目次

山中康宏氏(以下、山中):代表取締役社長執行役員の山中です。2025年3月期の第2四半期決算説明にご参加いただき、誠にありがとうございます。

それでは、目次に沿って決算に関する説明を行います。

連結業績サマリー

連結業績サマリーについてご説明します。スライドでは、連結経営指標等のうち、経営成績を示しています。

期首繰越工事高は2,398億6,100万円、前期比30.2パーセント増となりました。

受注工事高は1,378億6,600万円、前期比7.3パーセント増となりました。当期は産業施設工事、医療関連施設等を中心に大型工事の受注が確保できたことに加え、リニューアル工事の受注が増加したことで、前期と比べ増加しました。

完成工事高は前期から繰り越した大型の産業施設工事が進捗したことにより、1,055億9,100万円、前期比15.6パーセント増となりました。

完成工事総利益は、完成工事高の増加、および産業施設工事等の利益改善により、148億5,900万円、前期比41.7パーセント増となりました。

営業利益は、完成工事総利益の増加により67億8,300万円、前期比123.7パーセント増となりました。

経常利益は、営業利益の増加により69億9,900万円、前期比94.7パーセント増となりました。

親会社株主に帰属する中間純利益は54億5,400万円、前期比126.2パーセント増となりました。

以上の結果、増収増益となり、第2四半期において受注工事高、完成工事高、営業利益ともに過去最高となりました。

連結業績サマリー

連結営業利益の前期からの変動について、スライドのウォーターフォールチャートにてご説明します。

2024年3月期第2四半期の連結営業利益の実績は、30億3,100万円でした。当第2四半期は、完成工事高の増加、および完成工事総利益率の改善により、プラスされました。

一方、一般管理費は、ベースアップによる従業員給料の増加、現場業務効率化などのDX投資等で費用が増加となった結果、2025年3月期第2四半期の実績は、67億8,300万円となりました。

連結業績サマリー

当社の業容を示す、連結部門別工事高についてご説明します。

スライドの上段が受注工事高、中段が完成工事高、下段が繰越工事高を示しており、内訳として、管工事、電気工事に区分しています。

受注工事高の部門別内訳は、管工事は増加、電気工事は減少となりました。増加要因は、管工事における工場、データセンター、医療関連施設などの大型工事の受注によるものです。

完成工事高は、管工事は増加、電気工事は微減となりました。主な増加要因は、手持ちの工事が順調に進捗したことによるものです。

繰越工事高については、2,721億3,600万円、前期比22.9パーセントの増加となりました。

連結業績サマリー

財政状態の概要をご説明します。純資産は970億6,300万円、前期末に比べ3.3パーセントの増加となりました。

総資産は、支払条件の変更、および今後の運転資金確保のための借入金の増加などにより、1,809億5,000万円、前期末に比べ12.7パーセントの増加となりました。

1株当たりの純資産は2,257円42銭となりました。2024年9月末の株価の終値が2,940円でしたので、株価純資産倍率は1.30倍となりました。

自己資本比率は、前期末から4.9ポイント減少し、53.5パーセントとなりました。

キャッシュ・フローの概要についてご説明します。営業活動によるキャッシュ・フローは、協力会社に対する支払条件の変更に伴う現金支払いの増加により、60億400万円の資金の減少となりました。

投資活動におけるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入により、9億2,000万円の資金の増加となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の増加により、180億7,700万円の資金の増加となりました。

これにより、現金及び現金同等物の中間期末残高は、期首残高226億6,500万円から358億1,400万円となり、前期比97.2パーセントの増加となりました。

連結業績サマリー

スライドでは、キャッシュ・フローの変動について、ウォーターフォールチャートで示しています。なお、運転資金の効率的な調達を行うため、取引銀行3行と貸出コミットメントライン契約を締結しています。

受注工事の状況

2025年3月期第2四半期決算のハイライトをご説明します。

受注工事の状況です。リニューアル工事については、件数は横ばいですが、受注環境の好転により516億2,800万円、前期比23.7パーセント増加し、リニューアル比率は37.4パーセントとなりました。

直接受注は、半導体工場、海外の研究施設および医療関連施設等の、大規模案件の受注により732億5,900万円、前期比48.4パーセント増加し、直接比率は53.1パーセントとなりました。

受注工事の状況

産業施設工事の受注状況です。当社では、工場、研究所、データセンター、物流施設を産業施設工事として区分しています。

上半期は、半導体工場やデータセンター等の受注により812億4,600万円、前期比23.5パーセント増となりました。受注比率は、前期より7.8ポイント上昇し、58.9パーセントとなりました。

なお、産業施設工事の受注工事高は、過去最高となっています。

受注工事の状況

海外事業の受注状況です。当社の海外事業は、シンガポールの支店および現地法人、タイ、ベトナム、台湾の現地法人、この4カ国を中心に展開しています。

当期はシンガポールにおいて、大型のプロジェクトの研究施設の受注がありました。その結果、受注工事高は前期比29億7,800万円増の101億2,800万円、前期比41.7パーセント増となりました。

完成工事の状況

完成工事の状況です。当期の完成工事高は、1,055億9,100万円、前期比15.6パーセント増となりました。

工場やデータセンターの大型工事が進捗し、その他にも医療関連施設等の大型工事も進捗したことにより、大幅に増加しました。

繰越工事の状況

繰越工事の状況です。当期の繰越工事高は2,721億3,600万円、前期比22.9パーセント増となりました。産業施設工事を中心に、今後の出来高に寄与する手持ち工事も豊富に抱えています。

四半期ごとの実績状況

四半期ごとの実績状況です。受注工事高、完成工事高、営業利益とも、4月から6月、7月から9月と各期間で、前期に比べ増加しました。

通期業績予想

当社グループの2025年3月期の通期業績予想についてご説明します。受注工事高については、2024年10月1日付で取得した海外の連結子会社の受注等を勘案し、当初予想の2,500億円から100億円増加し、2,600億円に上方修正しました。

完成工事総利益は、手持ち工事の利益改善が期首の想定より上振れる見込みであり、当初予想の330億円から25億円増加し、355億円に上方修正しました。

営業利益は、完成工事総利益の増加により、当初予想の150億円から25億円増加し、175億円に上方修正しています。完成工事高については、直近の公表から変更はありません。

株主還元

株主還元についてご説明します。さらなる利益還元および、より安定的な配当政策を進めるため、2025年3月期より、配当性向を40パーセント以上、かつ、DOE4.0パーセントを下限とすることを新たな配当方針としています。

2025年3月期の配当金は1株につき、中間配当を52円とし、期末配当は前回発表から1株当たり19円引き上げ、71円とします。

この結果、年間配当金を104円から123円に修正します。前期に比べ47円5銭の増配となる予定です。

中期経営計画《磨くステージ》の戦略と施策

本年5月に公表の、2027年3月期を最終年度とした中期経営計画「磨くステージ」の状況についてご説明します。

「磨くステージ」の3年間の経営方針を、「人材戦略を基盤とした人づくりの実現により企業価値を高める」としました。

人材戦略とは、採用を強化すること、研修制度を見直すこと、ローテーションによって知見を高めることの3つです。これらによって個人が成長することで、企業価値を高めていきたいと考えています。

当社の事業内容をステークホルダーのみなさまにご理解いただくために、各事業で取り組むべきことを明確にしました。空調衛生工事を収益の基盤とする事業、電気工事を変革する事業、海外事業を成長する事業、再生医療事業を新たな収益源とする事業と定め、わかりやすいかたちで進めることを考えました。

各事業に関わる社員に対して、どのように進むべきか、なにに取り組んでいくべきかを明確にし、施策を実行していきます。

中期経営計画《磨くステージ》数値目標

「磨くステージ」の数値目標です。初年度の連結営業利益の予想を175億円に引き上げました。これに伴い、ROEは12.5パーセントとなる見込みです。

初年度の売上高は2,500億円を予想しています。2027年3月期の2,600億円まで、踊り場の状況に見えますが、こちらの要因は人的リソースの見極めです。今年度より、建設業の残業規制が始まりました。今の技術社員の陣容で仕事がこなせるのかを見極めているところです。

次年度以降の目標数字については、今年度の人的リソースの状況や、期末時点での経済情勢、経営環境を踏まえて検討する予定です。

人的資本への対応

中期経営計画の中心である、人づくりに向けた施策の状況をご説明します。従業員エンゲージメントの向上に向けて、当社の「共有する価値観」に基づく行動・成果も評価に加味する新たな人事評価制度を整備中で、来年度より導入の予定です。

従業員の能力向上に向けては、全社最適での課題解決能力を持つ人材を育成するため、ローテーションプランを制定し、来期より運用を開始します。また、従業員のキャリアアップを支援するため、研修制度の見直しを進めています。

新卒採用は近年厳しさが増していますが、採用強化を継続していきます。

空調衛生工事の施工力強化への取り組み

収益の基盤となる空調衛生工事の、効率化時間外労働の削減に向けて、オフサイト加工施設の拡充と利用の拡大を促進中です。

このオフサイトの取り組みは、国土交通省の「働き方改革の実現に向けた効率的な建設工事の促進事業」に係るモデル事業に、2件が採択されました。これまで、関東・関西エリアをはじめとする6つのエリアに開設してきました。現在は、北陸エリアへの拡張を計画中です。

海外事業への取り組み

海外事業への取り組みについてご説明します。成長を牽引する事業に位置づけた海外事業を加速するため、当社は本年10月1日に、シンガポールの設備工事会社Presico社の株式を取得し、連結子会社化しました。

当社の海外事業の重要拠点であるシンガポールの建設需要は旺盛であり、今後の成長も期待されます。Presico社では100億円規模の売上を期待しており、シンガポールでのシェア、売上の拡大を加速させていきます。

再生医療事業への取り組み

新たな収益源を目指す、再生医療事業への取り組みについてご説明します。再生医療事業は、細胞培養環境向けシステム・ユニットの販売と、細胞製造受託の2軸で事業化を目指します。

細胞製造受託は、主に細胞治験薬の製造の受託を基本として、事業拡大を目指します。また、小規模製造向けクリーン環境と、細胞製造のノウハウの両面により、治験薬製造サポートサービスを展開していきます。

これまでご説明した施策を4つの事業領域で推進し、2027年3月期の目標達成を目指していきます。

質疑応答:中期経営計画と株主還元に関する考え方について

司会者:「御社は、足元の業績好調と2025年3月期会社計画の増額修正によって、中期経営計画を前倒しで達成する確率が高くなっていると思われます。この場合、現行の中期経営計画は据え置いて踏襲するのか、場合によってはアップデートをして、新たな中期経営計画を策定するのか、考え方を教えてください。この場合、株主還元に対する考え方についても言及していただければ幸いです」というご質問です。

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