2024年12月期 通期業績予想
庵原保文氏:代表取締役CEOの庵原です。2024年12月期第3四半期の業績についてご説明します。最初に通期業績予想の修正についてお話いたします。
スライドには、業績を表す指標として、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益、EBITDA、調整後EBITDAを記載しています。このうち一番大きな変更があるのは、当期純利益です。前回業績予想では当期純利益は4億2,300万円でしたが、今回業績予想では7億円に上方修正しています。
その他に、営業利益や経常利益、EBITDAなど、それぞれ10パーセント程度の上方修正となっています。株式報酬費用も含めた調整後EBITDAは、15パーセントの上方修正で、前回業績予想では5億7,000万円だったところを、今回業績予想では、6億6,000万円まで拡大しています。
売上高の業績予想においては変更ありません。引き続き、55億円から57億600万円の間に据え置きとなります。
当期純利益の大幅な上方修正には、2つポイントがあります。1つは、販管費などのコストコントロールを堅調に、効率よく行えた点です。もう1つは減資の影響です。3月末に行った減資によって、繰延税金資産が増加して大幅な増益となりました。
営業利益も、前回業績予想から10パーセントの上方修正となり、今回業績予想は5億5,000万円です。高収益を実現できる体制を固めてきています。
業績ハイライト 四半期
業績ハイライトについてご説明します。今期はいずれの業績、KPIも、堅調もしくは好調となりました。
売上高は14億4,000万円で、YoY成長率は15.8パーセントです。ARRは46.1億円です。営業利益は大幅に増加して、2億1,000万円です。営業利益率も15パーセント弱と、高収益な四半期であったと思っています。
トップラインが好調に伸びた影響もあり、営業利益も2億円台まで拡大しました。
契約アプリ数は12件純増し、880件です。平均月額利用料は、YoY成長率が5.2パーセントで、43万7,000円です。この四半期は、解約率も非常に低く抑えられて、0.75パーセントでした。いずれも堅調な数字となっており、過去最高の売上高や営業利益などを記録しています。
P&Lサマリー 四半期
P&Lサマリーについてご説明します。表右側の青で囲っているところが第3四半期です。純利益以外の売上高、売上総利益、営業利益、経常利益は、いずれも過去最高の四半期となりました。QoQとYoYのいずれもが堅調に伸び、営業利益や経常利益においては、QoQで約2.4倍の大幅な成長となっています。
業績予想の進捗
業績予想の進捗についてご説明します。先ほど、純利益を中心とした業績予想の上方修正について、スライド13でお伝えしました。その修正後の業績予想に基づいた、売上高、営業利益、当期純利益、調整後EBITDAの進捗をスライドに記載しています。
売上高はオントラックという状況で、営業利益、当期純利益、調整後EBITDAの進捗率は、いずれも順調です。第4四半期に、マーケティング投資などを増やす予定がありますので、この程度で抑えています。
売上高 四半期
スライドには、ストックとフロー、それぞれの売上高の推移を表したグラフを記載しています。売上高は過去最高の14億4,200万円になりました。
ご覧のとおり、フロー売上を示す、グラフのグレー部分が3億円を突破しています。アプリ初期制作支援やアプリマーケティングの調子が非常に良い四半期でした。
これには、前四半期でのアプリの契約件数が好調に推移したことが影響しています。
ストック売上も順調に計上を重ね、堅調なストック売上と好調なフロー売上によって、過去最高の売上高となりました。YoYの成長率も直近4四半期では一番良い数字です。
ARR 四半期
ARRは46億1,700万円まで伸びており、QoQで見るとARRの成長率は回復しています。
契約アプリ数と平均月額利用料
契約アプリ数と平均月額利用料についてです。契約アプリ数は純増12件で着地しました。前回の23件には及びませんでしたが、堅調な数字かと思っています。YoYでは6.3パーセントの伸びです。
平均月額利用料も前四半期は契約アプリ数の増加に伴い少し足踏みしていましたが、第3四半期はしっかりと上がってきました。YoYで5.2パーセント増となり、契約アプリ数、平均月額利用料ともに5パーセント強成長しました。
開発支援サービス別 アプリ数の構成比率
開発支援サービス別のアプリ数の構成比率です。棒グラフの一番右側が第3四半期を表しています。構成比率に大きな変動はないのですが、件数を見ていただくと、「Yappli UNITE」が最も増えています。
我々は現在、従業員向けアプリ「Yappli UNITE」への投資を推し進めていますが、こちらが純増で7件伸び、合計アプリ数は880件となりました。
売上総利益 四半期
第3四半期の売上総利益は9億7,200万円で、過去最高の数字となりました。また、売上総利益率も67.4パーセントと、前四半期よりも回復しています。売上総利益率が回復した理由は、円安傾向が一服したことによりサーバー費用などの原価を抑えられたことが影響して原価率が下がり、それに伴い売上総利益が上がったことです。
また、好調な売上高により、売上総利益が伸びたことも要因です。
営業利益 四半期
第3四半期の営業利益は2億1,000万円、営業利益率は14.6パーセントと非常に良い結果であったと思っています。トップラインが好調だったことによりQoQで2.4倍、YoYでも約2.9倍という大幅な伸びを示すことができました。
広告宣伝費 四半期
コストの説明に移ります。第3四半期の広告宣伝費は1億9,700万円使いました。この2四半期ほど、棒グラフの青い部分に該当するリード獲得のための広告や展示会、オンラインマーケティングなど、足元の受注を取るための広告活動に力を入れていますが、第3四半期のリード獲得のための広告宣伝費は1億6,300万円でした。
四半期ごとに約2億円を投資する計画は期初から変わらず、順調に進捗しています。次の四半期も約2億円前後を見込んでいますので、通期の広告宣伝費は約8億7,000万円で着地すると考えています。
正社員数
正社員数は258名で、期初に比べて2名の純増で着地しています。以前の決算説明資料では、通期で最大270名前後になるというコミュニケーションをしていましたが、それより下回って、260名前後の着地になると考えています。
人件費 四半期
正社員の増加に伴い、人件費もYoYで4.4パーセントの微増となっています。
販管費の内訳
販管費の内訳です。スライドのグラフはそれぞれ、S&M、G&A、R&Dを示しています。R&Dは前四半期で底を打ったと見ており、今回は2,000万円ほど伸びて1億2,200万円となりました。
解約率(LTM)
解約率です。解約金額が減っているため、それに伴って解約率も下がっています。12ヶ月平均としても順調に下がっており、チャーンレートはかなり抑えられている傾向です。
LTV/CAC (LTM)
LTV/CACです。今回は前四半期比で0.4ポイントほど伸びて5.2倍となっています。解約率の低下が寄与し、LTV/CACが向上しており、獲得効率の良い構造になっています。こちらは引き続き5倍前後で推移すると考えています。
プロダクトハイライト
プロダクトハイライトです。10月「YAPPLI SUMMIT」というヤプリが一番力を入れている顧客向けイベントにて非常に多くの新機能のリリースを発表しました。
製品を底上げするデザインの機能の向上やアナリティクス分析機能の強化、イベントカレンダーやストアダイレクトポイント機能、セグメント管理など、大小さまざまな機能強化を行い、ヤプリの顧客に向けて発表いたしました。
このような「Yappli」「Yappli CRM」の両製品の機能充実によって、さまざまなアプリの需要に対応できるようになります。また、エンタープライズ企業の、より複雑で難易度の高いアプリに対しても、我々のノーコードのツールでアプリを提供できることにもつながります。ヤプリでは着実な製品のアップデートを非常に重要視しています。
特に今年は多くの機能をアップデートしたため、今後の継続的な成長に寄与するだろうと考えています。
ビジネスハイライト
ビジネスハイライトです。第3四半期は「Yappli UNITE」でさまざまなイベントを行いました。ありがたくも、「HRアワード2024」で優秀賞を受賞しました。提供開始からまだ約1年のサービスですが、さっそくこのような著名なアワードで優秀賞を受賞し、「ICCサミット」というイベントでも総合2位を獲得いたしました。
社内でも「インターナルコミュニケーション・デイ」という広報や人事向けのイベントを開催し、大手企業を中心とした多くのお客さまに来場いただきました。このように、社内外で「Yappli UNITE」のマーケティング活動を盛り上げています。
ビジネスハイライト 顧客事例①
日々の努力が功を奏し、ついに顧客事例としてANAホールディングスさまのプレスリリースを出すことができました。これは我々としても非常に大きな「Yappli UNITE」の進歩だと考えています。
ANAホールディングス株式会社のグループ4万1,000人全員に、「Yappli UNITE」で作られたアプリが配られることになり、ビジネス的にも、この1年の進化を象徴するクライアントとして非常にうれしく思っています。
このような大きなエンタープライズ企業にどんどん「Yappli UNITE」を導入できるように、さらに製品強化を進めていきます。
ビジネスハイライト 顧客事例②
2つ目の事例です。東京メトロさまのインバウンド向けアプリをリリースしています。先日、東京地下鉄株式会社さまが大きなIPOをしましたが、その成長戦略の1つとしてインバウンド対応があります。
ヤプリでも最近、インバウンド向けアプリの需要が増えてきており、多言語に切り替えられるボタンを提供しています。言語別にアプリを出し分けることが可能で、東京メトロさまのようなインバウンド向けアプリに我々の製品が価値を提供できます。
このようにエンタープライズクライアントにヤプリのサービスがますます支持されるようになっているのは非常に良い状況と考えています。
以上、第2章、第3章を中心に業績とビジネス、プロダクトのアップデートについて説明いたしました。次の通期決算に向けて着実にビジネスを進めているため、今後もぜひヤプリにご期待ください。