サマリー
澤井光郎氏(以下、澤井):代表取締役会長兼社長の澤井です。2024年度第2四半期決算概要についてご説明します。
まずは、決算サマリーです。11月8日に開示した業績予想のとおり、営業が、販売活動よりも信頼回復に向けた取り組みの説明活動に注力した影響などから、期初の上期計画に対して未達となりました。売上収益、コア営業利益ともに、前年同期比では微増となりました。
また、ジェネリックビジネスの持続可能性を高めるため、将来を見据えて製品価値の維持に向けた取り組みを継続したことにより、販売単価は改善しました。
下期は選定療養制度導入の対象品目や、限定出荷解除品目を中心とした販売数量の増加、12月の新製品等でのシェア獲得を目指した活動により、さらなる収益の拡大を図り、修正後の下期および通期計画の達成を目指していきます。
なお、現時点で限定出荷や出荷停止となっている品目数は129品目あります。さらなる限定出荷解除に向けて、全社一丸となって増産体制の強化に取り組んでいます。
2025年3月期(2024年度)上期決算概要
決算概要を数値面で示すと、スライドの表のようになります。売上収益、各利益項目ともに増収増益で着地しました。親会社の所有者に帰属する中間利益は、4月1日に株式譲渡した米国事業の関係会社株式売却益の計上により、前年同期を大きく上回りました。
なお、売上収益から税引前中間利益は、継続事業である日本事業の金額となります。親会社の所有者に帰属する中間利益は、継続事業および非継続事業を合算した金額となっています。
コア営業利益の増減要因
コア営業利益の増減要因の分析です。売上の増加や単価の改善等により粗利が増加しました。一方で、原薬、添加剤、包装資材などの原材料価格の上昇、減価償却費や労務費などの固定費の増加、また委託加工賃の上昇により、コア営業利益は1億円の増加となりました。
営業利益の増減要因
フルベースの営業利益の増減要因の分析です。
コア営業利益の販管費に旧製剤研究センターの売却益が加わり、8億6,000万円の増加となりました。
収載年度別売上収益
収載年度別の売上収益です。酢酸亜鉛やアジルサルタンなど、2023年度以降の収載品や、価格政策の影響で、2014年以前に発売した既存品目の売上が伸びました。
2024年度 通期業績予想
2024年度通期の業績予想です。11月8日の開示のとおり、上期実績の状況を踏まえ、期初予想からスライドに記載した内容に修正します。
下期は、選定療養制度導入対象品目や限定出荷解除品目を中心とした販売数量の増加、および、12月の新製品などでのシェア獲得を目指した活動を行っていきます。また、コスト削減にも取り組み、収益の拡大、収益性のさらなる向上を目指します。
下期の売上計画について
下期の売上計画の概要です。選定療養対象品目や限定出荷解除品目などの市場動向を把握して、市場ニーズに合わせた情報提供活動を実施します。同時に、12月新製品については、十分な在庫を確保した上でプロモーション活動を展開します。それによって、下期の売上は、前年同期比7.3パーセント増、通期では4パーセント増の1,839億円を目指します。
供給不足の早期解消に向けた限定出荷の積極的解除について
供給不足の早期解消に向けた限定出荷の積極的解除についてです。第1四半期決算でもご説明したとおり、7月以降、積極的に限定出荷解除を行っています。これまでに115品目の解除を行い、11月11日時点で、限定出荷品目数は97品目と、2桁まで減少させることができました。
第二九州工場の新固形剤棟が稼働を開始し、着実に増産を行うことで、引き続き積極的な限定出荷解除につなげていきます。ちなみに、6月から9月までの期間に限定出荷制限を解除した91品目については、当社に合わせて他社が68品目の限定出荷解除をしています。
このような動きが広がるように、引き続きリードしていきたいと考えています。
今後も、さらなる生産能力の拡充に向けて積極的な設備投資を行い、製造委託先を含めて全社一丸となって増産体制を構築します。そして、医薬品の供給不足を早期に解消すべく、限定出荷の積極的解除を通じて、患者さん・医療従事者・流通関係者のみなさまの不安や負担の軽減に努めます。
参考資料 (限定出荷品目数の推移)
スライドには、2022年3月末から現在までの限定出荷数の推移を表したグラフを記載しています。
トラストファーマテック、第二九州工場 新固形剤棟での生産について
トラストファーマテックと第二九州工場の新固形剤棟での生産についてです。いずれも品目移管・生産状況が順調に進捗しており、通期計画の達成を目指していきます。
株主還元
株主還元についてです。2024年6月に開示したとおり、330億円を上限とする自己株式取得を決定し、取得後の株式については2025年4月末日をもってすべて消却する予定です。直近の10月度の取得状況はスライドに記載のとおりです。
中間配当金は13円増配し、78円とします。期末配当は27円を予定しています。こちらは株式分割前換算では81円となり、16円の増配予想です。
以降のスライドでは、ファイナンシャルデータなど参考資料を記載していますのでご覧ください。
質疑応答:上期の業績が未達になった理由と、下期で大きく変わる点について
質問者:上期の業績が当初の計画に対して未達となっている中で、下期の予想は大きく変わっていません。多くの方が「上期の状況を受けて、下期は大丈夫だろうか?」と思われるのは、自然だと思います。
いくつか要因があると思いますが、上期の業績が計画に届かなかった大きな理由は何でしょうか? その中で、上期と下期で特に大きく変わってくると思われている点について教えてください。
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