2023年度第2四半期決算 ハイライト①
田中晃氏(以下、田中):本日は決算説明会にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。それでは、2023年度第2四半期決算のハイライトをご説明します。
新規加入は、サッカーのUEFAチャンピオンズリーグ、UEFAヨーロッパリーグなどのスポーツコンテンツや、Stray Kids、東方神起、SUMMER SONICなどの音楽ライブが好評を得たことに加え、今期強化しているデジタルマーケティング施策が功を奏したことなどにより、前年同期と比べて増加しました。
一方で解約件数も増加し、結果として正味加入件数は純減となりました。
2023年度第2四半期の新規加入件数は29万6,000件、解約件数は38万件、正味加入件数は8万4,000件の純減となっています。
また、「WOWOWオンデマンドPPV(ペイ・パー・ビュー)」を9月に開始しました。限定販売を実施した「UEFAチャンピオンズリーグ UEFAヨーロッパリーグ - 2023-24シーズンパス -」は、お客さまから好評をいただき完売となりました。このシーズンパスの発売により、たくさんの新しいお客さまにご加入いただきました。新しい商品サービスとして手応えを感じています。
2023年度第2四半期決算 ハイライト②
収支のハイライトです。売上高は、前年同期と比べ会員収入が減少したことなどにより減収となりました。経常利益は、為替差損益が改善したものの、売上高の減少による利益減の影響などにより、減益となりました。
業績予想の修正について
業績予想の修正についてご説明します。上期までの実績を踏まえ、2023年度の正味加入件数を、当初計画のプラスマイナス0からマイナス8万件に修正しました。ただし、下期は純増に転じる計画です。
また、売上高は会員収入の減少などを見込むものの、WOWOWコミュニケーションズが買収したフロストインターナショナルコーポレーションの売上高が下期より連結されることなどによって、当初計画と比べて増収となる見込みです。
経常利益は減益の計画です。これは、下期の会員数をプラスにするための戦略的な番組費の投下によるものです。NBA、「Paramount+(パラマウントプラス)」、大型音楽ライブなど、当初計画を上回る番組費を投下します。
後ほどコンテンツや施策をご紹介しますが、まずは第2四半期の数字の詳細を経営管理統括の尾上からご説明します。
2023年度第2四半期決算 加入状況
尾上純一 氏(以下、尾上):経営管理統括の尾上です。よろしくお願いいたします。スライド14ページの配当計画まで、私がご説明します。
まずは加入状況です。2023年度第2四半期の新規加入件数は29万6,000件と、前年同期と比べ1万5,000件増加しています。解約件数は38万件と、前年同期に比べ3万8,000件増加しました。
新規加入件数はほぼ想定どおりに獲得できましたが、解約件数は配信サービスとの競争の激化に加え、目的番組終了などによる解約が増えたことなどにより、当初の想定よりも増加しています。
結果として、正味加入件数は8万4,000件の純減となり、前年同期に比べ2万3,000件減少しました。また、累計正味加入件数は247万6,000件と、前年同期に比べ14万4,000件の減少となりました。
なお、先ほどご説明したとおり、新たな取り組みとして、サッカーのシーズンパスを販売しました。「WOWOW」をお楽しみいただいているお客さまは、ご説明した加入件数に、シーズンパスを購入されたお客さま1万1,000件が加わります。
2023年度第2四半期決算 収支状況(連結)
連結の収支状況です。前年同期と比べ、減収減益となりました。売上高は366億1,400万円で、前年同期比18億4,800万円の減収、経常利益は14億6,700万円で、前年同期比5億9,800万円の減益です。
また、特別損失として減損損失7,000万円、投資有価証券評価損1億100万円を計上しています。
「WOWOWオンデマンド」のコンテンツ管理システムを開発していましたが、開発後に利用を開始したクラウドサービスのほうが経済的なメリット等があったため、開発を中止しました。そちらが減損損失の主な要因となっています。
また、投資有価証券評価損は、出資している会社の業績を踏まえ、減損処理を行ったことにより発生しました。
セグメント別連結売上高/営業利益対比
セグメント別の状況です。メディア・コンテンツセグメントは、主にお客さまからの視聴料である会員収入が売上高の多くを占めています。
売上高は、加入者数の減少により会員収入が前年同期と比べ14億3,000万円減少したことなどによって、14億2,300万円の減収となりました。
営業利益は売上高の減少などにより、前年同期と比べ7億1,100万円の減益となりました。
テレマーケティングセグメントは、連結子会社のWOWOWコミュニケーションズにおける事業です。売上高は、グループ外のテレマーケティング業務が減少したことなどにより、前年同期と比べ5億5,100万円の減収となりました。
営業利益はグループ外の売上減少に加え、8月に実施したフロストインターナショナルコーポレーションの買収による取得費用8,100万円を計上したことなどにより、3億8,400万円の減益となりました。
連結経常利益 前年同期との差異要因
連結経常利益の差異要因です。スライド左側が利益の増加要因、右側が利益の減少要因となります。
増加要因として、為替差損益が前年同期と比べ4億5,100万円改善しました。前年同期は急激に円安に振れたため、年度末に計上していた外貨建て買掛金の評価損が発生し、為替差損を計上しました。しかし、当第2四半期は為替差益の計上となったことにより、利益が増加しています。
広告宣伝費は前年同期と比べ2億7,100万円減少しました。こちらは主にテレビCMの減少などによるものです。
ネット運用費は、「WOWOWオンデマンド」などの運用・保守に関する費用です。前年同期は、この「WOWOWオンデマンド」のアプリ刷新にかかわる費用があったため、当第2四半期は減少しています。
その他は、ケーブルテレビなどに支払う手数料や販売促進費などの減少が主な要因です。
減少要因として、会員収入が14億3,000万円減少しました。また、グループ会社の収支は3億8,100万円悪化しています。こちらは、テレマーケティングセグメントにおいて、グループ外の業務が減少したことに加え、先ほどご説明した企業買収に伴い、取得費用として8,100万円を計上したことなどによるものです。
また、番組費は1億3,400万円増加しています。
番組費の推移
番組費の推移です。2023年度第2四半期は、ハリウッドメジャー映画のヒット作を多く放送・配信したことや音楽番組を強化したことなどにより、前年同期と比べ1億3,400万円増加しました。
2023年度 加入計画(2023年10月31日公表値)
2023年度加入計画です。年間の正味加入件数を当初計画のプラスマイナス0件からマイナス8万件とします。上期において配信サービスの競争激化や目的番組終了による解約が増加したことの影響は大きく、年度内の当初計画の達成は見込めないと判断し、加入計画を修正しました。
しかしながら、下期はバスケットボールリーグのNBAや「Paramount+」などの新たなコンテンツやサービスを積極的に拡充するとともに、さまざまな施策を実行します。詳しくは後ほどご説明します。
第2四半期と比べ新規、解約ともに数字を良化させ、正味加入件数をプラスに転じさせる計画となっています。
2023年度 収支計画(連結)(2023年10月31日公表値)
2023年度収支計画です。加入計画の修正に合わせ、収支計画も修正しました。売上高は加入計画の修正により、会員収入の減少などを見込んでいるものの、WOWOWコミュニケーションズが買収したフロストインターナショナルコーポレーションの売上が下期から連結されることなどにより、当初計画と比べ1億円の増加となる見込みです。
経常利益は、徹底的な業務の見直しによってコストの削減に努めます。しかしながら、会員収入の減少による利益減や、先ほどご説明したNBAや「Paramount+」などの新たなコンテンツやサービスを積極的に拡充することによる番組費等の増加などによって、当初計画と比べ、9億円の減少となる見込みです。
2023年度 配当計画(2023年10月31日公表値)
2023年度配当計画です。こちらは当初計画から変更ありません。1株あたりの配当は30円を計画しています。
<注目番組のVTRが流れる>
WOWOWオンデマンドで「Paramount+」を提供開始
田代秀樹氏(以下、田代):コンテンツ・クリエイティブ統括の田代です。VTRにもありました、「Paramount+」と今後の注目番組について私からご説明します。
先日発表しましたが、「WOWOWオンデマンド」では12月から新たに「Paramount+」の提供を開始することになりました。「Paramount+」は世界的に急成長を遂げているプレミアムサービスの1つで、世界45カ国で事業展開し、加入者数は6,100万人を超えています。
CBS、SHOWTIME、パラマウント・ピクチャーズ、MTVなど、世界的に有名なブランドや制作スタジオの作品からなるパラマウントオリジナルシリーズです。
これにより、ヒット番組、人気番組、人気映画などの多様なコンテンツを「WOWOWオンデマンド」を通じ追加料金なしで視聴することが可能となります。
「Paramount+」は豊富なラインナップ
12月にサービスの提供を開始する時点でのラインナップの一部をご紹介します。映画では『トップガン』『ミッション:インポッシブル』『トランスフォーマー』『ローマの休日』『ゴースト/ニューヨークの幻』といったハリウッド映画の大ヒット作や名作が続々と登場します。
海外ドラマでは、シルヴェスター・スタローン主演の新作クライムドラマ「タルサ・キング」を独占でお届けするほか、「NCIS」シリーズ、「グッド・ワイフ」「デクスター」「ツイン・ピークス」などの大ヒットドラマを、圧倒的なボリュームで配信します。
その他にも「パウ・パトロール」「サウスパーク」「スポンジ・ボブ」といった人気アニメや、全米で大ヒットしたリアリティーショー、ドキュメンタリー、「MTV」のライブコンテンツなど、多彩かつプレミアムなラインナップが続々と登場します。ぜひご期待ください。
NBA(2023-2024シーズン)を放送・配信
6シーズンぶりに世界最高峰のバスケットボールリーグNBAの放送・配信がスタートしました。
NBAの名門、ロサンゼルス・レイカーズに所属する八村塁選手、今シーズンから強豪のフェニックス・サンズに移籍した渡邊雄太選手はもちろん、ワールドカップで話題になった世界のスターが集うNBAを、毎週最大7試合のボリュームでお届けします。
また、渡邊雄太選手とは「WOWOW NBAアンバサダー」契約を締結しました。今後「WOWOW NBA」の顔となる渡邊選手とともにバスケットボールの魅力をお届けします。
人気アーティストの最新ライブを独占放送・配信
第3四半期は、人気アーティストの最新ライブが充実しています。
B'z結成35周年を記念した特集を5月からお届けしていますが、その締めくくりとして11月に全国ツアーファイナル公演の模様を全曲ノーカットで独占放送・配信します。
さらに、YOSHIKI、HYDE、SUGIZO、MIYAVIといった奇跡のメンバーが集結したTHE LAST ROCKSTARSのアメリカ・ロサンゼルス公演を独占放送・配信で生中継します。
そして、矢沢永吉の通算150回目となる記念すべき武道館公演も独占生中継でお届けします。
WOWOWオンデマンドPPVを提供開始等
横山誠一氏:メディア事業統括の横山です。私からは、マーケティング施策の強化についてご説明します。
収益機会と付加価値の高いコンテンツ体験を創出するため、「WOWOWオンデマンド」に新たに「WOWOWオンデマンドPPV」を実装し、9月1日からサービスの提供を開始しました。
サービス提供同日に販売を開始した「UEFAチャンピオンズリーグ UEFAヨーロッパリーグ - 2023-24シーズンパス -」は、購入したお客さまの約4割がこれまで「WOWOW」に加入したことがない新規のお客さまでした。
この結果から、我々は非常によい手応えを感じています。今後は同様の商品開発を検討していくことに加え、スポーツや音楽ライブなど、他では見られないコンテンツを豊富にラインナップしていく方針です。
また、昨年「Amazon Fire TV」から「WOWOW」への加入が可能になったことに続き、2023年9月28日よりAppleの「App Store」経由で「WOWOW」の契約が可能となりました。今後もお客さまのニーズやライフスタイルに合わせ、さまざまな取り組みを行っていきます。
IPビジネスの強化
井原多美氏:事業統括担当の井原です。よろしくお願いいたします。私からはメディア事業以外の活動についてご説明します。
この度、収益拡大の新たなる一手としてIPビジネスの強化を行います。第1弾として韓国の芸能事務所、KQ Entertainmentに所属するボーイズグループxikers(サイカース)の日本での単独公演の放送・配信に加え、興行、物販、協賛の利用許諾を取得しました。
xikersは最初のミュージックビデオが22時間で1,000万再生を超えるなど、無限の可能性を持つアーティストです。K-POP関係者の間では、パフォーマンスとスター性を合わせて大きく期待できるグループだと、注目を浴びています。今後、日本での活躍をともに盛り上げていきたいと思っています。
シリーズ累計2,500万部突破のベストセラー漫画「ゴールデンカムイ」を実写映画化
当社が製作主幹事を務める映画『ゴールデンカムイ』が、来年1月19日より全国劇場公開となります。
先ほどのVTRで予告編をご覧いただきましたが、ゴールデンカムイはシリーズ累計2,500万部突破のベストセラー漫画であり、今回が待望の実写化です。日露戦争終結直後の北海道を舞台に、アイヌ民族の莫大な埋蔵金を巡って、一癖も二癖もある個性豊かなキャラクターたちが金塊争奪戦を繰り広げる、壮大なサバイバルアクションとなっています。
8月30日のキャスト発表のリリース時には、「X」でのインプレッションが4億回を超えるという記録を達成しました。そのうち、ポジティブな反応が80パーセントを超えたことに加え、ファンベースがしっかりとある期待のコンテンツのため、当社でもプッシュしていきます。本作にぜひご期待いただければと思います。
テレマーケティングセグメントの強化
山本均氏:経営戦略統括の山本です。8月に実施したM&Aについて、私からご説明します。
当社の連結子会社であるWOWOWコミュニケーションズは、コールセンター事業等を行っているフロストインターナショナルコーポレーションを買収しました。
このフロストインターナショナルコーポレーションを当社グループに迎え入れることにより、テレマーケティングセグメントのさらなる成長と事業価値の最大化が見込めると判断し、株式取得を決定しました。
クライアントやターゲット業界等に重複部分はなく、営業活動、運用ノウハウなどはWOWOWコミュニケーションズとの相互補完が可能です。
質疑応答:ハリウッドでのストライキによる影響について
質問者:ハリウッドでストライキが続いていますが、こちらが貴社に与える影響を教えてください。
田代:具体的な作品名はまだ言えませんが、実際に日本に入ってくる作品が遅れるケースが出ています。現在はひとまず、今後の先方の展開に注目しながら待っている状況です。
質疑応答:業績予想修正後の売上高と経常利益の増減要因について
質問者:業績予想について、修正前と修正後の計画を比較した上で、売上高と経常利益の増減要因の解説をお願いします。可能であれば想定されている金額を、難しければ要因ごとの対処のイメージを教えてください。
尾上:ご指摘の業績修正について、連結の売上高は当初計画に対して1億円の増加、経常利益は9億円の減少となっています。まず単体の要因といたしましては、加入が計画よりも下振れたこと。これにより会員収入と利益が減少となったことが大きな要因です。
一方で、連結におきましては、単体の影響はあるものの、先ほどご説明いたしましたフロストインターナショナルコーポレーションの売上高が下期に連結されることなどにより、当初計画と比べ1億円の増収となる見込みです。
具体的な金額については明言を避けますが、これまでの実績値はスライドに記載している数字の約半分程度と思っていただければと思います。
一方、利益につきましては、徹底的な業務の見直しにより、コスト削減に努めるものの、会員収入の減少による利益減や、下期の正味加入件数をプラスに転ずるために、新規コンテンツを積極的に拡充することで番組費が増加となることなどにより、前回予想と比べ9億円の減益となる見込みです。
田中氏からのご挨拶
田中:本日は決算説明会にご参加いただきまして、ありがとうございました。最後に私から、2023年10月18日にリリースしました業務委託先での個人情報等漏えいについてご報告します。
すでに報道でもご存じだと思いますが、当社が過去に実施したテレマーケティングの業務委託先であるNTTマーケティングアクトProCX社において、個人情報等の漏えいの恐れがあることを公表しました。
お客さまには大変ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。今回、漏えいした可能性がある情報に決済情報が含まれていないため、今後もクレジットカードが不正に利用されるといった金銭的な2次被害が生じる可能性はないと考えています。
今回の件は6年、7年前の事案につき、当社の個人情報の保有期間を過ぎており、NTTマーケティングアクトProCX社から報告を受けた漏えい期間のデータと突合ができない状況です。みなさまにはご理解いただければと思います。
昨日までのお客さまからの問い合わせ件数は37件となっており、ここ1週間はその問い合わせも少なくなってきている状況です。
当社としては今回の事態を厳粛に受け止め、同様の事態を再び発生させないよう、業務委託先の監督を含め、個人情報管理体制の一層の強化を図っていきたいと思っています。お客さまに多大なご迷惑、ご心配をおかけしたことを重ねてお詫び申し上げます。
本日はご参加いただきまして誠にありがとうございました。