2024年3月期 連結決算ハイライト
鳥屋和彦氏(以下、鳥屋):おはようございます。執行役員管理総括の鳥屋です。本日はお忙しい中、クレオの決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。さっそく決算概要についてご説明します。
連結決算ハイライトです。売上高は、前期比2.3パーセント減の143億5,100万円、営業利益は、前期比20パーセント増の10億8,500万円となりました。営業利益率は、前期比1.4ポイント増の7.6パーセント、当期純利益は前期比47.2パーセント増の7億1,700万円となりました。
EBITDAは、前期比16.7パーセント増の13億5,700万円、ROEは、前期比3.1ポイント増の10.1パーセントとなりました。また、1株あたりの当期純利益は、前期比約30円増の90円となりました。1株あたり配当金は、前期の40円に対して今期は記念配当の10円を含めた50円となりました。
計画比については、売上高は未達となりましたが、営業利益以下については、スライドにも記載の通り、ほぼ計画どおりとなっています。
キャッシュ・フローについては、フリー・キャッシュ・フローが20億200万円、そこに財務活動の支出が発生したことにより、現在の現預金の期末残高が55億8,400万円となっています。
連結:業績概要
業績概要についてです。売上高はシステム運用・サービス事業の影響により、前期比3億3,800万円の減となりました。営業利益は、昨年度のソリューションサービス事業の高原価プロジェクト収束に伴う反動増により、前期比1億8,000万円の増となりました。
経常利益、当期利益については営業利益に準じた結果となっています。
連結:営業利益要因別増減分析
営業利益の要因別増減分析です。大きなポイントとしては前期に比べ、高原価プロジェクトが約3億円の反動増となりました。その他原価改善を行い、1,400万円の微増となりました。今回第1四半期から計画減となったシステム運用・サービス事業については、年間で約1億円の前期比減となりました。最終的な営業利益は前期比1億8,000万円増の10億8,500万円となっています。
業績サマリー(セグメント別)
セグメント別の業績サマリーです。
ソリューションサービス事業は売上高が4.5パーセント増となりました。大型案件の反動減と従来単年で売上利益が獲得できていたライセンスモデルのビジネスから徐々に、利用料モデルに変革したことにより、長期的には利用料モデルが大きく売上利益に貢献するかたちにはなりますが、結果として、ライセンスモデルが減った関係で微増となっています。営業利益は、前期の高原価プロジェクトが収束したことにより大幅に増加しました。
受託開発事業は、売上高が2.7パーセント減となりました。こちらも大型案件が終了した関係で反動減となりましたが、アマノ社の案件などが徐々に拡大したことに伴い微減となっています。営業利益は、原価が改善したことにより6.2パーセント増となっています。
システム運用・サービス事業は、主要顧客からの受注減が第1四半期から続いており、売上高は21.7パーセント減、営業利益は28.1パーセント減となりました。
サポートサービス事業は、BPOサービスが堅調な推移を示しており、売上高は2.4パーセント増となりました。営業利益は採用活動の強化、特に求人費が大きくかさんだことにより、2.7パーセント減となりました。決算説明資料8ページから11ページについてのご説明は割愛いたします。
連結貸借対照表の状況
B/Sについてです。大きなポイントとして、一昨年の3月に行われた大型案件の検収分が前期に回収されたことにより、売掛金および契約資産が11億7,100万円の減少となりました。それに合わせて現預金が16億7,300万円増加しています。
キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況です。売掛金は前期比15億900万円増となりました。フリーキャッシュ・フローについては、前期は1億6,400万円でしたが今期は20億200万円と18億3,700万円の増加となっています。
2025年3月期 連結業績予想
2025年3月期の業績予想です。売上高については、前年比4.5パーセント増の150億円としています。システム運用・サービス事業、ソリューションサービス事業は堅調に推移していますが、やや保守的な150億円という数値にしています。
営業利益は前年比5.1パーセント増の11億4,000万円です。こちらは最高利益ですが、投資を踏まえて、やや保守的な数字として設定しています。
当期利益は前年比10.1パーセント増の7億9,000万円です。ROEは10.7パーセントで、1株あたり当期純利益は前年比10円増の100円と、3桁に乗ることを見込んでいます。
2025年3月期 連結業績予想(セグメント別)
こちらのスライドは、ご説明を割愛します。
株主還元(配当)
株主還元についてご説明します。配当は、現在まで7期連続で増配を行っています。2025年3月期は51円の配当予想で、配当性向は約50パーセントです。
株主還元(自己株式取得)
5月8日に、自己株式取得についてリリースしました。上限は金額で2億円、株数で15万株です。毎年ではなく不定期ですが、過去数年においても必要に応じて、機動的に自己株式の取得を行っています。
以上で私からのご説明を終了します。ご清聴ありがとうございました。続きまして、環境変化と今後の取り組みについて、代表取締役社長の柿﨑からご報告します。
環境認識
柿﨑淳一氏(以下、柿﨑):おはようございます。クレオの柿﨑です。本日はお忙しい中、決算説明会にご参加いただき誠にありがとうございます。私からは、環境の変化と今後の取り組みについてご説明します。
最初に環境認識についてです。社会環境や市場環境の変化についてはみなさまもご存じだと思いますが、スライド上段に記載しています。
政治においては、持続可能な社会として、いわゆるサステナビリティ経営の促進が強く要求されています。社会においては、日本の生産年齢人口の減少している状況にあり、特にIT業界においては、業界を超えたIT人財の争奪戦が激化し、人財獲得が厳しくなってきています。
経済においては、各企業でIT投資が活性化しており、特にクラウドシフトやDX推進が活発に行われています。その中で、基盤となるのがIT技術の更なる進化で、生成AIやデータ活用の新しい技術の台頭が変化として起こっています。
これらを踏まえた経営の重要課題をスライド下段に記載しました。お客さまに向けては、DX化の推進を含め、顧客価値の最大化、顧客満足度の向上を目指します。株主さまに向けては、株主還元の充実に努めます。
また、IT業界を支える財産である社員に向けては、働きがいなどのワークエンゲージメントの向上と、リスキリング・アップスキリングの機会拡充を図ります。そして、グループやビジネスパートナーに向けては、協業や価値共創を推進します。
社会に向けては、環境への配慮や気候変動への対応があります。IT業界あるいはソフト会社として、取れる手段は多くないですが、こちらも課題として認識しています。
加えて、先ほどお伝えした先端テクノロジーへの取組みも含めて、このようなところが経営の重要課題だと考えています。
事業環境の変化
事業環境の変化について、スライド左側のグラフは国内ITサービス市場の予測です。2027年までの市場動向としては、クラウドシフト、インフラ/アプリのモダナイゼーション等の支援、デジタルビジネス化に向けた新しいシステムの構築・運用の支援が拡大する流れの中で、全体として堅調な成長が続いていきます。
スライド右側のグラフは、主力ビジネスであるERP市場の予測です。こちらに関しても、老朽化したERPのリニューアル案件の増加や、ハイブリッドワークなどの働き方の多様化によるシステム刷新が追い風になっています。
また、既存パッケージ導入企業に対しても、クラウドシフトの流れの中でSaaS販売を促進しており、SaaS市場の伸びが顕著に現れてきています。こちらについても、市場の需要がSaaS志向へと進んでいる状況です。
重点テーマ
このような環境下における、今年度の重点テーマをスライドに記載しています。事業戦略としては、当然ながら既存事業の維持・深耕及び価値の拡大・最大化を目指します。大株主であり、主要取引先であるアマノ社とのHRビジネスの協業強化・拡大とともに、LINEヤフー社の中でも特にグループ会社への営業強化に取り組む考えです。
また、先ほど鳥屋の話にもありましたが、ライセンスモデルから利用料モデルへ移行し、ストックビジネスを拡充させていきます。さらに、高原価となる案件が発生しないよう、プロジェクトの品質、価格、納期、サポート対応向上といった円滑な遂行に努めます。
そして、ストックビジネスの拡充のために、HR周辺サービスを中心に投資や展開強化を図っていきたいと思っています。
営業戦略としては、人財確保が厳しい市場環境の中で、特にビジネスパートナーの政策により調達力を強化します。また、今までのような単体ではなく、グループ連携によるクロスビジネス体制も構築していきます。
そして、お客様のリピート率向上や離反防止の観点から、顧客接点を強化します。さらに、HRなどのクラウドビジネスのパートナーとの連携強化による営業拡大を図っていきたいと思っています。
技術については、生成AI、ノーコード、ローコードの活用に社内で取り組んでいます。こちらはできるだけ早く事業活動に展開していきたいと考えているところです。そして、「AWS」や「Azure」、データ分析を中心とした各種資格取得を既存の社員へ奨励するだけでなく、資格を持った市場価値が高いSEを確保していきたいと考えています。
人財・人的資本については人財採用、調達力の強化、リスキリング、アップスキリング、次世代育成カリキュラムの強化、ワークエンゲージメントの向上などにおいて、クレオグループ全体でさまざまな施策を進めてまいります。
サステナビリティへの取組み(体制・マテリアリティ)
サステナビリティへの取り組みです。継続的にサステナビリティ活動を推進するにあたり、委員会を設置しスライドに記載の4つのワーキンググループで進めています。
9月1日に推進体制とマテリアリティを更新し、環境に関わる項目としてカーボンゼロへの取り組みを追加しています。
サステナビリティへの取組み(ESGレポート)
2024年4月からESGレポートを掲載しているのでご覧いただければと思います。
サステナビリティへの取組み(健康経営)
IT企業の1番の財産である社員が物心両面で健康を維持できる取り組みということで、スライド右側に記載のとおりさまざまな活動をしています。
その結果として、スライド左側に一部掲載したように業界の平均値より残業時間、離職率は低く、有給取得率は高くなっています。また2024年度に健康経営優良法人の認定も受けました。
サステナビリティへの取組み(50周年イベント)
トピックスになります。クレオは今年の3月22日をもって創立50周年を迎えました。スライド左上に50周年のロゴとスローガンを記載しています。4月26日に大阪、東京両会場を繋ぎ、計510名の社内イベントを行い、エンゲージメントを高めました。
4月1日にはWebサイトをリニューアルしました。50周年記念サイトということで、主なコンテンツとしてスライド右下の内容を掲載しております。ご興味があればご覧いただきたいと思います。
中長期の計画について
中長期の計画については2024年6月をめどに開示準備を進めています。詳細に関してはコーポレイトサイトにて公開いたしますので、ご覧いただければと思います。
最後になりますが、引き続きクレオをご愛顧のほどよろしくお願いします。ご清聴ありがとうございました。
Q&A
質疑応答に関しましてはこちらに掲載されております。