2024年3月期 第2四半期連結決算ポイント

内藤功氏(以下、内藤):アートネイチャーの内藤です。本日は、当社のWeb決算説明会をご視聴いただき、誠にありがとうございます。

まず、2024年3月期第2四半期決算の概況についてご説明します。上期決算のポイントとしては、スライド上段の表の左から2つ目の赤色の枠のとおり、前年同期比で減収減益という結果に終わっています。表には記載していませんが、計画との対比では、売上高は若干の未達、営業利益はほぼ計画どおりの着地でした。

スライド下段のグラフは、売上高と営業利益率の四半期ごとの推移を示しています。コロナ禍の影響により一度大きく落ち込みましたが、それ以降、多少の凹凸はあるものの堅調に推移している状況です。

2024年3月期 連結業績計画に対する進捗状況

スライドの表は、年間計画に対する進捗状況を示しています。売上高と売上原価に関してはほぼ同水準の進捗です。販管費については広告費等を中心に抑制的に運営できており、営業利益以下の項目は5割をやや超える進捗となっています。ご覧のとおり、今年度も概ねここまで順調に進捗していると思っています。

決算の詳細については、説明会の後半に本多からご説明します。

中期経営計画主要テーマの進捗

ここからは、今年度を初年度とする3ヶ年の中期経営計画「アートネイチャー Advance プラン」の進捗についてご説明します。

主要テーマは、「価値創造」「サステナビリティ推進」「市場との対話」の3つです。各進捗状況はスライドの右側に記載しているとおりですが、この後、一つひとつ、順を追ってご説明していきます。

価値創造①(男性向け/女性向け事業)

「価値創造」のテーマからご説明します。先ほど売上高が若干未達で減収とお伝えしましたが、売上高を伸ばすことができなかった主因は、オーダーメイドウィッグの新規販売が苦戦を強いられたことだと考えています。

苦戦した要因は2つあります。1つ目は外的要因だと捉えています。世の中全体の流れの中で、コロナ禍が落ち着いてきたことを受け、旅行や外食などの消費が優先的に行われ、結果として、私たちの手がけるようなウィッグは後回しになっているのではないかと考えています。

加えて、これまでレディースの業績をけん引してきたレディースオーダーメイドウィッグ「フィーリン」の反響が落ち着いてきていることも影響していると考えています。

2つ目は内的な要因で、メインターゲットに向けた諸施策に工夫の余地があったのではないかと反省しているところです。

価値創造②(女性向け既製品事業)

オーダーメイドウィッグの新規販売が苦戦を強いられた一方で、女性向け既製品ウィッグ「ジュリア・オージェ」の販売は好調に推移しました。

こちらも要因は2つあります。1つ目は主に外的な要因で、当社が出店している商業施設や百貨店、モールの来館客数が非常に増えており、私たちのお店に来店されるお客さまによる既製品ウィッグの試着数が増加してきていることが考えられます。

2つ目は既製品の事業において、今期から既存のお客さまに対するリピート販売に注力していこうと、さまざまな施策を行ってきましたが、そちらが少しずつ手応えを見せてきているものと考えています。

このような要因から「ジュリア・オージェ」の販売が好調に推移し、スライド右下のグラフに記載しているとおり、コロナ禍前の水準を大きく上回る数字を出すことができました。

サステナビリティ推進①(気候変動・人権尊重・人的資本)

「サステナビリティ推進」について、2点ご説明します。1点目は、持続可能な社会の実現を目指して、何点かの施策を実施してきました。「気候変動」に関しては、2023年5月に「TCFD」への賛同を表明し、粛々と準備を進めているところです。「人権尊重」に関しては、2023年4月に「アートネイチャーグループの人権基本方針」を制定し、ホームページで開示しています。

また、昨今の物価上昇に対応するために、社員、従業員に対する基本給のベースアップを実施するなど、さまざまなかたちでサステナビリティへの取組みを進めているところです。

サステナビリティ推進②(新工場の設立)

「サステナビリティ推進」の2点目についてお話しします。持続的な企業価値向上を目指すべく、バングラデシュに新工場を設立することを2023年9月に発表しました。

新工場設立の目的は、大きく2つあります。1つ目は、生産リスクの分散です。現在、オーダーメイドウィッグの生産はフィリピン1ヶ国に集中しているため、自然災害や政治リスクなどフィリピンのカントリーリスクにさらされています。このような生産リスクへの備えが必要だと考えました。2つ目は、今後の事業拡大を見据えての生産ラインの確保です。

この2つの観点から、バングラデシュの新工場設立を決めました。東南アジア諸国を含めて比較検討し、労働力確保の問題や、コスト全般などを総合的に勘案してバングラデシュが最適だと判断しました。

今年度は、工場建設の着手までは至らない予定のため、業績に与える影響は軽微だと考えています。

市場との対話(上場市場の変更)

中期経営計画の主要テーマの進捗に関するご説明の最後は、「市場との対話」です。最初にご報告しなければならないのは、2023年9月12日にプライム市場からスタンダード市場への市場変更を決議し、2023年10月20日に市場変更されました。

市場変更を選択した理由は、上場維持基準の1つである「1日平均売買代金」の基準を満たさない状況が続いており、プライム市場にいる限り上場廃止のリスクが懸念されることと、株主のみなさまが当社の株式を安心して売買できる環境を確保した上で、中長期目線で持続的な企業価値の向上を目指していくためです。

なお、スタンダード市場に変更しましたが、2023年3月に公表した改善計画書の取組みは今後も継続します。配当方針、情報開示については、後ほどご説明します。

2024年3月期 通期連結業績計画①

2024年3月期通期計画についてご説明します。通期計画としては、業績予想の修正はしていないため、期初に開示したとおりです。3期連続の増収増益を目指すという計画に変更はありません。

2024年3月期 通期連結業績計画②

スライドには、通期計画と下期の取組み等をピックアップしています。上段のグラフは売上高と営業利益に関するもので、上期は実績値、下期は通期と上期の差額を青色の棒と赤色の枠で示しています。

売上高は、下期は上期と比べて増加させます。前年に比べてもやや高い数字を計画しています。これからウィッグが本格的に売れる時期になってきます。秋冬向けの新商品の発売を起爆剤として女性向け事業を中心に注力し、売上高を拡大していこうと考えています。

営業利益は、売上高の拡大を受け、前期よりも伸びる想定です。上期とはほぼ横ばいの水準ですが、このくらいの数字で今期の計画を達成していく考えです。

費用については、為替の影響や経営資源の集中投下の継続なども加味して、今回の計上としています。

計数目標(財務)

中期経営計画における主な経営指標についてご説明します。主要指標としては売上高、経常利益率、ROEの3つを掲げており、この表に記載しているとおりです。

また、表の一番下に赤い点線で示しているのが、今回新しく開示した資本コストです。私たちなりの資本コストの計算方法については、参考資料の最後のページに記載しています。後ほどご確認いただければと思います。

ご覧いただいているとおり、前中期経営計画の1年目は、コロナ禍の1年目のタイミングでもあり、ROEと資本コストの差であるエクイティスプレッドはマイナスからスタートしたものの、2年目はプラスに転じ、それ以降、着実に上昇してきている状況です。

エクイティスプレッドのプラスを維持、拡大し、ROEは早期に10パーセントに到達させることが中期経営計画における目標となっています。

株主還元

最後に株主還元についてご説明します。株主還元については、従来から「安定的かつ継続的な配当の維持に努める」という基本方針を出しており、安定配当を継続してきました。

今回、新たに配当方針を設定しました。その内容は、スライドの表の上段に記載しているとおりです。この考え方に基づいて、今年度は中間配当として14円、期末配当は19円、通期で33円とすることを配当予想として公表しています。

2024年度以降に関しては、中期経営計画の達成を前提に、スライドの赤枠に記載しているような考え方で配当することを予定しています。

以上で、私からのご説明を終わります。続いて、経営企画部の本多より、決算の詳細をご説明します。ご清聴ありがとうございました。

2024年3月期 連結損益計算書の概要

本多敏男氏(以下、本多):アートネイチャーの本多です。それでは、当期決算の計数面を中心にご説明します。

まず、2024年3月期連結損益計算書の概要です。第2四半期は、前年同期比で減収減益でした。売上高は前年同期比でマイナス0.1パーセントの212億7,000万円、売上原価は前年同期比でプラス2.8パーセントの69億8,600万円、原価率は前年同期比でプラス0.9ポイントとなりました。

販管費は前年同期比でプラス2.0パーセントの123億7,000万円、販管費率は56.9パーセントから58.2パーセントに1.3ポイント上昇しました。

利益項目は、為替変動や物価高の影響により、前年同期比では減益となりましたが、年間計画に対しては概ね計画どおりに進捗しています。営業利益は前年同期比でマイナス19.3パーセントの19億1,400万円、経常利益は前年同期比でマイナス17.3パーセントの19億6,300万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比でマイナス17.4パーセントの12億800万円となりました。

また、設備投資は約7億円となっています。

2024年3月期 第2四半期 連結経常利益の増減要因

第2四半期の連結経常利益の増減要因です。スライド左側のオレンジ色の部分が利益のプラス要因で、プラス0.8億円でした。スライド右側の紫色の部分が利益のマイナス要因で、売上原価や人件費の増加によりマイナス4.8億円となり、経常利益は前年同期比でマイナス4.1億円の19億6,300万円となりました。

主要商品の月次売上推移(前年同月比)

主要商品の月次売上推移です。毎月開示している月次売上状況から、直近3年間の主要商品売上高の前年同期比をピックアップしたものです。

赤色の線は今期、青色の線は前期、緑色の線は前々期を示しています。おおよそのトレンドをこちらでご確認ください。

スライド右上の主要商品売上高の表のとおり、上期は男性が97.6パーセント、女性が97.8パーセントと、男女ともに前年同期を下回る結果となりました。

月次延べ来店顧客数(前年同月比)

月次延べ来店顧客数の推移です。毎月開示している延べ来店顧客数から、直近3年間の推移をピックアップしています。グラフの見方は前のページと同じです。スライド右上の来店顧客数の表のとおり、上期は男性が99.4パーセント、女性が103.1パーセントとなりました。

女性の来店顧客数は着実に増加していますが、新規販売の苦戦や記録的猛暑などの影響もあり、昨年ほどの伸び率は示していません。

中期経営計画「アートネイチャー Advance プラン」戦略方針

こちらのスライドには、当社の中期経営計画「アートネイチャー Advance プラン」の戦略方針を記載しています。当社は、業績と毛髪業界シェアを拡大させ、国内マーケットリーダーとしてのポジションを確立するとともに、新領域の事業を獲得・拡充することを戦略方針としています。

商品・サービス別 上期売上高(単体/男性)

単体の男性向け商品・サービス別上期売上高です。男性向け事業は若年層に向けた対応が不十分であったため、増毛商品の新規販売は苦戦しました。リピート販売は、商品サービスごとに若干凹凸があるものの堅調に推移しています。

事業別戦略(男性向け事業 下期取組み)

男性向け事業の下期取組みです。上期の新規販売の不振を挽回すべく、新商品の導入に加え、新しいCMキャラクターによるプロモーションを開始しました。

また、10月に発表した繊維化学メーカーの技術を活用したウィッグも今後導入を予定しています。今後も他社にはない特徴を持った魅力的な商品で、他社との差別化戦略を推進していきます。

商品・サービス別 上期売上高(単体/女性)

単体の女性向け商品・サービス別上期売上高です。女性向け事業は、男性向け事業と同様に、新規販売で苦戦しました。新規販売の苦戦の要因には、ヒット商品であるオーダーメイドウィッグ「フィーリン」の販売が落ち着いてきたことなどが挙げられます。リピート販売は、男性同様に堅調に推移しています。

女性向け既製品事業「ジュリア・オージェ」の販売は、前年同期比で2桁成長を達成するなど、好調です。アフターコロナになり商業施設の集客が増え、オーダーメイドウィッグと同じタレントを使ったプロモーションの効果、店舗の販売体制の強化などが功を奏しました。

事業別戦略(女性向け事業/既製品事業 下期取組み)

女性向け事業および女性向け既製品事業の下期取組みです。下期は、ターゲットとする女性の外出のきっかけとなるイベントも増えてくる時期ですので、女性向け事業では、おしゃれ目的の顧客層に向け、しっかりと新商品をプロモーションしていきます。

また、モバイルを活用した新たなコミュニケーション施策や、オンラインを活用した商談ツールの導入など、新規販売の増加に向けた取組みを積極的に展開していきます。リピート販売では、「フィーリン」初期モデルの発売から2年が経過し、買い替え需要の獲得に注力していきます。

女性向け既製品事業では、女性向け事業との事業間連携をさらに強化し、女性向け事業全体で売上の拡大を目指していきます。

2024年3月期 通期連結業績計画

最後に、2024年3月期通期連結業績計画です。当社は、業績拡大に向けたさまざまな活動を積極的に推進し、下期は前年同期比増収増益とし、売上高は447億円、営業利益37億円の3期連続の増収増益を維持します。

以上でご説明を終わります。

質疑応答:上期が減収減益となった要因について

司会者:「上期が減収減益となった要因を教えてください」というご質問です。

内藤:先ほどのご説明と若干重なる部分がありますが、ご容赦ください。減収の要因に関しては、オーダーメイドウィッグの新規販売が苦戦したことだとお伝えしました。その要因は2つあり、外的要因は新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴う影響です。こちらについては、これ以上はご説明しません。

一方、内的要因については、メインターゲット向けの施策が不振であったとご説明しました。男性向け事業では、この上期に若年層のお客さまを中心としたプロモーションを行ったのですが、そちらがなかなかうまく刺さりませんでした。逆に言えば、その分中高年齢層のお客さまへのアプローチが少し弱くなってしまったことが、業績全体の不振につながったのではないかと反省しています。

女性向け事業では、時代の流れに伴い、お客さまへのアプローチ方法が、従来のお電話中心でのご連絡から、スマートフォン、インターネットを中心としたお問い合わせに徐々にシフトしてきています。このようなものに対する取り扱いが少し弱かったのではないかという課題を残したと思います。新規は苦戦しましたが、リピート販売に関しては、男女ともに堅調に推移しました。

また、既製品事業は好調と言って良い状況でしたので、減収ではあるものの、上期は下期につながるかたちで着地できたと思います。一方、減益については、売上高の減少が主な要因ですが、売上原価、販管費が前年対比で若干増えたことも理由として挙げられます。

原価に関しては、為替が円安となったこと、物価高等で原材料が上がってきていることによるコストアップ要因があると思います。販管費は、いろいろな物価の高騰に加え、処遇改善ということで人件費を少し増やしているため、こちらも減益につながったと考えています。

質疑応答:業績予想の達成見込みついて

司会者:「業績予想を修正しないようですが、下期に挽回は可能なのか教えてください」というご質問です。

内藤:当社はもともと、上期よりも下期のほうが、売上高が伸びる傾向にあります。やはり暑い夏よりも秋冬にウィッグが売れるということで、今期もその大きな流れは変わらないと感じています。

これから、いわば最盛期を迎えるに当たり、下期はイベント等も多く準備していますので、当社としては、挽回は十分可能だと考えています。先ほど本多の説明にもありましたが、新規販売は、新商品の投入や、さまざまな販売促進策を展開する中で行っていきます。

男性向けのウィッグに関しては、外部の企業から非常に良い素材をご提供いただき、これを活かし、近々出していこうと思っており、このような楽しみな商材もできています。

女性向け事業も、スマートフォンやWebへの対応が少し弱かったという反省を踏まえ、着実に手を打っていますので、十分挽回できると考えています。

リピート販売は、上期は堅調に推移しており、下期もそれを受けて取り組んでいきます。例えば男性向けでは、従来はなかった定額制を導入する計画があること、女性向けでは、「フィーリン」が発売から2年経ち、買い替えのお客さまが少しずつ出てきていることが追い風になるのではないかと思っています。

既製品事業は、上期と同じように取り組んでいこうと思っています。昨年の下期も非常に順調に進んでいますので、伸び率で考えると若干落ちるかもしれませんが、引き続き伸ばしていこうと考えています。

利益に関しては、上期は概ね計画どおりに進捗していますので、これらを組み合わせることにより、ご説明した通期の計画を着実に達成していこうと考えています。

質疑応答:スタンダード市場への移行について

司会者:「スタンダード市場へ移行をする理由をもう少し具体的に教えてください」というご質問です。

内藤:変更の理由は、1日平均の売買代金が上場維持の基準を満たさなくなっているためです。このままプライム市場にいると、上場廃止のリスクが出てきます。

逆に、この1日の平均の売買代金を増やすことに目が行き過ぎると、経営としてはやや本末転倒になると考えています。当社としては、市場がスタンダードに移行しても上場企業というステータスは引き続き維持できるため、上場企業のメリットとしては大きな変化はないと思っています。

総合毛髪企業における唯一の上場企業である、ということが、お客さまから信頼していただける1つのポイントになっていると思っています。また、上場企業というステータスを維持することで、より高い水準のガバナンスを求められるため、健全な企業価値の向上につながると考えています。

さらに、非上場企業ではないことが、優秀な人材の確保にもつながってきていると思っています。今のところ、特にデメリットはあまり考えていません。大きな変更もなく進むのではないかと思っています。

9月に市場変更を発表したタイミングが、ちょうど配当方針制定を発表したタイミングでもありました。実はその日以降は非常に売買が膨らんでおり、9月後半だけで見ると、基準を満たしている状況です。しかし、長い目で見て、売買代金という縛りから離れて企業価値の向上を目指していくため、市場を変更しました。ご理解いただけたら幸いです。

質疑応答:バングラデシュの新工場設立が今後の業績に与える影響について

司会者:「なぜバングラデシュに新工場を設立するのでしょうか? 今後の業績への影響も踏まえて教えてください」というご質問です。

内藤:2020年の3月から5月にかけて、新型コロナウイルス感染症の影響により、フィリピンにある自社工場が稼働できないことがありました。その時から生産リスクの分散が必要だと考えていました。

そこで、候補地となる国や地域をいろいろと分析し、トータルで見てバングラデシュが良いのではないかと判断した次第です。

バングラデシュという国は、そもそもの人口が多く、他の東南アジアの周辺国に比べると、若い方の労働力も非常に豊富で、政治的にも安定しています。また、国民性は非常に親日的です。実は当社と取引がある製造委託先がバングラデシュに存在しており、ウィッグの製造に関して言うと地の利もあり、協力関係の構築も可能な国だと考えました。そのような中で、ちょうど良い投資物件があり、バングラデシュへの進出を決断しました。

上期は円安が進展し始めており、非常に厳しいタイミングではありましたが、この機会を逃すと次はいつになるかと考え、今回決断したということです。

今期の業績への影響はほとんどないのですが、これから実際に工場の建設が始まり、工場が稼働します。工場の稼動前から少しずつ社員を雇う必要があり、特に工場のライン業務については、技術的な指導なども実施していかなければならないので、事前にコストがかかります。

また、実際に立ち上がってからも技術を習得するまでには時間を要します。そのような意味ではトータルの原価に影響が出てくると考えています。

ただし、長期的に見ていくと技術習得の問題もクリアし、また、現在外部に委託しているものを内製化して自社生産の比率を高めることで、コストも十分抑制でき、ペイできる投資案件になるのではないかと判断しました。

来年度以降の損益計画は見直します。為替の動向等がかかわりますので、これから考えていきます。

質疑応答:配当方針の新設について

司会者:「初めて配当方針を新設することになった背景などを教えてください」というご質問です。

内藤:今年の3月に改善計画書を発表しました。4項目記載しているうちの1つに「追加的な株主還元策について検討する」という項目があり、それを受けて社内で長らく検討してきました。

まず、株主還元策について、どのような還元方法があるのかを検討したところ、株主平等の観点から「やはり配当である」と思い至り、配当についてもう一回考え直すこととなりました。

配当方針については、すでにご確認いただいていると思いますが、「まずは現在の株主さまへの配当水準は維持しつつも、配当性向を設定することで増配をする余地を設けたい」という考え方です。

また、ROEを当社の主要な経営指標の1つに定めていますので、ROEを高めるという観点も含めて配当性向を設定しました。

連結配当性向40パーセント以上を基本に据えつつも、ROEが10パーセントに到達するまでは、連結配当性向50パーセント以上の目線でいることで、株主さまへの配当プラスROEの上昇を狙っていきます。

株主還元等も含めて、改善計画書に記載したものについては、スタンダード市場に変更となってからも、残りの3項目も含めて引き続き追求していく姿勢は変わりません。株主還元等についても、いったんこのようなかたちで行いましたが、内外の環境等を考慮し、大きな課題として検討を重ねていきます。

質疑応答:「フィーリン」の今後の成長率について

司会者:「『フィーリン』の今後の成長率について、どの程度の新規購入増加を想定されていますか?」というご質問です。

本多:「フィーリン」は現在、4世代目を販売しており、常に改良を加えています。そのため、相応に反響をいただいており、今後も成長していけると考えています。

「フィーリン」というシリーズを常に販売するかたちをとっていないため、当社としては商品開発力を活かして、新しい商材を常に開発しています。

そのため、新規の購入者は、「フィーリン」および、これから投入していく新たな商材によって増やしていきたいと考えています。「フィーリン」同様に、爆発的なヒット商品を生み出せるように、日々努力しているところです。

下期の後半になるかもしれませんが、新たな商材を検討しており、その商材によって、引き続き新規購入者数を伸ばしていきたいと考えています。

質疑応答:広告投資の費用対効果と今後について

司会者:「御社のテレビCMをよく見かけます。費用対効果の状況と、今後の広告投資の考え方について教えてください」というご質問です。

内藤:テレビCMをご覧いただき、ありがとうございます。私たちは、広告費を売上高の20パーセント以内に抑えることを基本として、長く運営をしてきています。最近は15パーセントから16パーセントくらいで推移している状況です。全体の広告投資額は、今のところ、この方針を堅持していこうと考えています。

費用対効果については、当然、お客さまを導入する一番大きな入り口ですので、どの時間帯に、どの番組で流れたテレビCMでどのような反響が得られているのか、厳密な効果検証を行っています。テレビCMだけではなく、雑誌や新聞などにも出稿しています。出稿した広告に対し、お客さまがどのように反応されているかを分析し、費用対効果が最も高いところに注力するなど、毎日改善を重ねています。

また、お客さまを導入する元となるのはインターネットです。私たちのホームページをご覧になる方も多くいらっしゃいます。

当社に興味を持たれたお客さまに、継続して関心を持っていただけるように、また、私たちの製品をご理解いただくにはどうしたらよいのかを日夜考えながら、ホームページなどを更新している状況です。

こちらは当社の業績にかかわる非常に大事なポイントですので、しっかりとした分析をした上で取り組んでいきたいと考えています。

質疑応答:薄毛人口の増加とウィッグ・増毛商品売上の相関性について

司会者:「薄毛人口の増加と、ウィッグや増毛商品の売上に相関性はありますか?」というご質問です。

本多:まず、薄毛人口に関する明確な統計を持ち得ていないため、相関性について、はっきり申し上げることはできません。

私たちも、現代はストレス社会となっており、若い方でも髪の毛への影響を受けている方が多くなってきていると考えています。

また、高齢になっても、アクティブに動かれる方が大変多くなってきていると認識しています。そのような意味では、当社の商材であるウィッグや増毛商品をお使いいただける層が、大変幅広くなってきていると感じており、裾野も広がってきていると見ています。

さらに最近では、ウィッグや増毛商品の他にも育毛や医療的な用途で発毛剤をお使いになる方も増えているため、そのような方々を含めますと、かなりの人数に上っていると考えています。

当社は総合毛髪企業として、あらゆる分野に進出しており、それを武器にトータルで新しいお客さまを取り込んでいきたいと考えています。

質疑応答:ウィッグ装着への意識の変化について

司会者:「ウィッグ装着への意識の変化について、足元の状況、今後の見通し、それらを踏まえた御社の戦略を教えてください」というご質問です。

内藤:ウィッグ装着への意識の変化ということですが、おそらく男性と女性ではずいぶん考え方が異なると思います。

まず、男性に関しては、これまではどちらかというと毛髪に対するお悩みを持っていらっしゃる方が、ウィッグあるいは増毛に取り組まれることが多かったと思います。

昨今は、増毛やウィッグだけではなく、いわゆる発毛剤を使うような医療的な用途も増えています。そのような意味では、いろいろな選択肢があり、その中の1つとして、ウィッグが意識されている状況だと思っています。

男性は「一定の容姿を保っておきたい」とお考えになる方が多いです。そのような意味では、ウィッグを1回使っていただくと非常に安定的に毛髪を維持することができますので、ウィッグに対する需要は、これからも堅調に進んでいくと思っています。

一方、女性に関しては、毛髪に対するお悩みというよりは、おしゃれに近い感覚となっています。そのような意味では、ウィッグを使っておしゃれをすることへの抵抗感が、徐々に低くなってきているように思っています。高齢の方から若い方まで、特に若い方はウィッグを非常に気軽に着用されており、ウィッグがおしゃれの1つとして、定着しつつあると考えています。

私たちは、ハイエンドなオーダーメイドを中心としたウィッグを扱っていますので、若い方が気軽に使えるものではないかもしれませんが、グループ会社を通じて、より手が届きやすいウィッグなども準備しています。

このような取組みから、今後は抵抗感が低くなったウィッグに対する関心をさらに高め、私たちのウィッグを手に取っていただける機会が増えるように、グループ全体を挙げて、女性マーケティングに取り組んでいきたいと考えています。

質疑応答:2024年3月期通期計画の上振れ・下振れ要因について

司会者:「今回、2024年3月期通期計画は据え置きとされましたが、今後の上振れ・下振れ要因があれば教えてください」というご質問です。

本多:変動要因としては、当社のファンとなるお客さまの数が上回るか下回るかが、一番大きいと考えています。

想定を下回る状態に推移すれば、下方へ変動することもあり得ると考えています。当社としては、新規のお客さまを獲得し、さらに定着率を高めていくことに力を入れているところです。

その他の変動要因としては、スタイリストの人員数です。こちらをしっかり拡充していくことも、お客さまサービスを継続していくための大変重要な要素と考えており、採用の強化に取り組んでいます。

その他、利益面では、為替変動や最近の物価高などが変動要因になってくると考えています。