じたコンクリート床の沈下・傾き・段差・空隙を、完全ノンフロンのウレタン樹脂および小型機械を用いた独自の「アップコン工法」によって修正する施工を主力事業として展開しています。

また、新たな事業展開を推進するため、多数のプロジェクトを進行させ、硬質発泡ウレタン樹脂の新規応用分野への研究開発に取り組んでいます。自ら市場を創出しながら事業を開拓していくサイクルを目指す研究開発型企業です。

03.通期実績ハイライト

2025年1月期第22期は、前期からの期ずれによる案件に加え、複数の大型案件を受注しました。

これにより売上高11億9,478万1,000円(前期比40.2パーセント増)、営業利益は3億3,188万8,000円(前期比269.3パーセント増)となりました。会社設立以来、売上高および各段階利益ともに過去最高益を達成しました。

株主配当金については、2025年1月期における業績および利益状況等を勘案して、 1株につき25円(普通配当10円・特別配当15円)とさせていただく予定です。

03.売上高・営業利益の推移

  直近3年間の売上高および営業利益の実績を記載しました。名古屋証券取引所のネクスト市場への上場後、3期間の売上高および各利益の予算は達成しました。

2025年1月期第22期は売上高11億9,478万1,000円(前期比40.2パーセント増)、営業利益3億3,188万8,000円(前期比269.3パーセント増)、経常利益3億3,764万9,000円(前期比258.7パーセント増)、当期純利益2億4,452万1,000円(前期比261.8パーセント増)となりました。

03.セグメント別売上高の推移・売上高構成比

2025年1月期第22期の売上高は、民間事業の比率が89.7パーセント、公共事業の比率が10.3パーセントとなりました。主な要因は、民間事業における複数の大型案件受注と、公共事業における農業用水路トンネルの受注延期です。

03.貸借対照表

2025年1月期第22期の貸借対照表について、前期との増減をご説明します。

当事業年度末における資産合計は、17億9,276万円となり、前事業年度末に比べ4億5,827万3,000円増加しました。

流動資産は14億4,256万4,000円となり、前事業年度末に比べ2億2,312万7,000円増加しました。これは主に、現金預金の増加2億6,775万9,000円、完成工事未収入金及び契約資産の増加1億916万2,000円および有価証券の減少1億円等によるものです。

固定資産は3億5,019万6,000円となり、前事業年度末に比べ2億3,514万6,000円増加しました。これは主に、投資有価証券の増加2億2,714万8,000円、繰延税金資産の増加1,204万4,000円等によるものです。

当事業年度末における負債合計は、2億5,369万4,000円となり、前事業年度末に比べ2億842万円増加しました。これは主に、未払費用の増加3,291万9,000円、未払法人税等の増加1億110万8,000円、未払消費税等の増加5,329万2,000円等によるものです。

当事業年度末における純資産合計は、15億3,906万5,000円となり、前事業年度末に比べ2億4,985万2,000円増加しました。これは主に、当期純利益2億4,452万1,000円の計上による利益剰余金の増加、その他有価証券評価差額金の増加1,937万4,000円および株主配当金の支払による減少1,404万3,000円等によるものです。

04.新中期経営計画目標

中期経営計画についてご説明します。

当社は新中期経営計画として、3つの目標を設定しました。1つ目は「次なる株式市場に向けた沈下修正事業のシェア拡大」、2つ目は「研究開発への取り組みを強化」、3つ目は「営業力強化に向けた社内システムDX化」です。

これらについては、後ほどご説明します。

03.新中期経営計画目標(業績目標)

業績目標については、2029年1月期(第26期)に売上高15億円を目指します。

2026年1月期(第23期)の業績目標は、売上高10億円、営業利益1億7,500万円としました。

前期に比べ減収減益となっています。理由としては、新中期経営計画目標である、沈下修正事業のシェア拡大に向けての販売促進活動、営業力強化に向けた社内システムDX化のための事業投資をこれまで以上に行うためです。

研究開発への取り組み強化については、さらなる事業領域を創出するため、現在行っている研究開発のうち、事業化の可能性が高い研究開発に集中投資を行います。2029年1月期(第26期)の事業化に向けて、取り組みを進めていきます。

04.成長戦略【事業重点エリア】

まずは新中期経営計画目標の1つ、「次なる株式市場に向けた沈下修正事業のシェア拡大」についてご説明します。

当社の事業重点エリアは、2025年1月26日に発表した「中期経営計画策定のお知らせ」の内容と変わりありません。当社はこのエリアに重点を置くことで、新規顧客およびリピーターの信頼を確実に獲得しています。さらなるシェア拡大を目指し、販売促進活動に事業投資を行い、これらの活動を強化していきます。

04.成長戦略【営業施策】

続いて、具体的な営業施策の一部をご説明します。

1つ目は営業部員の増員です。営業力強化のため、営業人員を増員します。これにより、顧客対応の迅速化、新規顧客の開拓が見込まれます。2つ目はデジタルマーケティングの強化です。Webコンテンツの拡充やSEO対策を行うことで、見込み顧客へのアプローチを強化します。3つ目は、現地調査を無料で行う調査無料キャンペーンの実施です。4つ目は、新規リード獲得に向けた積極的な展示会出展です。5つ目は、認知度・知名度向上を目的とした新聞・雑誌広告の出稿です。

これらの施策により、事業重点エリアにおけるシェア拡大に努めたいと考えています。

04.成長戦略【グローバル事業戦略】

シェア拡大のための成長戦略の1つ、グローバル事業戦略についてご説明します。ベトナムLacViet社(ラックベット社)とのライセンス契約満了に伴い、今後は当社が主体となって現地の営業活動・販売促進活動を行います。施工の際はLacViet社が当社の専属施工会社となって行う体制が整いました。これまでは北ベトナム中心に活動を行ってきましたが、今後は南ベトナムにも活動領域を広げ、ベトナム全土での受注を目指していきます。

04.成長戦略【研究開発プロジェクト】

続いて、新中長期経営計画2つめの目標、「研究開発への取り組みを強化」についてご説明します。

研究開発について、アップコンでは現在、5つの研究開発プロジェクトが進行中です。これらの研究開発から早期事業化を目指します。

04.成長戦略【事業化に向けた研究開発プロジェクト】

事業化に向けた進行中の研究開発プロジェクトについて、一部をご説明します。

コンクリート柱ウレタン強化工法「頑強柱(がんきょうちゅう)」は、既設の3.5キロニュートンコンクリート柱の中空部に、補強用に開発した硬質発泡ウレタン樹脂を注入・充填することでコンクリート柱の破壊荷重を増加させ、自然災害時のコンクリート柱の倒壊を防ぐ工法です。

既設コンクリート柱を強化するため、撤去する必要がなく短工期でコストを抑えながら国土の強靭化に貢献できる工法です。

応急復旧工法「ダンタン」は、震災時に被災して生じた道路の段差に、高強度ウレタン樹脂を吹き付けてスロープを作成し、応急的に走行を可能にする工法です。資機材一式を搭載したトラックで駆け付け、発生した段差に2液性のウレタン樹脂を吹き付けます。

高強度ウレタン樹脂は、吹き付けた直後から硬化する性質を持っているため、スロープ作成後15分で走行可能になります。また、段差だけでなく不陸や陥没にも吹き付けて補修することが可能です。

04.成長戦略【社内DX化】

最後に新中長期経営計画3つ目の目標、「社内DX化」についてご説明します。

第21期より「DX推進プロジェクト」を立ち上げ、社内DXの推進と営業支援システムの新規導入を進めています。これらの取り組みは、業務負担の削減、経営資源の有効活用、そしてより効果的な営業活動の展開を目的としています。

これらの目標を実現し、次なる株式市場へのステップアップを目指します。

以上をもちまして、アップコン株式会社2025年1月期決算説明を終了します。 ご清聴ありがとうございました。