2025年9月期第1四半期 決算説明
天野治夫氏(以下、天野):みなさま、こんにちは。HENNGE株式会社取締役副社長の天野です。当社グループの決算説明動画をご視聴いただき、ありがとうございます。
本日はまず、執行役員CFOの小林から2025年9月期第1四半期の業績と通期業績見通しに対する進捗についてご説明した後、私から成長戦略と当四半期の所感についてお話しします。
連結業績サマリー(対前年同期比、3か月累計比較)
小林遼氏(以下、小林):執行役員CFOの小林です。2025年9月期第1四半期の連結業績についてご説明します。連結業績のサマリーは、スライドのとおりです。売上高などは前年同期比で大きく伸長していますが、通期業績予想における想定の範囲内での進捗となっています。
売上高の推移
連結売上高の四半期ごとの推移です。HENNGE One事業の売上高はすべてリカーリングの性質をもっており、四半期ごとに増加する傾向となっています。当四半期もHENNGE One事業の売上高は大きく伸長しました。
売上高(対前年同期比、3か月累計比較)
連結売上高の前年同期比は、スライドのとおりです。
売上総利益の推移
売上総利益および売上総利益率の四半期ごとの推移は、スライドのとおりです。
売上総利益(対前年同期比、3か月累計比較)
売上総利益および売上総利益率の前年同期比はスライドのとおりです。ARPUの向上により売上総利益率は上昇し、引き続き高い水準を維持しています。
営業費用の構造(対前四半期比)
営業費用の内訳の前四半期比は、スライドのとおりです。
営業費用の構造(対前年同期比、3か月累計比較)
営業費用の構造の前年同期比はスライドのとおりです。期初方針に基づきさまざまな施策を実施した結果、採用関連費用を含むその他販管費や人件費、広告宣伝費などが増加しました。
売上高と営業費用の推移
売上高と営業費用の四半期での推移は、スライドのとおりです。
従業員の推移
従業員数の過年度からの推移は、スライドのとおりです。当四半期末時点では、前期末比で11名の純増となりました。
事業トピックス
事業の進捗についてご説明します。事業トピックスはスライドのとおりです。
主な広告宣伝活動
第1四半期の広告宣伝活動です。当四半期は台北とバンコクで「HENNGE MEET UP! 2024」を開催するなど、リアルイベントを中心に合計60件超のイベントを幅広い地域で積極的に実施しました。
HENNGE One KPIのハイライト(対前期末比、3か月進捗)
KPIの進捗についてご説明します。前期末からのHENNGE Oneの各KPIの進捗は、スライドのとおりです。
HENNGE One KPI(対前年同期末比)
HENNGE OneのKPIの前年同期末比は、スライドのとおりです。
HENNGE One平均月次解約率の推移
平均月次解約率です。当四半期も、従来の解約理由に加え、価格改定をきっかけとした解約が発生しました。しかし、大きめの企業の解約は発生せず、平均解約率は期初想定よりも低くなりました。平均解約率の改善による業績への影響は小さい見込みです。
引き続き価格改定によるプラン移行は続くため、今後の動向を注視していきます。理論上の平均契約年数は15年以上です。
HENNGE One契約企業数と契約ユーザ数の推移
契約企業数と契約ユーザ数の四半期ごとの推移です。引き続き販売パートナーとの連携強化が進んだことにより、中小規模の企業からの契約を安定して獲得することができています。契約ユーザ数については、比較的大きめの企業から契約を獲得できたことや、解約による契約ユーザ数の減少幅が小さかったなどの背景もあり、大きく伸長しました。
HENNGE One ARRとARPUの推移
ARRとARPUの四半期ごとの推移です。当四半期は、2024年4月からの価格改定の影響のほか、単機能のプランを選択する大きめの新規顧客が多かったこと、新規顧客において各プランの中で最上位プランであるHENNGE One Proの獲得割合が上昇したことなどの特徴が見られました。
これらの複合的な要因により、当四半期のARRとARPUはともに増加しました。当四半期末時点で価格改定の対象となる既存顧客のうち、企業数ベースで約7割の新プランへの移行が完了しています。
引き続き、HENNGE Oneの価値をご理解いただくための活動を進めていきます。
2025年9月期の方針
2025年9月期の通期業績見通しに対する進捗をご説明します。2025年9月期は、コーポレート・ブランディングを強化し、中長期的なARR成長の加速と生産性向上を目指し活動しています。
連結業績見通し(通期)
連結業績見通しについては、2024年11月8日に発表した通期業績予想から変更はなく、スライドのとおりです。
売上高の進捗
事業別の売上高の過年度からの推移と、通期見通しに対する当四半期の進捗はスライドのとおりです。当四半期は順調に進捗しています。
営業費用(原価+販管費)の進捗
広告宣伝費と広告宣伝費を除いた営業費用の過年度からの推移と、通期見通しに対する当四半期の進捗です。コーポレート・ブランディングの強化といった中長期的なARR成長の加速に資する施策など、将来成長のための費用投下を継続していきます。
小林氏からのコメント
売上高は計画比でも順調に積み上がっていますが、第3四半期以降は価格改定による既存顧客のプラン移行の影響がなくなるため、売上高の成長率は上半期よりも低い水準で推移する想定です。
営業費用に関しては、計画に対して想定の範囲内でしっかりと進捗しています。成長投資については、年度を通じてしっかり実施していきたいと考えています。費用投下のタイミングによっては、この先の四半期でも利益の幅が変動する可能性があります。
引き続きの課題である採用については、当四半期で11名の純増ですが、状況の厳しさは昨年度とさほど変わりません。
昨年9月に実施した採用キャンペーンは、潜在的な採用候補者からの認知を向上することを目的としています。当社の仲間になっていただきたい方々が将来転職しようと考えた時に、HENNGEを想起していただき、当社への応募のハードルを下げることを目指した、ブランディング施策の中長期的な取り組みの一環です。
実際に、採用キャンペーン経由で直接応募してくださった方はあまり多くありませんでした。しかし、HENNGEへの応募者数はキャンペーン実施後、大幅に増加しており、定性的ではあるものの、さまざまな方面からHENNGEに対する認知度の向上も確認できています。今回の実施結果や得られた知見を今後の施策に活かしながら、これからも継続的にブランディング向上のための施策を広げていくことが重要だと考えています。
さまざまな中長期的な課題はあるものの、今期の業績見通しに対しては想定の範囲内で推移している認識です。
経営理念
天野:当社の成長戦略についてご説明します。HENNGEの経営理念は「テクノロジーの解放」です。私たちはテクノロジーが大好きで、テクノロジーが世の中を良くしていくと強く信じています。
この力をできるだけたくさんのお客さまに届けることによって、世の中を少しでもよい方向に動かしたいというのが私たちの思いです。
HENNGEは創業以来25年以上、この「テクノロジーの解放」を理念として掲げており、さまざまな分野、方法でテクノロジーを解放してきました。その結果、SaaSはテクノロジーの解放のためのもっともフェアで洗練された効率的な手段であるという考えに至っています。
そのため、私たち自身もSaaSを提供していますし、お客さまのSaaS活用を通した変革を応援していきたいと考えています。
LTV最大化
このようなテクノロジーの解放を通して、私たちがお客さまに届けているテクノロジーの総量、私たちの理念の実現の証左となるのが、LTV(ライフタイムバリュー)、すなわち私たちが保有する契約の総価値です。私たちの成長戦略は、LTVの最大化を目指しています。
LTVの最大化、つまり将来にわたって得られる累計売上総利益額の最大化を追求することで、さらなる事業成長のための投資を増額しても、安定的に利益を増やすことができるモデルを堅固なものにしていきたいと考えています。
現在、平均契約年数と売上総利益率は、すでに高い水準にあります。したがって、LTVの最大化にはARRの最大化が必要な状況です。私たちは投資対効果の高い活動を積極的に行い、ARRを積み増すことに注力します。
また、ARRは契約企業数、平均ユーザ数、ARPUの3つの要素に分解できます。私たちは現在、契約企業数とARPUの向上に注力することで、ARR成長を目指しています。
成⻑戦略の進捗(HENNGE One)
HENNGE Oneにおける3つのKPIの推移は、スライドのとおりです。
HENNGE Oneを主力とする当社グループのビジネスは、基本的にサブスクリプションモデルです。当期中に獲得した契約は、解約されない限り積み上がっていき、翌期以降の売上の基盤となっていきます。
HENNGE OneのARRは、順調にかつ安定的に積み上がってきています。特にこの数年、東京以外の主要都市でもクラウド型のワークスタイルに移行する企業が増加しており、この波を捉え、販売パートナーとの連携強化により、効率的に多くの中小規模の契約を獲得できています。
また、拡大する市場ニーズに対応した新サービス・新機能を数多くリリースすることで、ARPUも増加させることができました。
HENNGE One ARRの成⻑戦略
今後も既存事業の推進を軸に据えつつ、日本以外での地域拡大やM&A等に挑みながら、ARR200億円、さらにその先の事業成長をより盤石なものにしていきたいと考えています。
当四半期の所感
2025年9月期、ARR100億円の達成を目標とする期が始まりました。当四半期の業績は、過去と比較しても順調な滑り出しとなったと感じていますが、これまでの営業努力によって受注へとつなげることができた地道な活動の成果だと思っています。
2024年4月から続いている価格改定についても、大きなサプライズもなく進捗できていますが、気を緩めることなく、通期の業績目標の達成に向けて全社一丸となって進めていきたいと考えています。
ARR200億円、そしてさらにその先も事業を成長させ、企業価値の継続的な向上を実現すべく、ブランディング力や人材獲得力の向上といった課題の解決に資する活動にも引き続き取り組んでいきます。
以上、駆け足でしたが、当社の2025年9月期第1四半期の決算についてご説明しました。
司会者:質疑応答に移ります。なお、事前にご質問いただくことが多いと想定した項目については、当社のIRサイトでQ&Aを開示しています。併せてご覧いただければ幸いです。
質疑応答:契約ユーザ数増加の要因について
質問者:契約ユーザ数の純増について、第1四半期は直近の四半期と比べても大きく伸長したと見ています。増加の要因として、新規契約と解約の抑制ではどちらがより純増に貢献したのでしょうか?
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